オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。


店舗情報
【GEEK通信】「パワフルになったEゾーンを打ってみました」
2022/01/15

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「パワフルになったEゾーンを打ってみました」
昨年12月にヨネックスのEゾーンの7代目の試打用6本セットを借りることができました。
撮影してすぐにメーカーに返却しなくてはいけないので、時間がなく慌てていたこともありますが、コートに行ってラケットを出してみたら、ガットが張ってないことに気が付きました。
がっかりしながら、ラケットを眺めていると1本だけ張ってあるのを見つけました。
Eゾーン100だけ奇跡的に張ってあったので、早速打ってみました。

まったく商品知識のないまま打った感想は
「飛びがいい」「打球感が柔らかい」でした。
前作に比べて、より簡単になっているようで、爽快な打球感で気持ちよく打つことができました。
後で知ったのですが、フレーム厚が0.5mm厚くなっており、最大厚が26.5mmになっていました。
飛びがいいのは、間違いではありませんでした。
さらに素材もしなり戻りのある2G-Namd SPEEDを採用し、前作に比べ3.7%しなりが増し、戻り速度は2.4%アップしています。
打球感が柔らかく感じたのは、フレーム断面形状を薄くし、インパクト時に内側に撓むようにしたことで前作より16%撓み量をアップしていることと、振動吸収を5.9%アップしていることが要因です。
元々、Eゾーンはヨネックスの中で、パワー系のラケットですので、さらにパワーアップを図ることで、VCORE、VCOREプロと差別化しているのだと思います。

数日後にEゾーン98も打つことができました。

前作は100に比べ98は飛び抑えめという設計でしたが、7代目となる今作は98もパワーアップしていました。
より、先の方で打つ方は98があっているのですが、トップ部のフレーム厚は100が23.5mm→23.8mmと0.3mmアップしているのに対し、98は23.0mm→23.5mmと0.5mmアップしており、100より98の方が変更率が高くなっています。
また、フレーム断面形状を変更しているのは、フレーム上部ですので、先で打つとその効果をより感じることができるので、98の方がより前作からの変化を感じることができるのです。
トラックマンで100と98のデータを取ったのですが、
Eゾーン100:スピード107.3km、レングス23.7m
Eゾーン98:スピード108.5km、レングス25.5m
98の方が、パワーアップしていました。
テニスコートの距離は23.77mですので、98はアウトしていることになるのですが、ベースラインがわからない状況で打っているので、あくまでも参考にしてください。
前作は100を打った後に98を打ったら、2バンドしていまい、98は飛ばないなと感じていましたが、今作は98の方が力強さを感じました。
スピン、スライス、フラット全てのショットを満遍なく打つ方は100がいいと思います。
特にスライスの切れは98より出ていたと思います。
攻撃的なストローカーは、98で厚い当たりで打つと威力のある重たいボールが打てて気持ちいいと思います。

1月に発売になるのは、Eゾーン100とEゾーン98の2機種のみで、残りの5機種は4月発売の予定です。
【GEEK通信】「GEEK通信的、2021年ベストヒットアイテムベスト10、後編」
2021/12/21

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「GEEK通信的、2021年ベストヒットアイテムベスト10、後編」
第5位「ハドラスガラスコーティング」
えっ?なに?ハドラス?コーティング?
と言う方が多いと思いますが、個人的にバズったアイテム(?)、サービスになります。
ラケットにこのコーティングをすることによって、傷がつきづらくなります。
私は既に、スマホとメガネに施していたので、ついにテニスにも来たか!という気持ちでした。
ガラスコーティングというのは、鉄並みの硬さの薄いコーティングで、汚れ、傷を防ぎ、防水効果もあります。
もし、汚れても簡単に落ちます。
ラケットの硬さ、重さにはほとんど変化がありません。(RA値1以下、1g以下)
最近は、デザインにこだわったモデルが増えているので、嬉しいサービスだと思います。



第4位「コロナ欠品」
(※アイテムと言いながら出来事となってしまった第4位ですが、気にせずピックアップさせてください。)
長引く新型コロナウイルスの影響で、ラケット、ストリング、シューズ、ウエアなど様々なアイテムに納期遅れが発生しました。
2.3ヶ月遅れはまだ良い方で、次回入荷予定未定というアイテムも多数あり、お客様にご迷惑をかけてしまっています。
特に大きな影響を受けているのが、ナチュラルガットで、ロックダウン、スエズ運河座礁など度重なるアクシデントで、欠品状態が続いています。
代替えが効かない商品なので、お店でも対応に困っていますが、幸いバボラタッチVS135、ウイルソンナチュラル16、プリンスナチュラル16は在庫を持っていますので、ナチュラルガット派の方は是非一度お試しください。


