FILA 2026 Fall & Winter
デザイナーインタビュー【前編】FILA 2026 Fall & Winter
デザイナーインタビュー
【前編】
「THE CLUB BIELLA」に込めた想い
<左>FILAテニスデザイナー 高島さん <右>ウインザーアンバサダー 智菜美
ウインザーラケットショップ公式アンバサダー・智菜美が、テニスウェアをつくる人に会いにいく「デザイナーインタビュー」。
今回お話を伺ったのは、FILAテニスのデザイナー・高島さん。
1998年春夏から約20年間、FILAテニスウェアのデザインに携わり、2018年に一度ブランドを離れた高島さん。そして時を経て、2026年秋冬シーズンから再びFILAテニスへ。
「おかえりなさい。」再びFILAのデザインへ
智菜美
今日はすごく楽しみにしていました。まずは改めて自己紹介をお願いしてもいいですか?
高島さん
FILAに関わったのは1998年の春夏からで、そこから2018年までの約20年間、FILAテニスウェア、主にレディースを担当していました。
そこから7年から8年ほど離れていたんですけれど、2026年秋冬から、またFILAテニスに関わることができました。
智菜美
おかえりなさい(笑)。
高島さん
ありがとうございます(笑)。
智菜美
私、本当に高島さんが担当されていた2018年頃のFILAがすごく好きだったんです。
ちょうどその頃に私がテニスを始めて。
母が私より半年くらい先にテニスを始めていて、「家族でやったら面白そうだから、やらない?」って誘われたんですけど、私は自分のことを運動音痴だと思っていたので「無理だから」って(笑)。
そうしたら母がFILAのウェアを買ってきて、「ほら、こんなにかわいいウェアがあるよ。これを着てスポーツしたら楽しそうだと思わない?」って。
高島さん
お母様に感謝を申し上げたいです(笑)。
智菜美
本当に(笑)。そういう思い出があるので、今日はすごく楽しみにしていました。
「テニスウェアは、もっと自由でいい。」
智菜美
今回、久しぶりにFILAへ戻られたわけですけど、普通のアパレルと同じように、テニスウェアにも流行やスタイルの変化ってあるじゃないですか。
久しぶりに戻ってきて、「今はこういう感じになっているんだ」と感じたことはありましたか?
高島さん
他のカテゴリーのスポーツウェアは、すごく進化していると感じました。
アイテムの幅が広がっていたり、特に女性向けではシルエットが変化していたり。
でもテニスに関していうと、意外と「ものすごく新しくなった」という印象はなかったんです。
智菜美
それって高島さん目線では、「変わってなくてよかった」なのか、「他は変わっているのに、テニスは変わっていないな」なのか、どっちなんでしょう?
高島さん
どちらかというと、後者ですかね(笑)。
もっと自由に挑戦してもいいと思うんです。
もちろん、コンサバティブできれいに見えるものがあってもいい。でも、全体的に同じ方向を向いているような印象があって。
「FILAだったら、こういうテニスウェアが出てくるよね」という、ブランドとしての特徴をもっと出してもいいんじゃないかなと思いました。
智菜美
じゃあ今、高島さんの中には「FILAでこんなことをやってみたい」というものもあるんですか?
高島さん
まずはFILAがもともと持っているアイデンティティをベースにしたいです。
そこへ、スポーツだけじゃなく、今のファッションのトレンドを感じるシルエットや素材感を取り入れていく。
本当はもっと挑戦したアイテムもやってみたいんですよ。例えばワンピースではなくて、ショートパンツと一体になったオールインワンとか。
そこまで行ってみたい気持ちはあります(笑)。
でも、その道のりの中でも「新しいもの」を追求していけるブランドだと思っています。
デザインは「自分が着たい」から始まる
智菜美
高島さんの頭の中も聞いてみたいんですけど(笑)。
デザインって、どうやって考えているんですか?
