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【GEEK通信】【プリンス】「ファントムグラファイト107の試打結果が大変良かったです。」
2020/03/06
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【プリンス】「ファントムグラファイト107の試打結果が大変良かったです。」
1989年全仏オープン決勝、マイケル・チャン VS ステファン・エドバーグの試合を30年ぶりに観てみました。
マイケルチャンは17歳3ヶ月でグランドスラムを優勝し、その最年少記録は今でも破られていません。
この大会の第一シードのレンドルとの対戦では、途中ケイレンしながらプレーし、意表をつくアンダーサーブなどでなんとか勝ち上がり、決勝のエドバーグ戦を迎えたのですが、17歳とは思えない戦い方をしていました。
エドバーグと言えば、華麗なサーブアンドボレーが有名ですが、チャンはそれを封じるためにある作戦を実行しました。
エドバーグのサービスで始まったのですが、なんとチャンはベースラインより2mくらい前でリターンを構え、エドバーグのボレーを封じる作戦です。
まんまとはまり、エドバーグはダブルフォルトでこのゲームを落とします。
その後もチャンの作戦は大当たり、エドバーグより先にネットに出て相手の得意な形に持っていかないようにしました。
出鼻を挫かれた展開となり、気がつけば6-1です。
落ち着きを取り戻したエドバーグは第2セット、第3セットを取りましたが、いつも以上にエドバーグは体力を削られ、第4セット、第5セットはチャンが取り優勝しました。
びっくりしたことが3つありました。まずチャンの寝癖がすごかったことです。
17歳だとあまり気にしないのかもしれません。
二つ目は、第5セットの時、エドバーグがコーラ(?)を飲んでいたことです。
やっぱり疲れた時は炭酸なんですね。あの形のビンで真っ黒の飲み物はコーラだと思います。ゲップしていたので間違いないでしょう。
三つ目は、チャンがチェンジコートの時に食べていたものです。
ヒントは全仏オープンならではのものです。
「フランスパン」です。 アナウンサーが驚いていました。
当時のチャンは、プリンスグラファイトOSでエドバーグはウイルソンプロスタッフミッド85を使用していました。
山なりのボールのラリーで、現在のテニスに比べかなり遅いスピードでしたが、アマチュアには非常に参考になる基本に忠実な打ち方+試合の組み立てをされていました。
浅いボールはスライスでアプローチを打ち、ボレーでオープンコートに深く打つことをしていました。
現在では、浅いボールは一発でエースを取られてしまいます。ボレーもただ深いだけだと、パッシングショットで逆襲を受けてしまいます。
ですが、それはプロや上級者の話です。
ほとんどのウィークエンドプレーヤーは、山なりのボールを打っています。
プロの真似をしてハードヒットしているプレーヤーは、ミスが多く試合では中々勝つことができないシーンを目にします。
1989年の全仏オープン決勝の映像を見る機会があれば、大変参考になるのでお時間があれば観てみてください。 ということで本題の「ファントムグラファイト」の試打速報に移りたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で、中国の生産工場の遅れがあり、3月末に発売予定が大幅に遅れそうな気配ですが、試打結果が大変良かったので、インプレをご報告致します。
ファントムグラファイトは107と100が発売予定ですが、100の発売は5月なので、今回は107のみ試打しました。
私中居は、30年前にノングロのグラファイト110から始まり、ピングロ、1本ライン、4本ラインと歴代のグラファイトを使い倒していました。
ノングロ:グロメットが無い直接フレームホールにストリングを通す仕様
ピングロ:グロメットが採用されていますが、1本1本独立している仕様
その後、サンダースティックOS、ボルテックス、O3ブルーなど扱い易いラケットに乗り換えてしまいました。
数年前に、自宅の屋根裏部屋からグラファイトOSを発見し、意気揚々とコートに持っていきました。
ところが、全然良いボールが打てないのです。
打てないどころか、ネットより低いボールを手首のスナップを使ったトップスピンで打ち返そうとしたら、ネットの真ん中あたりにドスンと突き刺さったのです。最近のラケットなら、大体はこの打ち方でネットを越えているはずなのですが、全然持ち上がらないのです。
ラケットの進化をイヤと言うほど、この時は感じてしまいました。 そして今回ファントムグラファイトはこの打ち方でネットを越えるのか、試してみました。
1球目はドスンでした。
2球目は簡単に持ち上がりました。
1球目はど真ん中で打ち、2球目はやや先端の方で打ちました。
スイートスポットは上に広がっており、先の方で捉えると、回転がかかり、パワーも出ていました。
中身の詰まった打球感の107平方インチは本当に久しぶりです。
RA値は61(ギーク調べ)で、昔のグラファイトよりシャフトは柔らかくなっています。
恐らくフェース面は上に行くほど硬くなっていると思います。
想像よりもパワーもあり、バックハンドのスライスの伸びやボレーの扱いやすさはダブルスで生きていきそうです。
今回の試打では、エンブレムコントロール(マルチフィラメント)を45ポンド(面圧57でした)で張ったのですが、ナチュラルで張ってみたらどうなるか試してみたくなりました。
もう少しテンションを下げた方が食いつき感が増し、面白いラケットになるのかなと感じました。
40代50代の方は、昔懐かしい打球感に目頭を熱くし、最新のテクノロジーの凄さも感じることでしょう。
60代以上の方はご自身の体力と相談してプレーしてくださればと思います。
【GEEK通信】【ヘッド】「グラフィンシリーズファイナルか、完成度の高いスピードに仕上がりました」
2020/02/28
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ヘッド】「グラフィンシリーズファイナルか、完成度の高いスピードに仕上がりました」
全豪オープンで大坂なおみ選手に勝った15歳のコリ・ガウフ選手が使っていたヘッドの白いラケットが気になっていました。
スピードを使っていたノバク・ジョコビッチ選手はブラック×ブラックの限定モデルで、同じようにスピードを使っていたアシュリー・バーティ選手はグラビティに使用変更していたので、尚更、ガウフ選手を注目していました。
優勝したソフィア・ケニン選手に負けてしまいましたが、ケニン選手からセットを取ったのは、準優勝のガブリネ・ムグルサ選手とガウフ選手だけでしたので、数年後のグランドスラム大会優勝、世界ナンバー1は確約されているようなものではないでしょうか。
今回ガウフ選手が使用したラケットは「グラフィン360+スピードMP」で、2020年3月発売予定の最新モデルです。
グラフィンとは2010年にハニカム構造の炭素繊維グラフィンの研究でノーベル賞を取った、ダイヤモンドより硬いカーボン繊維のことです。
グラフィンXT、グラフィンタッチ、グラフィン360、と続き私中居の勝手な見解では最終章となるグラフィン360+が完成しました。
※勝手に最終章と言ってしまいましたが、グラフィンが360度(実際には12時、3時、9時の位置に使われています)に使われていて、さらにプラスαと来たら、この後に何が来るのか想像ができませんでした。
ダイヤモンドより硬いカーボンの次はどのような素材があるのでしょうか。
これまでに電気を発生する素材(ピエゾ)も使い、強く叩くと硬くなり、優しく触るとグニャっとする素材(d3o)も使用してきています。
新素材の登場は楽しみに待つとして、今回登場の最新モデルのスピードを試打しましたのでご報告していきます。
用意したラケットは、
