オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。

新着記事
アーカイブ

店舗情報

GEEK通信「温故知新・現在のラケットにつながるデカラケの大発明」
2022/10/25

-----------------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
>>>これまでのGEEK通信のアーカイブはこちら

-----------------------------
GEEK通信「温故知新・現在のラケットにつながるデカラケの大発明」
1976年にプリンスから110平方インチのデカラケが発売されました。
ウッドラケット全盛期ですので、フェース面積は70~75平方インチが当たり前で、当時はフェース面積50パーセントアップという謳い文句でした。
テニスラケットというより、大きなうちわでテニスをしてるような感じです。
発明したのはヘッドの創業者のハワード・ヘッドさんです。
ハワード・ヘッドさんはヘッドを引退後にテニスを始められ、最初はボールがラケットの中心に当たらず苦労したそうです。
その後、ラケットの大きさに規定がないことを知り、当時会長を務めていたプリンス社で、大きなラケットの開発に取り掛かりました。
110平方インチのラケットを持ってコートに立った時には、周囲から白い目でみられたそうです。
現在は100平方インチが平均的なので、50パーセントアップの150平方インチのラケットでテニスをするような感覚です。
しかしこれが、現代テニスにおける大発明だったのです。
初めは、アルミ製のプリンスクラシック、プリンスプロが発売され、続いてグラファイト製のプリンスグラファイト110が発売されました。
「プリグラ」の愛称で親しまれ現在も続く大ヒットラケットです。
その5年後に、オーバーサイズと名前を変更し、さらにその後、各メーカーから110のラケットが続々と発売され、ラージサイズラケットが市民権を得たのでした。


ただ、ウッドラケットを使っていた方々は、いきなりラージサイズに変えることに抵抗を感じる方も多く、セミラージと呼ばれるミッドサイズのラケットが売れるようになります。
その中で、ウイルソンのプロスタッフやヘッドのプレステージといった大ヒット商品が生まれたのです。
プリンスがラージサイズラケットを開発したことで大きさの規定ができ、長さ29インチ(73.66cm)、全幅12.5インチ(31.7cm)、ストリングの長さも縦糸15.5インチ(39.37cm)、横糸11.5インチ(29.21cm)と規定されました。
この規定に沿って真四角のラケットを作ったら、面積は178平方インチまで可能です。
楕円形の場合は、139平方インチくらいまでは作ることができます。
ウイルソンから発売されたアウターエッジは、規格ギリギリのフェース面積135平方インチ、長さ29インチでした。
それ以外でも、ヨネックスSRQチタン800PRO(130平方インチ)、プリンスTTグランデ(130平方インチ)が発売され、そのパワーの凄さに驚いたものです。
ヨネックスSRQチタン800PROはその当時世界ナンバー1だったモニカ・セレス選手が使用し、トッププロでも使える高性能さが話題になりました。
しかし、ストリングのテンションを80ポンド以上で張るため、張っている最中に壊れることが多く、ストリンガー泣かせのラケットでした。
ダンロップから発売されたスペースフィールプライムは、縦糸の長さが40cmあり、規格の39.37cmより長く違反になりそうですが、樹脂でできたデュアルブリッジの中にストリングを通すことで、ストリングの長さを36cmと規定することができ、ルール違反にはなりませんでした。


どんなボールで打ち返せることから「魔法のラケット」と呼ばれたこのラケットは、ダンロップスペースフィール→スリクソンレヴォCS10.0→ダンロップLX1000とブランドと名前を変えながらも、20年続く本当に魔法のようなラケットです。


130平方インチを超えるラケットは、ある問題から20年くらい発売されていません。
その問題とは、ストリングの長さです。
通常のストリングの長さは12mです。
130平方インチ以上のラケットは、13mから14m必要になることから、2張り分のストリングが必要になります。縦に1張り、横に1張り使うことになり、コストが割高になってしまいます。
このような問題で、現在は発売されていません。
そもそも、130平方インチ以上のラケットを使う方の大半は、力の弱いベテランプレーヤーです。
ストリングが切れることもなく、スピンよりスライスを重視してる方が多いです。
そこでラケットメーカーさんにご提案があります。
ストリングパターン14×16で、130平方インチ以上250g以下、最新のカーボン、最新のテクノロジー、最新の振動吸収機能を搭載したスーパーラージサイズを作ってみてはいかがでしょうか。
14×16であれば12mで張ることができ、加えて目が粗いことで飛びがよくなり、力の弱い方でも深いボールが打ちやすくなります。
また、ボールの食いつきもよくなりスライス系のストロークとボレーの打ちやすさが向上します。
テキストリームトワロンを使った130平方インチ、250g以下で、長さ28インチのラケットを発売したら、きっと売れると思います。