【GEEK通信】「エンブレム110NAKAIスペシャルが良い感じ」
2022/06/09
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「エンブレム110NAKAIスペシャルが良い感じ」
最近はビーストDBをお休みして、エンブレム110ばかりを使っていました。
ダブルスのゲーム中に、ストリングが切れてしまい、ビーストDBを久しぶりに使ったのですが、ダブルフォルト連発、ボレーのミス、スマッシュのミス、ミス連発でペアの方に迷惑をかけてしまいました。
完全にエンブレムに体が慣れてしまいました。
エンブレム110は255gでかなり軽量のため、打ち負ける場合があります。
その打ち負けてしまうシーンの大体が前衛にいるときで、ストレートアタックをされたり、ポーチに出てやっと届くかどうかのときに、弾かれることがたまにあります。
エンブレム110は、フェース110平方インチ、ウエイト255g、スイングウエイト280、フレーム厚26-28-26、ストリングパターン16×18です。
ビーストDB100は、フェース100平方インチ、ウエイト280g、スイングウエイト280、フレーム厚24-26-23、ストリングパターン16×19です。
エンブレムの良いところは、110平方インチのデカラケでありながら、16×18と粗いストリングパターンを採用しているので、スピン、スライスのかかりが非常に良いのでストロークが安定しています。
なんと言ってもボレーのしやすさが最大の特徴です。
ハイボレーは威力が出て、ミドルボレーは狙ったところにコントロールしやすいし、ローボレー、ハーフボレーはミスが出づらいのです。
でも一番はドロップボレーが絶妙に決まることです。
欠点とされる「軽すぎてしまう問題」に対しては、あるものを活用して20g増量することで
解決を図っています。
まずグリップに「ジャストグリップ」を装着します。
重さが丁度10gあります。
鈴木貴男プロやガスケ選手がグリップをテーピングで膨らませていますが、それらと同じ効果で、てこの原理が働くので、サービス、ストロークのときにヘッドが返りやすく感じます。
また、ボレーのときにヘッドが立ち安定します。
ジャストグリップと同じ重さの10gの鉛をフェースの3時9時の位置に貼ると、合計275g、スイングウエイト290のエンブレムが出来上がります。
ちなみに、バランスは気にしません、、、、というか測ることもございません。
止まっている重さと動いている重さの二つを希望の数字にすれば自ずとバランスは決まってしまいます。
バランスを気にすると、スイングウエイトが合わなくなることがあります。
結局、プレーしているときは、ラケットの重さ(静止重量)と振っているときの重さ(動的重量)しか感じません。
ボールを打っているときに、バランスがどこにある等を把握する事はなかなか難しいと個人的に思います。
今回2本目を購入するにあたり、1本目の(ジャストグリップを外した状態)264g、290swに合わせやすいものを選びました。
①255g、276swと②256g、282swが候補のラケットです。
鉛をフェースに10g貼ると約15スイングウエイトが重くなるので、目標値のスイングウエイト290にするためには、②だとオーバーしてしまいます。
①を選択し、9gの鉛をフェース3時9時付近に仮止めしてスイングウエイトが290になる位置を探します。
②を選択した場合は、8gの鉛をスロートの内側に貼ればスイングウエイトが290になるのですが、フェースの3時9時(2時10時でもOK)貼りたいのです。
その意味として、トリプルスレット理論が関係しています。
(引用:グローブライド株式会社)
トリプルスレットとは、プリンスが以前採用していた機能ですが、フェースの2時10時とグリップの3カ所に重りを配置することで、ラケットの横ブレと縦ブレを防ぐ効果があります。
横ブレは、スイートスポットを外したときに、フェース面が捻れてしまいグリップが動いてしまったりします。
縦ブレは、フェースの先端方向に当たった際に、衝撃で打ち負けてしまう現象です。
やじろべえを想像してもらうとわかりやすいのですが、ラケット先端とグリップが重くなることで、やじろべえの状態になり、安定性がよくなるのです。
ノーマルの255gのエンブレム110と、275gにチューンナップしたエンブレム110でどのくらいスピードとスピンが変わるのか、トラックマンで計測してみました。
エンブレム255g → スピード112.6km スピン2063rpm
エンブレム275g → スピード116.4km スピン2104rpm
スピードで3.8km速くなり、スピンで41回転上がっています。
この結果から見て、255gと275gを同じスイングスピードで振れているから、スピードもスピンも向上したことを意味します。
もし、275gより255gが速くスイングできていれば、違った数字になるはずです。
なぜならボールの威力は【重さ×スイングスピード2乗】に比例するからです。
実は、以前にも鉛を貼ってプレーしていたときに、不調に陥り、鉛を外したところ調子が良くなったことがあります。
スイングスピードの2乗に比例することから、その時は255gの方が速いスイングが出来ていたというか、275gが重たく感じ、スイングが鈍っていたのでしょう。
先日、トラックマンイベントの運営をしているときに、ファントムグラファイトOSが少し辛くなってきたという方のサポートをしました。
黄金スペックを試してみたのですが、数字は上がらず、Eゾーン105を打ってみたところ良いデータが出ました。
イベントは終了したのですが、おまけで自分のエンブレム110(275g)を打っていただいたところ、最高スピード、最高スピンを更新してしまいました。
「今度、池袋店に行きます。」ということでお別れしました。
女性に人気のエンブレム110ですが、ダブルス中心のベテラン男性にもおすすめの逸品です。
ボレーのしやすさが最大の特徴ですが、スピン、スライスのかかりが良いので、
パワーの出るストロークを回転でコントロールすると、リターンゲームも楽しくなります。
ストリングは、耐久性を度外視して縦にトアルソンバイオロジックXX123、横にソリンコハイパーG120を45ポンドで張っています。
バイオロジックは表面をサラサラ加工しており、ポリエステルとの相性がよく、スナップバックが大きくなり、スピンのかかりを助けてくれます。
このセッティングでなくても、縦マルチフィラメント、横ポリエステルであれば同様の効果は、期待できます。(Youtube動画後半に中居のオススメセッティングを紹介しております。)
エンブレム110NAKAIスペシャルが気になる方は池袋店の中居までお問合せください。
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