オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。

新着記事
アーカイブ

店舗情報

【GEEK通信】「正体不明なポリエステル『賢いストリング』を試し打ちしてみました」
2019/05/09
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「正体不明なポリエステル『賢いストリング』を試し打ちしてみました」
40年近くテニスをやっていますが、初めての経験です。
長年のライバルであるKさんとのシングルスマッチで起こりました。
サービスゲーム30-30、トスを上げようとした瞬間「バンッ」とかなり大きな音がしました。
ベースライン後方のベンチに立てかけておいた予備のラケットのストリングが切れました。
プレー中に切れることはありますが、置いてあったストリングが切れたのは初めての経験です。
それも、もの凄い音がしました。リターンをする対戦相手にまで聞こえていました。
縦糸にバボラVSタッチ130横糸にブラックヴェノムを57ポンドで張っていて、切れたのは縦糸のトップ部分のところでした。
(ショックでそのサービスゲームを落としてしまいました。)
ここでルキシロンから発売予定の「賢いストリング」を試しました。 初めてポリエステルを打ったのが、20年程前のことでルキシロンのアルパワーでした。
それまではポリエステルを張ったことしかなく、硬いイメージでしたが、実際に打ってみるとボールが当たったところだけ「ボコッ」と凹む感じがして柔らかく包み込むようでした。
ただし強いインパクトがないと凹むことはなく、ボレーのタッチショットやスライスショットなど低速スイングのショットにはノリがなく、難しい一面もありました。
先日行われていたバルセロナオープンで、引退を表明しているフェレール選手とナダル選手の対戦がありました。
思い返してみると、スペイン人選手のクレーコートの戦い方からポリエステルは生まれたような気がします。
ブルゲラ氏(優勝2回)モヤ氏(1回)フェレーロ氏(1回)フェレール選手(準優勝1回)ナダル選手(11回)と続く全仏での活躍は、絶対に諦めない粘りのストローカーの歴史でもあります。
彼らに必要だったのは、スピンがかかって切れないストリングのポリエステルだったのです。
フェレール選手をリスペクトするナダル選手がフェレール選手と同じストリング(ルキシロン オリジナル)を試したことがあり、話題になったことがありました。 バルセロナオープンは、6-3.6-3でナダル選手が勝ち、インタビュアーがコートに入ってきました。勝利者インタビューのはずが、インタビュアーはフェレール選手の元に行ったのです。ナダル選手はフェレール選手をリスペクトしていますので、嫌な顔を一つもせずにずっと拍手を送ってました。
テレビを観戦していた私もグッときてさらにテレビにかじりついていました。
拍手が鳴りやまないスタンドに手を挙げ答えてましたが、スッと赤いバンダナを外すとサービスラインのTのところにそっと置いて、退場していきました。スマートです。
フェレール選手の全盛期はプリンスのO3モデルを使い、バボラのピュアドライブ、ウイルソンのバーン、ウイルソンブレードと移り変わりましたが、ストリングは一貫してルキシロンのオリジナルを使い続けていました。
オリジナルは1.30mmしか規格がなく、完全にストローカー向きのストリングでした。
ナダル選手が使うRPMブラストは規格外の1.40mmと言われていましたが、現在は少し細くしているかもしれません。RPMブラストのように、1.20、1.25、1.30、1.35mmとゲージが選べる場合、細くしていくと反発が増し、本来ならストローク向きのポリエステルですが、ボレーもしやすくなっていきます。 中には1.05mmの超極細ゲージを作っているソリンコのツアーバイトのように、ナイロンストリングでは不可能な細さまで作れるようになっています。
そんな進化を続けるポリエステルですが、ルキシロン から発売予定の「賢いストリング」(仮)を張ってみました。
何も情報が無い中でストリングを張っていてわかったことは、1.25mmくらいであること。
2色づかいになっており、違う素材をミックスしている可能性があること。
張り上がった後にストリングを凝視すると、ピントが合わないこと。(違う素材のためか?)
打ってみますと、ボレーのフィーリングの良さに驚きました。
私のボレーの打ち方は、かなりカットするためストリングにボールが乗ってくれないとコントロールができません。
なので今までポリエステルを縦に張ったことは一度もありません。
ポリエステルの欠点だった低速スイングの食いつきの悪さは感じられません。
ゲームに使ってみたのですが、リターンがアングルに決まってエースになりました。
スピンがかかるのは当然として、スピードが落ちないのが不思議でした。
スピンがかかるとスピードが落ち、スピードが出るとスピンがかかりづらいというのが当たり前ですが、「賢いストリング」はグググとストリングに食い込みその後タイムラグがあるかのように飛び出す感覚です。

スイングが終わった後にボールが飛んでいくイメージです。
まだまだ正体不明なストリングですが、セカンドサービスの威力もいつもより増していました。
また詳しいことがわかりましたら報告します。
【GEEK通信】「ハイブリッドストリングの選び方」
2019/02/05
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
-------------------------------
「ハイブリッドストリングの選び方」
寒くなると体の動きが鈍くなります。
寒くなるとストリングが硬く感じます。
寒くなるとボールの弾みも悪くなります。
ボールがネットを超えなくなったり、浅くなったりしていつものようなプレーができなくなる時です。
そこで、以前にもご紹介したようにウレタンの柔らかいマルチフィラメントのストリングがオススメなのですが、普段ポリエステルを張っている方にはフィーリングの違いを感じやすく、耐久性の問題も絡んできます。
そこで今回は、ポリエステルのストリングについて考えてみようと思います。
