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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第三回『スライスショット』」
ストロークのスライスショットでは、大半はバックハンドに使用しますが、フォアハンドでも有効なショットになります。
プロ選手でフォアスライスを使用するシーンをよく目にするのは鈴木貴男選手ですが、R・フェデラー選手はドロップショットに見せかけてフォアスライスでエースを取ったりもしています。
ATPトップ10の内ダブルバックハンド8名、WTAトップ10の内ダブルバックハンド10名というようにATPトップ選手でダブルバックハンドのプレーヤーが増えている中バックハンドスライスをよく使用する選手は、フェデラー選手、G・ディミトロフ選手がまず思い浮かびます。 アマチュアになると年代で異なるとは思いますが、50代のシングルバックハンド率は個人的な体感では8割くらいではないでしょうか。
特に社会人になって始めた方はシングルバックハンドが多いようです。
ではスライスショットのメリット、デメリットを考えてみましょう。
メリットとしては、体力を使わない、リーチが広くなる、打点が後ろでも打てる、ドロップショットがバレにくい等です。 逆にボールが遅くなる、スライスの種類によっては攻撃されやすい、パッシングしにくい等のデメリットもあるかと思います。
メリットの方が多いと思いますので、デメリットを克服したらメリットが多くなるショットです。 どうしたら、伸びのある攻撃的なスライスが打てるのか、スライスを武器にしているプレーヤーに尋ねてみました。
その方は、60歳前後の方でフォアもバックもスライスなのですが、切れ味が抜群で何度もポーチに出ようとするのですがネットスレスレで伸びてくるので中々出ることができません。一か八かポーチに出たのですが届きませんでした。普通のスライスより、速くて低くてバウンドしてから滑ってくるのです。
その方にとっての極意を尋ねてみました。
テイクバックは高く、インパクトは強く、フォロースルーは止める。 そして一番大事なのがラケットヘッドを立てて打つことだそうです。
ラケットを見せてもらうと、横糸が上方向にずれていました。
ラケットを立てている証拠です。
スライスの使用シーンは様々あると思います。
ここからはギアの目線で、
【守りだけでなく攻撃にも使えるスライスショット】→【スライスが打ちやすいラケット & ストリング & テンション】を探っていきましょう。
参考ですが、先程のスライスの達人が使用するラケットは10年程前のモデルで、軽量、オーバーサイズ(デカラケ)、フレームが厚く、ストリングはナチュラルガットで40ポンドで張っていました。オーバーサイズで40ポンドですからフィーリングはかなり柔らかいです。
個人的に考える「スライスが打ちやすいラケット」は、スリクソンレヴォCS8.0やCS10.0のような縦長フェイスでトップヘビーバランスが良いでしょう。 スライスの打点はやや手元から入って対角線上に上方向に抜けていきますので、縦長フェイスが良いと思います。
トップヘビーバランスが良い理由は、スライスは上から下に振るスイングですので、重さを利用できるからです。 重たいものを下から上に振り上げるのは疲れますので、スピンよりスライスが良いと思います。
フォアハンドに比べバックハンドはスイングスピードが遅くなります。
また、スライスショットの場合はゆったりとスイングをしますので、しなりのある球のりの良いラケットが相性のっ良いものと言えるでしょう。
まずオススメなのがプリンスの「X(エックス)」シリーズ。 まさにバックハンドが打ちやすくなる工夫があり、フォア面よりバック面が11%しなるように設計されています。
スイングスピードが遅くなるバックハンドでも球乗りが良くなり、伸びのあるスライスショットが可能になります。
次に、ヨネックスの「Eゾーン」シリーズもしなりに加え、対角線が長いフェース形状なのでスライスが打ちやすいラケットです。 また、ウイルソンの[Sラケ]もスライスショットが打ちやすいラケットです。
横糸を16本にすることで、縦糸のスナップバックを活発化し、ネットしそうで超えていくボールが可能になります。
[Sラケ]はバーン、ウルトラ、ブレードシリーズ内にそれぞれ存在し、特に「ウルトラ105S」は16×15のストリングパターンに加え、105平方インチのフェース面積からスライスショットは抜群に打ちやすいラケットです。 【ストリング】と【テンション】ですが、ボールを潰すというより、ホールドして長く運ぶことが必要です。
ストリングの種類は
ナチュラル > ナチュラル×ポリエステル > マルチフィラメント > モノフィラメント > ポリエステル
の順に適していると思います。
テンションは適正テンションの下(45-60ポンドの場合は45ポンド)を基準に、テンションを上げ下げしてベストを探すと良いでしょう。
スライスショットをマスターすると、同じフォームからドロップショットやロブも打てますので、テニスがもっと楽しくなると思います。
是非チャレンジしてみてください。