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【GEEK通信】「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(女子編)」
2020/05/28
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(女子編)」
男子選手に比べて、女子選手の最強って色々と考えてみました。
女子選手はプレーヤーとしての寿命の長さであったり、レジェンドになる前に引退してしまうことが多いことなどに気がつきました。
特にここ最近は、ケルバー、プリスコバ、ムグルサ、ハレプ、ウォズニアッキ、大坂なおみ、バーティと1位選手がコロコロと変わっています。
1968年のオープン化以降の1位の選手を確認していくと、強い選手にある特徴が見えてきました。
1位になった在位期間以外に、1位になった回数が多い選手は強いということです。
何度も何度もライバルが現れ、その度ごとにライバルを倒して1位になる、そんな選手は活躍する期間も永くなるし、当然1位の在位期間も永くなるのです。
1位になった回数の上位5名は、 1.クリス・エバート 9回
1.マルチナ・ナブラチロワ 9回
3.リンゼイ・ダベンポート 8回
3.セレナ・ウイリアムズ 8回※
5.シュテフィ・グラフ 7回
(※)現役プレーヤー

1位在位通算週間は、 1.シュテフィ・グラフ 377週
2.マルチナ・ナブラチロワ 332週
3.セレナ・ウイリアムズ 319週※
4.クリス・エバート 260週
5.マルチナ・ヒンギス 209週
(※)現役プレーヤー

グランドスラムシングルスタイトル獲得回数は、 1.マーガレット・スミス・コート 24個
2.セレナ・ウイリアムズ 23個※
3.シュテフィ・グラフ 22個
4.ヘレン・ウィルス・ムーディ 19個
5.クリス・エバート 18個
5.マルチナ・ナブラチロワ 18個
(※)現役プレーヤー
クリス・エバートとマルチナ・ナブラチロワの二人について語らないわけにはいきませんね。
ちょうどこの頃男子では、ボルグ対マッケンローのライバル対決で非常に盛り上がっていたのですが、その理由の一つとしてストローカー対ボレーヤー、右利き対左利き、紳士対悪童といった対照的なふたりだったことが応援する側が盛り上がる要因でした。
エバートはアイスドールと言われており、冷静沈着、正確無比なストローカーで、ナブラチロワはガッツ溢れるボレーヤーで、右利き対左利きというところもボルグ対マッケンローに似ており、見ていて楽しい対戦でした。
エバートはグランドスラムタイトル18個取っており、全仏オープン7回は未だ破られていない記録です。
また、グランドスラム決勝進出「34」も1位の記録です。
ナブラチロワも同じく18個のタイトルホルダーで、1983年には86勝1敗(勝率98.9%)の成績を収めています。
ナブラチロワの凄いところは、ダブルスでも活躍しグランドスラムで31回も優勝しています。
シングルス74連勝、ダブルス109連勝は共に破られていない記録です。
二人の対戦成績はナブラチロワの43勝37敗で、なんと80回も対戦しています。
12年間続いた2強時代を終わらせたのが、シュテフィ・グラフです。 シュテフィ・グラフは1987年に1位になると、翌年1988年にはゴールデングランドスラム(すべての4大大会とソウルオリンピック優勝)を達成し、1989年は86勝2敗とこの年は12セットしか落としませんでした。
破壊力のあるフォアハンドとぴょんぴょん飛び跳ねる躍動感のあるフットワークはほとんどスライスしか打たないバックハンドの弱点をカバーして余りあるものでした。
あと何回グランドスラムを達成するのかと言われていましたが、1990年全仏オープンで彗星の如く現れた少女に決勝で破れます。
この少女とはモニカ・セレスで16歳6ヶ月の最年少記録を打ち立て、翌年には186週続いていたグラフの1位の座を奪ったのです。 セレスは1991年の全豪オープンから1993年の全豪オープンまでの9大会で優勝7回、準優勝1回、欠場1回と絶好調でした。
あの無敵だったグラフがダブルバックハンドの練習をしていたくらいです。
セレスのプレースタイルは、フォア、バックともに両手打ちで、片手打ちのグラフとは対照的でした。
軽量、デカラケ、厚ラケにハイテンションで張り、高い打点からフラット系のボールをライジングで叩き込むまったく新しいスタイルを構築した選手でした。
絶頂期の1993年に試合中のチェンジコートの際に、熱狂的なグラフのファンにナイフで刺され、2年半の欠場を余儀なくされます。
怪我は数ヶ月で完治したのですが、精神的な回復に時間がかかり、過食症になってしまったのです。