第3位「多角形ポリエステルの逆襲」
近年、多角形のものより、丸型のポリエステルの方が、スナップバックが大きく、スピンもかかり、パワーも出るという風潮でした。
しかし、今年発売されたヨネックスポリツアーREVを筆頭に、ソリンコハイパーGソフト、プリンスツアーXXスピンなど多角形ポリのヒット商品が多数生まれました。
多角形ポリはボールとストリングの間に摩擦も生まれ、食いつくような打球感が感じられ、ストロークの飛びを抑えながら距離のコントロールがつけやすくなります。
当然、ポリエステルならではのスナップバック効果もあり、スピンは思いのままかかります。
丸ポリは、素直に反発してしまうので、スピード感はあるが、粘りが少なく感じます。ボレーのフィーリングは丸ポリの方が良いと思うので、ナチュラルや柔らかいナイロンとのハイブリッドは丸ポリが良いでしょう。
試しに、ハイパーGソフトを横糸にハイブリッドしてみたのですが、縦糸のスナップバックは丸ポリとさほど変わらないのですが、横糸のスナップバックがほぼダメでした。
ショットの種類によっては、横糸が動くことがあります。ハイパーGソフトは、5角形ですので、ずれたまま元に戻らないことがほとんどです。
また、横糸を張っているときに、多角形ポリの尖った先端が縦糸のナイロンマルチフィラメントを削ってしまい、使う前から縦糸のほつれが出てしまいました。当然ながらプレー中にも消耗させ、いつもより早く切れてしまいます。
ハイブリッドには、丸ポリで、多角形ポリは普通に縦横に張ることをおすすめします。



第2位「プリンスラケット絶好調」
【ギーク通信的】ベストヒットアイテムですので、プリンスを出さないわけにはいきません。
現在マイラケは、ビーストDB100(280g)で、その前がエンブレム110でした。
自分のラケット選びは、自分では決めていません。
トラックマンの結果が良いラケットに決めているだけなのです。
デザインやひらめきでラケットを変えてしまうと、調子が悪い時にラケットのせいにしてしまいます。
その点トラックマンの結果がよくて、ラケットを選んでいるので、調子が悪いときでも自分のせいと割り切ることができます。
ユーザー対象のトラックマンカウンセリングでも、ビースト、エンブレムはどなたが打っても安定した好結果が得られます。(※個人の見解です、、、)
まったく候補になかった人でも、購入に至るケースは多々ありました。
また、ツアーシリーズ、Xシリーズも好調で、12月に発売のファントムシリーズも好調な滑り出しです。
2022年も更なる躍進が期待できます。


第1位「ヨネックスラケットの大躍進」
2021年1月VCORE発売、大ヒット!
2021年9月VCOREプロ発売、VCOREプロ100が2ヶ月連続売り上げ1位!(※GEEK調べ)
大坂なおみ選手使用のEゾーンも安定して売れており、向かうところ敵なしの状態になっています。
スピンのVCORE、コントロールのVCOREプロ、パワーのEゾーン
どれを取ってもエース級のモデルで、プロ野球で言ったら、先発3本柱が全員15勝以上している感じです。
また、男子プロの使用選手が目覚ましい活躍をしています。
VCORE:シャポバロフ選手、西岡選手
VCOREプロ:フルカチュ選手、ワウリンカ選手、ティアフォー選手
Eゾーン:ルード選手、キリオス選手、ブブリク選手、国枝選手


さらに、2022年にはEゾーンがモデルチェンジします。

1月に2モデル、4月に5モデル発売が決まっています。※発売時期がずれる場合がございます。
Eゾーン100だけ打ったのですが、かなりよかったです。
詳しいインプレは別の機会にお話しする予定ですので、期待して待っていてください。
来年はどんなヒットアイテムが生まれるか、今からぐるぐるする。(渋沢栄一言葉)
【GEEK通信】「GEEK通信的、2021年ヒットアイテムベスト10前編」
2021/12/10

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

「GEEK通信的、2021年ヒットアイテムベスト10 前編」
第10位「テニスYouTube」
(※アイテムと言いながらコンテンツとなってしまった第10位ですが、気にせずピックアップさせてください。)
試合、レッスン、道具などテニスに関したYouTubeが大量に生まれた年になりました。
ウインザーでもウインザーチャンネルをスタートし、テニスユーザーに少しでも役に立てばと言う思いで頑張っております。

個人的におすすめなのが、「スターテニスアカデミー」小野田プロ、貴男プロのレッスンや試合に、ウインザーでのお買い物、トラックマン企画などが面白く見てました。
また「テニス365チャンネル」の「ラケット選びの極意」そに出演させていただき、パート1.2.3トータル7.8万回の再生を達成し、大変感謝しております。
テニマカンパニーの「TENNITube」は、ギーク通信でも取り上げましたが、まったく新しいギアインプレのYouTubeです。
テレビを見る時間が減り、YouTubeを見る時間が増えている人は多いのではないでしょうか。

第9位「高機能インソール」
前々から高評価のシダス、スーパーフィート、Bプラスなどの高機能インソールが、ブレイクしました。
その背景には、足型計測が関わっています。

重心が踵だったり、右左のバランスが悪かったり、土踏まずが下がっていたりと自分の足の状態がわかってくると、それを改善してくれるインソールに注目が集まるようになりました。
足型計測は常設の店舗とイベントとして行なっている店舗がありますので、ホームページで確認してみてください。
自分は、テニス用、仕事用、通勤用などすべてのシューズに入れております。

第8位「シリコンコーティングナイロンストリング」
プリンスエンブレムタッチSF、トアルソンバイオロジックXXの2モデルは、表面にツルツル、サラサラするコーティングを施し、スナップバックするナイロンストリングとして売り出しました。

その後、ヨネックスレクシスコンフォート、レクシススピード、ゴーセンラクシアアシスト、ラクシアバイトにも同様のコーティングがされており、スナップバックによるスピンを向上させています。