初めてポリエステルに出会ったのが、1991年にUSオープンにストリンガーとして参加した時に、無名のヨーロッパの選手が張りに持ってきた茶色のビニールのようなストリングだったのですが、数年後にそれがポリエステルだということを知りました。
当然初めて張るので、硬くそして曲がりにくいストリングだなと思いました。
ポリエステルが注目を集め出したのが、1997年に全仏オープンでクエルテン氏がルキシロンのアルパワーを使用して優勝したときではないでしょうか。
1993年、1994年と全仏オープンを連覇したスペインのブルゲラ氏以降、グリグリにスピンをかけるスペイン風ストローカーがプロにもアマチュアにも増加し、クエルテン氏の人気で拍車がかかり、トップスピンでハードヒットするプレーヤーが多くなりました。
当然、シンセティックナイロンでは切れてしまい耐久性に優れるポリエステルが注目集めるようになったのです。
当時はルキシロンのアルパワー、バボラのポリビート、キルシュバウムのスーパースマッシュ程しかなく、現在のように多様に選べるような状況ではありませんでした。
また、ストリンガーや選手にも悩む問題がありました。
ポリエステルを発売するメーカーは10%程度テンションを下げましょう。と謳っているのですが、ショップでは10%強く張らないとシンセティックナイロンと同じ面圧が出ないのです。
メーカーは飛びを基準にしており、ショップは張り上がりの強さを基準にしているから矛盾が生じてしまったのです。
結果から申し上げると、シンセティックナイロンと同じように張れば、10%面圧が下がり飛びが近くなるのとポリエステルの硬さを緩和することができると思います。
そのためポリエステルは面圧指定ではなく、張力指定で張ることをオススメします。
私自身もシンセティックナイロンかナチュラルしか使ったことがなかったので、初めてアルパワーを打ったときは不思議な感じがしました。
張る作業をしている印象から「打感は硬いかな」と思っていたのですが、柔らかく感じたのです。
これはどのポリエステルにも共通しているのですが、インパクトしたボールの部分だけストリングがずれてホールドした感触になるのです。
シンセティックナイロンが面全体でたわむのに対して、ポリエステルはボールの当たった箇所だけたわむので、たわみ戻しが早くボールを押し出す効果が得られます。
また、縦糸のずれ戻り(スナップバック)でスピンのかかりも良くなります。
ポリエステルの良いところは、耐久性があってスピンがかかるところです。
欠点は、強い力でヒットしないとストリングが動かないこととフィーリングの維持が短いことです。
ボレーやスライスなど柔らかいタッチが必要なショットは、面全体がたわむシンセティックナイロンは打ちやすく感じますが、ポリエステルは少しの力では凹まないので難しいショットになってしまいます。
張りたて時のポリエステルはスナップバック効果があり、スピンもパワーもシンセティックナイロンには無い次元で効果を発揮しますが、その持続が数週間から1ヶ月と言われています。
切れない・見た目が綺麗といって半年や一年間張り続けている方もいますが満足いくプレーが難しくなる傾向にあったり、肘や手首にも負担があり怪我をする可能性もあります。
有名なストリンガーが「味のなくなったガムを噛んでいるのと同じ」と表現していました。
いつ取り替えていいのか判断が難しいのです。
ガットが切れない・ハードヒッターではない方はシンセティックナイロンを張るのがオススメです。
それでもポリエステルの魅力にはまってしまった方は、【ハイブリッド】を試してみてはいかがでしょうか。

ハイブリッドを広めた選手としては、アンドレ・アガシ氏と思います。当時、縦にケブラー横にナチュラルを張っていました。
その後、「ポリエステル」と「ナチュラル」をハイブリッドする選手が増加し、現在ではトップ10の半分の選手はこの組み合わせをしています。
メリットとしては、テンション維持が良くなり、ボレーやスライスなどの柔らかいタッチも打ちやすくなり、腕にくる負担も少なくなります。
ただし、ナチュラルガットは高級品で価格が高めで、雨に弱い性質ですのでそこを理解してチャレンジしてみてください。
また、ナチュラルガットの代わりにマルチフィラメントを代用したアイテムはさまざまなメーカーから発売されています。
試したこともある方もいらっしゃると思います。
ナチュラルガットの柔らかい部分が再現されており、コントロールを重視するプレーヤーにはオススメの商品です。 ただしナチュラルガットはパワーもあるのですが、マルチフィラメントではナチュラルガットのパワーまでは再現できません。
そこで、パワーを重視したハイブリッドが発売されましたのでご紹介します。
ゴーセンの【GXX3(ジーダブュリュエックススリー)】と【GXX1(ジーダブュリュエックスワン)】です。 【GXX3】はポリエステル「Gツアー3」とシンセティックナイロン「AKプロCX17」の組み合わせです。 【GXX1】はポリエステル「Gツアー1」とシンセティックナイロン「AKプロCX17」の組み合わせです。 AKプロCXは分類するとモノフィラメントに入りますが、厳密には海島型というどちらにも属さない構造で作られています。 AKプロは元々テックガット7000EXというネーミングで最もナチュラルガットに近いシンセティックナイロンとして評判でした。 トーナメントプロ選手がほとんどナチュラルガットを使っていた90年代に、アンナクルニコワ氏(ヒンギス氏のダブルスパートナー)が契約なしにこのテックガット7000EXを使用していました。 人気のある選手でしたので、その後ゴーセンと契約を結び頭文字をとってAKプロと名称変更をしたのです。 AKプロCXは、AKプロに耐熱400度(通常耐熱200度)の耐熱糸CXを側糸に使用した商品です。 熱に弱いポリエステルと熱に強いCXを組みわせることで耐久性、テンション維持性を向上させました。 また、パワーを重視した柔らか過ぎないガッチリとした打球感なのでポリエステル好きの方も十分納得できるフィーリングになっています。 【GXX3】は、やや柔らかいGツアー3を使用していますのでストロークからボレーまでオールラウンドなプレーを目指す方にオススメです。 【GXX1】は、やや硬めのGツアー1を使用していますのでストローク中心にハードに攻めるプレーを目指す方にオススメです。 縦糸横糸のセッティングについては、現在ポリエステルを使用している方は縦Gツアー横AKプロCXを。 現在シンセティックナイロンを使用している方は縦AKプロCX横Gツアーがオススメです。 ぜひ試してみてください。