その間に1位に返り咲いたグラフは、セレス欠場中に7回のグランドスラム優勝を遂げました。
2年半後、ややふっくらしたセレスの復帰時に特別措置で、怪我する前のランキング1位と現在のランキング1位が存在するということが起こりました。
1995年の復帰戦でブランクを感じさせず優勝し、その勢いのまま、全米オープンの決勝でグラフと激闘を演じ、6-7.6-0.3-6と苦敗したものの見事に復活しました。
あの怪我がなかったら、セレスの記録とグラフの記録は違うものになっていたのではないでしょうか。
グラフとセレスは、エバートとナブラチロワに劣らない2強時代だったことには変わりないですね。
そして、セレスの最年少記録を更新する天才少女が現れます。
16歳3ヶ月で全豪オープンを優勝し、16歳6ヶ月で世界ナンバー1になったのは、スイスのマルチナヒンギスです。 マルチナはナブラチロワの名前にあやかって付けたそうです。
早熟の天才は、10代でグランドスラム5勝した後はシングルスでのタイトルはありません。
何故かというと、リンゼイ・ダベンポート、ウイリアムズ姉妹らのパワーテニス全盛となり、テクニックだけでは勝てなくなってしまったのです。
しかし、そこは天才と呼ばれる程、テクニック、センスはずば抜けていましたので、ダブルスで活躍していきます。 引退、復帰を繰り返しながら、2017年に3度目の引退をしました。
ただ、この引退の年に女子ダブルスとミックスで3度のグランドスラム優勝をしていますので、まだまだ復帰する可能性は0ではありません。(2020年現在40歳)
ヒンギスの後にナンバー1になったのは、リンゼイ・ダベンポートです。 バレーボール選手を両親に持ち、189cmと恵まれた体格からサービス、フォアハンドストロークから攻撃するパワーテニスの申し子でした。
1996年のアトランタ五輪で金メダルを取り、1998年全米オープンでヒンギスに勝ち、初のグランドスラムタイトルを取り、そしてナンバー1になったのですが、ここから波乱万丈が始まります。
トータル8回1位になるのですが、1998年から2006年の間に、カプリアティ、ビーナス、セレナ、クライシュテルス、エナン、モーレスモ、シャラポワがその期間に1位になっているのです。
ダベンポートの凄いところは、セレナが台頭しても、エナンが台頭しても、シャラポワ台頭しても、めげずに再度ナンバー1になっていることです。
ダブルスでも活躍したのですが、1998年ダブルスで年間グランドスラムを達成したヒンギスの影に隠れていますが、4つとも準優勝しているのはダベンポートなのです。
1999年のウィンブルドンでグラフを破って優勝を果たすと、グラフは引退を決め、その1か月後に1度目の現役引退。
再度復帰し2004年のウィンブルドンでシャラポワに負けると引退を匂わせますが、その後の大会でビーナス、セレナに勝ち連続優勝すると、引退を撤回。
2006年出産のため、休養に入り、復帰後もシングルス4大会で優勝し、2009年に第二子出産し、復帰後ダブルスで優勝し、ジェットコースターのような現役生活に終止符を打ったのです。
1995年の東レパンパシフィックの決勝で、伊達公子さんとダベンポートが対戦し、6-1.6-2で伊達公子さんが完勝したのを今でも思い出します。
(1996年伊達公子さんの1度目の引退の際の最後の相手は、当時16歳で翌年にナンバー1になるヒンギス。伊達公子さんの引退時のランキングは8位でした。)
セレナ・ウイリアムズは2002年にナンバー1になったのですが、その後勝てない時期があったり、怪我などで100位以下になることもありました。 31歳の時に1位に返り咲き、その後186週(3年半)その地位を守りました。
1位獲得回数8回、1位在位期間319週の記録は、未だ現役で、ランキング9位ですので、まだまだ伸びる可能性があります。
グランドスラムタイトルは23個でマーガレット・スミス・コートの24個についで2位の記録です。
セレナは男女合わせても達成者のいない「シングルス、ダブルスキャリアグランドスラム」を持っています。
オリンピック金メダル4個獲得もしていて間違いなく、史上最強女子プレーヤーです。
ちなみに、マーガレット・スミス・コートは1960年から1975年に活躍した選手で、グランドスラムタイトルはシングルス24、ダブルス19、ミックス21でトータル64個の記録を持っていますが、1968年のオープン化(1967年まではアマチュアしか参加資格がなく、オープン化以降にプロに転向)以降に限っての記録は、シングルス11、ダブルス10、ミックス7になります。
個人的な見解も大きく含まれてしまっているかもしれませんが、セレナ・ウイリアムズとシュテフィ・グラフが史上最強プレーヤーといったところでしょうか?