ポリエステルは素材の特性により、スナップバックの持続性が高く、縦糸は横にずれた後瞬時に元に戻ります。
ナイロンストリングは、ボールを包み込むように、くの字型に凹みますが、横にずれたストリングは元に復元しなかったり、復元スピードが遅かったりします。
ITF(国際テニス連盟)では、ストリングの研究を行なっており、ポリエステルは、ナイロンストリングより20%スピン量が増えると公表していますが、シリコンコーティングされたナイロンストリングのスピン量も早く公表してほしいものです。

第7位「ストリングアシスト塗布グッズ」
数年前から発売されているスナップバック機能を高めるシリコン系塗布剤がやっと認知されてきました。
第8位で紹介したように、ストリング自体にもシリコンをコーティングしてスナップバックにこだわったアイテムが増えています。
テニック「ストリンググライド」、プリンス「スピンプラス2」が該当アイテムです。

ストリンググライドは、スポンジに専用液を数滴たらし、靴磨きのようにクルクルと塗ります。
スピンプラス2は、極太のマジックのような形で、簡単に塗ることができます。
持続性はストリンググライドがよく、手軽さはスピンプラス2でどちらも効果は同じです。
ホームセンターで売っているシリコンスプレーをストリングに噴射する人、家庭にあるオリーブオイルを塗る人にテニスコートであったことがあります。
どちらも試してみましたが、共に難がありました。
シリコンスプレーは、ストリングに噴射すると、ほとんどが空気中に飛んでいきます。
他人に迷惑がかかる可能性がありますし、環境破壊の面でも問題がありそうで気が引けました。
オリーブオイルは、付ける量が難しく、グリップまで垂れてきてしまいヌルヌルになってしまいました。
シリコンコーティングの効果が認知されてきている証拠だと思います。
フェデラーが数カ所だけ付けている「エラストクロス」のようなものは本来、ストリングのノッチングを防ぎ耐久性を向上させるものですが、エラストクロスはテフロン加工されていることで、スピン性能を上げるために付けていると噂されています。
フェデラーはどこのメーカーのものを使用していかは、不明です。

第6位「新興メーカーの躍進」
テクニファイバー、ダイアデム、スノワート、ラコステなどメジャーブランド以外のラケットメーカーが躍進した年になりました。

特に、テクニファイバーはメドベージェフ、シフィオンテクの活躍もあり、Tファイト、Tリバウンドの動きがよく、テニスコートに行っても上手な方が使用している印象を受けました。

ダイアデムも注目度が高くて、試打ラケの貸し出し頻度が高く、打球感の良さ、打球音の心地よさが特徴です。
ラケット内部は本来、中空になっているものが多いのですが、ぎっしりとフォームコアを充填しており、本格的なプロ好みの仕上がりになっています。
今年、ウィルソンから限定発売されたプロラボ(60500円)と近い感覚です。

第5位~第1位は後編をお楽しみに
【GEEK通信】「たまらない打球感に思わず使いたくなってしまいました。NEWプレステージ誕生!」
2021/11/29
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「たまらない打球感に思わず使いたくなってしまいました。NEWプレステージ誕生!
今から34年前、初代プレステージが発売されました。
1980年台としては、高額な49000円で、フランスの人気選手アンリルコントが使用し話題になりました。
フルキャップグロメットに深いワインカラー(海老茶色)が高級感を漂わせ、上品だけど使用してみると、ワイルドなラケットでした。
この当時は、まだまだフラットで打つことが基本でしたので、偏平形状のグリップが握りやすく、ワングリップで全てのショットが打てると評判でした。
フェース面積600平方センチメートルの表示でしたが、その後インチ表示もされるようになり、93平方インチと記載されました。現在も平方センチメートルと平方インチのダブル表示されています。(615平方センチメートル/98平方インチなど)
2021年プレステージの14代目が発売され、色々と変わった記念すべきモデルとなりました。
まずカラーリングは前作の赤から、初代を彷彿とさせるワインカラーと黒の渋めのデザインになり、おとなの雰囲気になりました。
時代の流れで、なくなったり、復活したりするのが93平方インチのMIDですが、今回のラインナップから外れました。
小さいフェース面積が好きな方もいらっしゃるので、いつかまた復活する日を楽しみにしています。
今回のラインナップは4機種で、
プレステージPRO(98平方インチ、320g、18×20)
プレステージTOUR(95平方インチ、315g、16×19)
プレステージMP(99平方インチ、310g、18×19)
プレステージMPL(99平方インチ、300g、16×19)
あれっと思った人は、プレステージ通です。
モデル名が入れ替わっているのです。
前作プレステージMP→PRO
前作プレステージPRO→TOUR
前作プレステージTOUR→MP
前作プレステージS→MPL
に変更になっているのですが、理由としは、ヘッド全体のネーミング方法には法則があって、最も上級なモデルはプロ、その次がTOUR、その次がMP、軽量モデルはMPLといった具合なのですが、プレステージだけ独自のネーミングだったので、今回は全モデル統一の運びとなりました。
グラフィン360+は前作とまったく同じなので、素材の変更はありません。
唯一変えたのが、ヨーク部分のオーセチックと呼ばれる材質の構造です。
網のようになっており、伸びたり、縮んだりすることで、インパクトの強さでホールド感が増します。

