オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。

新着記事
アーカイブ

店舗情報

【GEEK通信】「ポリエステルストリングのスピン検証」
2021/08/29

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「ポリエステルストリングのスピン検証」
ポリエステルストリングのスピン性能について考察していきましょう。
2005年の研究結果(縦ストリングが大きく動くほどスピンがかかる)が出る以前は、摩擦抵抗が大きい方がスピンがかかると言われていて、実際に凸凹や多角形のストリングがスピンガットとしてナイロンもポリエステルも各メーカーから発売されていました。
現在は、ナイロンストリングの凸凹は減ってきましたが、ポリエステルは逆に星型やキャタピラ型など多様化してきています。
実際のスピンがかかる現象はインパクトで起こるスナップバックだったので、ナイロンよりポリエステルの方がツルツルしているのでスピンがかかりやすいことになります。
では実際にどれくらいポリエステルはスピンがかかるのでしょうか。
トラックマンなどでも度々データは取っていますが、同じ条件やデータ件数などまだまだ正確な数字は出ていません。
ところが既に国際テニス連盟(ITF)で、研究結果として発表されていたのです。
「ポリ系ストリングは、ナイロンよりも20パーセント、天然ガットよりも11パーセント
スピンが大きいことを発表した(2013年)
ITFは今後市場に出されるストリングを一つひとつテストするつもりである。」
ITFって凄いですね。ルールブックを作っているだけじゃないんですね。
40年以上前のことですが、縦横のストリングを交差させていない「スパゲティラケット」を使っているランキング下位の選手がトップの選手に勝ちまくるという出来事がありました。
交差してないので、ストリングはやたら動き、もの凄いスピンのかかったボールが生まれ、トップ選手でも対応できなかったのです。
ITFはストリングは交互に編んでいなければいけないとルールを作り、スパゲティラケットは使用できなくなりました。
滅多にないですが、ガット張り中に目が飛んでしまったときに、気づいたのですが、やたらストリングが動きます。
万が一目飛ばししたラケットを使ってしまったら違反ですのでご注意ください。

ポリエステルがスピンがかかるのはわかったのですが、どのアイテムがよりスピンがかかるのかヨネックスとダンロップのポリエステルを使ってトラックマンで計測しました。
ヨネックスのポリエステルでスピンに特化したポリツアーREVとポリツアースピンがあります。
ヨネックス社員の野原さんに協力してもらい、二人のデータを取りました。
YouTubeもあるので参考にしてみてください。
『YouTube動画はこちらから♪』
結果は私も野原さんもポリツアーREVの方がスピンがかかる結果になりました。
中居:ポリツアーREV 1195/rpm
ポリツアースピン 1172/rpm
野原さん:ポリツアーREV 3025/rpm
ポリツアースピン 2599/rpm
ポリツアーREVは8角形断面で、ポリエステルでは唯一SIF製法を用いています。
SIF製法とはシリコンを浸透させスナップバック機能を高めスピン性能を向上させる製法です。
ポリツアースピンは、5角形のストリングで、どのメーカーの多角形ストリングより角が鋭角で、ガット張りをしているときに指が痛くなるほどです。
この結果からも表面を滑らせる加工をした方がスピンがかかりやすいことがわかります。

次にダンロップのエクスプロッシブ3機種の比較をしてみました。
一緒にトラックマンをやってくれるのは、ダンロップマーケティングの藤枝さんです。
藤枝さんの得意なショットがバックハンドということで、自分もシングルバックハンドでチャレンジしました。
(動画あり)
データ取りの前の予想では、二人ともエクスプロッシブツアーがスピンが一番かかるとしていましたが、
結果は藤枝さんがエクスプロッシブバイトで自分はエクスプロッシブスピンが一番でした。
藤枝さん:エクスプロッシブバイト 1407/rpm
エクスプロッシブツアー 1320/rpm
エクスプロッシブスピン 1192/rpm
中居:エクスプロッシブスピン 1229/rpm
エクスプロッシブバイト 1119/rpm
エクスプロッシブツアー 982/rpm
エクスプロッシブツアーの柔らかさ、食いつきのよさからスピンが一番だと思ってしまいました。
藤枝さんは普段からエクスプロッシブツアーを使用しているので、いい印象を持っていたようでした。
データを取ってみると意外な結果でした。
丸ポリと多角形ポリでは、丸ポリの方が縦横の摩擦抵抗が少なく、スナップバックが大きくなると思っていたのですが、多角形ポリはスナップバックに加え、インパクトの瞬間に「ガリッ」とボールに回転をかけるプラスアルファがあるのかもしれません。
まだまだテストを続けていかないと答えは出ないと思います。奥が深いですね。

最後に、プリンスから発売予定の2種類のポリエステルを打ってみましたので、インプレしていきます。
ファントムプロとファントムタッチで二つとも丸ポリです。
プリンスのポリエステルは、5つのコアをくっつけたツアーXXスピンとか、内部にエラストマーが入ったストロー状のハリアーレスポンスとか、個性的なものが多い印象ですが、今回の2種類はポリエステルの王道を行っています。
ファントムプロは、最近流行りの柔らかいポリではなく、硬くて張りのあるパワー系のポリエステルです。
ライバルとしては、ルキシロン のアルパワーです。
昔からポリエステルが大好きと言う方ははまってしまうかもしれません。
ファントムタッチは、真逆の柔らかさが売りで、パワー、スピンを自在にコントロールできるストリングです。
ライバルはヨネックスのポリツアープロ、ゴーセンのGツアー3です。
9月発売予定ですのでお楽しみに。
【YouTube】~まったり解説~新ビースト・旧ビースト トラックマン測定しました
2021/08/23
【YouTube】~まったり解説~新ビースト・旧ビースト トラックマン測定しました
テニスギアの「モノ」や「コト」をインプレッションを交えてお届けする動画です。
ウインザースタッフが「ラケット」をはじめ「選び方」など、スタッフ兼プレーヤー目線で色々とご紹介していきます♪テニス用品における魅力をお伝えしてまいります!ぜひブログ・Facebook・Twitterなどにご使用ください。
-----------------------
こちらの動画ではプリンス【ビーストシリーズ】をご紹介します♪
■スペック情報や価格
>>>https://www.windsorracket.co.jp/blog/blog/b3818/
■合わせて読みたい【GEEK通信】
>>>https://www.windsorracket.co.jp/blog/blog/b4163/
■プリンス コスミックアイス
>>>https://bit.ly/3jYf3ZV
-----------------------
商品の在庫状況やお問い合わせなどはお近くの店舗までお問い合わせください。




 
【GEEK通信】「ニュービーストは前作を超えたのか、トラックマンでチェックしました」
2021/08/23

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「ニュービーストは前作を超えたのか、トラックマンでチェックしました」
プリンスから新しいビーストが発売されます。
前作が発売されたときは、性能の評価に加え真っ赤なデザインが衝撃的で、10年に一度の傑作と讃えました。
ヒットアイテムの次回作は大変難しく、どうやって前作を超えるか開発者は頭を悩ませます。
ニュービーストを見た時に、デザインはさらにカッコよくなっていると思いました。
前作はマットな赤でしたが、今作はグロスの赤とエンジと黒を絶妙に配しているのです。
高級感が漂います。
これで性能が良かったら、絶対買い換えます。

ということで、プリンス協力のもと、新旧ビーストをトラックマンを使って比較してみることにしました。
公平を記すために、同じストリング(ハリアーレスポンス)を張り上げました。
比較するモデルは、300gのO3と300gのトラディショナルです。
スピードとスピンで比較すると、
2019 ビーストO3 100スピード94.9kmスピン1535rpm
2021 ビーストO3 100スピード95.2kmスピン1703rpm
2019ビーストトラディショナル100スピード104.5kmスピン1369rpm
2021ビーストトラディショナル100スピード98.1kmスピン1372rpm
という結果でした。
O3はわずかに2021モデルが2019モデルを上回りましたが、トラディショナルでは、2019モデルの方が2021モデルを上回りました。
2019モデルは10年に一度の傑作と言ってきたので、こうゆう結果もあり得ると思います。
自分だけの試打では偏ってしまうこともあるので、女性スタッフ古賀にも、一切忖度なしで打ってもらいました。
その結果は、2021ビーストO3は2019モデルより、スピードで5キロ、スピンで150回転上回り、
2021ビーストトラディショナルは、2019モデルより、スピード6キロ、スピン300回転上回りました。

2021モデルには、DBという機種がラインナップに加わり、ベテランプレーヤーには懐かしく、若い世代には、新鮮に映ったと思われるダブルブリッジという機能か搭載されています。
自分の記憶では、シナジーDB26とかラフターが使っていたプレシジョンレスポンスに搭載されていたと思います。
縦ストリング6本がエラストマーにダイレクトで接触し、可動域が7mmほど縦糸の長さが長くなるので、パワーが上がりながら、打球感がマイルドになります。
トラックマンの結果は
2021ビーストDB 100 スピード105.1kmスピン1243rpm
とスピードが上がりました。
同じように、280gの3機種もデータを取ったところ
3機種ともに、300gの数字を上回り、2021ビーストDB100の280gが一番いい数字でした。
結果はスピード110.2kmスピン1232rpmでした。
もし、今使用しているプリンスエンブレム110より、
トラックマンの結果がよかったならば、潔くラケットを変えることになります。
過去、スリクソンREVO4.0→スリクソンCS10.0→スノワートビタス115→プリンスエンブレム110とラケットを変えてきたのは、すべてトラックマンの数字が上回ったからです。
できれば、エンブレム110はお気に入りなので、まだ
変えたくはないのですが、自分の中で決めたルール
「トラックマンは嘘をつかない」があるので、どんな結果であれ受け入れることになります。
エンブレム110の結果は、
スピード110.0kmスピン1448rpmでした。
スピードはビーストDB100(280g)が、わずかに上回りましたが、スピンは200回転以上エンブレム110が上回りました。
なんかホットしました。
でも待てよ、ビーストDB100(280g)は、ナイロンストリングのエンブレムタッチSFが張ってあって、エンブレム110はポリエステルのRPMブラストが張ってあったな。
国際テニス連盟(ITF)が、公表したストリングの違いによるスピンのかかりは、ポリエステルはナイロンより20%、ナチュラルより11%向上すると結論づけていました。

ということは、ビーストDB100(280g)にポリエステルを張ると、20%スピンがアップすることになります。
1232rpmが20%アップすると、1478rpmになり、
エンブレム110の1448rpmを上回ることになります。
というわけで、スピードもスピンもビーストDB100(280g)が上回りましたので、このラケットを購入することが決定しました。(泣)

翌日、ダブルスを4時間やったので、全てのラケットを実践で使ってみました。
ビーストDB100(280g)は、サービスもボレーもしやすく、ストロークのコントロールもよく、欠点はありませんでした。
特に、エンブレム110との違いはつき球が浮かずにネットスレスレを狙うことができ、リターンゲームでの展開がいつもより攻撃的でした。
O3タイプ、トラディショナルタイプ、DBタイプ3つの違いがわかってきました。
O3タイプは、スピンのかかりが一番よく、ストローク中心で安定感のあるテニスができ、サービスもスピン、スライスにキレが出ます。
風切り音が出るので、、好き嫌いが分かれることも。
トラディショナルタイプは、歯切れのいい打球感が気持ちよく、スピード勝負のテニスに向いています。
どこでボールを捉えているかがわかるので、コントロールがしやすく、たとえミスが出たとしても、原因がわかりやすく、修正がしやくなります。
DBタイプは、ちょうどO3とトラディショナルの中間で、パワーがありながらもマイルドな打球感で、ハードヒット時の荒れ球は出にくい感じがします。
300gと280gの違いは、振れるなら300gの方が威力も出て、打ち負けないのですが、300gだと疲れてしまったり、体力がなく280gの方が速くスイングできる場合は、280gがいいでしょう。
自分は完全に280gの方が、スピードもスピンも向上しました。