と言うことで、中居個人が選ぶ史上最強プレーヤーを発表しましょう。
史上最強ということは選手として最高であって欲しいし、若い選手の見本とならなければいけないと部分もあるのではないかなと個人的に思いました。
セレナ・ウイリアムズは、2009年全米オープンや、2011年全米オープン、2018年全米オープンなどで妨害行為やコートバイオレーションをとられています。
よって現時点での中居個人が選ぶ史上最強女子プレーヤーはシュテフィ・グラフにさせていただければと思います。 今後セレナウイリアムズがナンバー1になるとランキング1位回数9回でトップになります。
また、グランドスラムタイトルを取るとトータル24個でトップになります。
その場合、グラフを抜いて史上最強女子プレーヤーはセレナ・ウイリアムズにさせていただければと思います。
かなり独断と偏見がありましたが、いかがでしたでしょうか。
現在9位のセレナ・ウイリアムズの巻き返し、10位の大坂なおみの成長、1位のアシュリー・バーティはどうなっていくのか、 今後の女子プレーヤーの活躍に注目です。
【GEEK通信】「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
2020/05/21
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
今回は、「歴代最強プレーヤーは誰か」をデータを元にピックアップしてみましょう。
(※)現役プレーヤー
世界ランキング1位に在位した期間は、
1.フェデラー 310週(※)
2.サンプラス 286週
3.ジョコビッチ 282週(※)
4.レンドル 270週
5.コナーズ 268週
6.ナダル 209週(※)
7.マッケンロー 170週
8.ボルグ 109週
9.アガシ 101週
10.ヒューイット 80週
世界1位だった期間が長いということは、最強を決める上で非常に参考になります。
ビッグ3が上位にいますね。

続いてグランドスラムを取った回数は、
1.フェデラー 20回(※)
2.ナダル 19回(※)
3.ジョコビッチ 17回(※)
4.サンプラス 14回
5.エマーソン 12回
6.レーバー 11回
6.ボルグ 11回
8.チルデン 10回
9.フレッドペリー 8回
9.ローズウォール 8回
9.コナーズ 8回
9.レンドル 8回
9.アガシ 8回
ビッグマッチに、勝てるかどうかも大事ですよね。
現役プレーヤーがトップ3を独占していますが、次はレジェンドプレーヤーにも焦点を当ててみましょう。
年間グランドスラムを2回達成しているロッド・レーバーも史上最強説のある選手です。
レーバーはグランドスラムを11回取っているのですが、年間グランドスラムを2回達成しているのにトータルで11回は少ないと思いませんか。
実は、テニスのオープン化が関係しているのです。
レーバーが最初に年間グランドスラムを達成したのは、1962年で24歳のアマチュアの時です。
翌年プロに転向します。
この当時はグランドスラムはアマチュアしか出場できなかったのです。
1968年にオープン化し、グランドスラムにプロも出場できるようになった翌年の1969年に2度目の年間グランドスラムを達成したのです
一番油の乗り切った25歳から29歳の5年間はグランドスラムに出場していませんので、もし出場していれば何回取っていたかわかりません。
当然その間は、プロで勝利を数々と上げていて、プロのメジャータイトルを8個取っています。
(全仏プロテニス選手権、全米プロテニス選手権、ウェンブリー選手権の3つがメジャー大会)
その頃、レーバーと実力を2分していた選手が、ケン・ローズウォールでレーバーより4つ年上で、21歳から33歳まではプロツアーに出場しており、グランドスラムにはその期間出ていないのに、グランドスラムを8回優勝しており、37歳で全豪オープンを優勝した最年長記録は未だに破られていない息の長い選手でした。
ちなみにプロのメジャータイトルを15個取っており、最多記録になっています。
最強を比較する上で参考になるのが、年間最高勝率です。
1.マッケンロー 1984年 82勝3敗(96.47%)
2.フェデラー 2005年 81勝4敗(95.29%)
3.ジョコビッチ 2015年 82勝6敗(93.18%)
4.コナーズ 1973年 87勝7敗(92.55%)
5.ボルグ 1979年 74勝6敗(92.50%)
5.レンドル 1986年 74勝6敗(92.50%)
7.ナダル 2018年 45勝4敗(91.84%)
8.ビラス 1977年 132勝13敗(91.03%)
9.マレー 2016年 78勝9敗(89.66%)
10.レーバー 1970年 51勝6敗(89.47%)