「グラフィン360+スピードPRO」「グラフィン360+スピードMP」「グラフィン360+スピードS」
の3本で、ダブルスの試合で使いながら、インプレッションしていきます。
まずは「グラフィン360+スピードS」から試打を始めました。
285g、320mmでフレーム厚25mmの(扱いやすい)黄金スペックで、飛びもよく、手にくるショックも少ないラケットですが、決して初級用ラケットではなく、スピンもよくかかるし、何よりもサービスの切れが半端なく、上級者でも満足する作りのラケットでした。
「グラフィン360+スピードMP」は、300g、320mm、フレーム厚23mmの大和スペックで、前作とまったく同じスペックなのですが、柔らかい打球感でありながら、反発力もアップしていて、5時7時の位置に採用されたスパイラルファイバーテクノロジー(これが360+の+部分にあたります)のおかげで、よりしなりのあるラケットを実現しました。
個人的な想像ですが、シャフト、フェース面の12時、3時、9時部分にダイヤモンドよりも硬いグラフィンが搭載され、5時、7時部分に柔らかくしなるスパイラルファイバーを使うことで、面安定とホールド感を両立しているように感じました。
単純に質の良いカーボンを使うと、雑味の無い打球感になり、食いつきを感じます。
ラケットに当たったボールのフィーリングが正確に手のひらに伝達し、力の入れ具合や回転の掛け具合、飛び出し方向の修正など、調整がしやすくなります。
それによってミスが減ってくるので、ラケットが扱いやすく感じます。
グラフィン360+スピードMPには、まさにそれを感じました。
その後に打った「グラフィン360+スピードPRO」でさらに確信しました。
310g、315mmでストリングパターン18×20のジョコビッチ選手が推奨(ヘッドのカタログでは推奨になってます、実際にジョコビッチ選手は18×19を使用しています)する一番難しいモデルです。
最後に使ったのですが、いつも使っているスノワートビタス115でプレーをしている感覚で、ハーフボレーを角度をつけて逆クロスにアングルに打ちました。 これが見事に相手の逆をついてエースになってしまいました。
その後も難しいショットにチャレンジしたのですが、面白いように決まり、対戦相手から「まったくどこに来るか予想ができませんでした」と言われました。
グラフィン360+スピードPROは決して易しいラケットではありませんが、コントロールがしやすく、思った通りに打てるラケットでした。
今回のグラフィン360+スピードシリーズは、グラフィン素材の最終形で、衝撃吸収に優れているのに、打ち応えはしっかりと手のひらに伝わってくる仕上がりで、難しいショットも楽に打ててしまうプレーヤーに優しい高性能なラケットです。
SからMPとか、MPからPROとかワンランク上の上位機種にチャレンジしてみたくなるシリーズでした。
【GEEK通信】【ウイルソン】「#ULTRAできるチャレンジがメインの試打会に参加しました。」
2020/02/21
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ウイルソン】「#ULTRAできるチャレンジがメインの試打会に参加しました。」
ウルトラと言えば、私の世代はウルトラⅡを思い出す方が多いと思います。
30数年前に7万円で発売されました。
有名なプロスタッフミッド85が6万円でしたので、その上位機種だったのですが、ダブルブレードカーボンにボロンを使ったモデルです。
当時ボロンは超高級素材で、プリンスボロンは15万円でした。
よってウルトラには、近寄りがたいとか、一目置くと言ったイメージがあり、「ウルトラはいる」とか「ウルトラいいね」などの軽いイメージは湧かなかったのです。
数年前のことですが、ウルトラ100(2代前)を打ってみると非常に使いやすく、ストレスなくプレーできました。
プレーしたこの日は各メーカーのラケットを一通り試打するイベントで、ヒッティングパートナーから「中居さんのテニスには、ウルトラ100が一番合ってましたよ」
と言われ、生まれて初めて他人の意見を元にラケットを買いました。
確かにボレーがしやすく自分のプレースタイルに合っていました。
その後、色々とラケット を変えましたが(5機種程)、ウルトラ100はいつ戻しても、すぐに試合で使えるので、今でも手元にあります。
そしてまたウルトラの新作が打つことができる機会がやってきました。
ウルトラ100、ウルトラ100L、ウルトラ100S、ウルトラ108の4機種です。(ウルトラ100ULは今回試打の機会はございませんでした)
なんと見慣れたPWSの膨らみはなくなり、逆にその部分がえぐれているのです。
お馴染みのクラッュゾーンもボリュームアップし、とにかくストリングの撓みを縦も横もアップしたのです。
ウイルソンスタッフの道場さんと横山さんは、YouTubeでもお馴染みで、読者の皆さんも知っている方も多いのではないでしょうか。
『#ウルトラできる』をテーマに難しいショットに挑戦する動画は見ていて楽しいですね。
今回の試打会は、ウイルソンスタッフとウインザースタッフが色々な動画にチャレンジする企画でスタートしました。
ウイルソンスタッフ横山さんにご挨拶しました。
「今日はテニスバッグ背負ったまま試打するのですか。」
横山さんはキョトンとしてます。
道場さん「中居さんが気を利かせて、ウルトラできるチャレンジのことを言っているのに、何でわかんないの。」
【#ULTRAできるチャレンジ】とは、内山プロがバックスピンをかけて相手のコートに落ちたボールがネットを越えて自陣のコートに戻し、ボールカゴに入る映像などを配信しているもので、横山さんのバージョンはバッグを背負ってコートを後にする時に、ポケットにボールが残っていたことに気づき、ベースライン辺りからネット越しにボールカートに、フワリとドロップショットのように打って入れる動画でした。
横山さん「あーあれですか!(笑)大変だったんですよ。中々入らなくて、入っても跳ねて出ちゃったり。今日も撮影しますからね、中居さんが持っているペットボトルも使いますからね。」
そんなゆるりとしたトークでスタートしました。
ウルトラ100をまずは打ったのですが、ウルトラはどんどん簡単な方向に向かっているようでした。
打感が非常に柔らかくて、打った気がしないくらい手に響かないラケットに仕上がっていました。
ただし、先っぽに当たったミスショットは、ビリビリと響き、本当のラケットの硬さを痛感することができました。
本当は硬いフレーム構造で、パワーを出しながら、ストリングの撓みでマイルドな打球感にして、オブラートに包んだようなフィーリングを実現していたのです。
ウルトラ100Lは、280gでバランス320mmと前作より、3g重くし、5mmトップライトに変更しました。
本来は、280gだとトップヘビーにしないと打ち負けてしまうのですが、面ブレが少なく打ち負けないパワーがあるのでイーブンバランスの320mmを実現できたと言っていました。
実際に打ってみても打ち負けることなど全く無く、逆にスイングスピードが上がり、回転数が増しているようでバウンド後の跳ね方が大きくなっていました。
ウルトラ100Sは、ストリングパターンが18×16のスピンエフェクトモデルなので、スピンがかかりやすいのは当然なのですが、ローボレーとバックボレーがしやすいことを発見しました。
私だけかもしれませんが、フォアボレーはフラット気味で余裕があるとドライブボレーで打つことがあります。それに比べてバックボレーは、アンダースピンを多めにして安全に打っています。ローボレーもネットしないように、スライス回転を入れ相手コートに深く行くように打っています。18×16の粗いストリングパターンだと、ボールのフェルトがストリングの編み目にめり込む感じで、スライス回転がかかりやすくなる気がしました。元々、ボレーがしやすいウルトラ100 ですから、18×16のSラケもボレーがしやすいのは当然の結果でした。