高島さん
まずは、自分の気分が結構大事ですね。
「今、自分はどんなものを着たいかな」とか、「今は何に惹かれるんだろう」とか。
それは別にテニスウェアじゃなくてもいいんです。
そこからショップクルーズをしたり、写真からインスピレーションを得たり、いろいろなものを通して具体的な要素を拾っていきます。
もちろん、どんどん広がってしまうんですけど(笑)。
その中から最初に思い描いていたムードに「合う・合わない」を選別しながら、ひとつのデザインに組み立てていく感じですね。
2026 Fall & Winter
「THE CLUB BIELLA」
智菜美
では、いよいよ今シーズンを見ていきたいと思います。2026年秋冬のテーマを教えてください。
高島さん
テーマは「THE CLUB BIELLA(ザ クラブ ビエラ)」です。
高島さん
私にとってFILAへ復帰する最初のシーズンなので、「どんなFILAを表現したいだろう?」と考えた時に、やっぱりFILAの原点や歴史を、もう一度自分なりに再解釈して表現したいと思いました。
そこでFILAが生まれたイタリア・ビエラを舞台にした、架空のテニスクラブを思い描いたんです。
智菜美
架空のテニスクラブ!それだけでもワクワクしますね。
高島さん
そこに集まる人たちの人物像も考えているんですよ。
知的で、その人なりの文化を持っていて、ファッションを楽しんでいる。そんな人たちが集まるテニスクラブをイメージしています。
クラブではシーズンごとに開催される大会があって、その大会ごとの「ドレスコード」という形でコレクションを展開しています。
ビエラの風景から生まれたカラー
智菜美
今回のシーズンカラーは、どのように選ばれたんですか?
高島さん
ビエラは上質なウールの産地として知られていて、水がきれいだからウールの発色もとても美しいんです。
その発色の良さをイメージしながら、イタリアントリコロールをFILAとしてもう一度提案したいと思いました。
明るいカラーリングをベースに、秋冬らしいキャメルやブラウン、柔らかなペールトーンも加えています。
さらに今回は、ホワイトとブラックだけで展開する特別なシリーズも用意しています。
DRESS CODE NO.1: Bjorn Borg
FILAのアイコンであるBjorn Borg(ビヨン・ボルグ)に敬意を表するドレスコード。
ピンストライプやブロックチェック、トリコロールを今のムードに昇華したデザインで、FILAのアイデンティティを表現したラインナップ。
智菜美
では、最初のDRESS CODEから教えてください。
高島さん
最初は、FILAを象徴する歴史やアーカイブへの敬意を込めています。
ビヨン・ボルグが着用していたカラーリングやストライプなどを、今の時代の感覚で再解釈しました。
智菜美
これは「FILA!」っていう印象、すごくあります。
高島さん
ボルグモデルのピンストライプから着想を得て、ラインを増やしたり、配色に変化を持たせることで、FILAらしさを残しながら新しい印象に昇華しています。
レジメンタルストライプの中にテニスボールを入れたり、少し遊びを加えているのもポイントです。
智菜美
ハートも入っていますよね。可愛いです。
高島さん
はい。「テニスラブ」というイメージの、小さなハートのモチーフも入れています。
カラーもFILAらしい鮮やかな色だけでなく、秋冬らしいブラウンやキャメルも取り入れています。
DRESS CODE NO.2: FUN
スポーツとファッションの境界線で遊ぶ、FILAのDNAを刻んだ遊び心あふれるドレスコード。
FILA発祥の地・ビエラのベアやWINNERをイメージするモチーフが楽しいコレクション。
智菜美
続いてNO.2は「FUN」。ここで一気に雰囲気が変わりますね。クマが可愛いです!
高島さん
ここは名前の通り「楽しい」をテーマにしています。
FILAには、白いテニスウェアが中心だった時代に色を持ち込んできた歴史があって、スポーツとファッションの境界線で遊ぶようなマインドがあります。
そこから、楽しいモチーフを中心に展開しています。
智菜美
このクマにも、ちゃんとストーリーがあるんですよね?
高島さん
はい。ビエラ市の紋章にあるベアから着想しています。
そこに「勝者」というイメージを重ねて、メダルやWINNERを連想させるモチーフも柄の中に入れています。
智菜美
こういう背景を聞くと、ただ「クマが可愛い」だけじゃなくなりますね。
高島さん
一方で、全面柄だけではなく、ベロア素材にベアのシルエットだけを刺繍したものもあります。
こちらは少し大人の方にも楽しんでいただけるように、さりげなく表現しています。
高島さん
同じモチーフでも、思い切り楽しむものと、さりげなく取り入れるもの。その両方を用意しています。
後編では、「Flowing the Sports」「Linea Bianca」、そしてELEY KISHIMOTOとのコラボレーションまで紹介します。
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