今回は、新旧ビーストを比較しましたが、その必要はなかったかもしれません。10年、20年後には、つや消しビースト、つやありビーストと呼ばれて、名品ビーストとして語り継がれている可能性が高いからです。
グラファイトも1本ライン、4本ライン、ノングロ、ピングロなどと呼ばれていますが、どれが優れているではなく、名品の中でどれが好きだったかと語るだけで、優劣はつけません。
ビーストもきっとそうなるラケットではないでしょうか。
【GEEK通信】「魔法のラケットがさらに進化」
2021/07/23

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

「魔法のラケットがさらに進化」

発売から20年目の今年、スリクソンREVO CS10.0が、ダンロップからさらに進化して発売されました。
2002年にダンロップスペースフィールプライムOSとして発売され、2014年にスリクソンに変わり、2021年から再びダンロップに戻ることになりました。
どんなボールでも簡単に打ててしまうので、いつしか「魔法のラケット」と呼ばれるようになったのですが、そのきっかけはテニスライターの松尾さんが、テニスコートで言っているのを聞いて雑誌に取り上げたのが始まりじゃないかと思います。
私中居も3年前から使用しており、現在もプリンスエンブレム110と併用しています。
以前はずっと黄金スペックを使っていましたが、トラックマンでデータを取った時に、REVO CS10.0がスピンもスピードもナンバー1の数字を叩き出し、サービスのスピードが10kmも速くなったので、非常に驚いたのを覚えています。
ただすぐに変えるか迷っていました。50代でこのラケットにするのは、まだ早いのではないか。ジングルスでも使えるのか。悩んでいました。
そこで20回やっても一度も勝てない上級の方と、REVOCS10.0でシングルスの試合をしてみることにしました。
なんとなんと、勝ってしまったのです。
サービスはキープできるし、ストロークでも打ち負けず、なんと言ってもボレー、スマッシュにミスが出ないのです。
シングルスでもネットプレー中心なので、合っていたのかもしれません。
もう迷うことはありませんでした。
それから3年間使い続けているのですが、唯一気になっていたのが、「振動」です。
REVOCS10.0は、縦糸の長さが40cmあり、フェース面積100平方インチのラケットに比べ10cm近く長いので、ストリングのたわみが大きくなりそれが振動を出しているのでしょう。
REVOCS10.0の良いところは、ネットプレー、サービス、スライスショットで、スイートスポットが縦に長いので、
手元で打つ、ボレー、スライスショットに、先の方で打つサービス、スマッシュも打ちやすいのです。
実はスピンもかけやすいのですが、40cmもある縦糸に通常より1本少ない18本の横糸がスナップバック効果を大きくしているのです。
しかし、スピンをかけないで打つとどこまでも飛んでいくくらいパワーがあり、強打するときのコントロールに課題が残ります。
7年ぶりにダンロップブランドとして、10.0が帰ってきました。
名前はLX1000で、白と銀を使ったカッコいいデザインで、メカニカルな感じがします。

REVOCS10.0とどう変わったか早速打ち比べをしてみました。
振動が気にならなくなって、クリアな打球感になってました。
それによって、ボールの飛び出し角度や距離感が分かりやすく、ストロークでふかしてしまうミスが減りそうです。
大部分は変わってないというか、変わってはいけないラケットなのです。
ネットプレーのし易さ、サービスの威力は相変わらず満点です。
細かいところでは、グリップエンドの盛り上がりが大きくなった気がします。
(スリクソンは他メーカーよりエンドの盛り上がりが小さかったので、普通になっただけとは思いますが。)
ちなみに私は、ジャストグリップを装着しているので、エンドの形は気にしません。

エンドを太くすると、ボレーの時にヘッドが立ちやすくなり、角度がつけやすくなったり、イージーミスが減ったりします。(個人の感想です)
新旧を比べていると、何か違和感を感じました。
片手バックハンドなので、左手でシャフトを持ってテイクバックするのですが、その時の左手の指の開きがLX1000の方が大きく感じました。
金型は同じと聞いているので、錯覚かなと思いましたが、スイングウエイトを測っている時に確信しました。
スイングウエイトを測るために、計測装置にグリップを固定して扇状に45°くらいラケットを引いてスタートするのですが、CS10.0に関しては計測装置のテーブルにギリギリ当たるか当たらないかなのですが、LX1000は完全に当たってしまいます。
考えられるのは、ラケットが短いか、シャフトが太いかです。
シャフトを測ってみると、0.3mmくらいLX1000の方が太かったので、おそらく今回のカラーが白基調なので、塗装の塗りが多かったのではないでしょうか。
白は日焼け防止にUVカット塗装が入る分塗装が厚くなるのです。

CS8.0の後継のLX800も打ってみました。

LX1000に比べ、少しパワーを落としているので、飛び過ぎを気にせずストロークが打てました。
振動はやはり少なくなっており、快適な打球感からコントロール性が良くなっている感じがしました。
ジングルスでも活躍してくれるラケットだと思います。
【GEEK通信】「メーカー代表、トラックマン対決」
2021/07/14

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「メーカー代表、トラックマン対決」
テニスユーチューバーの聖地、大井町のスポルに来ました。
伊達公子さん監修の全米オープン仕様の本格的インドアテニスコートと、パデル、サーフィン、アーチェリー、ボルダリング、フットサルなど多目的な施設になっています。
3年間限定でオープンしていたのですが、8/31を持って閉園してしまうので、残念な気持ちでいっぱいでしたが、この日は色々あって少し嬉しい一日でした。

今日の目的は、ヨネックス、ヘッド、ダンロップ、テクニファイバーの4社を招き、トラックマンでのデータ計測を行うことでした。
自分たちはDコートでしたが、Aコートではライジングで鋭いボールを打っている女性がいます。その特徴のあるフォームは離れていても伊達公子さんとわかりました。
また、隣のCコートでは、吉本一のテニス芸人、バモスわたなべ氏がYouTube撮影をやっています。
プライベートでもテニスをやったことがある知り合いなので、軽く挨拶を交わしました。

ヨネックス社員の野原さんが到着し、早速トラックマン計測に入りました。
野原さんは、大学で実績を残した方で、サウスポーから打たれるボールは威力十分です。
ラケットはVCORE98にポリツアーREVを48ポンドで張っています。

フォアハンドストローク、バックバンドストローク、サービスの順にデータ取りを行ったのですが、サービスの時にアクシデントがありました。
動画を撮影していた当社スタッフの井口が、迫力ある映像を撮ろうとして、リターン位置で三脚をセットし、スタートした1球目、なんと190km近いサービスがカメラめがけて飛んできたのです。
井口はとっさに逃げたのですが、見事に三脚に当たり、カメラごと倒れてしまいました。

今日の撮影は、カメラが壊れてしまえば終わってしまいます。
三脚の足は1本折れてしまいましたが、カメラは無事でした。
野原さんのマイラケセッティングでのデータ取りは終了し、次にスピンストリング対決です。
ポリツアーREVとポリツアースピンを野原さんと自分がテストし、どちらがよりスピンがかかるかデータを取りました。
トラックマンのデータを見てみると、二人ともREVの方がスピンがかかる結果となりました。
同じ多角形ポリでも、ラケットとの相性、打ち方の相性があるので、一概に二人だけの結果を持ってREVの方がスピンがかかると断言はできませんが、REVは打球感が柔らかく、ホールド感があり、ストリングとボールの接触時間が長いように感じました。
ポリツアースピンの方が、シャープな打感で、低めの弾道で飛んでベースライン手前で落ちるのでフラットドライブが持ち球の方は、こちらが良さそうです。

今回のトラックマンは、メーカーごとに行いました。
2番手のヘッド松下さん登場です。
ラジカルPROにホークタッチを48ポンドで張っています。

松下さんは、営業マンとは思えない191kmのサービスを記録しました。
ただフォアハンドの記録を取っている時に、過去に例のないNGを出してしまったのです。
いい数字を出そうと力んでしまい、5球連続でネットしてしまったのです。
通常トラックマンのデータ取りでは、いつも通りのボールを、10球前後打ってもらいその平均を出すのですが、5球ネットした段階でスタッフ斉藤から「ちょっと待った」の声がかかりました。
「松下さん、力みすぎです。普通に打ってください。」と笑いながら声をかけました。
これで力みが消えて、その後はいいデータが取れました。

3番手は紅一点のダンロップ藤枝さんです。
チョイスしたラケットは、CX200でエクスプロッシブツアーを40ポンドで張っています。

ストロークもサービスも自分より速いボールを打っていて、ブランクがあるとは思えませんでした。
特にバックハンドが得意ということで、ストリングスピン比較はバックバンドでやることにしました。
エクスプロッシブツアー、エクスプロッシブバイト、
エクスプロッシブスピンの3つを比べるのですが、
斉藤「藤枝さんの予想はどれが一番スピンがかかると思いますか」
藤枝さん「使っているので、エクスプロッシブツアーです」
斉藤「では、中居さんはいかがでしょうか」
中居「私もエクスプロッシブツアーです」
斉藤「ええー、同じですか」
空気を読まずに、同じストリングを選んでしまいました。台本なしでやってるので、スタッフ斉藤もびっくりでした。
結果は二人とも大外れでした。
藤枝さんは、バイト>ツアー>スピンの順で、
私は、スピン>バイト>ツアーの順でした。
ダンロップは、エクスプロッシブシリーズの弾道テストを行っており、カタログにも掲載されていますが、
エクスプロッシブバイトは一番高い弾道で、上からスピンで落ちてくるイメージで、エクスプロッシブスピンは一番低い弾道で、ベースライン手前で急激にドロップするイメージです。
自分の結果もそれを裏付けることになりました。
エクスプロッシブバイトのアングル(打ち出し角度)は、9.8度でクリアランス(ネット上を通過した距離)は103.5cmでした。
エクスプロッシブスピンのアングルは、8.4度でクリアランスは70.7cmだったので、カタログ通りの結果となったのです。
私の持ち球は、フラットドライブなので低い弾道でベースライン近くでスピンで沈み込むエクスプロッシブスピンが合っているのでしょう。
データでも、スピード、スピンともに1番の数字でした。

最後のテスターはテクニファイバーTファイト305を使用するテニス365所属の田村和也プロです。

初対面の第一声が
「足何センチですか」
「29.5センチです」
失礼だとは思ったのですが、職業柄か見たことない大きさだったので思わず聞いちゃいました。
やっぱり、プロは凄いですね。
ボールが速いのは当然なのですが、フォームが綺麗で無駄な力が入ってない感じで、永遠に同じボールを打ち続けられるように見えます。
特にサービスは凄かった。
200kmサービスが出てしまいました。
観客席から見たことはありますが、至近距離で見たのは初めてで、恐怖を感じました。

今回、初の試みのトラックマンイベントでしたが、4名全員素晴らしいボールを打っていました。
メーカーを代表して来ていることと、マイラケでのデータ取りということで、かなり気合も入っていたことと思います。
ストリングのスピン比較では、予想が外れてしまうことがありましたが、終わってみれば納得の結果だったと思います。
皆さんも自分ラケットのデータと気になるラケットのデータを比較したい場合は、トラックマンラケットカウンセリングを開催していますので、是非参加してみてください。
予想外の結果に一喜一憂することもまた楽しいですよ。
【GEEK通信】「歴史のあるグッズを紹介」
2021/06/28