トラックマンで4本のデータを計測しました。

スピードとスピンで見ていくと、
PRO  スピード103.9kmスピン1540/rpm
TOUR  スピード109.9kmスピン2039/rpm
MP  スピード111.1kmスピン1844/rpm
MPL  スピード113.6kmスピン2088/rpm
スピードに関しては、軽くなればなるほど速くなっています。
「パワー=重さ×スイングスピード2乗」に比例します。
重たいものを速く振れるに越したことはありませんが、スイングスピードの2乗に比例するということは、軽いものを速く振る方が手っ取り早くスピードアップできるのです。
スピンに関しては、TOURとMPLが2000回転以上出ており、この2本に共通なのが、ストリングパターン16×19と言うことです。
PROとMPは、細かいパターンなので、スナップバックが起きづらく、回転数が落ちてしまったと思われます。

2014年全日本テニス選手権シングルス優勝、2017年全日本テニス選手権ダブルス優勝の
江原弘泰プロが張替えに来られた時に、質問してみました。
江原プロは現在プレステージSを使用していますが、新しいプレステージMPLも試しています。
私「江原プロは、かなり重りを貼って使っていると思いますが、元々重たいTOUR(前作)にしないのはなぜなのでしょうか。」
江原プロ「TOUR(前作)はストリングパターンが18×19なので、回転のかかりがイメージ通りじゃないんです。」
私「ラケットは市販の元と中身は違うのですか。」
江原プロ「いえ、市販の元とまったく同じです。ただ、ロングに加工しています。」
私「新しいプレステージMPLはいかがですか。」
江原プロ「まだテスト中ですが、今のより打球感が柔らかくなってますね。」
気さくに色々と答えていただきました。
貴重なご意見ありがとうございました。
試打したスタッフは、ほぼ全員、新作の方が柔らかいと言っていますので、オーセチックの効果があるのは間違いないところです。
自分の一番のお気に入りは、プレステージMPLです。
スピード、スピンともに一番の結果が出ており、飛距離も23.4m(コートの大きさ23.77m)で、バラつきも少なく(下の小さい数字がバラつきを表します)申し分のないラケットです。
MPも良かったのですが、スピンが下がったために、
飛距離が26.2mとバックアウトしてしまいました。
今回は球出し機から出てくるボールを打ったので、インパクトで打ち負けることはありませんでしたが、
実際にコートで、相手の威力のあるボールを打った場合は、重たい方が打ち負けないので、真逆の結果になる可能性もあります。
次の機会にはオンコートでテストしてみようと思います。
【GEEK通信】「プリンスファントム、ラケットもストリングも王道を行く仕上がり」
2021/11/14

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

1年ぶりのシングルスをやりました。
ずっとダブルスしかしてこなかったので、好きなところにリターンが打ててなんか嬉しい気持ちになりました。
ドロップショットは、拾えませんでしたが、思った以上に動けて、ファーストセットは6-1で取りました。
セカンドセットは、ビーストDBから、今度発売になるファントム2機種を使いました。

3ゲーム交代でファントム100とファントムO3を使う予定でしたが、1ゲーム終わった段階でビーストDBに戻したくなりました。
飛びすぎてしまってバックアウトのミス連発で1ゲーム目を落としてしまったのです。
ぐっと堪えて、3ゲーム使い、ファントムO3にスイッチしました。
今度はスピンがかかり過ぎて、ネットミスの連発でまたゲームを落としました。
セカンドセットは6-2でしたが、内容はジュースジュースで競った試合でした。
ゲームをしながら、ファントムの特徴がわかってきました。
ファントム100は、フラットドライブで打つと、ボールの伸びがよく、相手が嫌がります。
初めのうちは、スピンで深く弾ませようと高めの弾道で打ったのですが、ことごとくアウトしてしまいました。
打ち出し角度は低めで、ネットの上50cmくらいを狙うといい深さに入りました。
ファントムO3は、真逆の感じで、ネットの上2mくらいを狙ってスピンをかけて打っていると、ミスがありませんでした。
ただ、ファントム100に比べスピードはダウンしてしまうので、ラリーは長くなるのを覚悟して臨んだ方がいいでしょう。
新しいストリングも、テストしました。
ファントムプロとファントムタッチで共にポリエステルの王道を狙ったものです。

プリンスのポリエステルと言うと、他社にないような構造の物が多く、多彩な変化球を投げるピッチャーのような感じでしたが、今度の2モデルは豪速球を投げる本格化のピッチャーです。
ファントムプロは、打ちごたえがあり、パワー系のボールを打ち込むハードヒッター向けモデルで、張った感じ打った感じのトータルでルキシロン のアルパワーに似ていると思いました。

ファントムタッチは、柔らかい打球感が特徴で、ストロークは当然ながらボレーのタッチも良く、月並みの言葉ですが、オールラウンドなポリエステルです。
ヨネックスのポリツアープロとかゴーセンのGツアー3がライバルになるのではないでしょうか。




