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GEEK通信「温故知新 ラケットの構造」
2023/04/14

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「温故知新 ラケットの構造」
テニスラケットの進化を見てみると、素材の進化と同じくらい構造の進化があります。
先人たちのアイディアを振り返ってみましょう。
ラケットの重さ、バランス、長さに悩むことはよくあります。
重たいものは威力が出るけど、振れなくなってしまったり、トップヘビーはストロークは打ちやすいけど、ボレーはトップライトがやりやすいとか、長尺の方がサービスの威力が出るけど、コントロールは短い方がいいなどとその日の中でも好みが変わっていきます。
じゃあ変えられるようにしようとしたラケットがあります。
ボリスベッカーがウィンブルドンを初優勝した時に使っていたプーマのベッカーウイナー、
その後に使用したベッカースーパーは、グリップエンドを外して中のパーツ(積み木みたいな感じ)を取ったり、入れたいで長さの調整ができました。
名前は忘れてしまいましたが、クナイスルからグリップエンドのネジを回すと、シャフト内部のおもりが移動してバランスが変わるモデルがありました。
まだフラットが主流の打ち方だったころは、ラケットヘッドを立ててインパクトするように、指導されました。
これが中々難しく、ヘッドが下がってしまうのです。
そこで、スノワートからラケットフェースが45度くらい斜めになっているラケットが発売されました。ゴルフクラブのライ角のような感じです。

ウイルソンのトライアドには本当にびっくりしました。ウイルソンの営業マンが「新しいラケットが発売されます」といってパソコンが入ってるくらいのアタッシェケースを開けると、そこには、グリップとシャフトのY字の部分とフェースのO字の部分が別々になっているラケットが入っていたのです。
それが、トライアドでした。
YとOを別々につくり、アイソゾーブという衝撃吸収素材をその間に挟み完成させます。
アイソゾーブとは、高層ビルや橋に使われている地震の際に揺れを軽減する材質で、衝撃の60%を吸収してくれます。

ウイルソンは、世界初の厚ラケや、わずか14mmの超薄ラケや、ローラーなどあっと言わせるラケットを数々発売しています。


ヘッドも負けじと色々なアイデアのあるメーカーで、打球時の衝撃から電気信号を発生させ瞬時にラケットフレームを硬くするインテリファイバーや強い衝撃に対して硬くなり、弱い衝撃には柔らかい状態でいる「d3o」を採用したりしています。

インテリファイバーが発売されたときは、マッケンローがラケットの規定を見直すようにITFに訴えた程でした。
プリンスは、デカラケ、長ラケを流行らせ、O3やXを現在発売するアイディアメーカーです。

デカラケは今やすべてのメーカーから発売されています。

長ラケは、マイケルチャンの活躍がきっかけとなり、一大ブームが起きました。
フレームに大きな孔を開け、ストリングの可動域を大きくする構造は、発売から17年経ちますが、未だにプリンスの中心的モデルになっています。


日本企画として、開発された右利き、左利きがあるXシリーズは、本場アメリカで認められ、ワールドワイドで発売されるヒット商品になっています。

未来のラケットはどのような構造が採用されているか考えてみました。
コンピュータが内蔵されていて、プレーのデータ、走破距離、消費カロリーなどデータがスマホと連動してわかるラケット、、、、
すでにありました。バボラピュアアエロプレイは、グリップ内部にプレーデータが記録され、スマホと連動していました。
そう考えると、ほぼやり尽くされているように感じます。