-----------------------

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

----------------------

【GEEK通信】「歴史のあるグッズを紹介」
・ヨネックスAC102
・ゴーセンミクロスーパー
・ダンロップフォート

永年愛されるテニス用品はラケット、ストリング、アクセサリーなど色々とあります。
今回は、そんな長寿アイテムをご紹介していきたいと思います。
まずは、日本の総人口より売り上げているグッズです。
ヨネックスウェットスーパーグリップです。

発売以来、累計販売が地球5周分に到達したのです。
地球の円周は赤道周りで、4万77キロで、北極南極周りで、4万9キロです。ウェットスーパーグリップの長さが120cmですので、赤道周りで約1億6700万個
北極南極周りで1億6670万個売れたことになります。
日本の人口が約1億2000万人ですので、赤ちゃんからお年寄りまで、テニスをやらない人全員が一つ買ってもまだ、4000万個足りない数ですので、間違いなく日本一売れているグリップテープです。
ウェットスーパーグリップが永年愛されている理由は、素材の柔らかさにあります。
握った時のピタッとくるフィット感は当然のことながら、巻く時のテープの伸びがよく、しわがよらずに綺麗に巻けるのです。
同じくらいの伸びのあるアイテムは他社にもあるのですが、長さが短かったり、価格が高かったりするのです。
ウェットスーパーグリップには欠点が見当たらず、素材の良さ、コストパフォーマンス、カラーバリエーションなどなど完成形の極みです。
月まで届くのも夢ではないでしょう。(地球10周弱)


ゴーセンOGシープミクロスーパーを張ったことがないテニスプレーヤーはかなり少ないのではないでしょうか。
「迷った時はミクロスーパー」の宣伝文句も大袈裟ではありません。
ゴーセンに電話すると「ガットのゴーセンです」と対応するのですが、「ガットの」には深い意味が込められているのです。
本来「ガット」とは腸という意味ですから、ナイロンを扱っているゴーセンは「ストリングのゴーセンです」が本当だと思います。
なぜガットと言っているかというと、その昔テニスラケットには、羊の腸を原料にした「シープガット」が張られていました。
高価な割に、雨に弱い欠点がありました。
釣り糸を作っていたゴーセンが発売した「HY-SHEEP」(シープガットより、高い性能)は、雨にも強く、価格もリーズナブルで、大ヒットしました。
高貴な人がたしなむテニスを一般の人に浸透させたくらい凄い発明だったのです。
シープガットより優れたナイロンガットの自負から今でもゴーセンはガットと呼んでいるのです。
1.42mmあったハイシープを改良し、ミクロゲージの1.3mmにしたOGシープミクロLの進化した「OGシープミクロスーパー」が発売されたのが1985年です。
ほとんどのプロがナチュラルガットを使用していたこの当時、男子世界ランキングナンバー1のジムクーリエに女子世界ランキングナンバー3のガブリエラサバティーニがOGシープミクロスーパーを使用しており、「ミクロスーパーJC」、「ミクロスーパーGS」として発売されていました。

細くしても切れないオーバーガード(OG)加工に、食いついて弾く歯切れのいい打球感が魅力で、36年経った現在でも迷わず張っている方が多いモノフィラメントの代表的なガット(ストリング)です。
迷った時に張ってみてください。


ダンロップフォートは1961年発売。
その前身であるセントジェームスは1952年発売で、ダンロップイギリス本社がセントジェームスにあったことからそのネーミングが付けられました。
フォートは発売当初は、4個入り缶で白のみでしたが、1972年に2個入りイエローが発売されました。
1998年に3億球販売し、記念ボールが発売されましたので、そろそろ5億球の販売も近いのではないでしょうか。
フォートと言えば、ベテランプレーヤーの使用率の高さではないでしょうか。
ある時、都内にある由緒正しいクレーコートの会員さんにビジターに誘ってもらい一緒にテニスをしたときのことです。
練習が終わり、私「ボール出しますね」とニュー缶を開けようとすると、会員さん「いいよいいよ、これでなきゃ」と言ってフォートを取り出したんです。
国産のメジャーな公認球でも、ベテランの人達はフォートじゃないと認めなかったのでした。
フォートは何がいいのでしょうか。
現在主流の大会公認球に比べ、打球感がソフトで、バウンドがゆっくり跳ねます。そのことで、ベテランには腕にも優しく、ラリーが長く続くのでテニスが楽しいのです。
自分もサービス練習するときに、山盛りのボールカゴの中にフォートを見つけると、思わずそれを取ってしまいます。
人間で言うと還暦を迎えるフォートですが、まだまだ引退はないようです。
【GEEK通信】「プリンスストリング6アイテムスピン実験のまとめ」
2021/06/17

-----------------------


■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。


----------------------

【GEEK通信】「プリンスストリング6アイテムスピン実験のまとめ」

前回は、プリンススタッフのトラックマンでの実験結果を発表しましたが、今回は、自分自身で打って検証してみました。
ラケットはまったく同じものをお借りして、トラックマンでデータを取りました。
まずは、結果を見る前に予想をしてみます。
1位横ポリハイブリッドスピンXX
2位ツアーXXスピン17
3位縦ポリハイブリッドスピンXX
4位ハリアーレスポンス
5位エンブレムタッチSF
6位ツアーXT18

結果
1位横ポリハイブリッドスピンXX 2113/rpm(113.0km)
2位ハリアーレスポンス 2077/rpm
(108.2km)
2位ツアーXT18  2077/rpm
(109.9km)
4位ツアーXXスピン17  2059/rpm
(112.9km)
5位縦ポリハイブリッドXXスピン 2005/rpm
(116.0km)
6位エンブレムタッチSF  1969/rpm
(115.9km)

予想は1位だけ当たりました。
かっこ内のスピードに注目してもらいたいのですが、
4位5位6位の方がスピードが速いのですが、エネルギー保存の法則からすると、エネルギーの総量は変化しないはずなので、スピードが速くなると、スピン量は減り、スピン量が増えると、スピードは遅くなるのが物理学的には普通のはずですが、1位の横ポリハイブリッドXXスピンは、回転数は1位なのに、スピードも113.0kmと3番目に速い数字です。
エネルギー保存の法則が当てはまるのは、打つ人のフォーム、スイングスピードが同じ場合です。
横ポリを打った時だけ感じたのですが、ボールが食い付いてインパクトから押している感覚があり、気持ちよく振り抜けるイメージがしました。
おそらく、スイングが少しダイナミックになったのだと思います。
スイングスピードが上がったか、スイングアークが大きくなったかのいずれかで、スピードとスピンの両方が向上することが稀にあります。
横ポリハイブリッドXXスピンを打った時に感じたボールを長く捉えている感覚は、稀にある自分のスイングとドンピシャに合っていたために起こった現象のようです。

ポリエステルとナイロンの結果から見ても、ポリエステルの方がナイロンより、スピンがかかり、ナイロンの方がポリエステルよりスピードが出るのは間違いないところです。
スピンのかかる現象が解明されたのが、2005年頃で縦糸が横方向にずれて、その戻りでスピンがかかるスナップバック(この頃はスプリングバックと言っていました)によるものだとわかりました。
それまでは、ストリングの表面に凹凸をつけ摩擦係数を上げるものがスピンがかかると思われていたので、180度考え方が変わりました。
この現象を解明した川副教授は、そもそもストリングは交互に編み込まれており、1.3mm前後の凹凸ができており、ストリングの表面に少しの凹凸をつけても効果はほとんどないと言っています。
プリンススタッフ3名と私の4名の結果から見えてくるものは、表面がツルツルしているハリアーレスポンスの方が凹凸のあるツアーXXスピンよりスピンがかかるということ。(4人中3人)
ハイブリッドは縦ポリより横ポリの方がスピンがかかるということ。(4人中4人)


凹凸のあるストリングは必要ないかというと、決してそうではありません。
なぜかというと、予想の段階では全員ツアーXXスピンの方がハリアーレスポンスよりスピンがかかるとしており、ざらっとした打球感でボールが食いついているフィーリングがあり、自分のイメージする弾道で飛んでくれるので、コントロールがつけやすいのです。
ラフ加工や多角形を使用する選手が多いのも頷けます。
丸型ポリエステルでフィーリングが合えば、それに越したことはありません。その方がスピンがかかりやすいのですから。

今回のテストでわかったことは
・ナイロンよりポリエステルの方がスピンがかかりやすい
・多角形より丸型の方がスピンがかかりやすい
・縦ポリより横ポリの方がスピンがかかりやすい

あくまでも4名のデータですので、もっと大勢のデータだと違う結果が出るかもしれません。
参考になれば幸いです。

プリンス×ハイドロゲンの海外向けビーストが7月上旬発売予定で、そのラケットもトラックマンでデータを取ってみました。
chrome100というモデル名で、
旧タイプのビースト100(300g)と同じ素材で、バランスが5mmトップライトの315mmです。
ジョン・イズナー選手が通常カラーのモデルを使用しているそうです。
計測の結果はスピード110.7km、スピン2059/rpmでした。
ストリングはツアーXXスピンでしたので、
今回ストリングテストした同ストリングで比較してみると、
スピード112.9km、スピン2059/rpmとほぼほぼ同じ結果でした。
ストリングテストで使用したラケットは、ビースト100(300g)ですから、海外版と日本版はさほど変わらないということです。
打球感はやや硬く感じましたが、ビースト100より振動が多かったので、そのせいかもしれません。

尖ったデザインですが、中身は意外と手堅い黄金スペックの仕上がりになっていますので、ぜひ発売を楽しみしていてください。
【GEEK通信】プリンスストリングスピン対決
2021/06/06

-----------------------

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

----------------------


【GEEK通信】プリンスストリングスピン対決

プリンスとウインザーでコラボしたストリング「ハイブリッドスピンXX」が発売されました。
このストリングの開発には、色々な組み合わせを試したと聞いています。
ターゲットは、中高生やベテランプレーヤーで、ナイロンストリングが1ヶ月持たなくなってきた学生や、ポリエステルに変えたら、腕が痛くなってしまったベテランに向けて開発しました。
ポリエステルはプリンスの中で最も柔らかいツアーXXスピンを採用し、ナイロンはモノマルチのハリアースピードを採用しました。
一般的にハイブリッドに使われているナイロンはマルチフィラメントが多いので、耐久性が低く、学生さんには向いていません。
ハイブリッドXXスピンに採用したモノマルチのハリアーパワーはナイロンの中では、耐久性が高く、ストリングの表面をツルツルコーティングにしてスナップバック効果が高く、ポリエステルとの相性も抜群です。
基本の設定は縦ポリエステル、横ナイロンになっていますが、逆の縦ナイロン、横ポリエステルも可能です。
縦ポリ、横ポリどちらがどうなのか、トラックマンを使ってプリンススタッフがテストしたので、まずは動画をご覧ください。

前編の動画を見た段階で、ギーク的に宮田テスターのスピンがかかる順位を予想しました。
1位ツアーXXスピン
2位ハリアーレスポンス
3位横ポリハイブリッド
4位縦ポリハイブリッド
5位XT18
6位エンブレムタッチSF

宮田テスターの自身による予測は、次のようになります。
1位縦ポリハイブリッド
2位ツアーXXスピン
3位ハリアーレスポンス
4位エンブレムタッチSF
5位横ポリ
6位ツアーXT18
結果を言ってしまうと、ひとつしか当たっていません。
自分の打った感覚と実際の飛んでいるボールは一致しないことがよくあるのです。

また、大友テスターの順位も予想しました。
(前編を見ても、大友さんがテストすることは分かりませんでした。まさか監督の関口さんがテスターになっているとはこの時はまだ知りませんでした)
大友テスターの順位予想は、回転数3000位出るだろうから、ポリエステルが上位にくることと、ボールが潰れることでよりスピンがかかるとみて、縦ポリが横ポリより上にくると予想しました。
1位ツアーXXスピン
2位ハリアーレスポンス
3位縦ポリハイブリッド
4位横ポリハイブリッド
5位ツアーXT18
6位エンブレムタッチSF