ウルトラ108は、スライスが打ちやすくバックハンドは当然ながらフォアハンドのスライスがよく伸びて、相手は取り辛そうにしてました。
最大の特徴はボレーがしやすいことで食いついてから反発するので、逆回転、横回転が自在でネットプレーが楽しくなります。
試打の後は、#ULTRAできるチャレンジを行いました。
この模様はいずれ配信されますのでお楽しみに。
【GEEK通信】「水とお湯でテニスをサポートする話」
2020/02/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「水とお湯でテニスをサポートする話」
ミックスダブルスの市民大会に出場したときの失敗です。
1-5から逆転したり、なんとか決勝までたどり着きました。
用意していた2リットルのスマッシュウォーターが底をついてしまい、自販機で水を買ったのですが、間違って炭酸水のボタンを押してしまったのです。
この時は、水は水だから大丈夫だろうと思ったのですが、この後決勝戦でとんでもないことになったのです。
ペットボトルの炭酸水に、スマッシュウォーターの粉末を入れ、溶かすために振ったのですが、試合中に飲もうとしてキャップを開けると「ブシュ」と吹き出しました。
炭酸→シェイク→噴き出す
の方程式を忘れておりました。
決勝は足をつってしまい、タイブレークの末に負けてしまいました。 全豪オープン男子決勝で、ジョコビッチ選手が途中で体調不良に陥り、危うく負けそうになったのは、脱水症状が原因でした。
世界のトップ選手でも飲むタイミングや飲む量でパフォーマンスが変わってしまう訳ですから、水分補給は大切ですね。
ジョコビッチ選手は試合後のインタビューで次のように語っています。
「第2セットの最初、悪いゲームをしてしまった。いくつかダブルフォルトがあった。第2セットを落とした後、コート上で本当に気持ち悪くなり始めた。エネルギーがガタっと落ちたんだ。正直なところ、今でも自分では理解しきれていない。これまでの試合と同じことをしてきたんだから。水分補給もしていた。でもドクターは水分補給が充分でないと言ったんだ。第4セットの中盤でエネルギーが戻ってきて、試合に集中することができた」
実際に映像で振り返ってみると、セカンドサービスが120kmくらいだったり、打った後にバランスを崩しているシーンが多々見られます。 特に印象に残っているのが、セカンドセットを落とし、両者ともにトイレットブレークを取るのですが、ティームはウエアを着替えてさっぱりした雰囲気で戻ってきたのに対し、ジョコビッチ選手は水でもかぶってきたかのように、髪の毛がびちょびちょで、見た目も疲れているように写りました。
いきなりダブルフォルトしてしまいこのサービスを落としてしまいました。 恐らく思った以上に汗をかいてしまったのでしょう。
喉が乾いてから水分を補給すると遅いとよく言いますが、体重の2%の水分が失われると喉が乾くと言われており、体重が70kgの人だと1400mlの水分を失うまで、喉が乾かないことがあり、当然1400mlの汗をかいた後に水分を補給しても遅いのは間違いないでしょう。
ジョコビッチ選手のチェンジコートでの水分補給、栄養補給を見ていると、透明、ピンク、白濁の水分を取り分けています。
透明は水、ピンクはスポーツドリンク、白濁は不明です。 牛乳に近い白いドリンクで、蓋を開けてストローで少し飲むと、ボールパーソンに何か指示して手渡しました。
ボールパーソンはジョコビッチ選手陣営に走って行き、コーチに渡していました。 コーチは何かしていましたが、映像が切り替わってしまい何をしていたかは不明です。
また、バナナ、プラム(タッパーに入っている)らしきものを食べています。 バナナはブドウ糖、果糖、ショ糖が含まれ、エネルギー補給に優れ、カリウムも豊富で、ケイレンの予防にも効果があります。 プラムもカリウムが豊富で、疲労回復に効果のあるクエン酸も含まれます。
第3セットは脱水症状でフラフラして、力が入らない状態だったジョコビッチ選手ですが、第4セット中盤からはいつもの精密機械のようなジョコビッチ選手に戻っていました。 大量な汗とともに、失われるのは水だけではありません。塩分、ミネラルも同時に排出されます。 また、何時間も動き続けることで、エネルギー源が枯渇していきます。
エネルギーを蓄積させるカーボローディングは、エネルギーの源となるグリコーゲンを筋肉や肝臓に貯め込むことで、大会当日の持久力を上げる方法です。 グリコーゲンの元になる糖質を大会1週間前から、減らしていき、3日前から一気に糖質を増やします。
体は減らされていたグリコーゲンを蓄えようとして、平常時より多くのグリコーゲンを筋肉や肝臓に取り込む仕組みです。
マラソンやサッカーの試合などではカーボローディングは有効ですが、テニスの場合、試合が毎日続くことが多くこの方法はあまり向いていません。
テニスにはウォーターローディングが有効です。
一般的なウォーターローディングは、大会の1カ月前から毎日1リットルから1.5リットルの水を摂取し、常に体に水が満たされている状態を作り、試合中も喉が乾く前に水を飲むことです。
要するにいつも水を飲むというものですが、さらに良いものがございます。
グリセリンローディングです。
人間の体は細胞でできていますが、細胞内に水を蓄えるには、1ヶ月前からコツコツとウォーターローディングをしないといけないのですが、試合中に飲んだ水は、ほとんど細胞には届かずすぐに排出してしまいます。
細胞内の水と細胞外の水の比率は、約7対3です。
一度細胞内の水が汗などになって排出してしまうと、体の中の細胞外の30%で水分を溜め込むことになるので排出する時間が早くなってしまいます。
いくら水分をとっても、すぐに脱水の状態になってしまうのです。
グリセリンは、細胞内に入る鍵の性質を持っていて、水と結びつきやすい性質からグリセリンを含んだ水を飲むと、細胞内がいつも水に満たされた状態を作り、体の中の100%を使って水分を溜め込むことができ、脱水症状が引き起こしにくくなるのです。
『凌駕スマッシュウォーター』は、グリセリンを含んだスポーツドリンクで、「真水」なら非常によく溶けます。 ウインザー価格:¥2,160(税込)
炭酸水はすでに水の中に炭酸が溶けた状態になっていますので、他の粉末は溶けづらくなります。
炭酸→シェイク→吹き出す
の図式になりますので、スマッシュウォーターは水に溶かしましょう。
ただ炭酸は悪者ではなく、疲労回復には炭酸は逆に良い者です。
重炭酸イオンの入浴剤「アスリートリラックス」は、炭酸ガスと重炭酸イオンの効果で、15分以上の入浴で疲労回復、自律神経の安定が期待できます。 10粒入り
ウインザー価格:¥1,100(税込)
30粒入り
ウインザー価格:¥2,750(税込)
36°から38°の低温のお風呂に浸かること10分で、ダラダラと顔から汗が吹き出してきて、体の中の疲労物質をどんどん排出してくれている感じになります。
入浴後も体の中から温まっているのが体感でき、翌日にはテニスの疲れもスッキリ無くなっており、良いコンディションでスタートできます。
ヨーロッパでは重炭酸イオンの入浴は医療として認められていますので、1週間試合の続くテニスには効果的な疲労回復方法として認知されています。
トップアスリートは重炭酸イオンを発生される装置付きのお風呂に入っていますが、持ち運びは不便です。
アスリートリラックスは、たった3粒で重炭酸イオン風呂が出来上がります。
さらに、お湯に溶け込みますので、24時間効果が持続し、後から入る人にも同じ効果が得られます。
今回は水とお湯でテニスをサポートする話でした。
【GEEK通信】【ウイルソン】「黄金スペックの次に来る大和(やまと)スペック、ブレード100の実力とは。」
2020/02/07
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ウイルソン】「黄金スペックの次に来る大和スペック、ブレード100の実力とは。」