【GEEK通信】「冬対策!柔らかウレタンストリングがおすすめ」
2018/11/08
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「冬対策!柔らかウレタンストリングがおすすめ」
11月に入り一気に気温が下がってきております。
こういう時に起こりがちなのが、怪我です。
寒さで体が硬くなっていますが、ラケット、ストリング、ボールも硬くなるのです。
ラケットに関しては硬くなると言うより、「硬く感じる」と言うのが正解ですが、ストリングとボールは気温低下によって硬くなります。
ボールのバウンドは気温が高いと弾みが良く、気温が低くなると弾みが悪くなります。
冬だからといって、ラケットを変えたり、ボールを変えたりすることはありませんよね。
そこでストリングに注目です。
テンションを下げるのは当然として、ストリングの種類についても考えていきましょう。
週1-2時間のテニスをする方を基準にすると、3ヶ月で24時間プレーすることになります。 24時間プレーすると、5ポンドから10ポンドくらいテンションが下がります。
テンションが下がってくると、バックアウトが増え、コントロール、威力も低下してきます。
バックアウトが増えると、コートに収めようとする防御反応が働き、スイングを止めたり、スピンを増やそうとして手首をこねたりと理想のフォームから離れていきます。
適正なテンションを維持することで、正しいフォームが生まれますので、年に4回張り替えることが良いプレーにつながると思います。
日本には四季がありますので、ベストテンションが50ポンドの場合、春=50ポンド、夏=52ポンド、秋=50ポンド、冬=48ポンドと変遷していけば、同じフォームのまま1年中プレーすることができます。
1月1日に張り、4月1日、7月1日、10月1日と3ヶ月ごとに張り替えるのが理想ですが、
3月1日(2ヶ月)5月1日(2ヶ月)7月1日(4ヶ月)11月1日(4ヶ月)3月1日といったように、
暖かくなっていく期間は2ヶ月サイクルで、寒くなっていく期間は4ヶ月というのもおすすめです。

なぜかというと、7月1日に張った場合、3ヶ月後の10月1日ころは、寒くなってきていますが、テンションも下がってきているので、もう1ヶ月使っても良いと思います。
また、5月1日に張った場合、2ヶ月後の7月1日には気温も上がり、ベストテンションとの差が生まれてきます。夏に向けては早めの張り替えで対応するのがおすすめです。
気温が下がることで、ストリング、ボールに加え体(筋肉)も硬くなります。夏と同じようにプレーを続けると怪我や疲労の蓄積が懸念されます。
そこで冬におすすめのストリングをご紹介します。 現在ポリエステルを張っている方は、横糸に柔らかいナイロンマルチフィラメントを使用した【ハイブリッド】がいいでしょう。
縦横ポリ×ポリに比べ大分打球感は和らぎます。
ウイルソンとバボラから1張りから張れるハイブリッドが発売されていますので、まずはこれを試してみてはいかがでしょうか。
ウイルソンデュオフィール(エレメント+NXT)
                          *ウインザー価格 2,678円(税込)
バボラ プロハリケーンツアー+エクセル                          *ウインザー価格 2,160円(税込)
ハイブリッド以外では、ポリファイバーから発売されているポリエチレン素材を使用したTCSも柔らかい感触です。                         *ウインザー価格 2,246円(税込)
すでにシンセティックストリングを使用している方やポリエステルからシンセティックに移行を考えている方におすすめなのが、ナイロンマルチフィラメントにウレタンをコーティングしているストリングです。
また当社では、冬におすすめストリングとして、各メーカーの代表的なウレタン入りマルチフィラメントを取り扱っています。 それでは冬におすすめストリングを比較していきましょう。
■おすすめストリング
*バボラエクセル
*テクニファイバーTGV
*ウイルソンNXT
*ヨネックスレクシス
*ヘッドベロシティマルチ
*オリジナルテックコントロール16L とにかく柔らかくて食いつきの良いストリングを望む方は、エクセルかTGVが双璧です。
打ちごたえがあり、打球感が鈍くなりすぎないタイプは、レクシスとベロシティマルチです。
NXTとテックコントロールはちょうど間くらいの性能を備えています。
------------------------
*柔らかさの目安
TGV > エクセル > テックコントロール ≧ NXT > ベロシティマルチ > レクシス
------------------------

テクニファイバーはウレタンをストリングの芯まで浸透させている唯一のメーカーです。
TGVはテクニファイバーの中でも最も柔らかいストリングですので、冬の時期には間違いなくテニスのパフォーマンスを維持してくれるストリングです。
ですが全てのプレーヤーに合うわけではありません。
ウレタンの特徴として、衝撃を吸収してくれますが、その反面、反発力が低くなったり、打球感の歯切れの良さが失われます。
フレーム厚が26mm以上で、フェース面積100平方インチ以上のラケットをお使いの方は反発力が十分に備わってますので、まさしくTGVやエクセルがベストマッチですが、柔らかさ程々でスピード感のあるプレーを後押しするストリングが好きな方はレクシスやベロシティマルチがおすすめです。
また、テックコントロール16L以外は、ゲージの太さが2種類ありますので、ご自身プレースタイルに合わせて選択すると良いと思います。
ゲージ1.30mmはストロークの安定感を重視したオールラウンドなプレーに適し、ボールの飛びすぎを抑えソフトな打球感を実現しています。
ゲージ1.25mm(NXTは1.24mm)は反発力が上がりますので、女性や非力な男性または、ネットプレー重視の方に向いています。