 
【GEEK通信】「面白い!ためになる!目から鱗!TENNITube」
2021/10/25

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「面白い!ためになる!目から鱗!TENNITube」
テニマカンパニーの「TENNITube」みなさん知ってますか。
元テニスメーカーの道場さんと横山さんがテニスに関するあれこれを独自の目線で解説するYouTubeなんですが、面白いし、ためになります。
テニエンス(テニスをサイエンスする)では、テニスを科学的に分析してわかりやすく、また、数字で紐解くので説得力があります。
黄金スペックのラケットをパワー系、スピン系、フィーリング系の3つに分類し、その系列の中で5本を選び、ボールを打たずにランキングしていきます。
打たずに評価する方法は、カタログに載っていることに加え、しなり、縦しなり、ねじれを独自に計測して、比較していきます。
今までのラケットインプレッションは、ショップのスタッフや有名コーチ、巷のインフルエンサーが試打やゲームをしながら、フィーリングを発信しているものがほとんどでした。
同じラケットなのに真逆なことを言っているなんてことは、よくあります。
これは、打つ人のパワーのあるなし、フォームの違い、過去の経験など人それぞれですので、真逆になることもあります。
答えはひとつじゃないのです。
テニエンスで出す答えはデータから紐解くので、ある意味ひとつしかないのです。
今までは打ってなんぼと思っていたので、カタログもチラッとしか見ませんでした。
でもじっくり見ていくと、開発者の思いや目指している方向性が見えてきます。
それを知った上で、試打することで、ただ柔らかいとか、ただ飛びがいいだけじゃなくて、柔らかいことで打球感がよくなったり、飛びのよさが他のファクターと結びついていい結果になっていたりするのです。
テニカジも大好きなコーナーです。
横Dが気になるテニスグッズを見つけてきて、使い方を説明していくのですが、道場さんの妨害を受けながら、5分(当初は8分でした)で完結するのですが、毎回時間切れでシャッターが降りてしまうのです。
横Dが伝えきれていないことを補足していきます。
第一回で取り上げた「グリップチューブ」の説明で、ドライヤーで温めると言っていましたが、家庭用のドライヤーでは時間がかかってしまいます。
業務用ドライヤーのパワーのあるものか、やかんで熱湯がおすすめです。
また、1分でできるのか?と論争していましたが、お湯が沸いていれば1分でできますが、余った分のカットとリプレースメントグリップ巻きもするとなると、1分では無理ですね。
第三回「VIBE CUT」では、振動を止めるグッズとして紹介していましたが、ストリングの振動止めとの違いについて十分な説明がなかったので補足しておきます。
振動には、フレームから伝わる高周波とストリングの音なりの低周波があります。
一般的に売られている振動止めは、後者の方で、ボールが飛んでいった後のストリングの共振を止めることで「パコーン」を「パコッ」に変えるものです。
腕への悪影響は高周波の方で、フレームから伝わる振動を取れるのは「VIBE CUT」とキモニーの「カウンターショック」しかないと思います。

バボラから発売していた「RVS」は高周波低周波を同時にカットできる振動止めでしたが、廃盤になってしまいました。
次は何を取り上げるのか楽しみです。

初心者向けラケットの選び方part1の中で、気になることがありました。
グリップサイズの話しのところで、G2に0.5mmのオーバーグリップを巻くと、G2.5になると言っているのですが、お店ではオーバーグリップを巻くとワンサイズ太くなると日々言っているので、本当のところはどうなのか検証してみたいと思います。

TENNITubeの中では、G2の外周10.8cmで0.5mmのオーバーグリップを巻くと+0.157cm太くなり、外周10.957cmになると言っています。
G3の外周は11.11cmですので、確かに10.957cmならG2.5ということになります。
グリップの形状は8角形ですが、計算しやすいように円形として計算してみましょう。
円周を求める公式はみなさんも知っている
「円周=直径×3.14」です。
G2の直径は、円周が10.8cmですので、
10.8÷3.14=3.4395cm
オーバーグリップの厚さ0.5mmは0.05cmです。

オーバーグリップを巻いた状態の直径は、半径が0.05cm増えるので、直径では0.1cm増え、
3.4395+0.1=3.5395cm
3.14を掛けると11.1140cm(円周)となり
G3の11.11cmになります。
ちなみにG2の直径に0.05cmを足して円周を求めると
3.4895×3.14=10.9570cmとなります。
TENNITubeの言っている10.957になり、10.8を引くと0.157になります。
半径分の0.05cmしか足していないので、不正解ということになります。
何十年もお店で言っていた、G2に0.5mmのオーバーグリップを巻くと、G3になるは間違いではありませんでした。ホッとしました。
ただ厳密には、オーバーグリップの引っ張り加減と重ね加減で微妙に変わってしまうので、おおよそワンサイズ太くなるが正解です。
TENNITubeでは、細かいことは気にせずにドンドン動画をアップしていってほしいと思います。
補足説明はお任せください。

今回取り上げさせていただいた、「TENNITubeチャンネル」は、
>>>【こちらから】
【GEEK通信】「黄金スペックの次に来るのは、シルバースペック?」
2021/10/13