ブレードとはBLADEBRAIDがあり、BLADEは「刃」という意味で、BRAIDは「編み込む」という意味になります。
ウイルソンは、プロスタッフミッド85にダブルブレード(DOUBLE BRAID)という2重に編み込んだカーボンを使用して、硬いのにノリがある打球感を実現し、ラケット史に残る大ヒットを記録しました。
あれから30数年経ち、ラケットも進化を続けています。
今回発売されたブレード100は、FEELFLEX パワードバイカーボンマッピングと呼ばれる編み込んだカーボンを使用しています。
まさにBRAID構造なのです。
こちらのギーク通信は、メーカーからの協賛、依頼は一切ありません。
ということで、試打は完全に自身のプライベートなテニスでやっています。
今回もダブルスのオフに参加し、そこで試合しながらラケットのインプレッションをしていこうと思います。
流石にプライベートですから、テニスが楽しくなければ面白くありません。
試打ラケットはほとんどの場合一試合使用して、マイラケットに取り替えてしまいますが、今回使用した【ブレード100 】は、非常に使いやすく、スーパーショット(生まれて初めてのポール回し等)の連続で、最後まで使い続けてしまいました。【ブレード100】が扱い易かったので起こった奇跡です。
ブレード100は300g、100平方インチ、22mm厚の黄金スペックの薄フレームです。
そもそも黄金スペックとは、ピュアドライブが大ヒットし、300g、100平方インチ、26mm厚が黄金比のような美しい形をしていることを黄金スペックとテニスグッズライターのM氏が名付けたことからスタートしています。
黄金比とは1:1.618の長方形の形のことで、ミロのヴィーナス、モナリザ、アップルのロゴなどに採用されています。
身近なところだと名刺のサイズが黄金比です。
黄金比以外でも、白銀比(大和比)、青銅比、第二黄金比などがあり、白銀比は法隆寺や五重の塔やドラえもんなどに用いられ日本人の好みに合うことで大和比とも言われています。
1:1.414でコピー用紙のサイズが大和比です。
日本限定発売のブレード100のスペックは、300g、100 平方インチ、22mm厚で日本人が好むスペックで、26mm厚だとパワーが出過ぎてしまい荒っぽくなってしまうという日本人プレーヤーの声に応えるモデルになっています。
また、黄金スペックのラケットはラウンド型のフレーム断面に対してブレード100は、ボックス型に近い断面を採用しています。(Xループ構造)
ラケットにしなりを持たせ、中身の詰まった打球感を実現し、パワーをセーブしコントロール性能を高めた300g、100 平方インチ、22mm厚のスペックは日本人好みのスペックということで、大和比スペック(大和[やまと]スペック)と言って良いのではないでしょうか。
個人的に大和スペックのラケットと呼べるのは、ヘッドグラフィン360+スピードMP(300g、100平方インチ、23mm)、バボラピュアストライク100(300g、100 平方インチ、23mm厚)、ヨネックスVコアプロ100 (300g、100 平方インチ、21mm)などです。
今後、大和スペックのラケットは増えてくる予感がします。
ブレード98 16×19と比較してみると、ブレード100の方が打球感がより柔らかく、スピン性能に優れているように感じました。
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RA値は
ブレード98 16×19  63    
ブレード100     61
※ギーク調べ
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ブレード100も16×19のストリングパターンなのですが、横糸の間隔を上下に広げてスナップバッグをしやすくしています。
通常フレーム厚のより薄いブレード98(21.5mm厚)の方がしなるはずですが、日本限定ということで日本人好みの食いつく感覚を重要視し、よりしなりを大きくしたのではないでしょうか。
ATP、WTAの選手のウイルソン使用率は35%(ナンバー1シェア)で、その内ブレードの占める割合が45%です。 チチパス選手、ラオニッチ選手、デミノー選手、ハチャノフ選手、ゴファン選手、ウイリアムズ姉妹、ハレプ選手、オスタペンコ選手、サバレンカ選手ら多数の選手から信頼されているブレードですが、ウイリアムズ姉妹以外は、98平方インチを使用しており、アマチュアが使用するにはハードルの高いモデルであるのは間違いありません。
その点【ブレード100】は決してハードルの高いプロモデルでは無いと考えます。
スイートエリアは十分に広く、球持ちが長く、ミスショットの許容範囲が大き目です。
それでいてブレードシリーズの最も良い特徴である、自分の力加減で飛距離、コースをコントロールできる手のひら感覚が備わっています。
黄金スペックをお使いの方で、バックアウトが気になる方は一度試してみるとハマるラケットだと思います。
【GEEK通信】「ラケットの未来予想図」
2020/01/30
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「ラケットの未来予想図」
テニスプレーヤーの中でも、ゴルフをプレーしている方は多いのではないでしょうか。
ティーショットでドライバーが良い当たりをすると気持ち良いですよね。
ドラコンホールの時には、1ヤードでも遠くへ飛ばそうとマン振りするのではないでしょうか。
私中居は最近ゴルフをプレーしていませんが、プレーしていた当時は、規定ギリギリの高反発ビッグヘッドでさらに長尺シャフトを使っていました。
ところが、飛び過ぎを規定する規則ができて、低反発ヘッドでないとダメなルールになり、長尺シャフトも今後規定されるという噂があります。
25年前は300CCが一番大きいヘッドだったのが、軽量で大きくできる技術が進み、規定しないとどんどん大きくなるので、460CC以下の規定ができたのです。
世界トッププロのほとんどが、規定ギリギリの460CCを使っているそうです。
要するにパワーがあって飛ぶ道具は有利になるので、規定されていく傾向にある様子です。 当然、飛べば曲がりやすくなるので、プレーヤーの技術も使いこなすために努力して向上させていかないといけません。
2010年にスイムウエアでも規制がありました。
SPEED社で開発されたレーザーレーサーは、ポリウレタン素材で縫い目のない水着で、素肌より抵抗が少なく、これを着用した選手が世界記録を連発しました。 その後規制され、上半身を覆ってはいけない、素材は布でなくてはならないというルールになりました。
陸上ではナイキのマラソンシューズのヴェイパーフライが規制するかどうか議論されています。 厚底シューズを履いた選手達がどんどん記録を出しているからです。
このように、道具を使うスポーツは、道具の進化で、もっと飛ぶ、もっと速く、もっとスピードが出る方向に進んでいるのです。
もし、今後テニスラケットで規定されるラケットが出るとしたらどんなラケットでしょうか。
「もっとスピードが出る」「もっとスピンがかかる」「もっとコントロールがよくなる」
やっぱり「もっとスピードが出る」ではないでしょうか。
スピンとコントロールはプレーヤーの技術の方が比重が高くなるからだと思います。
「もっとスピードが出る」ことをもう少し掘り下げていきましょう。
ゴルフ、水泳、陸上は協会が規定する方向に向かってますが、テニスではプレーヤー自らがスピードアップすることをためらっているのではないかと考えます。
テニスラケットについては、フェース面積はルール上135平方インチまで許されるのに、100平方インチを使っていたりフレーム厚を薄くして飛びを抑えたりしています。
長さは29インチまでOKなのですが、27インチがほとんどです。
野球のバットは、高校野球では金属バットでプロ野球では木製バットです。
金属バットは、反発力が強く芯を外しても飛んでくれるデカラケのようなものです。
