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GEEK通信「温故知新 ヘッド編」
2023/06/30

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「温故知新 ヘッド編」

航空機の技術者だったハワード・ヘッド氏は、ヒッコリー(木材)でスキーをした時に、上手く滑れないのはスキー板のせいであると思い、自らスチールとファイバーを使ったスキー板を開発し、それを会社としたのがHEADの始まりです。
その後、ウッドラケットで上手くテニスが出来なかったので、スチール製のラケットを開発し、テニス事業にも参入します。

やがて、カーボンの時代がやってきました。
伝説的なラケットが生まれます。
それが、プレステージです。

フランスのアンリルコントが使用し、イワニセビッチ、クエルテン、チリッチら数々の選手が使用した名品です。
ドネーを使用していたアガシと契約し、アガシのために開発したラケットがラジカルです。

ヘッドと言えば、契約選手の多さが有名ですが、実はどのメーカーより最先端な素材、構造を採用することでも有名です。
インテリファイバー、リキッドメタル、フレックスポイント、マイクロジェル、d3o、インネグラ、グラフィンと続きます。
インテリファイバーは、打球時の振動で電気が発生し瞬時にフレームが硬くなり、パワーが増幅する仕組みです。

リキッドメタルは、液体金属のことでフェースの四隅を凸凹のリキッドメタルで強化し変形を防ぎました。
フレックスポイントは、フェースの3時9時に穴を開け、その部分にボールド感を持たせるようにしました。
マイクロジェルは、カーボンをさらに強くする素材でした。
d3oは、ユーテックシリーズに搭載された素材で、スライムのようなモノなのですが、外からの強い衝撃に対して急激に硬質化し、何も力を加えないと、ドロンと柔らかくなります。
ユーテックとは「YOUR TECHNOLOGY
」からきていて、一人一人の打ち方に対応する素材を搭載したモデルなのです。
当時、ウイルソンを使用していたジョコビッチがヘッドに返り咲いた時に、用意したモデルがスピードです。
その名の通り、弾きが良くスピードの出るラケットでした。
エクストリームは、ガスケにベレッティーニでスピンのイメージを出しました。
インスティンクトは、シャラポワが使用し、パワフルなイメージで、グラビティはズべレフ、バーティで正確性をイメージ、ラジカルはマレーにシュワルツマンでストロークの粘りをイメージしていました。
2013年から現在までロングランで使用しているグラフィンは、2010年にノーベル賞を受賞した画期的なカーボン素材で、あの手この手と色々な素材、構造を先駆けてきたヘッドがついに究極な素材と出会ってしまったということなのでしょう。
グラフィンは色々な分野で使用されていますが、スポーツに関しては、一つの競技に1ブランドのみの契約のため、テニスではヘッドのみになります。
非常に高価な素材のため、始めはシャフトのみに使用、グラフィン360の時にフェースの3カ所にも追加されました。
今後100%グラフィン使用が発売されたら、使ってみたいですね。
とんでもない価格にはなるでしょうが。