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

「黄金スペックの次に来るのは、シルバースペック?」
最近、ゴールデンスペックやプラチナスペックなど、ラケットのカテゴリーを示す表現として使われることがありますが、なぜかこの言葉に少し違和感を感じます。
その違和感はどこから来るのか紐解いてみると、20年前に生まれた「黄金スペック」という言葉に行きつきました。
ストリングメーカーだったバボラから、画期的なラケット「ピュアドライブ」が発売され、大ヒットし、現在でも売れ続けているモンスターラケットとなったのですが、既存のラケットメーカーもピュアドライブに対抗するラケットを続々発売しました。
そのスペックが100平方インチ、300g、フレーム厚25~26mm
で、テニスライターのM氏が「黄金スペック」と命名、特集記事を書いたのが始まりです。
「デカラケ」「厚ラケ」「魔法のラケット」などの名付け親のM氏に黄金スペックの由来を当時聞いたことがあります。
歴史のある建築物や芸術作品に使われている黄金比率から思い付いたと言っていました。
黄金比とは、1:1.6の比率の長方形を表し、ミロのビーナス、モナリザ、凱旋門など美しい造形として色々なものに応用されています。
黄金スペックには、そんなストーリーがあったので、安易に黄金=ゴールデンに違和感を感じたのです。
ただ、黄金はゴールドですので、ゴールデンスペックで間違いはないので、訂正する必要はありません。
ゴールデンスペックは黄金比からきていることを忘れないでください。
プラチナスペックの違和感は、白銀比からきています。
黄金比は海外の造形物に使われることが多かったのに対し、日本の造形物は、1:1414(√2)の白銀比率の法隆寺金堂、五重塔など多数あり、和の様式に使われることから大和比とも呼ばれています。
ドラえもんやキティちゃんも白銀比です。
ちなみにA4、B5の比率です。
白銀=シルバー、白金=プラチナで白銀をプラチナとよく間違われることがあり、プラチナスペックと聞いて違和感を感じたのでした。
でも、プラチナスペックは100平方インチ、285g、25~26mmのことですので、黄金スペックを軽くしたもので、主流となるスペックではないので、いいネーミングかもしれません。
プラチナ比と言う定義もあるにはあるのですが、有名な作品は見当たりません。
白銀比は黄金比と対等に扱われる2大比率ですので、
白銀スペック=シルバースペックを探していきましょう。
一面の雪景色のことを、「白銀の世界」と言う以外、ほとんど使われない言葉なので、白銀スペックと言うとプラチナスペックと間違われてしまうので、「シルバースペック」と呼ぶことにします。
最近増えている100平方インチ、300g、22~23mmは、ブレード100、ピュアストライク100、スピードMP、CX400ツアー、Vコアプロ100などですが、シルバースペックと言うには、黄金スペックの厚さ違いだけなので、物足りない感じがします。
Vコア98、エクストリームツアー、CX200、ピュアストライク、ピュアドライブVS、ピュアアエロVS、ブレード98、エレベートなどのスペックが、
98平方インチ、305g、22~23mmです。
黄金スペックとフェース面積、ウエイト、フレーム厚どれもとっても同じではなく、それでいて多数のプレーヤーから支持されています。
特に黄金スペックが飛びすぎてしまう方にちょうどいいので、黄金スペックVSシルバースペックの図式になり、黄金スペックにも負けないスペックになるのではないでしょうか。
シルバースペックは、フェース面積98平方インチ、ウエイト305g、フレーム厚22~23mmと定義することにします。
黄金スペックは、パワー、快適、オールラウンドが特徴のラケットですが、飛びすぎる、物足りないなどの方も多くいるのが現実です。
シルバースペックは、飛び抑えめ、打ちごたえのある打球感、自分のスイングで全てをコントロールできる安心感が特徴です。
選手の使用率が高く、中級から上級向きのカテゴリーになりますが、黄金スペックに比べ、スイートスポットとそうでないところの差が大きく、いいショット、ミスショットの原因が直ちにわかりやすくなっています。
全般的に球乗りの良いモデルが多く、しっかりと振り抜いた時のボールの重さが出しやすいのも長所です。
305gと少し重ためですが、ほとんどのラケットが315mmとトップを軽くしているので、操作性は良く
黄金スペックからの乗り換えもスムーズに移行できます。
ワンランク上のテニスを求めている方は是非チャレンジしてみてください。
【GEEK通信】「ブレード98 16×19 V8」
2021/09/29

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「ブレード98 16×19 V8」
大した変化はないだろうと思っていました。
打ってみたら、大違いでした。
ラケットの難しいところは、素材を変えたり、形状を変えたり、フレーム厚を変えたりしてもいい結果が得られないことがあることです。
特に、何年も続く人気のモデルでは、前作と比べられることが多く、改良したところがマイナスに捉えられることがあります。
パワーをアップすると、飛びすぎると言われたり、スピンがアップするとスピードが出ないと言われたりすることがあり、打つ人の感性によってプラスになることもあれば、マイナスになることもあるのです。
ウイルソンのブレード98も、ウイルソン契約選手の使用率ナンバー1のモデルとして中上級者の間では愛用者もかなり多くなっています。
今回のモデルで8代目になるのですが、7代目との違いは、グリップ内部の構造と、グロメットの素材を植物由来のモノに変更したことです。
フレームのしなり、縦しなり、ねじれなどに一切変化はなく、大幅な変更点はないようにみえました。