木製バットは、きちんと芯に当てて振り抜かないと飛びません、ミッドサイズの薄ラケのようなものです。
プロ野球選手は、規定されているので木製バットを使っていますが、金属バットがOKならこぞって使うはずです。 テニスでは規制されていないのに、金属バット(デカラケ)を使わず、自ら木製バット(ミッドサイズの薄ラケ)を使っているようなものです。
テニスでもパワーがあった方が有利なはずです。
フェース面積を大きくし、フレーム厚を厚くし、1インチ長くする方向に向かっていくはずです。
ではなぜ、テニスではデカラケを使っている選手が少ないのでしょうか。
それは、コントロールを重視しているからだと思います。
私中居個人の考えですが、コントロールを良くしてくれるラケットは無いと思っています。
コントロールは自分自身で行うものです。
飛びの良いラケットは、アウトしないように、回転をかけ、ネット上の通過位置を下げます。
飛びの良くないラケットは、深くボールが行くように、回転はほどほどでネット上の通過位置を高くします。
ラケットが勝手にやってくれるはずはないので、すべて自分自身の選択でコントロールしているのです。
セリーナ・ウイリアムズ選手のラケットは、フェース104 平方インチ、長さ28 インチで、自らのパワーとラケットのパワーを掛け合わせている未来型の選手です。 彼女は10代のころからフェース110平方インチを使用しており、パワーをコントロールすることに慣れているのです。
単純に慣れているかいないかが大きな問題なのです。
1990年代に活躍し、4大大会を9回優勝しているモニカ・セレス氏は、130平方インチ、28 .5インチのルール上許されるほぼギリギリのラケットを使用していたことがあります。
90ポンドで張って、フォアバック両手から繰り出すショットはものすごい威力でした。
100平方インチ、300g、フレーム厚26mmの黄金スペックを使っている方が多いのは、当然なのですが、60代、70代の方もこぞって使っているに疑問を持ちました。
先日、参加したダブルスオフで私中居が最年少だったのですが、見事なまでに私以外の方は黄金スペックを使っていました。
やっと届いたボールはネットを越さない、サービスゲームは苦しそう、リターンは振り遅れ気味といった光景を目にすると、もっと大きくて軽量のラケットにしたら良いのにと仕事柄感じてしまいました。
パワーを上げるとどういうことが起こるか考えていきましょう。
①ボールの飛距離が出る。
②ボールのスピードが上がる。
③やっと届いたボールが返りやすい。

①のメリットは、深くボールを打つのに、フルパワーは必要なく、余力を残しながらプレーできます。
デメリットは、打ち出し角度のミス、回転のかけ損ないはアウトしてしまうことです。
②のメリットは、相手のコートカバーリングが遅れることです。
デメリットは、打つコースを間違えると、逆に速く返ってくる場合があります。
③のメリットは、言うまでもありません。
デメリットもありません。
①と②のデメリットは、すべて自分のコントロールミスです。
コントロールは自分でするものと、先に述べましたがコントロールする上で大事なファクターがあります。
それは「打球感」です。
芯に当たっているか外れているか、スイング軌道の何処で当たって、何処で離れたか、フェース面がどのくらいの角度でインパクトしているかなどを知る上で打球感は大切です。
ボールが当たっている時間は1000分の4秒と言われていますが、人間の感覚は優れており、1000分の4秒の中でいろんな作業をしているのです。
軽量デカラケの場合、カーボンの厚みも薄く軽い打球感になってしまい、コントロールに必要な繊細なフィーリングが伝わってこないのです。
でももし、フェース面積が115平方インチで、260gの軽量デカラケで、100 平方インチ、300gのラケットのような打球感のラケットがあったならどうしますか。
パワーがありながら、スピンがかかり、狙ったところにコントロールするのがたやすいラケットがあったとしたら、上級者は手に取るのではないでしょうか。
(もしかすると、言い過ぎかもしれませんが上級者より先にプロの選手たちが使うかもしれません。)
20年前にピュアドライブが出てきた頃に、上級者たちは「そんな簡単なラケットじゃ上手くならないよ。」と初中級たちにコメントしている光景を見ました。
その後プロたちがピュアドライブをこぞって使い始めどんどん活躍していき、常識を塗り替えていきました。
スノワートのビタス115は、フェース115平方インチ、260gでありながら、中身の詰まった打球感を実現しており、未来のラケットのヒントになる可能性があるのかなと思いました。
4種類の断面を用いたフレーム形状に日本製のこだわりカーボン素材などの工夫が見られます。ここのところラケットメーカー各社の軽量デカラケのカテゴリーは低迷しているように感じます。 --------------------------------
【ウインザー価格:¥30,800(税込)】
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もちろん各メーカーのラケットも浸透されていますが、このようなラケットもユーザーにとって選択肢の一つでもあるのかと思いました。
【GEEK通信】【ヨネックス】「試合に勝てる予感がするEゾーン98」
2020/01/23
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ヨネックス】「試合に勝てる予感がするEゾーン98」
ヨネックスは、いつから四角い形になったんでしょうか。
当然ウッドの頃は、丸型でした。
カーボネックスはキング夫人やナブラチロワ氏が使ったことで有名になりました。
1980年にアルミラケットのR-1、R-2、R-3を発売したのが、アイソメトリックの始まりでした。
その後カーボンラケットのR-7をナブラチロワ氏が使い、空前の大ヒットラケットとなるR-22へと続いて行ったのです。
その後発売したRX-32、RX-37という丸型のラケットの発売以降、ヨネックス=四角を徹底していくことになったように感じました。
縦糸の本数は大体16本ですが、丸型ラケットの場合、センターの2本が最も長く端に向けて1本1本短くなります。 ボールがストリングにぶつかり、くの字型にストリングがたわみ、そのたわみの大きさでボールの弾き具合が変わっていきます。
当然大きくたわんだ方が、威力が出て、たわみが小さい程威力が落ちます。
丸型のラケットの場合、サイドに向けてストリングの長さは短くなり、一本一本飛ばなくなります。
アイソメトリック形状の利点は、16本ある縦糸のうち10本の長さがほぼ均等なため、多少センターを外しても飛びのむらが出ないのです。
今回新しく発売されたEゾーン100、Eゾーン98が手元に届いたとき、少し丸くなっているのに気が付きました。
個人的に嫌な予感がしましたが、実際にオンコートで試打をしてみると取り越し苦労だったことがわかりました。
Eゾーン100(300g)は前作同様に、ラケットにパワーがあり、ストローク、ボレーともに楽にスピードボールが打て、ロブやドロップショットなどの柔らかいタッチが必要なショットも打ちやすく、ミスの少ないラケットでした。
ストリングはポリツアープロの新色のブルーが張ってあり、ラケットのデザインとマッチして良い感じです。
やはり目立ったのか、ペアを組んだ方から声をかけられました。
ペアの方「それカッコイイですね、マーク入れるのお金かかるんですか」
ラケットのことじゃなく、ガクッときましたが、
中居「220円かかりました」
ペアの方「そのくらいならいいですね」
ラケット、ストリング、ステンシルの調和がカッコよく映ったのでしょう。
Eゾーン98(305g)は最初の1打でビックリしました。
98は100に比べ飛ばない印象を持っていたので、気合を入れて振り抜きました。アウトしたのでミスショットなのですが、私個人としてはファインショットでした。