ゲージが低いと耐久性が下がりますので、3ヶ月以内で切れてしまう方は複数本のラケットを用意するか、1.30mmにする方が良いと思います。
ここまでウレタンストリングを勧めておいて、手のひらを返すようで申し訳ないのですが、実はウレタンストリングにどうしても気になる点が1点あったのです。
それは、反発力が低い点です。
その理由は、ボールの食いつきが良すぎてしまい、サービス&ボレーを信条とする自分としては、スピードが食われてしまっている感覚があるからなのです。
ところが、その反発力を向上させた優れものが、大坂なおみ選手も使用しているヨネックスのレクシスなのです。
レクシスは3つの凄いことを実践しています。
*特殊高弾性ポリウレタン素材「フォルティモ」を世界初採用
*繊維間の隙間を埋めるFRP製法を採用し、パワーロスを排除
*プラズマ照射することで、繊維と繊維の結合を高め、強度を向上
上記のことによって、しっかりとした打球感を実現し、反発力もアップしているのです。
この冬は皆さんも、柔らかウレタンストリングの中から自分に適したアイテムを見つけ快適にプレーしてみませんか。
【GEEK通信】「DUOシリーズ3モデルのハイブリットを検証した結果は?」
2018/07/27
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
-------------------------------
「DUOシリーズ3モデルのハイブリットを検証した結果は?」
先日テニスをしていると、ご一緒した方から
「このガットはなんですか」
と聞かれ
「ナチュラルとポリのハイブリットです」
と答えると
「これがナチュラルですか、初めて見ました。お高いんでしょ」
まだまだナチュラルは高級品のイメージが強く、さらに湿気を気にするデリケートなガットというレッテルが貼られているようです。
そこで、アメアスポーツから発売された、ウイルソン ナイロンマルチフィラメントとルキシロンポリエステルのハイブリットの3タイプをチェックしたいと思います。 ①DUOコントロール:NXTコントロール×4Gラフ
②DUOパワー:NXTパワー×アルパワー
③DUOフィール:NXT16×エレメント125

ウイルソンNXTシリーズは、ナイロンマルチフィラメントですが、ポリウレタン樹脂に浸すことでナチュラルガットに近い柔らかい打球感を実現したストリングです。
ルキシロンのポリエステルはトップ選手の半数以上が使用する高性能ストリングです。
今回のガット比較は、【ウイルソン ウルトラ100cv】を3本用意し、縦ナイロン横ポリで48ポンドで張り上げました。
DUOコントロールを張っている時に、4Gラフが張りやすいことに気がつきました。
4Gラフは凹凸加工が施されており、横糸に使用すると、張っている最中に縦糸を傷付けてしまうことがあるのですが、このDUOコントロールの4Gラフは凹凸が少なくしてあり、縦糸のNXTコントロールを傷付けない特別仕様になっていました。
ラケットの試打は、飛びや打球感の違いが1本1本明確にわかりますが、ストリングの試打はその判別が大変難しくなります。
その原因は、ラケットの性能がストリングの性能を隠してしまうからです。
いつも使っている自分のラケットに試打したいストリングを張れば、ラケットの性能を気にすることなくストリングだけに集中できますが、同時に複数のストリングの試打ができません。
そこでストリングの試打で大事なのが、打球感を素直に感じる事が出来るラケットを揃えることです。 今回は【ウイルソン ウルトラ100cv】を3本を用意しました。
ハイブリットの張り方も縦にポリエステルにする方法もありますが、いつも縦ナチュラル横ポリで使用しているので、比較しやすい縦ナイロン横ポリにし、試打する場所も外的要因に左右されないインドアにしました。
自分一人だと不安なので、30年来親交のあるテニスライズ代表の河合氏に協力をお願いしました。
河合氏はブログ読者2万人以上のテニスサイトを運営するカリスマコーチです。                        *テニスライズ代表の河合氏
試打の後、感想を聞きました。
私「デュオシリーズのストリングどうでした」
河合氏「ストリングの試打は難しいね、まったく商品のこと知らないからね」
私「では、一番良かったのはどれでした」
河合氏「デュオコントロールが好きですね。ボールの食いつきがよくて、名前の通りコントロールがしやすかったですね」 DUO CONTROL: 4G ROUGHとNXT CONTROLのハイブリッド。コントロール性能を最大限に引き出し快適な
打球感を実現したモデル。
私「デュオパワーとデュオフィールはいかがでしたか」
河合氏「やっぱり縦ナイロンだと柔らかいですね。 どちらもいい感じでしたが、デュオパワーは少し飛びが良くストロークより、ボレーが良かった印象です。デュオフィールは食いつきが良くて、ポリが張ってある感じはしませんでした。」 DUO POWER: ALU POWERとNXT POWERのハイブリッド。パワーを最大限に引き出し快適な打球感を
実現したモデル。 DUO FEEL:ELEMENTとNXT のハイブリッド。極上なソフトフィーリングを最大限に引き出しタッチショットで
優位性発揮するモデル。
私「そういえば、今日ダブルスの試合もしましたが、一度も自分のラケット使っていなかったですね。」
河合氏「そうなんですよ、これ気に入っちゃって最後まで使っていました。」
(河合氏はデュオコントロールを手離しませんでした。)
私の感想は、3種類のハイブリットはどれも打ちやすく、普段縦ナチュラル横ポリを使っているのとかなり近いフィーリングだったことに驚きました。
3種類の違いは微妙にあることはあるのですが、ほぼ同じに感じました。
せっかく、同じラケットを揃え、インドアでやる徹底ぶりでしたが、完璧なインプレッションはできませんでした。 ただし、デュオシリーズのハイブリットがいいのはよくわかりました。
ボールがインパクトした瞬間の凹っとした感覚、 そのあとのスピンがカリカリっとかかるフィーリングは3種類とも共通でした。
バックバンドスライスの食い付きの長さと、ボレーの切れ味は特徴のひとつでしょう。