29.錦織圭 2014年 54勝14敗(79.41%)
もし、年間勝率1位だった年の選手(1984年のマッケンロー対2005年のフェデラーのように)同士が試合をしたらどんな試合になるのでしょうか。
想像するだけで楽しくなります。 ほとんどのデータで上位に来るのは、やはりフェデラーです。
最強プレーヤーはフェデラーで決定してよろしいでしょうか。
「ちょっと待ったー」の声がしました。
ジョコビッチ対フェデラーの対戦成績、ジョコビッチの26勝23敗はどうします。 ナダル対フェデラーの対戦成績、ナダルの24勝16敗はどうします。
歴代史上最強の選手が、負け越していてはなにかおかしいですよね。
問題は、歴代最強を争う選手が今もなお、現役で戦っているのでまだ最強を決められないことです。
ちなみに、ジョコビッチ対ナダルの対戦成績、ジョコビッチの29勝26敗とほぼ互角です。
現在のビッグ3の戦いは、レーバーとマッケンローとフェデラーが同じ時代で戦っているようなものでもあります。今はこの贅沢な時間を楽しみましょう。
ローズウォールは43歳でツアー優勝しています。
フェデラー、ジョコビッチ、ナダルも40歳過ぎてまだ戦っているかもしれません。
最強を決めるのは10年後にしましょう。
と言うことで、中居個人が選ぶマイフェバリットプレーヤーベスト5を発表しましょう。 第5位:ステファン・エドバーグ(1983年デビュー1996年引退)
サービスandボレーがカッコ良かったです。バックハンドのダウンザラインはお手本でした。
第4位:ジョン・マッケンロー(1976~1992)
1980年、1981年のウィンブルドンでのボルグとの死闘は伝説。ボレーの天才。ナイキのウエアを初めて着用した選手です。
第3位:ダスティン・ブラウン(2002年デビューの35歳)
ツアー優勝なし、最高位64位。
ドイツ国籍のジャマイカン。運動神経はモンフィスと同等。
サービスはトップクラス、ボレーのセンストップクラス、ストロークが淡白で、すぐドロップショットを打ってしまうのですが、負けてもスカッとします。
第2位:ロジャー・フェデラー(1998年デビューの38歳)
2001年ウィンブルドン4連覇中のサンプラスに勝ったのは衝撃でした。
サンプラスの7度優勝を更新する8度のウィンブルドン優勝。
10勝23敗だったナダルに、ラケットフェースを90平方インチから97平方インチにして、5連勝しました。
第1位:錦織圭(2007年デビューの30歳)
18歳の時、ツアー初優勝、全米オープンでフェレールに勝ち、AIGオープンで日本に凱旋。
その時にうちの子供がサインをもらい、それ以降ずっと応援しています。
2014年全米オープン準優勝の時に加入したWOWOWは今でも継続しています。
まだまだピークはこれから来ると注目しています。
おまけのマイフェバリットマッチ3選をお届けします。 第3位:ラファエル・ナダルvsダスティン・ブラウン
2014年ATPワールドツアー500ハレ(芝) 6ー4、6ー1でブラウンが勝った試合。
翌年のウィンブルドンでもブラウンが勝ち、ナダルが芝ではブラウンとやりたくないと言ったとか言わなかったとか。
全仏優勝後の初戦で、最強と思われていたナダルがボコボコにやられてしまい騒然となりました。
第2位:錦織圭vsロジャー・フェデラー
2014年マスターズ1000マイアミ 3-6、7-5、6-4で錦織が勝った試合。
最後のマッチポイントをジャックナイフでノータッチエースで決めたのがクール。
前年のマドリード1000でも勝っておりフェデラー戦2連勝を飾りましたが、この年、後2回対戦しており、しっかりフェデラーが2連勝してお返ししています。
第1位:錦織圭vsノバク・ジョコビッチ
2014年全米オープン準決勝
6-4、1-6、7-6、6-3で錦織圭が勝った試合。
ラオニッチ、ワウリンカと2試合連続で4時間越えの試合を乗り越え迎えたジョコビッチ戦、熱狂したのが昨日のようです。
勝てば決勝でフェデラーと対戦と思っていたら、チリッチが勝ってしまい、錦織圭vsフェデラーが幻になり残念な気持ちと、勝率が良いチリッチとの対戦にワクワクした気持ちで、決勝の前は眠れなかったことを思い出します。
いかがでしたでしょうか。
史上最強決定戦を生で観られるなんて幸せですね。
ビッグ3に挑んでいく錦織圭にもエールを送りましょう。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2020/05/16
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。
相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。