後編の動画を見ての結果は次の通りです。
宮田テスターの結果
1位ハリアーレスポンス
2位ツアーXXスピン
3位横ポリハイブリッド
4位縦ポリハイブリッド
5位ツアーXT18
6位エンブレムタッチSF
大友テスターの結果
1位ツアーXXスピン
2位エンブレムタッチSF
3位ハリアーレスポンス
4位横ポリハイブリッド
5位縦ポリハイブリッド
6位ツアーXT18
関口テスターの結果
1位ハリアーレスポンス
2位ツアーXXスピン
3位横ポリハイブリッド
4位縦ポリハイブリッド
5位エンブレムタッチSF
6位ツアーXT18

宮田テスターの結果は、自分の予想がほぼ当たっていました。1位と2位が逆なだけでした。
大友テスターの予想は大外れでした。
1位のツアーXXスピンと回転数3000(実際は2964)は当たりましたが、2位のエンブレムタッチSFはまったくの予想外でした。
関口テスターの結果は、宮田テスターと5位6位が入れ替わるだけで、後はまったく同じでした。
宮田、関口両テスターはボールスピード、スピンレイトが近かったため(宮田テスター:スピード125km、スピン1630、関口テスター:スピード124km、スピン2000)
結果もほぼ同じになったのではないでしょうか。
ポリエステルは材質が硬く表面がツルツルのためスナップバックの効果を発揮し、ナイロンに比べスピン性能が向上しますが、打球感が硬く、非力な方や、ジュニアプレーヤーには向いていませんが、ハードヒッターにはおすすめです。
ナイロンは、ポリエステルより反発性があり、打球感がソフトなため、女性やジュニアを含めオールラウンドなストリングで一般の方におすすめです。
ポリエステルとナイロンのいいところを合わせ持つストリングがハイブリッドです。
ポリエステルの硬さをナイロンが和らげてくれて、
ナイロンだとすぐ切れてしまう方でも、縦にポリエステルを持ってくれば耐久性も向上します。
今回の3人のテスターだけなので、絶対とは言えませんが、3人とも横ポリの方が、縦ポリより、スピン回転、ボールスピードが上回りました。
耐久性を気にしない方は、横ポリがおすすめです。

現在、ツアーXXハイブリッドスピンのお試しキャンペーンを行ってますので、一度使ってみて下さい。
【GEEK通信】「プリンスオニカルのメリット、デメリット」
2021/05/19

-----------------------

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

----------------------


【GEEK通信】「プリンスオニカルのメリット、デメリット」

プリンスから、xシリーズの超軽量モデルが発売されました。
xシリーズは、フォア、バックの機能が異なり、フォアハンドは力強いスピンボールが打て、バックハンドは、伸びのあるスライスボールが打てる不思議なラケットです。
Xシリーズ第一弾の試打会では、グローブライドの相馬さんと延々とバックハンドのスライスを打ち続けていました。
フォアに来たボールも回り込んでバックで打っていたのですが、それくらいバックハンドが打ちやすく、一度ネットの下の方に飛び出し、ネットの手前でふわりと浮き上がり、ゆっくり、ゆっくり伸びていき、ベースライン手前で落下し、バウンド後低く滑ってくれるのです。(そのような感覚がありました)
第一弾は、中級者に向けて発売したのですが、ラケットの評判が良く、第二弾は上級者に向けたモデルが発売されました。
そして女性に評判が良かった重さが選べるX105(290g、270g、255g)を経て、遂にベテラン向きにX115が発売されました。
名前の通り、フェース面積は115平方インチでウエイトはなんと236gなんです。
20年以上前に、チタン軽量ラケット戦争があり、ラケットの重さをどこまで軽くできるのかを各メーカーが競い合い200g前後まで行ってしまったのです。
その結果どうなったかというと、テニスエルボーになる人が増え、ラケットが折れてしまうことも増えてしまったのです。
その後20年近く、ラケットのウエイトは軽くても250gまでと暗黙の了解があったのです。
20年たった現在、ラケットの開発技術は進歩し、耐久性に関しては、まったく問題はないと思うのですが、テニスエルボーに関しては、結論はわかりません。
ボールの質量は一定(約60g)ですので、ラケットとボールが衝突した衝撃(弾かれ度合い)は軽いものほど大きくなります。
20年前は、衝撃を吸収する素材や打ち負けないフレーム構造が進化の途中でしたので、腕への負担が大きかったのだと思います。
ラケットの性能は、ウエイトだけで判断してはいけません。バランス、スイングウエイト、フレーム厚、フェース面積、張り上げテンションなどの複合的な要素が重要です。

では、実際にX115をダブルスのゲームに使用してみて、現在使用中のエンブレム110と比べてみましょう。
ラケットの基本データは
『X115』
ウエイト236g、バランス365mm、スイングウエイト280、フェース面積115平方インチ、フレーム厚30-27.5-24mm(トップから)、ストリングパターン16×19、適正テンション46ポンド(±8)、全長27.25インチ、パワーレベル1450
『エンブレム110』
ウエイト255g、バランス350mm、ストリングウエイト280、フェース面積110平方インチ、フレーム厚26-28-26mm(トップから)、ストリングパターン16×18、適正テンション48ポンド(±8)、全長27インチ、パワーレベル1350

X115をまず手に取ってみて感じたのは、デザインが渋くてカッコいいことです。普通この手のラケットは、女性をターゲットにしていることが多く、明るいカラーが一般的ですが、艶消しのブラックとゴールドでファントムグラファイト97を大きくした感じなのです。

当然「オニカル」という副題がついているように、超絶軽いです。
サービスは振り抜きがよく、回転系のスライス、スピンはキレがあり、セカンドサービスでダブルフォルトをしない安心感はありましたが、フラットサービスのスピードが出る反面、バウンド後の伸びがあまり感じられませんでした。
ネットプレーでは、ハイボレー、スマッシュは打ちやすいが、ローボレーになると弾かれることがたまにありました。
ストロークは、バックハンドスライスやロブは打ちやすい反面、突き球は浮いてしまうことがありました。
リターンはもっとミスが増えてしまい、コースを読んで芯に当てたにもかかわらず、あらぬ方向に飛んでしまうこともありました。
236gはさすがに軽すぎてしまう弊害と軽いことで生まれるメリットの諸刃の剣でした。

そもそも軽量ラケットはどうやってボールを飛ばすかというと、ラケットの先に重量を配分し、トンカチで釘を打つような感覚です。
トンカチで釘を打つ時は、上から下に振り下ろしますので、ラケットのスイングに例えると、サービスやスマッシュのフォームは理にかなっているのです。
トンカチで水平に振って釘を打つのは、重力もあり、少し的を外しやすくなります。
ラケットのスイングに例えると、ストロークの打ち方は安定しづらくなります。
ただし安定させるコツがあります。
グリップを支点としてラケットヘッドを回転させることです。
体を軸に回転運動で打っている時は安定感があるのに対して、ラケットを平行に押し出すようにコントロールしようとすると途端に飛ばなくなります。
でんでん太鼓やアメリカンクラッカー(若い人は知らないかも)を思い出してみてください。
高速で動かすことで、ヒモの緩みがなくなり、安定してきますが、軸が動いてしまったり、回転スピードが遅くなると、ヒモに緩みが出てしまい上手く当たらなくなってしまいます。
軽量ラケットの場合、グリップを支点にラケットヘッドを速く回すことで、威力を出していますので、グリップが大きく動いたり(押し出すようなショット)、
ラケットヘッドが低速の動きの場合、急激に威力が無くなってしまうのです。
その欠点を防ぐには、フェース面積を大きくし、トップ部のフレーム厚を厚くし、ストリングテンションを下げることです。
X115は、エンブレム110に比べフェース面積は5平方インチ大きく、トップ部が4mm厚く、適正テンションが2ポンド低めになっているもうなずけます。

エンブレム110は、X115で感じた軽量過ぎることによる弊害を緩和したラケットに仕上がっており、255gと軽量であり、軽量ラケットとしてのメリットは十分に享受されるのです。

X115のメリット、デメリットについて、まとめていくと、236gという圧倒的な軽さからくる操作性の良さ、試合後半の疲れからくるスイングスピードダウンを軽減してくれます。
デメリットは、スイングスピードが上げられない状況(速いサービスのリターン、ローボレーなど)になると弾かれやすいことです。
ベテランのダブルスを楽しむ方に向いているラケットですが、ベテランのシングルスを極めたい方にもいいと思います。
その理由は、バックハンドのスライスがいいこと。
長い試合でも疲れずラケットを振り続けられること。
打ち負けやすいことで、ドロップショットは打ちやすくなること。
欠点である速いサービスのリターン、ローボレーの弾かれやすさはダブルスでは致命傷になるが、シングルスでは、決定的なミスショットではないこと。

決して軽量ラケットをすすめる気持ちはございません。
重たいものを速く振れる人は軽くしないでください。
ただ、無理して重いラケットを使っていると、サービスが安定しない、4人でのボレーボレーで最初にミスが出る、後半急激にスイングが遅くなるなどの弊害が生まれます。
そのような方は一度「オニカル」を試してみてください。
【GEEK通信】「ライバルには、音楽を聴いているように見せよう。最新低周波治療器が凄い」
2021/04/30

-----------------------

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------

【ライバルには、音楽を聴いているように見せよう。最新低周波治療器が凄い】

低周波治療器トップメーカーの伊藤超短波から画期的なアイテムが発売されました。
「RUCOE RUN」という商品で、超小型でありながらパワフルな電気を生み出します。
名前の通り、陸上競技に向けて開発された商品で、
日本陸上競技連盟のオフィシャルサプライヤーとして15年以上、アスリートの身体を研究して出来上がったのです。

自分も低周波治療器にはお世話になっており、ノートパソコンやタブレット端末くらいの大きさが当たり前で、「RUCOE RUN」を初めて見たときは、小ささにびっくりしました。
駄菓子の都こんぶを思い出してみて下さい、ちょうどあのくらいの大きさなのです。
この大きさにするのは大変な苦労があったそうですが、なぜ苦労してまでもこの大きさにこだわったかと言うと、「RUCOE RUN」に搭載されたACT機能に関係があります。
通常、低周波治療器は運動後のケアとして使うのですが、「RUCOE RUN」には、
WAKE(ウェイクアップモード)
運動前の筋肉の目覚まし
ウォーミングアップ前には、筋肉をリズムよく収縮させる電気で全身が柔軟で動かしやすい状態を作りだしていく。
ACT(アクティベートモード)
本番のパフォーマンス発揮
試合直前には、やや強く、アクティブな筋収縮を引き出して主動作筋が最大出力を出しやすい状態をサポート
COOL(クールダウンモード)
運動後の熱くなった筋肉のリセット
クールダウン後には波打つように穏やかに筋肉を刺激して酷使した筋肉の緊張をやわらげることで、疲労の蓄積を予防。
の3つの機能があります。

特徴的な機能のACTは、試合の直前に行うので、ポケットに忍ばせたり、首から下げたりするので、かさばらない大きさが必要だったのです。

実際に、本番の試合に試してみました。
家を出る前にハムストリング(太ももの裏)をウェイクアップモードで目覚めさせます。
まだ寒い時期だったので、スポーツタイツを着用するのですが、タイツを履いてしまうと電極パッドを貼れなくなるので、タイツを履かずに車で現地まで向かいました。
車の中で待機し、試合開始30分前にアクティブモードを行い、その後にタイツを履き試合に入りました。
自分は典型的なスロースターターなのですが、この日はスタートから絶好調でした。
アマチュアの試合はサービス練習4本ですぐにゲームですので、スロースターターの自分は体が温まるまで結構時間が掛かるので「RUCOE RUN」のACT機能は本当に助かりました。
だからと言って勝つか負けるかは別問題でしたが、、。