相手のファーストサービスがバックハンドに入り、前に踏み込みながらライジング気味にフラットで逆クロスに打ったリターンは、空中で伸びることはないのですが、グングン伸びている感じで僅かにアウトしました。
前作のEゾーン98に比べ、しなりが増している感じでインパクトの瞬間、手のひらにボールが当たった感触が残り、フォロースルーで押している感覚があります。
押せる感覚がアウトしてしまったのですが、その後慣れてくると、エース級のボールが良いところに入るようになりました。
ロブが浅くなったり、ローボレーをミスしたりすることがあり、気合を抜くと途端にエラーしてしまいますが、しっかり打てたときの伸びるボールはEゾーン100にはない気持ちよさです。
実際のフレームの硬さを測ってみると、
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旧Eゾーン100 RA値71
新Eゾーン100 RA値70
旧Eゾーン98   RA値65
新Eゾーン98   RA値61
Eゾーン105    RA値65(ギーク調べ)
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やはりEゾーン98はRA値が4ポイント下がっており、しなるわけです。
Eゾーン105も打ってみました。
シニアにはこちらですね。
サービスはスピードアップし、ボレーが簡単に決まります。
トップスピンロブを打った時に、アウトかなとあきらめたのですが、急激に落下し、追うのをあきらめた相手がインのジェスチャーをしています。
EゾーンDR108というのは前々作にありましたが、ヨネックスは元々スイートスポットが広いので、105平方インチでも他社の110平方インチクラスの楽なラケットに仕上がってます。
ストリングについてもリポートしておきましょう。
ポリツアープロに新色のブルーと、1.15mmゲージが追加販売。
元々ソフトな打球感のポリツアープロですが、1.15mmの極細ゲージで反発力も上がり、ナイロンストリングから初めてポリエステルに変える方でも安心です。
スナップバック効果でスピン量は向上し、極細ゲージのためボレーもしやすくポリエステルの欠点が見当たりません。
ハイテンションでボールを潰して打っているハードヒッター(1ヶ月でポリエステルが切れる方)には向きませんが、ダブルスを主戦場にしているプレーヤーにおすすめのポリエステルです。
【GEEK通信】【ヘッド】「大変貌を遂げた赤いプレステージ5機種の全貌」
2020/01/17
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「大変貌を遂げた赤いプレステージ5機種の全貌」
洗練された赤に、渋めの海老茶色を纏ったヘッドの新作プレステージ5機種をじっくり4時間かけて試打してみました。
先日、埼玉県のダブルスオフに参加しました。1試合ごとに、ラケットを変えながら試合をしていきました。
グラフィン360+プレステージS、プレステージツアー、プレステージプロ、プレステージMP、プレステージMIDの順番で徐々に難しいモデルになるようにセッティングしました。
まずはプレステージSですが、今作から30数年間続けていた扁平グリップをやめて丸型のグリップを採用しています。
個人的にはやっぱり丸型の方がしっくりきます、295gで99平方インチ、ストリングパターン16×19のやや扱いやすいモデルからスタート。
ん、これは私がこれまでに知っているプレステージではありません。
とにかく楽々で、飛びも良いし、回転もかかり、打球感もマイルドです。
やや縦長のフェース形状なのでサービスの振り抜きが良く、スライスの切れが良かったです。
ラケットに異常なこだわりを持つヘッド契約コーチのI氏が、選んだのもプレステージSでした。
次にテストしたのは、プレステージツアーで、305g、99平方インチ、ストリングパターン18×19のスペックです。
やや硬さはあるものの、飛びは悪くなく、プレステージSの295gだと少し軽く感じる方におすすめ。
今回、ストリングはベロシティマルチを一律48ポンドで張ってあり、プレステージSより面圧が硬いのでファーストボレーが浅くなることがありました。
3試合目は、プレステージプロを使用、315g、95平方インチ、16×19のモデル。
ラウンド形状とボックス形状の中間的な構造で、弾きが強くなっています。私はリターンでロブをよく使うのですが、球離れが速く、ミスが多くなりました。スイングの速い方が攻めていくラケットだと痛感しました。
4試合目に使用したプレステージMPは、今まで打った3本とは明らかに違うテイストのラケットでした。
320g、98平方インチ、18×20のスペックで、前作より3平方インチ大きくなっています。320gで18×20のストリングパターンですから、本来は難しいラケットのはずですが、打球感がソフトで食いついている時間が長く感じて、思った通りのショットが打てました。
後でラケットのしなりを計測してみると、RA値が前作から6ポイント下がって59(ギーク調べ)だったのです。
ちなみに、
プレステージS 【67】
プレステージツアー【64】
プレステージプロ 【65】
プレステージMP 【59】
プレステージMID 【65】(ギーク調べ)
ですので、プレステージMPが特別柔らかいのが分かると思います。
最後はプレステージMIDだったのですが、対戦相手が地元の市民大会のチャンピオンの方で、プレステージMIDでは当然相手になりませんので、私の個人的なルールを曲げてプレステージSを使ってしまいました。
そのおかげで、そのゲームはなんとか勝つことができました。私にとって今日一番のショットも出ました。相手に打たれたショットがネットに当たり、力なくネット際に落ちました。ギリギリ届いて打ったボールが、今日一番なのですが、ドロップショットで返したボールが白帯でワンバウンドし、ポトリとほぼ真下に落ちてエースになりました。
バドミントンの桃田選手が得意とするシャトルをネットに当て、鋭角に下に落とすヘアピンショットのようでした。
おそらく次がラストゲームになるので、プレステージMIDを手にしたのですが、乱数表のあやで、再度チャンピオンとの対戦になりました。
相手のレベルが高く1ゲームも取れずに完敗です。93平方インチ、320g、16×19のハードスペックモデルで、久々にこんな難しいラケットを打ちました。 93平方インチは私にとっては小さかったです。普段115平方インチを使っていますので、ほとんど芯に当たりませんでした。
良かったのはサービスで、高い打点から打ち下ろす感覚があり、アドコートからワイドに打ったサービスが鋭角に決まり、エースになりました。
今回打ったプレステージは二つに分類できると思います。
①本格的プレステージの真髄を味わえる、MIDとMP。
②赤い快適ラケットのプロ、ツアー、S。

後者はプレステージ好きの方からすると、プレステージじゃないかもとコメントされる可能性がありそうですが、個人的にはこちらの方が使い勝手がよく、特に「S」はダブルスを極めたい方におすすめです。
「プロ」は、プレステージの歴史を知らない学生さんに向いています。95平方インチのラケットのカテゴリーがあるならば、全メーカーの中でも1番2番の出来ではないでしょうか。
「MP」は、昔のプレステージが好きだった方におすすめです。この独特なホールド感は他には見当たりません。

今までのプレステージは一部のコアなファンに向けたラケットでしたが、今作はすべてのプレーヤーが5機種のうちのどれかに満足いくような作りになっています。
1機種を打ってすべてを判断しないようにしてください。
【GEEK通信】「ストリングの未来予想図」
2020/01/10
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「ストリングの未来予想図」
