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GEEK通信「プロとアマチュアが道具対決した場合、勝てる可能性はストリングへのこだわりです。」
2023/02/02

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「プロとアマチュアが道具対決した場合、勝てる可能性はストリングへのこだわりです。」
日本一のストリンガーを自負する方は、100人は居ると思います。
皆それぞれに工夫を凝らし、難しいことにチャレンジをしている方もいらっしゃると思います。

100点満点の張りを常に続けていくのは大変です。
100点の時も有れば、85点の時もあり、60点の時もあったりします。
100満点を続けるために、日々努力している方が日本一のストリンガーだと思います。

私も40年近くストリングをしてきた中で、常に100点満点を続けるのは難しいことに気が付いた出来事がありました。
30年前に全米オープンにストリンガーで行った当時、早朝から夜までひたすら張り続けたことがありました。


初めのうちは、集中力と気合いで100点満点の張りを続けていましたが、人間の集中力には限界がありました。
徐々に90点、80点と下がっていき、ついには横糸1本張り忘れるミスをしてしまいました。
1回戦からスタートしたのですが、(当然のことですが)翌日には半分になり、翌々日にはまた半分になり、自分が張っている選手が段々と負けていき、張る本数も減ってきた時に思いました。

昨日と今日でまったく同じ張りが出来ていたか?と。
100点満点を目指し過ぎて、むらが出ていなかったか?と。

それ以降、100点満点を目指すのは辞めました。
何故かというと、もし今回100点満点で、次回90点だと選手や敏感な方は「あれっ」と思うはずです。
毎回、毎回90点を続けることにしました。

いつも同じ張りを続けることをモットーにすると、同じ手順で張る、同じ時間で張る、余計なことはしないとなります。

1本張る時間は25分。ウインザーの中ではかなり遅く、時間がかかる方だと思いますが、毎回同じ張りをするとなると自分はこのペースになります。

気を付けているのは、1本1本きちんとマシーンの設定通りに引っ張られているか、グロメットとストリングの抵抗はどうか、結びで緩んだりしていないか、横糸は捻れていないか、など当たり前のことを毎回確認しながら張ることです。


ポリエステルの結びが尖っていないか、内側に倒れていないか、特にボトム(スロートに近い方)は左手でスロート付近を持つ時に当たらないようフレームにピッタリくっつけます。
テンションロスは必ず起きます。世界一のストリンガーが張ったとしても起きてしまいます。

ただ、人的ミスでのテンションロスは限りなく0に近づけたいと努力しています。

プロとアマチュアは、技術の差、体力の差があるため同じラケットのように見えて、重さや長さが違うケースがあります。
特別なプロ仕様をメーカーが開発していることもあります。
ただまったく同じなのが、ストリングの種類と張りの技術です。
メーカーが、選手のために特別なストリングを開発したという話は聞いたことがありません。

選手のために、特別な張り方をしたという話しも聞いたことがありません。
特別なことがあるとすれば、7ゲームごとにボールチェンジのタイミングで張りたてのストリングに交換することでしょうか。

それも、世界のトップ選手に限ります。
それでも、アマチュアと同じストリングで、同じ張り方のものを使用しているのです。

「何を張って良いかよくわからない」
「使っているラケットのベストマッチストリングはあるんだろうか」
「何ポンドで張れば良いのか」
など色々な悩みを抱えている方も多いようです。

実は選手も同じです。

ただ違うのは、選手は悩んだらすべて実践して結果を出せることです。
我々ショップ店員は、そのお客さまの悩みを解決するために、ラケットの試打、ストリングの試打を繰り返し行い、トラックマンでデータを取ったり、実際にゲームで使用したりして研究しています。


わからないことがあれば、些細なことでも良いので、スタッフにご相談ください。

そしてもっともっとストリングにガット張りに興味を持ってください。

もしかしたら、選手よりこだわることができるかもしれません。

なぜなら、アマチュアは契約メーカーの縛りが無いからです。

そしてご希望が有れば、ご指定ください。
喜んで、いつも通り90点の張りをさせていただきます。
ご指名お待ちしております。

ここ2年間で張らせていただいたツアー選手
江原弘泰選手
綿貫陽介選手
内山靖崇選手
ダニエル太郎選手
西岡良仁選手
伊藤竜馬選手
小野田倫久プロ
川上倫平選手
中川直樹選手
徳田廉大選手
小倉孝介選手
住澤大輔選手
土居美咲選手
住澤大輔選手
小倉孝介選手