ウインザーのYouTube撮影で、トラックマンを使ってウイルソン契約選手の岩崎コーチのデータ取りするイベントを行いました。
既に現役を退いている方でしたが、サービスのスピードは211kmととんでもない数字を叩き出しました。
その時のラケットがブレード98で、最新のバージョン8も同時に試打していたのです。
私も使わせてもらったのですが、前作との違いがはっきり出ていました。
打球感が気持ちよく、手に伝わる情報が100%包み隠さず伝わってくるような感じがしました。
ボールのスピードも増しているように感じましたが、恐らく、ラケットの反発力は変わってないと思います。
手に伝わる情報がわかりづらいと、安心して振り抜くことができなくなります。
これ以上振ると、飛びすぎてしまうのではないだろうか、これ以上振ると狙ったところに行かないのではないだろうかと不安がよぎります。
手に伝わる情報がはっきりしていると、自分の力加減や、芯に当たっている当たっていないがわかり、いいショットも悪いショットも原因がわかります。
その安心感からフルスイングできると、スピードが出て、スピンもよりかかります。
今回のブレード98 16×19(V 8)は、打球感の良さから、スピード、スピンの向上につながったのです。

ブレードと言うと、ここ何作かはグリーンをモチーフにデザインしていましたが、バージョン8ではコッパー(銅)をメインにして、フォレストグリーンとメタルグリーンを使用しています。
見る角度によって色が変わる手の込んだデザインにしており、完成に時間がかかったそうです。
渋くてカッコいいと思います。
元々、ブレードはウイルソン契約選手使用率1位のラケットですから、今後活躍する選手の手に握られている映像が増えてくると、角度によって違う色に見えてより一層注目度が上がってくると思います。
今回、試打ラケットの提供がなく、店頭での貸し出しはしていませんが、トラックマンのイベント様に、ブレード98 16×19 だけ用意していますので、横浜店か聖蹟桜ヶ丘店のイベントに是非ご参加ください。
【GEEK通信】「ヨネックスVコアプロ97DとVコアプロ104はともに奥が深かった」
2021/09/14

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「ヨネックスVコアプロ97DとVコアプロ104はともに奥が深かった」
レイトンヒューイットを覚えていますか。
小さい体で、世界ナンバー1になったオーストラリアの名選手でした。
その手に握られていたラケットがヨネックスで、一番印象に残っているのが、RDS001でイエローにブラックのカッコいいラケットでした。

2008年頃ですが、私も愛用していて、その頃テニスが好調で、草トーのシングルスで優勝したことがありました。(それ以降シングルスでの優勝はありません)
なぜこんな昔のことを書いているかと言うと、今回新しく発売されたVコアプロ97Dを打った時に、ふと思い出したのです。
RDS001の後に出たRDX500HD(98平方インチ、320g、18×20)もしなりが凄くていいラケットでした。
当時はどちらも大ヒットした名品で、特にRDX500HDのスペックはVコアプロ97Dとほぼ同じなのです。
2021Vコアプロ97Dは、97平方インチ、320g、18×20、RA値62(ギーク調べ)なので、フェース面積が1平方インチ違うだけです。
一見すると難しそうなスペックですが、打ってみると重さがあることで、インパクトのぶれがなく、ストリングパターンが細かいことで、しっかりボールを潰していけます。
実際は自分のスイングスピードでは潰すことはできませんが、打球感は非常に気持ちいいのです。
2021Vコアプロ97とトラックマンで比較してみました。
2021Vコアプロ97:スピード102.2km スピン1273/rpm
2021Vコアプロ97D:スピード103.9km スピン1559/rpm
スピードもスピンも97Dの方が上でした。
スピンの1559/rpmはVコアプロ全機種の中でもナンバー1の回転数を記録しました。
100キロくらいのボールスピードでも、十分にボールは潰せるみたいですね。
当然長時間使うには、320gは重すぎですが、40代くらいで普通の体力があれば十分使える重さだと思います。
もう少し若ければ、使いたくなるラケットです。
とにかく打球感が気持ちよくて、実際のボールよりもっと威力が出ている感覚があり、打つごとに脳内にドーパミンが溢れ出ているみたいです。

実は、その後に打った2021Vコアプロ104が全5機種の内、最も気に入ったラケットになったのです。
ただの少し大きめの楽々ラケットではありませんでした。
スペックは、104平方インチ、290g、フレーム厚22mm、RA値62(ギーク調べ)です。
普通フェース面積の大きいモデルを発売する場合、初中級や非力な女性向けが多いのですが、そのターゲットはVコアプロ100L(280g、フレーム厚23mm)を当てています。
このモデルのターゲットは中上級のベテランダブルスプレーヤーです。
こだわりのポイントは、Vコアプロ100Lの280gより10g重たい290gとフレーム厚を1mm薄くした22mmです。
打ってみて、ボレーのしやすさとスライスの打ちやすさが際立っていました。
他に秘密はないかとラケットをよくみてみると、他の4機種とはフェース形状が違い、上方向が広くなっています。また、ストリングの目も粗くなっており、16×19と本数は同じですが、横糸の1本目と19本目がかなりフレームギリギリまであり、全体の横糸の間隔が広くなっています。
ベテランになると目が悪くなり、動体視力も落ちてきます。それなのに若者に負けないように、フルスイングしたりするので、当たらないミスも有れば、当たると飛びすぎることもあります。
Vコアプロ104は、スイートスポットが広いわりに、意外と飛びません、ミスショットをカバーしてくれて、ハードヒットもコントロールできる不思議なモデルです。
ストリングの目が粗い上に、フレームのしなりがあり、おじさんのゆるいスイングでもスライスに伸びがでます。
ダブルスで4時間使いましたが、サービス、ストローク、ボレーに何の違和感もなく、マイラケのように使えました。
サービスはスピードと言うより、スライスの切れがあり、ワイドに逃げるサービスでリターンミスを誘えました。
ボレーは何も考えず、ただ普通に打つだけで、ネットもしない、アウトもしない、こちらのミスはなく、抜かれたらしょうがないと言う感じでした。
ストロークはボールが浮かないので、センター中心に思いっきり打てました。
トップスピンロブもグリグリにかかることはありませんが、きっちりベースラインギリギリに入ってました。
この日の勝率はいつもより上がってましたので、ラケットのおかげではないでしょうか。
ダブルスを主戦にされてる方、
これは掘り出し物ですね。