以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。
中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。  
【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
2020/05/15
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
初めてガットを張ったのは36年前の22歳のときでした。
テニスブーム真っ只中で、明日までに仕上げなくていけないラケットが100本以上というのは日常茶飯事でした。
でもいきなりガット張りができるほど簡単な作業ではありません。
まずは、張り上がったラケットの仕上げをしないといけないのですが、これがまた中々大変です。
○ポンドシール貼り
○飾り糸装着
○ステンシルマーク入れ
○グリップテープ巻き
などの作業があるのですが、この当時飾り糸は必須でした。 緩まないように、引っ張りながら行うのですが、これだけずっと毎日もやっていると、人差し指の第一関節から出血してくるのです。
これはガット張りをするスタッフ全員が経験していく登竜門でした。
ちなみに何のためにやっていたかというと、ハッキリとした理由はわからないのですが、スムース、ラフが飾り糸の編み方でわかるようになっているとか、ガットが切れたときに飾り糸が切れたガットを掴むことで、しばらく打ち続けられるとか、ホントかウソかハッキリわかりません。(切れたガットでプレーするのは違反です。切れたときのワンプレーは問題なし。)
ただのカザリという説が有力でしたので、いつしかその風習はなくなりました。
飾り職人を数ヶ月続けたときに、先輩からラケットのガット張りを教えてもらえたのですが、お客様のラケットが張れるまでに、100本くらい練習しました。
それだけ、ガット張りは難しいのです。
また、当時のストリングマシーンは手動の2点固定のドラム式というモノで、張り方によって変形が頻繁に起こってしまうので、張り師の技術が重要でした。
縦糸に対して横糸は何パーセント落とすかの乱数表みたいのがあったり、プリストレッチを何パーセントかけるとか、変形させないように、緩みづらいように、色々と儀式がありました。
現在は電動式6点固定ですので、昔ほどストリンガーの上手い下手は無くなりましたが、それでも技術の差はあります。
日本では、分銅式→ドラム式、油圧式→電動式と進化していますが、海外ではコラム式(ぜんまい式)というシステムがあり電動式の手巻き版というものです。
1991年のUSオープンにストリンガーとして参加することになりました。 このときのオフィシャルストリングがテクニファイバーで、コラム式のマシーンだったのです。
初めて見た形式で、ドラム式だとハンドルを時計回りに半回転くらいするだけなのですが、コラム式は時計の逆回りに3回転半くらい回してぜんまいを巻ききるのですが、ぜんまい式のおもちゃでもネジを回すのに最後の方は力がいりますよね。
あの何倍もの力でぜんまいを巻き切ります。
※ボタンを押すと指定したポンドでぜんまいが戻り止まります。電動式の引っ張りに似ています。
ハンドルがクルクル勢いよく回るので初めのうちはよく手をぶつけました。
1日20本を1週間続けたのですが、時計と逆回りに力を入れるのに慣れてないので、途中からテニスエルボーみたいに、肘が痛くなって大変でした。
ストリンガーは9人で、3列に3台ずつの並びで、そのど真ん中が自分の場所で、前後、左右、斜め前、斜め後ろすべて外国人に囲まれてポツンと日本人一人だけでした。 日本では、ほぼ2本張りで張っていたのですがここ(USオープン)では1本張りがスタンダードでした。
ガット張りのためのツールは自前のものを用意するのですが、当時まだ日本ではあまり使われていなかったのでスターティングクランプを持っていっていませんでした。 回りの8人と同じ張り方にしないといけないわけではありませんが、[郷に入っては郷に従え]の通り、USA張りにしたのですが、この張りには必ずスターティングクランプが必要で毎回隣のストリンガー(マイクさん)に借りていました。
USA張りは、ショートサイド、ロングサイドが無くストリングの左右を同じ長さにして、センターにセットし張り始めます。
長さの取り間違えをしないので合理的です。
縦糸を最後まで張り、横糸はど真ん中から上と下に半分ずつ張ります。このときにスターティングクランプを使います。
ただし、この張り方(USA張り)はメジャーにはなりませんでした。
縦糸から横糸に移るところが10センチくらいあり、見た目もあまりよくないし、無駄にストリングの長さを使ってしまいます。 (もしかしたら、ゴーセン「張り人」張りの元になったのかもしれませんね。)