いつもより筋肉痛になっていて、アスリートリラックスのお風呂の後に、COOLモードでクールダウンしました。
すべてのモードが10分で切れるように設定されているので、寝てしまっても大丈夫です。
ACT機能は、普段使っていない筋肉の動きまでも呼び覚ましてくれるので、逆に疲労感も出るみたいです。
陸上競技に向けて開発された「RUCOE RUN」ですが、あらゆる競技のアスリートから注目されるようになっているらしく、ある競輪選手が試したところ、一度も筋肉痛になったことがないのに、生まれて始めて筋肉痛になったそうです。
まだ使っていない筋肉があったのですね。

使い方としては、怪我をしやすい部位や痛みのあるところに貼る方法か、筋肉量の多い、ハムストリングや腰に貼る方法がいいそうです。
同時に2カ所貼れますので、両足、両腕や右足だけふくらはぎ、ハムストリングとか工夫できます。
一度の充電で5時間の使用ができますので、WAKE、ACT、COOLで30分ですので、10回分の練習や試合に使えます。
電気が苦手と言う方もいると思いますが、非常に滑らかな信号ですし、1~99段階の強さ調整がありますので安心して使えます。
価格の安い低周波治療器は皮膚の表面だけビリビリされますが、この「RUCOE RUN」は深部に届く高性能低周波治療器ですので是非試してみてください。
店頭にデモ器を用意してますので、体験できます。
メーカーの担当者の方に、実験してもらったのですが
片足立ちになり、力をかけてバランスを保つのですが、「RUCOE RUN」をやる前はすぐにバランスを崩してしまいました。
片腕に電極パッドを貼り5分だけACTモードをやりました。
同じように、片足立ちになり、同じように力を掛けてもらったのですが、不思議なくらいグラグラしないのです。
3人やって全員同じ結果でした。
腕にやったのに、足の踏ん張りが良くなるのが、とっても不思議でしたが、それだけ体全体にいい影響を与えるようです。
プレーが良くなる上に、体のケアにもなる優れものですので、安いものではないですが、持っておきたいアイテムです。
GEEK通信【2021ピュアドライブ6機種比べてみました】
2021/04/22

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------
2021ピュアドライブ6機種比べてみました
2021年モデルのピュアドライブ6機種をチェックしていきましょう。
いつものように、ダブルスの1試合ごとにラケットを替えながら、試打していきます。
楽なラケットから順番に打った結果がこちら
ピュアドライブ110(255g)負け
ピュアドライブ107(285g)勝ち
ピュアドライブライト(270g)負け
ピュアドライブチーム(285g)勝ち
ピュアドライブ(300g)勝ち
ピュアドライブツアー(315g)負け
※負けた試合はほとんど自分の、イージーミスが原因です。

ピュアドライブ110
とにかく軽い!
現在使用中のプリンスエンブレム110とスペックはほぼ同じ(フェース面積110平方インチ、ウエイト255g)なのですが、バランスがまったく違います。
エンブレム110は、350mmに対して、ピュアドライブ110は330mmなのです。
スイングウエイトはエンブレムが280に対して、ピュアドライブはなんと見たことがない248と計測されました。
スイングウエイトは慣性モーメントですから、数字が大きい方がボールを飛ばす力も大きくなります。
小さくなると、飛ばす力も小さくなりますが、操作性能はよくなります。
シンガット16を50ポンドで、張ったのですが、「飛ばない」「弾かれる」「面がぶれる」などを感じ、ほとんどいいところがありませんでした。
ストリングのテンションが強すぎでした。
当然のことながら、ミス連発で負けてしまいました。
よかったところは、スマッシュでした。
バック寄りに上がったロブを逆クロスに決めることが意外に簡単にでき、操作性能の良さのメリットを感じました。
このラケットのターゲットは、女性で力に自信が無いけど、ラケットはしっかりスイングする方です。
エクセル125を45ポンド以下で張ることをおすすめします。
本来軽量で、スイングウエイトも軽いラケットはジュニア向きですが、フェース面積110平方インチはこれから基礎を覚えるジュニアには向いていません。
ジュニアの方は、フェース面積100平方インチ255g 330mmのピュアドライブスーパーライトがおすすめです。

ピュアドライブ107 285gの107平方インチのモデルです。
ピュアドライブ110と姉妹品のような印象ですが、まったく違いました。
ノーマルのピュアドライブを大きくしたら、ピュアドライブ107になった感じです。
当然パワーがあり、ストロークの威力が凄いのですが、スピンもよくかかるので、深いボールを簡単にコントロールできるのです。
ストローク以上に際立っていたのが、ボレーです。
キレッキレッとはこのことです。
107平方インチある安心感から、スライス回転を多めにしてボレーを打つと、バウンド後に地面を這うようなボールになり、相手は取りづらそうでした。
107平方インチあると、リターンが楽ですね。前に出ながらリターンしてそのままネットについてボレーで決めるパターンが何度も決まりました。

ピュアドライブライト 270g、バランス330mmの軽量モデルです。
フェース100平方インチで、この重さだとやや打ち負けることが多くなります。
サービスゲームは、すぐにネットに出て行くので、軽さのメリットを感じてプレーでき、ボレー対ボレーでは反応がよく、スマッシュも簡単でした。
ただ、リターンになると芯に当たったときと、芯を外したときの差が大きく、簡単なミスが出てしまいました。
初中級の方で、力がなくスイングが安定していない方は、まず振り遅れがなく気持ちよく振れるラケットを選ぶことをおすすめします。
ただし、フェース面積を大きくしてしまうと、誤魔化しが効いてしまうので、ピュアドライブライトの100平方インチ、270gが丁度いいのです。

ピュアドライブチーム(100平方インチ、285g)は、全てにおいて丁度いいスペックで何も文句の付ける所がありません。
15gの違いがラケットの性能を大きく変えるのです。
一般男子の標準が300gと言われていますが、ラケットの性能の進化として、30年で30gくらい軽くなっています。
男子の標準が285gになる日も近いのではないでしょうか。
ピュアドライブチームを打ってみてそれを強く感じました。
打ち負け感はまったくなく、逆にスイングスピードが速くなってボールスピードが増し、スピンの跳ね方も大きくなりました。

ピュアドライブ(100平方インチ、300g)は、正にモンスターラケットです。
私は285gのチームの方が速く振れたので、チームが合っていたのですが、300gと 285gを同じスピードでスイングできるなら、素直に300gを使うべきです。スイングスピードが同じならば、重さが、重たい方が威力が出るからです。スイングスピードを上げられない場面でも十分威力のあるボールが打てました。
あえてスイングスピードを上げずにコントロールしていく方は300gがいいかもしれません。

ピュアドライブツアー(100平方インチ、315g)はさすがに重た過ぎで、ラケットの持っているパワーをコントロールすることができず、ミスを連発してしまいました。
特にネットプレーでのミスが多く、、、目を覆いました。
トッププロを見ても、ツアーを使っている人はいないようですし、ピュアドライブで十分なのですね。

今回ピュアドライブシリーズ6機種を比べてみてわかったことは、それぞれに良いところ悪いところがあり、テニスの経験年数や自分のプレースタイルに合う、合わないがあるということです。
ピュアドライブ(300g)を基準に、非力な方は軽く、大きくしていくことがベストなモデルに出会う方法です。
300g→285g→270g→255g
100平方インチ→107平方インチ→110平方インチ
きっといい出会いがあるはずです。
【テニス365×ウインザーラケットショップ】池袋店中居のラケット選びの極意Part2
2021/04/17
【テニス365×ウインザーラケットショップ】
テニス365でおなじみのワッキーさんに池袋店にお越しいただきました!
前回に引き続きラケット選びについてお送りします!
GEEK通信を担当しているGEEK中居が登場♪
スイングウエイトの意味などを知ることや、メーカー別の特徴を捉えたり、自分に合ったラケット選びを極めることで、テニスのプレーに変化が現れることも♪

*【テニス】ラケット選びの極意Part2 メーカー別の特徴とは、秘密兵器でスイングウエイトを測定<ウインザー池袋店】 Tennis Racket
 
part3もお楽しみに!
【関連記事】
>>>GEEK通信
【GEEK通信】「ダンロップストリング 8アイテム いきなりの登場。」
2021/04/16

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------
「ダンロップストリング 8アイテム いきなりの登場。」

1888年に英国人のJ.B.ダンロップが、息子のために自転車に空気を入れたタイヤを発明したのがダンロップタイヤの始まりです。
1909年(明治42年)に住友が英国ダンロップの工場を日本に誘致します。
1930年(昭和5年)に硬式テニスボールを開発。
1983年(昭和58年)にMAX200Gを発売し、マッケンロー、グラフが使用して、大ヒットします。
その後、英国ダンロップでは、エアロジェルシリーズが、日本ダンロップではRIMシリーズがヒットします。
2009年から日本ではスリクソンブランドがスタートし、英国ではダンロップ、日本ではスリクソンと別々な道を歩みます。
2017年に英国ダンロップを住友ゴムが吸収合併し、
2018年に「DUNLOP powerd by srixon」と名打ち、ダンロップブランドを日本でも復活させたのです。
同時に、英国の優秀なエンジニアもいっしょに移籍したのでした。

日本では、住友ゴムがバボラの輸入販売を20年以上続けてきたのですが、2020年にバボラVSジャパンが発足し、独立しました。
20年間ストリングは世界ナンバーワンのバボラの輸入販売という体制だったので、困ったことになりました。
ラケットメーカーとしては、ストリングも扱っていないと、、、となりそうですが、英国ダンロップと合併したことが吉と出ます。
英国では20年前からダンロップブランドのストリングを販売しており、そのノウハウと優秀なエンジニアのおかげで、ポリエステル4アイテム、ナイロン4アイテムを日本で発売することができたのです。
すべて試打したのですが、完成度の高さに驚きました。

ポリエステルは、
『エクスプロッシブツアー』『エクスプロッシブスピード』『エクスプロッシブスピン』『エクスプロッシブバイト』
の4アイテムで、エクスプロッシブとは「爆発的な」と言う意味です。
ナイロンは、
『アイコニックオール』『アイコニックスピード』『アイコニックタッチ』『シンセティックタフ』
の4アイテムで、アイコニックとは「象徴的な」と言う意味です。

エクスプロッシブツアーは、ソフトな打球感でありながら、空中での推進力があり、パッシングショットが抜けなさそうな狭いところを抜けていきました。
エクスプロッシブバイトは、ストリングとボールが削り合うような感覚で、おろし金で大根をおろすようでした。
ただ、思ったより弾道が上方向に行ってしまい、相手にポーチされまくりました。
シングルス向きのストリングではないでしょうか。
エクスプロッシブスピードは、ストロークもボレーも平均点で、オールラウンドなプレーによさそうです。エクスプロッシブスピンは、多角形で有名な他社ストリングに似ていました。
似ているだけでもレベルが高い証拠です。

アイコニックタッチは、マルチフィラメントの王道の柔らかくてまったりした打球感のストリングです。
それに比べ、アイコニックスピードは歯切れのいい打球感で、食いついてからの戻りがよく、リターンエース2連続という滅多にないショットが飛び出しました。
今回の試打に使用したFX500との相性は、アイコニックスピードが一番でした。
アイコニックオールも、FX500のオールラウンドな良さを引き出してくれるクセのないストリングで、スピードも柔らかさもちょうど中間でした。
シンセティックタフは唯一のモノフィラメントで、これからテニスを始める方にオススメです。
このストリングを基準にして、飛び過ぎてしまったり、ストリングが切れてしまったりする方はポリエステル(エクスプロッシブシリーズ)に移行してみるといいでしょう。
もっとコントロールを上げたい方やボレーのフィーリングをよくしたい方はナイロンマルチフィラメント(アイコニックシリーズ)に移行するといいでしょう。

いきなり8アイテムも発売して、少し不安でしたが、取り越し苦労に終わりました。
生産国が3カ国になっていたり、弾道の高さでアイテムの特徴を表現したりとこだわりを感じました。
実際に試打してみて、アイコニックスピードとエクスプロッシブツアーは完成度の高い仕上がりで、マイラケットにも張ってみたくなりました。

今回の試打に当たり、ラケット選定(FX500)、ストリングのゲージ(1.25mm)、張り上げテンション(48ポンド)の指定とわがままを聞いてくださったダンロップさん本当にありがとうございました。
おかげさまで楽しい試打ができました。

『関連動画』【ダンロップ】ナイロンガット4種類打ち比べてみた!
 