本来自分はポリエステル単体のフィーリングはプレースタイルからあまり合っていないのか、好きではありません。
ただ、横にポリエステルを使用した時は、ポリエステルのマイナス要因は無くなり、逆に単体のナチュラル、単体のナイロンより性能が向上するのです。
例えば、NXTだけを張った場合、ポリウレタンを浸透させた柔らかいナイロン素材同士が摩擦で削れ、ノッチングができ、縦糸の凹と横糸の凹が絡み合いスナップバックが起きなくなってしまいます。
横糸にポリエステルを張った場合、ツルツルした硬い素材の上で縦糸のナイロンがスルスルと滑り、スナップバックを大きく速くしてくれます。
わかりやすいように例え話しをすると、ちょっと長めの滑り台があったとします。
あなたはポリウレタンが浸透した柔らかいナイロンのパンツを履いています。
滑り台の素材も同じ柔らかいナイロンです。
始めのうちは、滑るのですが、摩擦熱で表面がザラザラしてくると途中で止まってしまいました。
次にポリエステルでできた滑り台を滑ります。
硬くてツルツルしているので、最後までスピードが落ちずに滑り切りました。
ハイブリットにおける横糸ポリエステルは、滑り台の役割で、縦糸を自由に動かす手助けをしてくれるのです。 DUOシリーズのハイブリットは、ナチュラルガットを使わずに、それに近いパフォーマンスを引き出してくれる優れものでした。
それぞれの違いに関しては、今回の試打では検証できませんでしたが、縦ナイロン横ポリは一度試してみる価値は充分あると思います。
【GEEK通信】「R・フェデラー選手、錦織圭選手から探るハイブリッドストリング」
2018/05/19
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「R・フェデラー選手、錦織圭選手から探るハイブリッドストリング」
最近、プロの使用が増えているハイブリッドストリングですが、そもそもハイブリッドとはどんなメリットがあるのでしょうか。
R・フェデラー選手、錦織圭選手に焦点を当てつつ探っていきましょう。
R・フェデラー選手がプロデビューした頃は、「プロスタッフミッド85」にVSチーム125を張っていました。
錦織圭選手はジュニアの頃にハンマーシリーズを使っていて、17歳の頃は「n tour Ⅱ」にポリエステルのエンデューロを張っていました。
その後、R・フェデラー選手はメインにナチュラル、クロスにポリエステルを使い始めます。
錦織圭選手は、メインにポリエステル、クロスにナチュラルを使い始めます。
ハイブリッドのメインとクロスの役割に触れると、
一般的に【メインは、反発力とスピン、クロスはコントロールと打球感に影響を与える】と言われていますが、
個人的にはメインが反発力とコントロール、クロスはスピンの補助、打球感はメインクロスの総合的なものと考えています。
また、プロは1セットくらいでラケットをチェンジしてしまいますので、耐久性の話は置いておきますが、アマチュアは耐久性も重要な要素の一つです。
メインにポリエステルを持ってきた方が耐久性は良くなります。
縦糸はメインというくらいなので、プレーに与える影響の7割くらいを担います。
そこでメインにするストリングが重要になります。
フェデラー選手を例に取ると、85平方インチから90平方インチに変更した時に、ハイブリッドに変更しているのですが、ナチュラルガットの反発力が強過ぎて、ラケットのパワーと相まってオーバーパワーになってしまい、回り込んでのフォアハンドのアングルがサイドアウトになってしまうシーンをよく見ました。
ナチュラルガットの性能を7割残し、クロスにアルパワー(後にアルパワーラフに変更)を使用する事で、スピン量が増え、アングルショットのサイドアウトも減りコントロール性がアップしました。
その後は10年以上、ストリングの変更はせず、現在のプロスタッフRF97になった際に、テンションを49/45から58/54と約10ポンド上げて調整しています。(試合によってポンド数を変えています) ■商品情報
ルキシロン アルパワーラフ
ゲージ:1.25mm
ウインザー価格:2,192円
-------------------------
錦織圭選手は、ストリングに対して繊細と言われていますが、若い頃は試合前に1本しか張り替えないこともあったこともあったそうです。実力が上がるとともに、ストリングに対するこだわりも段々と出てきて、試合中にストリングの張り替えを頼むオンコートストリングも多くなってきています。
ストリングに「W」のステンシルマークを赤で入れるのですが、錦織圭選手は極力薄く塗るようにリクエストしています。
ステンシルインクは油性のベトッとしたものが多く、ストリングの性能を下げてしまう可能性があるのです。
メーカーとの契約がある限り、入れるのはもちろんですが、個人的にはバボラのダブルラインのように、ボールを打たない下部に入れるのが本当は良いと思います。
ステンシルマークを薄くする発想は錦織のストリングに対する繊細な感覚を表している結果だと思います。 錦織圭選手のストリングの変遷は、エンデューロ→4G/ナチュラル→ナチュラル/4G→ナチュラル/4Gソフト→ナチュラル/エレメントとなっています。
テンションも約58ポンドから10ポンドくらい下がってきています。
メインにポリエステルでハイテンションのころは、腕の負担か大きく、5セットマッチの後半の疲労や怪我に悩まされていました。
徐々に体に優しいセッティングになってきているのがよくわかります。 ■商品情報
ルキシロン エレメント
ゲージ:1.25mm/1.30mm
ウインザー価格:2,192円
-------------------------
突然ですが、私中居はバニラアイスにあずきをトッピングするのが好きです。
『この人、急に何言ってんの!』と思った方はよく聞いてください。
バニラアイスとあずきのハイブリッドは、お互いの美味さを知った上でトッピングしたものです。
ストリングもハイブリッドする場合に、注意したいのが、お互いの(メインとクロス)の特性を知った上でハイブリッドすることです。
もし、バニラアイスもあずきも食べたことがない人がバニラアイスにあずきをトッピングした場合、美味いかもしれませんが、不味いかもしれません。
その場合、なぜ美味いのかなぜ不味いのか理由がわかりません。