当時の経験で、ガット張りは選手の勝ち負けに直結するくらい大事なことを学びました。
選手のガット張りは必ず同じストリンガーが行い、試合時間の直前に張るので、第一試合からのときは、早出で会場に入ったりしました。 自分が張っている選手が日毎に減っていくのが、寂しい気持ちにもなりました。 日本に帰ってきて、二つ欲しいものがありました。
英語力とストリングマシーンです。
英会話教室は長く続きませんでしたが、ガット張りは奥深く今でも勉強は続いています。
選手がこだわっていたように、張りたてが一番気持ち良いのです。気持ち良いということは、良いボールが打てるということです。
もし、ホームストリンガーを目指す方がいらっしゃいましたら、少し高くても電動式のストリングマシーンをおすすめします。
今でも、分銅式やドラム式のマシーンはありますが、思った通り張り上げるまでに数百本は張らないとダメだと感じます。
6点固定の電動式なら変形も少なく、毎回の張りの誤差も少なく済むでしょう。
問題は元が取れるかどうかです。
大事に使えば何千本も張れるはずです。
お子様がテニスの選手を目指していて、ご自身もテニスをしている場合、間違いなく元が取れます
例えばストリングマシーンが20万円として、ロールガット約2万円、張り代約2000円とすると、63回で元が取れます。
月1回の張り替えペースで、5年ちょっとです。
社会人で週2回くらいテニスをしている方なら、2ヶ月から3ヶ月で張り替えるはずです。元が取れるのは10年後くらいになります。

ただ、経済的なことよりも
○張りたてで使えること。
○自分に合ったストリング、テンションを見つけやすくなること
の方が大きいと思います。
ただ、以下の方は宝の持ち腐れになることもあるのでご注意ください。
○日々忙しくて時間のない方。
○家にスペースのない方。(畳1畳分)
○作業があまり好きではない方。
○集中力が持続しない方。(30分から60分)
私の知り合いで、ストリングマシーンを持っているのにお店に張りに来る方がいらっしゃいます。
2人の息子さんと本人の3人がテニスをやっており、息子さん達は数日でガットを切ってしまい、2週間くらい放っておくと、4、5本切れたラケットが溜まってしまい、全部張るのに半日かかります。
自分のテニスができなくなってしまうので、お店に張りに持ってくるという具合です。
ガット張りの作業が好きな人でないと、、、ということです。
私はナイロン、ポリエステルは1ヶ月、ナチュラルは3ヶ月を目安に張り替えていますが、少し前に縦ナチュラル、横ポリエステルのハイブリッドで張ったのですが、雨上がりに一度使ってしまったところ、凄い振動が出るようになってしまいました。
面圧を測ってみると10ポンド落ちていました。
振動の原因は、縦糸のナチュラルが水分を吸ってしまい縦糸だけ緩み、横糸のポリエステルとのバランスが崩れてしまったのです。 こうなるともう張り替えるしか手立てはありません。雨の季節にはポリエステルだけを用意した方がいいですね。
もし、ホームストリンガーを目指そうと思っている方は、ウインザーオリジナルストリングマシーンを販売しております。(※2020年5月15日(金)時点) 6点固定の電動式で、20万円を切ります。スターティングクランプ(1万円相当)プレゼントなどの特典をお付けしております。
何年も使うものなので、故障したり、クランプの摩耗があったりします。
購入後のメンテナンスがしっかりしていますので、安心してお使いいただけます。
ホームストリンガーに憧れているあなた!
今がチャンスです。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
2020/05/07
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
ストリングのテンションが緩い方が飛ぶ、とかテンションが強い方がスピンがかかるとか、ストリングは凸凹している方がスピンがかかるとか言われることがありますが、本当はどうなのでしょうか。 ストリングのテンションが強い、弱い、硬い、柔らかい、55ポンド、35ポンドなど色々表現方法がありますが、ラケットのフェース面積、ストリングパターン、ストリングの種類によっても違いがあります。 例えば、フェース面積115平方インチで16×18のストリングパターンのラケットに55ポンドで張ったときと、フェース面積95平方インチで16×20のストリングパターンのラケットに35ポンドで張ったときの仕上がり具合(面圧)はほぼ同じです。 ガット張りの強さの表現は【張力】と【面圧】があるので、今回の「強い」「弱い」は面圧を、基準に話をしていきます。
ひとつ目の疑問、