【GEEK通信】「プリンスエンブレム110に色々なストリングを張ってみました」
2021/04/08


-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------


【GEEK通信】「プリンスエンブレム110に色々なストリングを張ってみました」

ここ最近は、プリンスエンブレム110が気に入っておりほかのラケットに目移りしていません。
ラケットが決まると今度はストリングをどうするかが悩みどころです。



現在までに試したストリングは、プリンスエンブレムタッチSF16、ルキシロン アルパワー、ハイブリッドで縦バボラタッチトニック<135横テクニファイバーアイスコード125です。

最近のプリンスのラケットには、オススメのストリングがラケットにプリントされていて、エンブレム110にはエンブレムタッチSFが記載されています。
ハッキリ言ってストリングは個人の好みだと思います。
プレースタイルも違うし、それまでの使用遍歴も違うので、誰でも同じストリングが合うわけがないのです。
ただ何を張ったら良いのかわからない時は、まずはオススメを張ってみたら良いのではないでしょうか。
実際にエンブレムタッチSF16は、嫌いじゃないストリングでした。

なぜ素直に好きと言わないのかと言うと、ナイロンマルチフィラメントがあまり好みではないからです。
ストリングの性能は、打球感(食いつく、弾く)、反発、耐久性、スピンなどがありますが、私中居が最も重視するのが、目ズレが起こらないことです。
(目ズレとは、ボールを打つごとに縦糸が横にズレて、元に戻らないことです)

1ポイントごとに指で直す作業をするのは、気分が乗りません。
かと言って、ズレたまま打つとボールの方向性やスピン性能に影響が出ると感じています。

ナイロンマルチフィラメント、ナイロンモノフィラメント、ポリエステルを比べた場合、ナイロンマルチフィラメントが一番目ズレが起こるので、これまであまり使用してこなかったのです。
以前はナイロンでも、テフロンコーティングされたストリングがあってよく使用していましたが、廃盤になってからは、ポリエステルを使用するようになりました。

エンブレムタッチSFの良いところは、表面にシリコンコーティングされており、張りたてはほとんど目ズレが起こらず、ポリエステルに近いスナップバックが起こることです。
私が普段ポリエステルを好んで使っていたので、マルチとポリエステルの耐久性を比べるなかでは意外と早く表面のコーティングが削れてしまい、その効果は無くなってしまいました。

ストリングに塗布するプリンスのスピンプラスかテニックのストリンググライドを使えば、スナップバック効果は復活するので、ナイロンストリングの場合には是非試してみていただきたい優れものです。
私は、ストリンググライドの前身のミラフィットアクセルから10数年使い続けています。



エンブレム110は、255gと軽量で、フレーム厚28mmのデカラケ、厚ラケですので、ポリエステルとの相性はあまり良くないように思います。(※中居個人的には、、、)

特にアルパワーのような、打ちごたえのあるポリエステルだと、芯を外した時や柔らかいタッチが必要なボレーの時に急激に飛びにくくなります。

縦ナチュラル、横ポリエステルのハイブリッドは、芯を外してもしっかり反応してくれ、柔らかいタッチも出しやすく、半分ポリエステルでも十分スナップバックしてくれます。
やはり、ナチュラルとポリエステルは凹み方が似ているので、相性は良いようです。


ナチュラルはボールが当たった部分が凹みます、ポリエステルはボールが当たった部分がズレて凹みます、
ナイロンはボールが当たった部分を中心に「くの字型」に凹みます。
(※あくまで、ギーク中居の感覚です)

エンブレムタッチSFは横方向へのスライドがあるので、恐らくポリエステルとの相性は良いので、今度ハイブリッドを試してみたいと思います。(後日レビューいたします)
ナチュラルは雨や湿気に弱いのと、新型コロナウイルスの影響で、原産国のフランスからの入荷が不安定になっているので、代替えを探してみます。


プリンスのX105に255gが昨年末に発売され、私中居ずっと気になっておりました。
そこでエンブレム110とX105を比較してみました。(※GEEK調べ)



飛び:エンブレム110>X105

スピン:エンブレム110>X105

コントロール:エンブレム110>X105

という結果でした。
同じ重さとは思えないくらい軽く感じました。

軽過ぎて、スマッシュを空振りしてしまいました、空振りは実力かもしれませんが、、、。
良い意味でソフトな打球感で飛びが良いのですが、私にとってはボールを捉えた時も物足りなさを感じました。
本来、255gのラケットはジュニアやシニア向けですので、これで正しいのかもしれません。


X105は同じモールドで290g、270g、255gとあり、重さを軽くする場合、フレーム厚を厚くするかフェイス面積を大きくするかが必要ではないでしょうか?
今後の展開に期待しております。
【テニス365×ウインザーラケットショップ】池袋店中居のラケット選びの極意Part1
2021/04/06

【テニス365×ウインザーラケットショップ】
テニス365でおなじみのワッキーさんに池袋店にお越しいただきました!
今回はラケット選びについてお送りします!
GEEK通信を担当しているGEEK中居が登場♪
面の大きさ・フレーム厚・重さ・形状から、自分に合ったラケット選びを極めることで、テニスのプレーに変化が現れることも♪
*【テニス】ラケット選びの極意Part1、面の大きさ・フレーム厚・重さ・形状から選定<ウインザー池袋店>

Part2の配信もお楽しみに♪
【関連記事】
>>>GEEK通信
【GEEK通信】「ウイルソンのプロラボを計測。ラケットフィッティングとは。」
2021/03/25

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------

【GEEK通信】「ウイルソンのプロラボを計測。ラケットフィッティングとは。」
憧れる選手の真似をすることは、決して悪いことではないですが、ウエアやシューズを同じものにするのは良いとしても、ラケットやストリング、テンションなど真似するととんでもないことになることもあります。
そもそもプロになるために天文学的な数のボールを打ち、フィジカルトレーニングを毎日しているからこそ使えるラケットを週一プレーヤーが使えるはずもないのです。そのようなことはわかっているけど気になりますよね。でも実際にプロが使っているラケットは市販のモノと同じなのでしょうか。
①市販のモノをそのまま使用している
②市販のモノをチューンナップして使用している
③デザインだけでまったく違うモノを使用している

の3つのパターンがあります。
①の場合、ランキングの低い選手はメーカーの提供を受けられなかったり、提供されていても、市販のモノを年間数本ということで、強くなるまではフェデラー選手でも、ジョコビッチ選手でも同じだったと思います。
ランキングが上がっても、そのまま市販のモノを使用している選手はメーカーとの契約問題がやがてやってきます。
2年から3年周期でラケットのモデルチェンジは行われているのですが、ほとんどの場合最新のモデルを使用してプレーをしないといけない契約になっています。
最新モデルに移行する選手と移行できない選手が出てきてしまうのは当然のことです。
私達アマチュアでも、新しいラケットに移行するのは大変です。
新しくすることによって、プラスも有ればマイナスもあるからです。
プロにとっては体の一部のようになってしまったラケットを2年ごとに変えるのは大変なことなのです。
そこでメーカーは苦肉の策で、旧モデルに最新の塗装を施したラケットを選手に提供するのです。
ペイントジョブと呼ばれています。
まだ塗装技術が低かった頃は、新しいラケットに移行する期間は黒塗りにして使用していたり、ランキング下位の選手は2世代前のラケットを平気で使用していたりといったこともよくありました。
ただどんなに塗装技術が進化しても、フレーム表面の凹凸だったり、グロメットの形状だったり、ストリングパターンの違いなどはどうしようもないこともあります。
いつしか、プロが使用しているラケットは別物とか、特別に作られている物とか言われるようになったのです。
しかし、すべてのユーザーがそう思っているわけではなく、ユーザーとメーカーの間で訴訟問題に発展したことがありました。
海外では、「実際には別物を使用しているのに、あたかもプロが使用していると宣伝し、販売したことは違法」という内容で集団訴訟が起こり、メーカー側が敗訴したのです。
それ以降、○○プロ使用モデルから「契約選手はカスタマイズされたラケットや写真とはことなるラケットを使用している場合がございます」などの注意書きがつくようになったのです。
それでも、メーカーもショップもグレーゾーンとして多くを語ることはありませんでした。
自分もそわそわしながらこちらの記事を書いています。
というのは、ウソで、なんとウイルソンから、プロだけに提供していたプロストックが発売されるのです。
プロストックとは、先程お話しした古いモデルをペイントジョブでプロに提供するラケットのことで、「古いモデルをプロのためにストック」しておくことです。
ウイルソンではこれをプロラボと呼び、一人一人に対してペイントジョブをするのは大変なので、あらかじめ人気の機種のモールドを作成しています。

今回発売される機種は、
・プロスタッフSIXONE95
・ブレードPRO 16×19
・ブレードPRO 18×20
・ウルトラPRO 16×19
・ウルトラPRO 18×20

の5機種です。

いつものようにダブルスのゲームで使ったのですが、プロスタッフSIXONE95 18×20が一番打ちやすく、ブレードPROもウルトラPROも 18×20の方が打ちやすく感じました。ブレードPRO 16×19もウルトラPRO 16×19も、18×20に比べパワーがなく、スピンもかからないように感じたのです。
・プロスタッフ SIXONE 95

・ブレードPRO 16×19

・ブレードPRO 98 18×20


・ウルトラPRO 98 16×19

・ウルトラPRO 97 18×20

打球感は全ての機種に共通なのが、柔らかく、しなっているように感じ、変な振動はなくて心地良いことです。
全機種フォームコアがフレーム内部に充填されているからでしょう。
エンドキャップを開けてみると、プロスタッフSIXONE95だけシリコンみたいな透明な物体を確認できました。
全機種のRA値(フレームの硬さ)とスイングウエイトは
・プロスタッフSIXONE95 RA値65、SW304
・ブレードPRO 98 16×19 RA値59、SW316
・ブレードPRO 98 18×20 RA値63、SW301
・ウルトラPRO 97 16×19 RA値60、SW279
・ウルトラPRO 97 18×20RA値64、SW302

(ギーク調べ)
意外とRA値が低く、しなっているように感じたのは間違いではありませんでした。
ブレードPROとウルトラPROは、共に 16×19より 18×20の方がRA値が4ポイント高くなっており、パワーが出たのはこのためかもしれません。
スピンに関しては、疑問が残ります。
通常、ストリングパターンは粗い方がスナップバックが大きくなり、スピンがかかりやすくなるので、今回の結果はゲーム中のことなので、正確な情報ではありません。
そこで、トラックマンでデータを取ることにしました。
上記5機種に、現行モデルのバージョン7のブレード98 16×19 と 18×20を比較対象として打ってみました。