ストリングはいずれ、ナチュラルとポリエステルだけになってしまうのではないでしょうか。
ナイロンを張っているトッププロはもしかしたら、0人になるかもしれません。
ATP、WTAトップ100のポリエステル使用率は100%(2017年USオープン時)で、ハイブリッドを含みますので、ナチュラル以外のハイブリッドをしている選手がもしかしたらいるかもしれませんが、単体でナイロンを張っている選手はトッププロでは0人です。(100位までの男女で)
ナイロンストリングの特性は、柔らかい、食い付きが良い、弾力がある、ポリエステルよりテンション維持が良いなどです。
ナチュラルガットの特性は、凄く柔らかい、非常に食い付きが良い、非常に弾力がある、すべてのストリングの中で最もテンション維持が良いなどです。
ナイロンストリングを凌駕している側面があります。
ポリエステルストリングの特性は、耐久性がある、スピンのかかりが良い、表面の摩擦が少ないのでスナップバック効果がある、スイングスピードのある方は反発力が上がるなどです。
ナチュラルは価格が高く、雨に弱い特性から贅沢なストリングと見られており、「自分のテニスにはもったいない」「まだ早い」「ナイロンで十分」といった声も中には聞きます。 でも一度ナチュラルを使った方はもうナイロンに戻れないと言う方が多数です。
もし今後ナチュラルの原価が下がるようなことがあれば、ナイロンの存在意義は無くなってしまうのではないでしょうか。 ナチュラルガットにおける話題で「雨の時はどうするの?」という疑問にお答えします。
ナチュラルガットは、牛の腸でできているので、水分を含みやすく、吸った後はよりが戻りささくれが出てきてしまいます。ナイロンは水分を吸収しやすく、雨に濡れてしまうとテンションが大幅に落ち、反発力が失われます。
ナチュラルのように見た目の変化が起きないので、見過ごしてしまいがちですが、ナチュラルもナイロンも雨に弱いことではあまり大差は無いのです。
その点ポリエステルは水分吸収率が低いので、雨用としてポリエステル単体で張ったものを1本用意しておくと良いかもしれません。
ポリエステルストリングが発売された20数年前は、ヨーロッパの選手がスピンを多用し始めた頃で、ウエスタングリップでソフトテニスのようなグリグリのトップスピンを打っていました。
バックハンドも厚いグリップで、トップスピンを打つ選手が急激に増えた頃です。
私は、ウッドラケットでフラット打ちでテニスを覚えてしまったので、今でもウエスタングリップで握ることはできません。
ソフトテニス経験のある方を羨ましく思うときがよくあります。
シングルバックハンドも、ウエスタングリップで打つ選手も結構いて(クエルテン氏、エナン氏、ガスケ氏etc)
グリップチェンジをしないワングリップでプレーしている選手もいます。
ソフトテニス経験者はフォアもバックも握りを変えずに、軌道や当たる角度の調整の練習をすれば、遠回りせずに上達するのではないでしょうか。
ポリエステルの欠点である、テンション維持の低さに関して考えてみましょう。
本当のところはわかりませんが、私の経験の中でテンションの落ち具合は、ナイロンとポリエステルでほとんど変わらないと感じています。
私は、張り上げた時と、張り替える前に必ず面圧を計測しています。
1、2ヶ月使用して張り替える時の面圧はナイロンもポリエステルも5~10くらい落ちています。
ポリエステルのテンション維持が悪いという風評は、ポリエステルとナイロンの特徴の違いから出てきているのではないかと思っています。
ポリエステルは、表面がツルツルで、ストリング自体がピンとしています。
ナイロンは、表面がざらっとしていて、ストリング自体はグニャっとしています。
茹でる前のパスタと茹でた後のパスタを思い浮かべてください。
ポリエステルは、ボールが当たると当たった部分の4、5本のストリングが横にずれてすぐに元通り戻ります。
ボールが当たった部分だけ、凹んでいるような感覚で、弾き出しも強く感じます。
打ち続けていると、ストリング表面にキズや汚れで、縦糸の動きが摩擦によってズレづらくなったり、ズレても戻りが遅くなったりしてきます。
そうなると、ポリエステルの特徴のスナップバックが急激に劣化し、性能ダウンを感じ取ってしまい、テンション維持が悪いと思ってしまいます。
一方、ナイロンは、ストリング面全体がくの字型に凹みます。
当たったボールの箇所を中心に弓矢の弓のように凹み、復元する力でボールを弾き出します。
テンションが落ちてきたとしても、凹み方が少し深くなるだけで急激に劣化したようには感じません。
逆に、楽に飛ぶように感じて張りたてより少し時間が経った方がよく感じる場合もあります。
ポリエステルとナイロンの特性の違いから、テンション維持の察知に差が出てしまうのです。
ポリエステルは時間の経過通りに正確にテンションロスを感じ取り、ナイロンは緩んできていても使えてしまうので、テンションロスに関してルーズになっているのです。
個人的に考えるポリエステルの今後の課題は、スナップバックの機能低下を防ぐことと、スナップバックを使わない柔らかいタッチショットをどう克服するかと考えました。
スナップバックの維持に関しては、ストリング表面にシリコンをコーティングしたもの(ブラスト、ポリツアーファイヤなど)が出てきています。
スナップバックは強い当たりに対して起こる現象ですので、ボレーやドロップショットなどの低速でスイングする場合はナチュラルやナイロンの凹み方が有効です。
テクニファイバーのHDMXは、一本のストリングの中で、ポリエステルとナイロンのハイブリッド化を実現、プリンスハイパーレスポンスはポリエステルの中身をくり抜いて衝撃吸収ジェルをインサートしました。
柔らかいタッチの実現化はすでに始まっています。
私たちアマチュアは、世界のトッププロにあこがれ、少しでも近づけるように、ラケット、シューズ、ウエアを真似し、フォームやフットワークを参考にしています。
この流れから、ストリングも真似するのは自然なことだと思います。
ポリエステルを一度も使ったことがない方、今年は是非チャレンジしてみてください。
いきなり縦横ポリエステルが不安な方は、ナイロンとポリエステルのハイブリッドが各メーカーから発売されてますので、
縦ナイロン横ポリエステルで張ってみてください。
縦のナイロンが横のポリエステルの表面上をスライドする感覚がわかると思います。
これがスナップバックで、スピン性能が向上します。
ポリエステルの機能を理解した上で、次は縦横ポリエステルに変えていくのも良いと思います。 最後に実現化は不可能だと思いますが、ストリングを張った時に、スムース面とラフ面が違う性能のものがあったら面白いかと思いました。
卓球は、表と裏で違う種類のラバーを張り、回転のかかり方を変えて相手を惑わせます。
ストリングを縦に白黒ツートンにして、白はツルツル、黒はザラザラにすることができれば、フォア面とバック面で違う球種のボールになったり、サービス時に 相手に読まれないように面を変えて打ったりできるので、サービスキープがしやすくなるのではないでしょうか。
【GEEK通信】【番外編】「2019ATPツアーファイナルズ出場8選手と錦織圭選手が対戦したら。」※中居個人の想像です
2019/12/30
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【番外編】「2019ATPツアーファイナルズ出場8選手と錦織圭選手が対戦したら。」
ジョコビッチ選手、ナダル選手、フェデラー選手、メドベージェフ選手、ティーム選手、チチパス選手、ズべレフ選手、ベレッティーニ選手 と言えば、2019年11月に開催されたATPツアーファイナルズの選ばれし8人です。
今回注目していたのは、グランドスラムタイトル19個も獲得しているが、なぜかATPツアーファイナルズのタイトルは未獲得のナダル選手です。
ナダル選手は、春先のクレーシーズンを全力で戦い、真夏のUSオープンで燃え尽きてしまうのが、今までのパターンでした。
