■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ウイルソン】「#ULTRAできるチャレンジがメインの試打会に参加しました。」
ウルトラと言えば、私の世代はウルトラⅡを思い出す方が多いと思います。
30数年前に7万円で発売されました。
有名なプロスタッフミッド85が6万円でしたので、その上位機種だったのですが、ダブルブレードカーボンにボロンを使ったモデルです。
当時ボロンは超高級素材で、プリンスボロンは15万円でした。
よってウルトラには、近寄りがたいとか、一目置くと言ったイメージがあり、「ウルトラはいる」とか「ウルトラいいね」などの軽いイメージは湧かなかったのです。
数年前のことですが、ウルトラ100(2代前)を打ってみると非常に使いやすく、ストレスなくプレーできました。
プレーしたこの日は各メーカーのラケットを一通り試打するイベントで、ヒッティングパートナーから「中居さんのテニスには、ウルトラ100が一番合ってましたよ」
と言われ、生まれて初めて他人の意見を元にラケットを買いました。
確かにボレーがしやすく自分のプレースタイルに合っていました。
その後、色々とラケット を変えましたが(5機種程)、ウルトラ100はいつ戻しても、すぐに試合で使えるので、今でも手元にあります。
そしてまたウルトラの新作が打つことができる機会がやってきました。

なんと見慣れたPWSの膨らみはなくなり、逆にその部分がえぐれているのです。


『#ウルトラできる』をテーマに難しいショットに挑戦する動画は見ていて楽しいですね。
今回の試打会は、ウイルソンスタッフとウインザースタッフが色々な動画にチャレンジする企画でスタートしました。
ウイルソンスタッフ横山さんにご挨拶しました。
「今日はテニスバッグ背負ったまま試打するのですか。」
横山さんはキョトンとしてます。
道場さん「中居さんが気を利かせて、ウルトラできるチャレンジのことを言っているのに、何でわかんないの。」
【#ULTRAできるチャレンジ】とは、内山プロがバックスピンをかけて相手のコートに落ちたボールがネットを越えて自陣のコートに戻し、ボールカゴに入る映像などを配信しているもので、横山さんのバージョンはバッグを背負ってコートを後にする時に、ポケットにボールが残っていたことに気づき、ベースライン辺りからネット越しにボールカートに、フワリとドロップショットのように打って入れる動画でした。

そんなゆるりとしたトークでスタートしました。

打感が非常に柔らかくて、打った気がしないくらい手に響かないラケットに仕上がっていました。
ただし、先っぽに当たったミスショットは、ビリビリと響き、本当のラケットの硬さを痛感することができました。
本当は硬いフレーム構造で、パワーを出しながら、ストリングの撓みでマイルドな打球感にして、オブラートに包んだようなフィーリングを実現していたのです。

本来は、280gだとトップヘビーにしないと打ち負けてしまうのですが、面ブレが少なく打ち負けないパワーがあるのでイーブンバランスの320mmを実現できたと言っていました。
実際に打ってみても打ち負けることなど全く無く、逆にスイングスピードが上がり、回転数が増しているようでバウンド後の跳ね方が大きくなっていました。

私だけかもしれませんが、フォアボレーはフラット気味で余裕があるとドライブボレーで打つことがあります。それに比べてバックボレーは、アンダースピンを多めにして安全に打っています。ローボレーもネットしないように、スライス回転を入れ相手コートに深く行くように打っています。18×16の粗いストリングパターンだと、ボールのフェルトがストリングの編み目にめり込む感じで、スライス回転がかかりやすくなる気がしました。元々、ボレーがしやすいウルトラ100 ですから、18×16のSラケもボレーがしやすいのは当然の結果でした。

最大の特徴はボレーがしやすいことで食いついてから反発するので、逆回転、横回転が自在でネットプレーが楽しくなります。

この模様はいずれ配信されますのでお楽しみに。