上記の結果になりました。
やはり、わずかですが、 16×19より 18×20の方がスピンのかかりがよくなっています。
ストリングが細かい方がボールとストリングの接触本数が多くなり、ボールを潰す効果があったか、摩擦抵抗が大きくなってスピンがかかったか、スナップバックする縦糸の本数が多くなってスピンがかかったかなどが考えられます。
ゲーム中に感じたのは、トップスピンロブやアングルショットでは 18×20ではストリングの引っかかりが少なくミスショットになることが多く、セカンドサービスのリターンやつき球では 18×20の方が威力が出ていました。
十分な体勢から厚い当たりで振り切れる場合は、 18×20の方がパワー、スピンともに威力が増し、小手先で打つようなショットはミスになりやすいようです。
ブレードPROとブレード98(v7)との比較では、トラックマンのデータからわかるように、ほとんど違いはありませんでした。
実際の打球感ではブレードPROはホールド感が強く、ブレード98(v7)は素直に弾く感じがしました。
もはやこの差は好きか嫌いかで、どちらが良い悪いではありません。
もし、今ブレード98(v7)を使用している15歳のジュニアが将来トッププロになったとします。
ブレード98のv9かv10が発売されている7.8年後に、中身がv7のプロストックを使用している可能性があります。
人気があった2013年のブレード98を今でも使い続けている方、K SIX ONE95が好きで、ストリングパターンが 18×20が好みの方はプロラボは大変価値のあるラケットだと思います。
ただし、ハレプ選手が好き、デミノー選手が好きとの理由で今回のプロラボは購入されないでください。
※なぜかと言うとストリングパターンが 16×18で、本来ブレードにはないパターンを使用しているからです。
昔からある定番モデルを現代のデザインにしたのがプロラボです。
個人的な考えですが、自分はプロラボを選んで使おうとは思いません。なぜならラケットは日々進化しており、その進化した武器に体を合わせるように変化していきたいからです。
選手が簡単に新しいラケットに変えられないのは、ジュニアからプロになる数年間に最も多くのボールを打ちます。
その時期に使っていたラケットは本当に体の一部になったようなものです。
ラケットを変えると言うことは、変化しないといけないので、また、多くのボールを打たないといけないのです。
フェデラー選手や錦織選手のようなこだわりが強いトップ選手は、パーソナルモデルと言って、プロラボで準備しているモデルではなく、1から選手専用に作られています。
もし、アマチュアの人でもパーソナルモデルが作ることができるなら理想的なラケットになるのでしょうか。
30年以上前ですが、プリンスから「サバラン」というラケットがあり、フレームの硬さやウエイト、バランスなどオーダーしてから作られて、木箱に入って出来上がってくるパーソナルモデルがありました。
気になる価格は26万円でした。




試打してから作られるわけではないので「こんなはずじゃ」ということもあったのです。
トップ選手のラケットフィッティングには、トラックマンを使って、フレームの硬さ、フレーム厚、フェース面積、ストリングパターン、ウエイト、バランス、スイングウエイトなど様々な角度から検証し色々なラケットからベストなものを選んでいきます。
ウイルソン、ヘッド、ヨネックス、バボラ、プリンス、ダンロップ、スノワート、ダイアデム、テクニファイバーなど、色々なブランドから色々なラケットが発売されています。
私達アマチュアは全てのラケットから好きなラケットを選ぶことができます。
プロは1社からしか選ぶことができません。
さらに、トラックマンを使ってパーソナルラケットを作ることができるのはほんのひと握りの選手だけなのです。
私達はトラックマンも使えるし、好きなブランドも自由に選択できるじゃないですか、パーソナルモデルを作るようなものなのです。
今回プロラボを打って感じたのは、一人一人に合うラケットというのは違いがあって、プロ仕様の特別なモデルと言ってもが全ての人に合うわけではなく、合う方は限定的だということです。
合いそうな方は
○週3回以上テニスをしている
○300gだと軽すぎる
○100平方インチではデカすぎる
○26mm厚では厚すぎる
○体力には自信がある
○プロを目指している

5つ以上にチェックが入った方は是非チャレンジしてみてください。
*プロラボシリーズは渋谷店限定取り扱いモデルです。※3/26(金)発売
興味のある方は実際に手に取ってみてください。
■関連レビュー動画

【関連記事】
>>>【ウイルソン(レビュー動画公開)】プロラボシリーズが登場!ツアー選手を身近に感じられる特別なモデル!※3/26(金)発売
【GEEK通信】「95平方インチ、310g、310mmのラケットは何が良いのかわかったかも。」
2021/02/25

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
----------------------


「95平方インチ、310g、310mmのラケットは何が良いのかわかったかも。」
ダンロップCX200ツアーを打ったときのスライスの切れが凄かったり、プリンスツアー95でダブルスのゲームをした時にサービスが良くて勝ってしまったり、意外と95平方インチが良いことに気が付きました。
そしてヨネックスVコア95も好評で大変人気のあるラケットです。
この3モデルの共通点は、フェース面積95平方インチ、ウエイト310g、バランス310mmとまったく同じスペックなのです。
今回はこちらの95平方インチ、310gの3モデルを打ち比べてみたいと思います。
(ちなみに、ウイルソンウルトラツアー95も95平方インチ、309gなのですが、バランスが325mmとトップヘビーで、0.25インチロングの錦織選手モデルですが、今回の試打には入れておりません。)

3本の共通していることは、簡単にパワーが出るラケットではないことです。
ストロークでも、ボレーでも当てて終わりでは「ボットン」です。ボールが浅くなってしまい、相手にチャンスボールを与えてしまいます。インパクトをしっかり芯で捉え進行方向にフォロースルーしながら最後まで振り抜くことが必要になるのです。
何球か打っているうちに、ボールが浅くならないようにインパクトが、強くなっていくのが自然のなりゆきです。
また、95平方インチのモデルは同モデルの98平方インチや100平方インチのモデルより、フレーム厚が薄くなっていることが多く、今回試打したCX200ツアーのフレーム厚20.5mmに対してCX200は21.5mm、ツアー95の22mmに対して、ツアー100は23mm、Vコア95の22mmに対して、Vコア98は23mmと言う具合です。
フレーム厚を薄くすることによって、ラケットのしなりを大きくしており、インパクトからフォロースルーの時間が長くなり、押しの効いたボール、バウンド後に伸びるボールが出やすくなっています。
実際にダブルスのゲームで使用したので、インプレしていきます。
CX200ツアーは、スライスサービスの威力が凄く、横回転がかかりながも、スピードが出てくれて少しコースが甘く入っても相手がリターンミスをしてくれることがありました。やっぱり、スライスのリターンが効果的で、バックハンドはもちろんフォアハンドもスライスを多用しました。



Vコア95は、サービスとストロークに威力を感じましたが、ボレーのときにガシャることが何度かありました。スイートスポットが上方にあるので、体に近いショットは上手く体を逃がさないと良いところに当たりません。


ツアー95は、3本の中で1番パワーがあり、ストロークの安定感も抜群でした。難しさはほとんど感じることがなく、ボレーボレーの反応も良く、トップスピンロブも打て、ダブルスに向いているラケットでした。

95平方インチはなぜスライスが良いのか、疑問は解けなかったので、トラックマンを使って、CX200ツアーとマイラケのエンブレム110でパックハンドのスライスを打ってデータを取ってみました。

まずは普通にドライブで打ち、その後にスライスを打ちました。スライスのスピンレイトを計測するのは初めてで、マイナスとして出るのか、普通に出るのかわかりませんでしたが、順回転も逆回転も回転していることに変わりはないので、トップスピンと同じように計測されました。
まずエンブレム110では、バックハンドドライブの平均スピード110km、スピン2000回転、アングル(飛び出し角度)10度、クリアランス(ネット上の通過距離)80cm、レングス(着弾地点までの距離)23mと出ました。バックハンドスライスの平均スピード91.8km、スピンレイト1824回転(逆回転)、アングル8.7度、クリアランス55.1cm、レングス22.7mになりました。
当然ドライブよりスピードが落ち、回転数も若干落ちますが思ったより、スピンとあまり変わらない回転数です。飛び出し角度が1.3度低くなり、クリアランスは25cm低くなりますが、飛距離はほとんど変わりません。
次にCX200ツアーでバックハンドスライスを打ちました。結果はスピード94.6km、スピンレイト1427回転(逆回転)、アングル5.2度、クリアランス37.1cm、レングス23.0mとなりました。

エンブレム110に比べ、スピードは上がり、回転数は落ち、飛び出し角度が3.5度低くなり、約18cmクリアランスも低くなりながら、レングスは同じところに着弾しています。
エンブレム110で打つときは、5時から11時にボールが転がるようなイメージを持ってボールを擦るようにスイングします。
対して、CX200ツアーは体から遠いところで、ピンポイントで捉えるイメージで打ちます。
意識しているというより、面が小さいという感覚が、無意識の内にラケットの真ん中で当てようとしていて、自然と遠い打点になっているようです。
95平方インチのラケットでスライスを打つと回転数は少ないながらも、ネットすれすれのスピードのあるボールが打て、相手にしてみれば伸びてくるように感じたのではないでしょうか。
今回95平方インチの3モデルでゲームをしてみて感じたことは、意外とミスが少ないことでした。
110平方インチで普段プレーしていると、ロブ、ドロップショット、アングル、サイドスピンなど色々なことをやってしまいがちで、普通に打てば決まったものを余計なミスをすることがあります。
95平方インチを手にした途端、余計なことをしなくなります。
いかに、綺麗に芯に当てるかを第一優先にするので、余計なことをしなくなり、クリアな打球が増えていきます。
基本に忠実なショットが増えることで、イージーミスが減り、ゲームでの勝率も上がってきたのだと思われます。
中級者の方で、長い目で見て上達したい方は、95平方インチは良いかもしれません。
芯に当たった手応えと、芯を外した手応えが瞬時に手のひらに伝達するので、グッドショットの記憶とバッドショットの反省ができ、正しいスイングへ導いてくれることになるでしょう。
「急がば回れ」です。
GEEK通信「ダンロップCX200ツアーはスライスだけで勝てるかも」
2021/01/29

----------------------- ■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。 ----------------------
「ダンロップCX200ツアーはスライスだけで勝てるかも」
ダンロップCX200、CX200ツアー、CX400、CX400ツアーを試打してみました。

いつもなら、簡単な方から順番に打つのですが、今回は難しい方から順番に打つことにしました。
すると新しい発見があったのです。
まず始めは、CX200ツアー(16×19)で95平方インチ、310g、フレーム厚20.5mmのかなりシビアなスペックの鈴木貴男プロモデルです。

今回もダブルスのゲームで使用したのですが、バックハンドのスライスが凄いことになりました。
相手のセカンドサービスをスライスでリターンすると、レーザービームのようにボールが伸びていき相手は振り遅れて返球できませんでした。
相手の実力不足ではありません。
何十回と対戦している上手な方で、自分の球筋を知っている方です。
偶然出たまぐれ当たりかもしれないと思い、次のリターンもバックハンドスライスで打ったところ、またしても振り遅れてまともにラケットに当たってませんでした。
その後もサービスエースは出るし、ボレーも決まるし、鈴木貴男プロになったようでした。
鈴木貴男プロ直伝(YouTubeにて)のスライスサービスでは、スイートスポットの内側で打つとスライスサービスの切れが増す作戦を実行しました。


(Youtubeチャンネル:スターテニスアカデミーより引用)

