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GEEK通信「温故知新 テクニファイバー編」
2023/12/14

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「温故知新 テクニファイバー編」
テクニファイバーはフランスのストリングメーカーとして、1979年創業。元々は、手術用の糸、ヨットのザイル、登山用のザイルなど命に関わる大事な糸を生産していました。

1983年にマルチフィラメントにポリウレタンを浸透させたストリングを開発しました。
現在発売されているストリングで最も古いものがTGVで、当初日本には、1.35mmと1.40mmと太ゲージだったTGVは輸入されず、同じ性能の細ゲージだったトーナメントとコンペティションが発売されました。
1983年にすでに完成されたストリングを作っていたのですね、感心いたします。
ポリウレタンを表面に塗装するストリングは数多くありますが、内部に浸透させる技術はテクニファイバーにしかできません。
また、XONEバイフェイズに採用されているテンションロスを防ぎ、反発力を向上させるバイフェイズ加工は特殊な技術が必要で、テクニファイバー社の中でも限られたスタッフしか知らないトップシークレットな技術なのです。
ゆっくり時間をかけてストレッチするため、1時間で3張りしか生産できないそうです。
1985年にはストリングマシーンの製造を開始し、全仏オープンや全米オープンのオフィシャルストリングを担当します。
1991年の全米オープンのオフィシャルストリンガーとして、私も参加し、大変貴重な体験をさせてもらいました。


アメリカで主流になっている張り方や細かいテクニックを教わりました。
その時に、テクニファイバーの親会社であるメジャースポーツのラケットを試打したことがあります。それはピュアドライブのような黄金スペックでした。
テクニファイバーが日本でラケットを展開したのが2008年で、TフラッシュとTファイトの2機種で、サムライ柄のデザインが度肝を抜きました。
日本仕様にしたわけではなく、フランス全土で日本のアニメが大ヒットし、日本ブームがおきていたのです。フランス本社の社長も日本のサムライが好きで、デザインに取り入れたそうです。
日本では歌舞伎ラケットと呼んでいました。
Tフラッシュはバグダディス選手が使用した黄金スペックで、Tファイトはベルダスコ選手、ティプサレビッチ選手が使用した細マッチョスペックでした。
その後、Tリバウンドが女性やジュニアに向けて発売になりました。
現在は、TフラッシュがTF-XONEに、TリバウンドがTEMPOに引き継がれることとなりました。
契約選手も徐々に増えてきており、男子ではメドベージェフを筆頭に、ユーバンクス、ブブリクらが使用し、女子はシフィオンテク、メルテンス、コリンズらが使用しています。
日本では、守屋宏紀プロ、小倉孝介プロ、本玉真唯プロらが使用しています。
今後のテクニファイバーに望むことは、Tファイト305ISOFLEXのバランスを315mmにして欲しいことです。
凄く良いラケットなので、もっともっと多くの人に使って欲しいのですが、325mmのバランスはあまりにもトップヘビー過ぎます。
体力のあるストローカーには唯一無二のラケットとして崇められているのですが、他の細マッチョラケットを使用している方からすると、移行するのに二の足を踏んでしまいます。
伸びしろ十分のテクニファイバーに今後も期待しております。