それぞれの味を知っていれば、どのようにトッピングを変えれば美味しくなるか想像できると思います。
せめて、メインにするストリングは張ったことがあるものにすることを推奨します。
もし、合わなかった場合でも、次にどうすればいいのか答えがわかりやすくなります。
ナチュラルガットは牛の腸から作られています。
最大の特徴が、ボールが当たった箇所だけ凹むホールド感にあります。
ナチュラルガットに似てるとされるナイロンマルチフィラメントは、ボールが当たった箇所を頂点にストリング面全体がピラミッド型に凹みます。
センターに当たると大きなピラミッドになり、センターを外れると小さいピラミッドになり、戻りのパワーが変わってしまいます。
ナチュラルガットは、当たったボールの箇所が凹み復元しますので、ある程度ならセンターを外しても戻りのパワーは変わらないのです。
ポリエステルの最大の特徴は、ストリング自体は凹まず、スライドすることで、ホールドしています。
しかも、ボールが当たった箇所だけスライドするので、ナチュラルガットのボールが当たった箇所だけホールドするのと似ています。
ナチュラルガットとポリエステルのハイブリッドは、こういったことから相性が良いのだと思います。
今後は、ナチュラルガット以外のハイブリッドを研究していこうと思っています。
【GEEK通信】「ガット、ストリングについて考えていきましょう。」
2018/03/27
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
ガット(GUT)とは、【腸】のことで、100年以上前は動物の腸をバイオリンの弦として使用していました。
その後、ラケットにも羊の腸を使う様になり、シープガットと呼ばれていました。
30年前くらいから、牛腸を使用するようになり、現在も続くナチュラルガットになっていったのです。
ナイロンなどの化学繊維で作られたものを[シンセティックストリング]と言っており、ガットは天然素材、ストリングは化学繊維を含んだ総称で使い分けなくては本来はいけないのかなと思います。
(ナイロンだけどハイシープ、ナイロンなのにテックガットといったものも中には存在し、ガットはストリング全体を指す意味になってしまい、「ガット張り」という言葉は生きていますが、「ストリンギング」とはあまり耳にしないのが現状ではないでしょうか。)
現在のストリングを大きく分類すると、ナチュラルガット、ナイロンモノフィラメント、ナイロンマルチフィラメント、ポリエステルの4つになります。
実際にボールが接触しているのは、ラケットではなくストリングですので、ストリングは大変重要なファクターです。
ストリングに求める性能は、コントロール、反発、スピン、打球感、耐久性、テンション維持などですが、すべて満点のストリングはありません。
ナチュラルガットは、本当に素晴らしいストリングです。
ですが、水分に弱くデリケートなもので、雨にあたったり、雨上がりにプレーしてしまうと糸が太くなったり、ほつれが出てしまったり、急激に性能が劣化してしまいます。
価格もナイロンなどの化学繊維で作られた[シンセティックストリング]の約2倍くらいなので、良いのはわかっていても尻込みしてしまう方が多いようです。
ただ、雨に当たらないようにプレーした場合、テンション維持がいいので2倍使えて、ざっと2倍の性能だとしたら、価格が2倍でも元を取れる計算になります。
まだ試したことがない方は是非一度使ってみてください。
入門用としてバボラのトニックプラスボールフィールがオススメです。ガット張り代込で¥5,940(税込)でお張りする事ができます。         *バボラ トニックプラスボールフィール ウインザー価格:¥5,940(税込) ※ガット張り代込
もちろんナイロンなどの科学繊維で作られた[シンセティックストリング]も大変進化してきています。
その中でも、反発力と耐久性を特徴としたモノフィラメントは、歯切れの良さが好きな方にオススメです。
ただ最近のラケットの進化がパワーアップに向かっているので、ストリングで少し飛びを抑えようとする傾向があり、ナイロンマルチフィラメントポリエステルに嗜好が移ってきています。
ナイロンマルチフィラメントは、1,000本くらいの細い糸をロープ状に捻った構造になっていて、打球感の柔らかさが特徴で、食いつきをよくすることで、弾きのいいラケットのコントロール性アップに貢献しています。
               *モノフィラメント・マルチフィラメントの構造
ナイロンマルチフィラメントは1本1本が切れてくるので、耐久性重視ではあまりなく、1ヶ月以内でストリングが切れてしまうプレーヤーよりかは、女性やベテランプレーヤー、一般のアベレージプレーヤーにオススメで、腕にくる負担も少なく、ストリングの表面の変化(1本1本糸が切れてボソボソになってきます)で張り替え時期がわかりやすいので硬質化する前に張り替えができるのが良い点です。
マルチフィラメントで代表的なアイテムは、バボラのエクセルやテクニファイバーTGVなどでウレタンを加工することでさらに柔らかさを向上させています。
コントロール重視の方にオススメの一品です。                *バボラ エクセル ウインザー価格:¥4,801(税込) ※ガット張り代込             *テクニファイバー TGV ウインザー価格:¥4,801(税込) ※ガット張り代込
個人的に好きなマルチフィラメントは、ヨネックスのレクシスです。
こちらのストリングはマルチフィラメントの中では、少し打ちごたえがある方で、シャープな打球感が持ち味です。
反発弾性に優れる特殊高弾性ポリウレタンを採用し、さらにプラズマ照射することで繊維と樹脂を分子レベルで結合させることに成功しています。
繊維同士の密着が強いので、ストリングの表面が滑らかになり、スナップバック効果も高まり、食いついてからの押し出しがあり、スピンとパワーを両立している優れものなのです。※大坂なおみ選手も使用しています。                  *ヨネックス レクシス ウインザー価格:¥4,369(税込) ※ガット張り代込
ポリエステル飛びを抑えることに効果的です。
素材の特性からスナップバックが起こりやすく、スピン性能を向上させられるのでハードヒットしてもベースライン際でブレーキがかかりバックアウトが減少します。