「ストリングは硬い、柔らかいで飛びがどう変わるか?」 についてですが、一般的に柔らかい方が飛びが良くなります。
トランポリンで飛び跳ねるのと、地面の上で飛び跳ねるのとでは、当然トランポリンの方が楽に高く跳ねることができます。 ガットも柔らかく張り上げた状態の方が、凹みが大きくなり、ボールがストリングに当たり、くの字型にたわんだ後に元に復元する力が働きボールを飛ばしてくれます。
ストリングを硬くすればするほど、地面のような状態になり、ストリングが凹んで元に戻る一連の動きは無くなってきます。
よって、ストリングは柔らかい方が楽に良く飛ぶが正解です。
ただし、柔らか過ぎると、ストリングが凹み過ぎてしまい、元に復元する力が弱くなってしまうので、30ポンド以下の場合、ラケットやストリングパターンによっては飛ばない感覚が生まれます。
また、硬く張った方が飛びが良いと言う方も結構いらっしゃいます。
硬く張った方が、球離れが良くスピード感が出るのと、ボール自体の反発力が硬く張ってある方が、「潰れて復元する」現象がより顕著になり、良く飛ぶと感じることもあります。
力に自信が無い方はそもそもボールはあまり潰れませんので、ストリングの硬さの強弱の影響が大きいようです。
二つ目の疑問
「ストリングの硬さ、柔らかさでスピンのかかりやすさは変わるのか?」 答えは、プレーヤーによって変わるが正解です。
科学的に実験した結果では、ほとんど変わらないが正解のようですが、スピンのかかり具合とそれをコントロールするのはセットで考えたいので、データだけではなくプレーヤーの感覚も重要になっていきます。
スピンボールを思ったところにコントロールできるかどうかは、ストリングの硬い、柔らかいで差がでてきます。
スイングスピードが速い方は、インパクトの瞬間、ボールがせんべい状になり、ストリングとボールの接触面積が増え、スピンがかかります。
ストリングが硬い方がボールが潰れやすく、プレーヤーの力加減で変化するので、コントロールしやすくなります。スイングスピードが遅い方は、インパクトの瞬間、ボールはほぼ丸いままストリングと接触するので、ストリングのたわみが大きい方が、球離れが遅くなり、スピンがかかりやすくなりますし、球持ちが良いことでコントロールしやすくなります。
言い方を変えてまとめますと、一般的には、
スイングスピードが速い方は、ストリングの面圧が高い方がスピンがかかるように感じ、飛距離のコントロールもしやすくなります。
スイングスピードが遅い方は、ストリングの面圧が低い方が長く捉えることができ、スピンをかける時間を確保できるようになります。 三つ目の疑問
「ストリングは凸凹している方がスピンがかかるのか?」 ナイロンでもポリエステルでも、スピンを謳っているストリングは、ネジってあったり表面が凸凹しています。
これは、何十年も前から凸凹している方が、摩擦係数が上がりスピンがかかると思われていたからです。
15年前くらいに、スピンがかかる原理が解明されて、実際には縦糸が横にスライドし、元に復元するスナップバックの効果が大きい方がスピンがかかることがわかったのです。
それでも凸凹したストリングが無くならないのは、プロの選手が使っていたり、独特のまったりした打球感が好きな方が多いのです。
プロの選手がスピンのかかりが良いから、スピンガットを使うということはまずありません。スピンをかける技術がなければ、プロにはなれませんので。
R・フェデラー選手は横糸にアルパワーラフを使用していますが、ラフ加工しているストリングは大体において打球感が柔らかくなり、食い付きを感じます。 アングルショットがサイドアウトしづらくなると聞いたことがあります。
もし、アマチュアの方で、スピンの回転量を上げたい一心でナイロンの凸凹スピンガットを使っていたら、逆に表面がツルツルしたポリエステルを使ってみてください。
約20%回転量が上がると言われています。
ただし、ナイロン凸凹スピンガットのフィーリングが好きな方は変える必要はありません。 スピンの回転量アップより、ミスをしないことが大事だからです。
どんなにハイテクノロジーのラケットでも、ボールと唯一接触できるのはストリングですので、色々試してベストマッチストリングを探してみてください。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識」
2020/05/03
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「いまさら聞けないテニスの常識、非常識」
テニスを始めて数年が経ち、みんな普通に言ってるけど、意味がわからないとか深く理解していないとか間違って覚えていたとか色々あると思うのですが、 いまさら恥ずかしくて聞けないことってありませんか?