ジュースコートから、ワイドにスライスサービスを打つとノータッチエースと思ったのですが、僅かにネットに触れレットになったのです。
相手はリターンのポジションを右に寄せてスライスを警戒しています。
普通はセンターにコースを変えるのですが、あえてワイドにスライスサービスを打つと、相手は一歩も動けず、「まいったっ。」の声がしました。
レットしたときより、さらに鋭角に決まりました。

次に使用したのが、CX200で98平方インチ、305g、フレーム厚21.5mmのタイプです。



CX200ツアーを打った後なので、凄く楽に打てて、易しいラケットのように感じました。

決して易しいラケットではないのですが、前作に比べ打ち応えがソフトになり、球持ちが長くなっているので簡単なラケットと錯覚したのです。

難しい方から打つとこういう効果があったんですね、新しい発見です。

CX200も前作は硬いラケットの印象がありましたが、今作は打球感がマイルドでスピン、スライス、フラットの打ち分けが無理なく行なえ、どのショットも思ったところにコントロールできました。

次に使用するのは、新しいラインナップのCX400ツアーです。100平方インチ、300gでCX400より1mm薄い23mm厚のフレームになります。



CXシリーズはコントロールを重視したシリーズですが、やはり100平方インチを求める声も多かったと思います。

従来はCX400一択だったため、少し軽く感じる、少しフレームが厚く感じるなどの声もあったので、CX400ツアーは待っていた人も多かったと思います。

一般的な黄金スペックとは違って、フレームのしなりがあり、飛びの距離感をラケット任せにすることなく、自分のスイングで調整できるところが良い点です。

最後に使用したのが、CX400で、100平方インチ、285g、フレーム厚24mmのスペックで、スリクソンのレヴォ4.0を使っていた者としては、安心のスペックです。


まったり感は懐かしい感じもしましたが、パワーは以前よりも増しており、スピードボールで早い展開に持っていけるように進化していました。

これで4本の試打は終わったので、マイラケのエンブレム110に持ち替えるところなのですが、どうしてもあのCX200ツアーのスライスが脳裏に残っており、もう一度使ってみました。

やっぱり、スライスは不思議なほど伸びていきます。
ボレーにも同じことが言えて、バウンド後の伸びがよく、リターンからの得点パターンが確立できました。
95平方インチ、310g頑張ればまだ使えそうです。
【関連動画:CXシリーズ(2021モデル)インプレッション】
【GEEK通信】「スピンがかかるとテニスが面白くなります。Vコア100、Vコア100Lどっちも良い。」
2021/01/18

----------------------- ■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。 ----------------------

「スピンがかかるとテニスが面白くなります。Vコア100、Vコア100Lどっちも良い。」

いつものダブルスオフに、ヨネックスの新作、「Vコア100」「Vコア98」「Vコア100L」を持って行きました。

まずはVコア100を使ってゲーム開始です。

偶然ですが、相手ペアは二人とも前作のVコアを使っていました。

気持ちよく、プレーしていたら、相手の視線が自分の方に向いています。
プレーに対して凝視しているのではなく、新作Vコアに向けた眼差しでした。
ゲーム終了後、

相手ペアのAさん「そのラケット今度出るモデルですよね」
Bさん「なんで持ってるんですか」
中居「実は、ウインザーの店員なんです。今日は試打で持ってきています。よかったら打ってみてください。」
Aさん「今100を使っているんでこれ借りてもいいですか。」
中居「もちろんです。後で感想聞かせてくださいね。Bさんもよかったらどうぞ。」
Bさん「自分は98なんです」
中居「98もありますよ。使ってみてください。」

二人とも大喜びで、新作Vコアを手にして次のゲームに勤しんでいました。
結局Aさんは最後までVコア100を手離しませんでした。
すぐ返却してくれたBさんに質問しました。

中居「Vコア 98はいかがでしたか」
Bさん「よかったですね、勝手にスピンがかかってくれる感じがしました。」
中居「今使っているVコアと比べて何か違いはありますか。」
Bさん「振動が少なく、柔らかくなったような感じがしました。」

Bさんは、気に入られたようです。
私も打ってみましたが、前作との違いは明らかでした。

前作のVコア98は、私には硬く感じ、過去コラム《【GEEK通信】「キュッパーマルゴー(98インチ、305g)のリキラケってなに?」》で打った時も、Eゾーン98に比べて、硬くて難しいという印象がありました。

今作は、旧VコアとEゾーンの丁度中間になるような硬さで、難しさは無くなっていました。

Vコア98は、球持ちの良い打球感で、インパクトからフォロースルーが安定してくれて、回転がかかって伸びの良いボールが毎回飛び出します。
Bさんが勝手にスピンがかかってくれると言ったのも頷けます。
シングルスをメインにプレーする方におすすめの一本です。

Vコア100の試打ラケットを最後まで手放さずにプレーしていたAさんに聞きました。
中居「新しいVコア100はいかがでしたか」
Aさん「打ちやすいラケットですね。手に全然響かなくてくっついてくる感じがします。発売はいつですか。」
中居「1月中旬の予定です。」
Aさん「ヨネックスが大好きで、EゾーンとVコアプロも持ってます。」
と言ってバッグの中を見せてもらうと、ヨネックスのラケットだらけでした。おまけにシューズもヨネックスでした。
Aさん「実は名前もヨネ○○と言います」
中居「関係者の方ですか」
Aさん「まったく関係ありません。自主的に使っているだけです。」
Aさんは、Vコア100を気に入って購入することに決めました。

Vコア100は【とにかくスピンが凄い】に尽きます。
リターンが沈むし、トップスピンロブにアングルパスも決まりました。
また、セカンドサービスもフルスイングした方が安定していました。

いつもより力んで打ってしまうので、4ゲームのダブルスでへとへとになってしまい、Vコア100Lに持ち替えました。
20g軽くなるだけで、全然楽です。

グリップ内部の衝撃吸収機能VDMのおかげで、軽量タイプにありがちな微振動がなく、気持ち良い打球感を実現してくれました。

軽量、トップヘビーのVコア100Lの良いところは、ラケットを立てた状態でテイクバックすると軽く感じ、振り出し始めると、振り子の原理で、ヘッドが回転していき、加速していきます。

300gでフルスイングできる方は、280gにする必要はありませんが、振り遅れの多い方、後半ミスが増える方は、300gから280gにしてみることをオススメします。

あらっ不思議、280gでも300gと変わらないかそれ以上のボールだって打ててしまいます。

Vコアは95平方インチ、98平方インチ、100平方インチの3種類ありますが、フェースの大きさだけでなく、ウエイトも気にかけてみてください。

98平方インチは305gと285g、100平方インチは300gと280gがあります。

テニスのために体力アップのトレーニングをしている方は当然重たい方を選んでください。

テニスをプレーすることで健康維持になっている方は軽い方が良いと思いますので試してみてください。

【関連動画:21Vコアインプレッション】
GEEK通信「これぞラジカル!やっぱりラジカルはこうじゃなきゃ」
2020/12/25

----------------------- ■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。 ----------------------
「これぞラジカル!やっぱりラジカルはこうじゃなきゃ」
ラジカルと言えば「アンドレアガシ」、アガシと言えば精密機械のようなストローカーの印象です。
プリンスグラファイト110でデビューし、ドネープロワンで強くなり、そしてヘッドのTIラジカルOSで全盛期を迎えました。
その間、一貫していたのは、粘りのある打球感とパワーとスピンが両立する107~110平方インチのデカラケです。
発売から27年、14代目が現在のグラフィン360ラジカルなのですが、ラケットのテクノロジーの進化と、フットワークや戦略の向上から、フェース面積は100 平方インチ前後で十分パワーが出てくれるので、107は必要のない大きさになってしまいました。
ラジカルが発売以来目指しているオールラウンドなプレーに必要な要素は時代とともに変化し、ラジカル自体も、ストリングパターンが18×20が16×19になり、ボックス型からラウンド型になり、フレーム厚も厚くなりました。
そして現行のグラフィン360ラジカルは、ヘッドのラインナップの中で最も硬いラケットになってしまったのです。(ギークの個人的な感想です)
15代目となるラジカル2021は、どのような変化を遂げたのでしょうか。 試打会にお邪魔したので、チェックしていきましょう。

スペックを見ると98平方インチで、フレーム厚も前作と同じで何も変わってないなと思う方もいるでしょうが、実はモールドを1から見直しガラリと変更しているのです。
ラケットを正面から見ると、薄くなっている部分と厚くなっている部分があり、逆三角形のシャフト部が長くなっていたり、色々と前作との違いを発見できます。このことから、ラジカルは1から作り直したのが垣間見えます。
また、ウエイトにも変更点があり、ラジカルプロが310gから315gにラジカルMPが295gから300gにそれぞれ5g増えています。 それでは実際に試打をしていきましょう。


まず目に付くのが、発光するくらいの眩いオレンジです。
ラケットをよくよく見てみると、マット仕上げになっているのにこの押しの強いオレンジはストリングも同調しているからでしょうか。


嫌いじゃないです。むしろ好きな方です。

ラジカルはプロ、MP、S、ライトの4アイテムで、MPライトとPWRは今回ありません。
いつものように、簡単な方から順番に打っていきます。

ラジカルライトは、フェース面積102平方インチで260gの女性、ベテラン向きモデルです。

打ち負けそうなイメージで試打を始めました。 なぜかというと、試打の相手がプロを筆頭に若いハードヒッターばかりだったからです。 ところが、打ち負けるどころか、よく飛びました。 いつも使っている重さなので、全然問題なく使えて、 気持ちよくフルスイングできました。102平方インチなので、ジュニアにもちょうど良いスペックです。 ラジカルSは、ライトと同じモールドでウエイトが280gでバランスが320mmとかなりトップライト設計です。

260gのライトよりもしかしたらスイングウエイトが軽いのか、こちらの方が軽く感じました。 スピン、スライスのかかりが自在にでき、ボレーもしやすくダブルスをする方に向けて作られたようなラケットです。 102平方インチの割に飛びは抑えられているので、ドロップショットやロブが打ちやすそうです。 (試打会なので、流石にドロップショットは打てませんでした) ラジカルMPは、前作とまったく違うラケットになっていました。

まず、打球感がソフトで食いつきが相当良くなっています。 パワーは前作の方がありそうですが、食いついている時間が長いので、スピンのバウンド後の伸びは最新の方がよくなっています。
ラジカルプロは、前作とはまったく別物になっています。
前作までのラジカルプロの立ち位置はラジカルMPの重たいバージョンでしたが、今作は最大フレーム厚を23.0mmから21.5mmと薄くして、ウエイトを310gから315gにしています。
ボールを掴む感覚はMP以上に感じましたが、スイートスポットとそれ以外の差が大きく、315gを自在に振れる体力がないと中々厳しいラケットです。 パワー重視の前作から、コントロール重視に変わった今作、オールラウンド目指していた初期の頃の思いが詰まっています。

**************************************
【プレステージ < グラビティ < ラジカル< スピード < エクストリーム < インスティンクト】
パワーだけを見ていくとこのような感じになるのではないでしょうか。(ギーク個人の見解)
**************************************
試打の相手をしてくださった川上倫平プロも相当ラジカルMPを気に入っていて、2021年の使用を検討しているようでした。でも、契約選手はある意味大変ですね。
自分たちアマチュアは、どのメーカーのラケットでも使えて、今日からでも新しいラケットに乗り換えることが可能です。プロは契約ブランド以外は使うのが難しく、勝手に機種を変えることもできません。
だからこそ、選手も契約ブランドで良いラケットに出会えるように試打も真剣です。
ラジカル2021は契約選手もざわつく本格派ラケットですので、皆さんも真剣に試打してくださいね。
【関連記事】 >>>【ヘッド】ラジカルのNEWモデルが登場!レビュー動画もチェック!!※2021年1月下旬発売