ただし、強いインパクトがないとスナップバックは起きませんので、スイングスピードがあまり速くない方やスイングスピードを速くする必要のないショット(ボレーなど)には不向きです。
 ポリエステルは性能保持期間が張り上げてから1ヶ月くらいですので、数ヶ月切れないプレーヤーにはあまりオススメしません。ポリエステルはハードヒッター、練習頻度の多いプレーヤーにオススメで、切れて張り替えることは減少します。
ただし、急激に性能の劣化が起こり、食いつきが低下していきます。
その状態を過ぎても、見た目がツヤツヤして新品とさほど変わっていないように見えるので(味がしなくなったガムと似ています)、張り替えるタイミングがわからなくなっていきます。
ポリエステルはなるべく1ヶ月から3ヶ月の間に張り替えるようにしましょう。
また、その頃になると角切れがよく起こりやすくなります。鋭角に折れ曲がった部分が硬質化して切れてしまうのです。 針金を引っ張っても切れませんが、折り曲げると切れてしまうのと同じ現象です。
-----------------------
ラケットの性能を生かすも殺すもストリングの性能にあると思います。
プレー時間が累計24時間になったら張り替えをオススメします。週一で2時間テニスをする方でしたらちょうど3ヶ月程です。
24時間プレーすると、5ポンド以上テンションは落ち、ストリングは硬質化が始まる頃です。
ストリングの縦糸を指で横にずらしてみて、「ガリッ」という音がしたら硬質化が始まっています。
ストリングの正常な状態は、縦糸を横にずらしたとき、音もなくスライドし、素早く元の位置に戻るのが正しい動きです。
ガリッときたら張り替え信号です。
今回は「ガット、ストリング」について触れていきました。
皆様、ストリングの〝ガット“ 張りお待ちしております。
【GEEK通信】KEI'S チョイスプレミアⅢとREVO CS10.0はベストマッチでした。
2018/02/18
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------
KEI'SチョイスプレミアⅢとレヴォCS10.0はベストマッチでした。
雪、雪、雪。都心は雪に弱いですね。
雪に慣れてないのが原因のひとつだと思います。
1/22の大雪では、20cm以上積もったところもあり、整備も大変だったと思います。
22日の雪は午前中から降り始め、夜中の12時頃に止みました。
完全防寒装備で雪が止むのを待っていた私は、雪かきグッズを手に道路の雪かきを行いました。
私の家は袋小路の突き当たりにあり、数年前の大雪の時は数日間、車を出せなかった経験があり、今回は、その教訓を得て行動に移したのです。
次の日、両隣の住人から大変感謝されました。
テニスコートもまた、雪に弱いですね。
一週間たってやっとコート整備が終わったと思ったら、また雪で使えなくなってしまったところも多いようです。
雪が積もったすぐ後は、ふわふわしており、簡単に雪かきできるのですが、時間がたつとカチカチの氷になってしまい簡単には雪かきできなくなってしまいます。
いかに早く雪かきするかで、テニスコートを使えるか、使えないかが決まります。
ある会社の工場にテニスコートがあり、大雪の後もすぐにプレーしていました。
関係者に聞いてみたところ、敷地内に消火栓があり、大量の水で溶かしたそうです。
雪は解ければ水になるので、芝も傷めない、砂もなくならないので大変いい対処方法です。
大量の水を確保できるところは、いいとは思いますが、中途半端にやると逆にカチカチに凍ることもありますので、ご注意ください。
************************
先日雪の中でプレーしたせいなのか、ストリングが緩くなってしまい、張り替えることにしました。
面圧を計ってみると、「39」になっており、前回張り上げた直後は「51」でしたので、12も落ちたことになります。
どおりでコントロール不能なはずです。
今回は少し強くして面圧「55」にしようと思います。
ストリングは前回「ブラスト+VS」を縦ナチュラルで張ったのですが、長さがギリギリでした。
テンションによっては張れないので、今回はどうしようか悩みました。
ストリングは12mの長さなので、ハイブリッドで張る時は半分にカットします。
普通のラケットは6mあれば、縦糸でも横糸でも張れるのですが、REVO CS10.0のような特殊なラケットは縦6.5m横5.5m必要になり(横糸が18本なので5.5mで届きます)、ハイブリッドせずにナチュラルを縦横に張るなら問題なく張れるのですが、ハイブリッドするために、6.5mでカットしてしまうと、残りの5.5mは次回縦糸に使えないのです。
そこで色々なストリングを研究していると、ウイルソンのKEI'SチョイスプレミアⅢが、縦横ともに6.5mであることがわかりました。 6.5mあれば余裕で張ることができます。
このストリングはウイルソンナチュラル16と4Gソフト125を組み合わせた錦織選手使用モデルです。
今回はこのストリングを縦55ポンド横50ポンドで張ってみました。面圧は狙い通り55ぴったりでした。
いざ、実践で使ってみると、なんとなんとミス、ミス、ミスのオンパレードです。
テンションが硬すぎました。
このラケットの最大の特徴だったどこに当たっても返ってしまうスイートエリアの広さが、かなり狭くなってしまいました。
魔法が解けてしまったようです。
元々255gのラケットですから、欠点があるとすれば、打ち負けることです。
それをフェース面積の大きさと縦ストリングの長さでカバーして、面ぶれを防いでいたのが、硬く張り上げたことで、芯を外した時に、面の傾きが起こってしまい、下に行ったり上に飛び出したりしてしまったのです。
レヴォCS10.0の適正テンションが40~55ポンドになっているのは、本当に適正でした。
ラケットによっては、フェース100で50~60ポンドが適正テンションになっていますが、真ん中の55ポンドで張ると硬すぎることが多いです。
この表記は適正というより、それ以上で張ると壊れますよと注意するテンションです。
かたや、REVO CS10.0は最適テンションが表示されています。
45~50ポンドで張ることをオススメします。