シングルスには、Vコアプロ97D
ダブルスには、Vコアプロ104
で決まりですね。

参考としてVコアプロ104のトラックマンデータを載せておきます。
スピード107.9km、スピン1458/rpm
【GEEK通信】「ヨネックスVコアプロ97とVコアプロ100を新旧で比較してみました。」
2021/09/06

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
「ヨネックスVコアプロ97とVコアプロ100を新旧で比較してみました。」
まずは、スペック比較

2019Vコアプロ97  フェース面積97平方インチ
ウエイト310g、バランス310mm、フレーム厚20mm
RA値61.5(ギーク調べ)
2021Vコアプロ97  フェース面積97平方インチ
ウエイト310g、バランス310mm、フレーム厚21mm
RA値57(ギーク調べ)
尚、2019Vコアプロ97にあったLG(290g)は、2021Vコアプロ97では発売していません。

2019Vコアプロ100  フェース面積100平方インチ
ウエイト300g、バランス320mm、フレーム厚21mm、RA値65(ギーク調べ)
2021Vコアプロ100  フェース面積100平方インチ
ウエイト300g、バランス320mm、フレーム厚23mm、RA値60(ギーク調べ)

VコアツアーG、VコアデュエルG、前々作Vコアプロ、前作Vコアプロと一貫していたのは、フレームの厚さでした。
20mmのストレートビームで、適度なしなりと打ちごたえのある芯が詰まった感じの打球感が絶妙でした。
ところがずっと守られてきた20mm厚でしたが、今作は1mm厚くなり、21mmに、Vコアプロ100に至っては、2mm厚い23mmになったのです。
それともう一つ大きく変わったところがあります。
フレームの硬さが柔らかくなったのです。
元々Vコアプロはしなるのが特徴でしたが、RA値で約5ポイント低くなったのです。
普通、フレーム厚が厚くなると物理的にしならなくなりますが、厚くなった上にしなりが大きくなったのには何かしらの変化があったことを意味します。

柔らかさが前作より11%アップするフレックスフューズ複合カーボンをシャフト部分に採用し、さらに
v字のシャフト部の長さを10mm長くし、柔軟性が高い逆R断面構造を採用しました。
その結果、前作より36%しなりがアップしています。
トラックマンでの比較と、ダブルスでのテストをしてみました。
まずは、Vコアプロ97の比較です。
2019Vコアプロ97  スピード103.7km、
スピン1487/rpm
2021Vコアプロ97  スピード102.2km
スピン1273/rpm
しなることで、スピードは出なくなってしまったのでしょうか。
次に、Vコアプロ100の比較です。
2019Vコアプロ100  スピード105.1km
スピン1333/rpm
2021Vコアプロ100  スピード108.4km
スピン1533/rpm
スピード、スピンともにニューモデルが大幅に数字を上げています。
ニューモデル2機種に共通していることは、打球感がマイルドで、しなることでボールとストリングがコンタクトしている時間がながくなり、コントロールがしやすくなっています。
歴代のシリーズの中で最も易しくなっています。
やはりフレーム厚が2mm厚くなっているとパワーが増します。

この後、ダブルスのゲームで使用してみました。
2021Vコアプロ97は、リターンの時に浮かずに、ネットギリギリを通すショットがフォア、バックともに打て、相手のボレーミスを引き出しました。
ネットプレーもしやすく、ローボレーを深く打ったり、アングルにドロップを打ったり、距離のコントロールが自在でした。
2021Vコアプロ100は、コンパクトなスイングでも威力が出るので、劣勢からでも逆転のショットが打てたり、相手のセカンドサービスを強気に叩けたり、終始攻撃的に攻めることができました。
サービスゲームでも、スピンサービスの跳ねがあり、前衛にポーチしてもらうことが度々ありました。

2019モデルと比較しながら、ゲームを行ってみて、97も100も2021モデルの方が易しくなっていると実感しました。

2021モデルは易しくなっているため、もしかすると物足りないと思う方もいらっしゃると思います。
その場合は、一個上のモデルを試してみるのもいいでしょう。
現在2019Vコアプロ97を使っている方は、2021Vコアプロ97D(320gで18×20)へ。
2019Vコアプロ100を使っている方は、2021Vコアプロ97へ。
次回は、新規格モデルの2021Vコアプロ97Dと2021Vコアプロ104を検証していく予定です。

新着記事

アーカイブ