今回はそんなお悩みに答えていきたいと思います。
「ボックスフレームとラウンドフレームの違いがわからない」 まずは、ラケットのボックスフレーム、ラウンドフレームについてです。 フレームの断面に対して、ボックスフレームとラウンドフレームと区別しています。 ボックスと言えば、電話ボックスとかティッシュボックスとかの長方形を思い浮かべると思います。
ラケットのボックス形状も角が90度の四角形のことで、1980年代1990年代はほぼボックス形状が中心でした。
以前からラウンド形状はありましたが、ラウンド形状が流行り出したのは、バボラピュアドライブからなので、ここ20年というところです。
ウッドラケットからカーボンラケットに変わっていったのですが、ウッドの流れから「しなり」「食い付き」「ホールド感」というのは重要視されていましたので、柔らかさが出るボックス形状が主流だったのです。
ラウンド形状は、フレームの剛性を硬くでき、空気抵抗を抑えることができたので、パワーを生かしながら、スピンを増やせたので、エッグボールという新しい弾道が生まれ、アウトしそうな軌道から急激に落下しベースラインギリギリで着弾し、大きく跳ね上がりました。
このエッグボールを操ってクレーコートで暴れていたのがスペインのR・ナダル選手です。 ボックス形状とラウンド形状を比較するのにわかりやすいので、スクール消しゴムとスーパーボールを用意してみてください。 親指と人差し指で挟んで力を入れると、消しゴムはグニャッと変形しやすく、スーパーボールは変形しづらいと思います。
ラケットのしなりはカーボンの編み方で硬くも柔らかくもできますが、ラケットのフェース面が内側に引っ張られる変形は素材ではなく、形状で起こります。
ボックス形状は内側に少し小さくなるような変形が起き、ホールド感、手のひら感が起こります。 ラウンド形状はほとんど変形しませんので、パワーロスなく弾き出します。
どちらが良いのではなく、好みの打球感になります。
ボールを乗せて少し運ぶようにコントロールする方はボックスフレーム向きで、ヘッドスピードを上げてスピンで攻めていく方はラウンド向きです。
「ウエイト、バランス、スイングウエイトって何?」 ラケットのウエイトはわかるけど、バランス、スイングウエイトは何?と言う方は結構いらっしゃいます。
ウエイトは単純に全体の重量です。
バランスは、重心の位置のことで、釣り合うところから、グリップエンドまでの距離を測ります。
320mmをイーブンバランスと言って、数字が大きくなるとヘッドが重たいので、トップヘビー、数字が小さいとヘッドが軽いのでトップライトと言います。
ハカリを二つ用意し、ひとつはラケットのトップ部分を乗せ、もう一つのハカリにグリップエンドを乗せるとそれぞれにウエイトが表示されるのですが、トップヘビーのラケットはヘッドを乗せたハカリの数字が大きくなり、トップライトはグリップエンドを乗せたハカリの数字が大きくなります。
当然、二つのハカリの合計はラケットのウエイトと同じになります。
要するにバランスはラケットのどの部分が重たくなっているかです。
スイングウエイトは、動いている状態の動的ウエイトのことです。
もし、ラケットの真ん中辺りを握って振る競技ならスイングウエイトを測る必要はありません。ウエイトとバランスだけで十分です。
ラケットの一番端のグリップを握って動かすと、慣性モーメントが働きますので、スイングウエイトを測ることでプレー時の状態に近い感覚のウエイトがわかってきます。
ウエイトとバランスが同じラケットでも、スイングウエイトが違うことがあります。
ウエイトが300gでバランスが320mmのラケットが2本あります。
わかりやすくするために大袈裟に表現します。
①ラケットトップ部が125gでグリップ部が125gでバランスポイントが320mmのラケット
と、
②バランスポイント320mm付近に250gの重さが集中しているラケット があると仮定します。 ウエイト、バランスはまったく同じですが、スイングウエイトは、①の方が重たくなります。
ラケット内部の素材の密度や、樹脂の量の偏りは外見からはわからないのです。
スイングウエイトが大きい方が威力も大きくなりますが、操作性能は悪くなります。
同じスイングスピードで振ることができるならば、スイングウエイトが大きい方がパワーが上がりますが、もし、スイングスウエイトが小さいことで、スイングスピードが速くなる場合は逆転することもあります。
「ボールの威力=ウエイト×スイングスピード2乗」
ですので、ウエイトよりもスイングスピードの方が2乗で比例するので、ウエイトを軽くしてスイングを速くするのも簡単に威力を上げる方法です。
下記のように、ウインザー店頭ではスイングウエイトを計測する機械がございます。 「パワー=ウエイト×移動距離」の公式がありますので、軽いものより重たいものの方が威力が出るのです。
ラケットA:320g、バランス310mm、スイングウエイト285
ラケットB:280g、バランス330mm、スイングウエイト285 ラケットAとラケットBはスイングウエイトが285と同じですが、同じスイングスピードで振った場合ラケットAの方が威力が大きくなります。
ただしラケットBは40g軽いので、疲労が出る後半にスイングスピードが落ちにくいメリットがあります。
店頭でスイングウエイトを計測する最大のメリットは、同じラケットを2本そろえるときに、振った感覚が近いものを正確に選べることです。 同時に2本購入しなくても、1本目のウエイト、バランス、スイングウエイトがわかっていれば、2本目を購入するときに近いものを選んだり、1本目よりも軽いもの、重いものなど注文をつけることができるのです。
参考になったでしょうか、今回は以上です。