シングルス4時間、ダブルス4時間使用した後に、面圧を計測してみると、「50」になっていました。
面圧「5」下がったことで、暴れまくっていたラケットがやっと落ち着いてきました。
フェース面積が大きい程、ストリングが粗い程、ストリングの緩みは早くなり、今回はそれが幸いでした。
するとストリングの特徴がよくわかってきました。
ナチュラルガットの食いつきの良さと、スピン、スライスのかかり具合が思った以上でした。
ウイルソンのナチュラルは、牛を育てる餌からこだわっているだけあって、打球感に違いを感じます。
また、ストリングを折り曲げても解れが出ず、元に戻るくらい耐久性にも優れており、高価格ですがコストパフォーマンスは悪くないと思います。 横糸の4Gソフトですが、私が求める横糸のポリエステルの役割は、縦糸のナチュラルのフィーリングを生かし、ポリエステル自体はあまり主張しないことです。
ナチュラルを縦横に張ると、食いつきが良すぎて、ストリング同士が絡みつく感じになってしまいます。
縦糸が大きく横にずれて、素早く戻ってほしいので、横糸にはツルツルしているポリエステルがいいのです。 縦糸のスナップバックを助長し、ストロークの飛びすぎを抑えてくれる役割としてポリエステルを使っているので、ポリエステル自体の特性よりも、縦糸の邪魔をしないポリエステルを求めています。
色々使ってみましたが、RPMブラスト125、ティモ110、エレメント125はいい感じでした。
ブラストは表面のコーティングが滑りやすくなっていて、スナップバックを助けてくれます。
ティモ110は、1.10mmという細さから縦糸との摩擦抵抗が少なくなり、やはりスナップバックを助けてくれます。
エレメントは、打球感が柔らかく、ポリエステル独特の硬さがなく、腕に優しい感じで好きです。
KEI'SチョイスプレミアⅢは、打球感、スピン、ボレーのしやすさに優れた逸品でした。
【GEEK通信】「ガット張りの面圧と張力の違いをわかりやすく解説します」
2017/11/27
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
****************
今回は、ガット張りの面圧、張力について考えていきたいと思います。
・【面圧】とは、張り上がったラケットのど真ん中の張りの強さのことです。
・【張力】とは、張り上げるときのストリングマシーンの引っ張る強さのことです。

一般的に「何ポンドで張る」というのは、マシーン張力のことで、引っ張る強さのことですが、
実は引っ張る強さ(張力)は、ストリングの種類、ラケットの種類によって出来上がった強さ(面圧)はかなり変わってしまいます。
あと多少ですが、ストリングマシーンの種類でも違いがあります。
*ウインザーでは、ラケットを張り上げた際、全て面圧を計測しています。 なかなか覚えづらいので、下記のように5段階で表示しています。
①弱い
②やや弱い
③普通
④やや強い
⑤強い

私も初心者の頃、面圧と張力の意味が全くわかりませんでした。当時の先輩からわかりやすく説明してもらいました。
=============
先輩「ちょっと高級なステーキを食べに行ったとしよう。肉の焼き具合を指定するときに、『レア』『ミディアムレア』『ミディアム』『ウェルダン』と4段階になっているのを知っている?」
私「聞いたことはあります。」
先輩「例えば『ミディアムレア』をオーダーしたとして、あとは料理人にお任せすれば、いい焼き具合になって出てくるでしょ。」
私「はい、そうですね。」
先輩「もし、強火で5分焼いてくださいとオーダーしたらどうなる?」
私「怒られます。」
先輩「そうじゃなくて!」
私「肉の厚みも、コンロのメーカーもわからないので、どんな焼き具合になるのか不安です。」
先輩「そうでしょう。『ミディアムレア』のオーダーが面圧で、強火で5分が張力なんだ。」
私「???」
先輩「肉の厚みがラケットのフェース面積やストリングパターンで、コンロのメーカーがストリングマシーンだとしたらどうなる?」
私「なるほど!強火で5分が50ポンドで引っ張る張力なんですね。肉の厚みやコンロの種類によって、レアになったり、ウェルダンになったりするわけですね。」
先輩「例えば、面圧を50と指定した場合、引っ張る強さ(張力)は面積が大きいと強くなり、面積が小さいと弱くなり、ストリングパターンが粗いと強くなり、細かいと弱くなります。」
私「初心者の自分には、ラケットの面積やストリングパターンを考えて張力を指定するのは難しいですが、 いつもと同じ面圧でと指定するだけでいいのは嬉しいですね。」
=============
張力の指定は、前回と全く同じラケット、同じストリングであれば、同じ面圧に張り上がるのでいいのですが、もし、初めて使うラケット、初めて張るストリングの場合、前回と同じ張力で張っても同じ面圧にはならないことがあるのです。
料理人がオーダー通りに、ステーキをいい焼き具合にしてくるのは、肉の種類や厚みを長年の経験がいかされているからです。
ウインザーでは、面圧オーダーが③なら、どんなラケット、どんなストリングでも③の面圧になるように張り上げます。
これは、長年にわたるデータの蓄積があるからできることなのです。

ウインザーのテンションシールには、日付、ストリング名、テンションが明記されていますが、張力の横に③とか④とかが記入されており、張り上がった後に必ず面圧を測定して記入しています。                      *テンションステッカー。張力の横に④が記載
もし、ラケットを替えたり、ストリングを替えたりした場合、同じ張力で張っても同じ面圧になるとは限りません。
そういう場合は、一度面圧指定で注文するか、同じ面圧にするためには、何ポンドで張ればいいかスタッフにご相談ください。
また、ウインザーでは、張り替えの際、極力フレームの変形を防ぐことに細心の注意を払っています。
張り上げる前のフレームの大きさを計測し、張り上がった後のフレームの大きさを計測し、変形していないか必ず確認しております。

ぜひ何ポンドで張るということだけでなく、張り上がった後の面圧にも注目してみてください!
現在の面圧が気になる方は、すぐに測定できますので、お気軽にスタッフまでお声をお掛けください