直前の大会で腹筋を痛めてしまい、また今年もダメなのかと思ったら、ラウンドロビン第2戦のメドベージェフ選手との試合で、ファイナルセット1ー5になり、私はあきらめて眠りに入ってしまいましたが、そこから2ブレイクし逆転勝ちしたのです。
この大会を優勝したのはチチパス選手ですが、唯一黒星をつけたのはナダル選手です。
2勝1敗が3人並び、チチパス選手とズべレフ選手が決勝トーナメント進出し、ナダル選手はまたしてもツアーファイナルズのタイトルはお預けとなりましたが、個人的には一番頑張っていた選手で、決勝トーナメントに進出できていれば優勝できたのではないかと思っています。
今回怪我もあり、残念ながら出場出来なかった錦織圭選手になり変わって、錦織選手なら出場8選手とどう戦うかを勝手に想像してみました。 また出場選手の使用モデルのインプレッションも掲載させていただきます。
※あくまで個人の想像です 「ジョコビッチ選手 VS 錦織圭選手」
精密機械のようなミスの無いストロークに加え、狩猟動物のようなフットワークが持ち味の選手で、最近はサービスも強化されて欠点は見つかりません。 対戦成績は2勝16敗で15連敗中。
最も苦手としている選手です。
錦織圭選手の得意なバックハンドクロスが通じない相手で、角度のあるアングルを打ってもそれ以上の角度で切り返されたりします。
錦織圭選手が勝つには、前に踏み込んだフォアハンドがどれだけ決まるかにかかっています。
さらに、ジョコビッチ選手が必要以上にドロップショット打ってしまう癖につけ込むのと、なんでもないスマッシュのミスも飛び出せば勝機が生まれてくるでしょう。
■ジョコビッチ選手使用モデル:ヘッド スピードPRO
18×20(ジョコビッチ選手は18×19)の目の細かいストリングパターンですが、センターフォーカスではなく、18本が等間隔になっているので、ボールの食い付きもあり、スピンはよくかかります。歯切れの良い打球感が気持ち良く、ストロークからボレーまでオールラウンドにプレーできます。
「ナダル選手 VS 錦織圭選手」
左ききからのフォアで相手のバックハンドに高く跳ね上がりながら外にキックしていくボールが打てれば、手の打ちようがありません。 実はナダル選手のサービスが個人的に好きで、反転動画で右利きのナダル選手を参考にして真似していることもあります。
対戦成績は2勝10敗です。
初対戦から7連敗してますので、ここ最近では2勝3敗となっています。
敗戦した試合ですが、2014年のマドリードでクレーキングのナダル選手を追い詰めた試合が印象に残っています。
6-2.4-2で錦織選手リードの場面で、体の不調が発生し、結局リタイアになってしまいましたが、ナダル選手がクレーコートでこれほどやっつけられているのは、この時の試合。ぜひ良ければチェックしてみてください。
■ナダル選手使用モデル:バボラ ピュアアエロ パワーをスピンでコントロールするモデル。斜め45度の入射角でボールを捉える感覚で打てる方は、バウンド後に高く跳ね上がるエッグボールが可能です。ボレーもしやすいのでダブルスでも有効です。 「フェデラー選手 VS 錦織圭選手」
言わずと知れたテニス界の生きるレジェンド、ロジャーフェデラー選手は、すべてのショットをパーフェクトに操り、特にサービスからの流れるようなネットプレーはすべてのプレーヤーがお手本にしたいショットです。
対戦成績は3勝8敗です。
フェデラー選手のバックを攻め、甘くなったところをバックハンドでダウンドラインに決めることができるかどうかがカギになります。お互い想像力豊かな選手なので、ミラクルショットの応酬が期待できます。 2018年のATPツアーファイナルズで錦織選手が勝った試合は両選手共にミスが多かったのですが、フェデラー選手にもそういう時があるということです。
■フェデラー選手使用モデル:ウイルソン プロスタッフRF97
前作から微妙に柔らかく設計した改良モデル。当初、白黒のデザインでしたが、2、3試合使用して黒黒のデザインに変更しました。 サービスゲームのキープ率が下がり、ラケットフェースの向きが白黒は相手に分かってしまったらしいです。 340gとかなり重めですが、305mmのバランスなので、操作性能は決して悪くありません。スピードで押すプレースタイルに向いています。 「メドベージェフ選手 vs 錦織圭選手」
メドベージェフ選手はミスをしない、諦めない、何を考えてるかわからないが凄い選手です。
ティアフォー選手との対戦のとき、ドロップショットをなんとか拾ったメドベージェフ選手のボールをネットに出ていたティアフォー選手が無人のベースライン方向にミドルボレーを打ちました。
ボールに背中を向けてガッツポーズをしているティアフォー選手。メドベージェフ選手は諦めず斜め後方に、ボールを追いかけ返球。 ガッツポーズしているティアフォー選手の横をボールが抜けて行きました。 誰しもティアフォー選手のボレーが決まったと思いましたが、メドベージェフ選手だけはあきらめていませんでした。
対戦成績2勝2敗
錦織選手はメドベージェフ選手が諦める程のショットを打つのがカギとなりそうです。メンタル面で少し崩れるシーンも見受けられるので、緩急を使った揺さぶりも必要でしょう。
■メドヴェージェフ選手使用モデル:テクニファイバー Tファイト 305XTC
マイルドな打球感で、ボールを押せる感覚があるモデル。厚い当たりのフラットドライブでコーナーに打ち分けるとラケットの特性がよくわかります。 ドロップショットやアングルボレーなどの繊細なタッチも出しやすく、色々な球種でプレーしたい方におすすめ。 「ティーム選手 VS 錦織圭選手」
ティーム選手は、フォアバックともに回転量の多いストロークを打ちベースライン後方からの展開が得意な選手です。
クレーコートでの勝率が高く、ハードコートはやや苦手でしたが、最近はハードコートでの勝率も上がってきています。 対戦成績3勝2敗
ベースライン後方に下がるティームに対して、ベースラインの中でプレーする錦織圭選手は、ライジングショットを駆使すれば有利に展開でき、ハードは錦織圭選手、クレーはティーム選手の図式が成り立つでしょう。
■ティーム選手使用モデル:バボラ ピュアストライク18×20
正面から見たフレームの厚さが世界最薄クラスで、思い切って振り抜けます。飛びを制御しているので、バックアウトを気にせず打ち込めます。 フレームはしっかりしていて、振動減衰性にも優れているので、腕にも優しいラケットです。 「チチパス選手 VS 錦織圭選手」
フォアハンドの威力は、チチパス選手かデルポトロ選手がナンバー1ではないでしょうか。シングルバックハンドも魅力的ですが、フォアに比べると見劣りします。 サービスアンドボレーも得意なショットで、オールラウンドなプレーヤーです。
対戦成績1勝0敗
2018年の楽天オープンでの対戦では、格の違いを見せたのですが、その後チチパス選手が急成長しているので、簡単ではないと思いますが、錦織選手は得意な展開に持ち込みやすい選手ではないでしょうか。
■チチパス選手使用モデル:ウイルソン ブレード98 18×20
横しなりと縦しなりの両方を追求したモデル。
しなりを上手く使うと、縦回転、横回転をコントロールでき、バウンドに微妙な変化が起き、相手のラケットのスポットを外すことが可能です。 前作より、5mmトップライトに設計していますので、ボレーもしやすく、サイドスピンの効いたボレーが相手を悩ませます。 「ズべレフ選手 vs 錦織圭選手」
230kmの強烈なサービスとフォアハンドが武器。錦織圭選手が勝った試合では、ドロップショットを効果的に決めていました。 前後の動きに課題があるようです。しかしながら、2018年ATPツアーファイナルズ優勝のように波に乗ると手がつけられなくなります。
対戦成績1勝2敗。
錦織選手が勝つには、前後左右の揺さぶりとネットプレーがカギになると思います。 パワー勝負では不利なので、頭をフル回転させて相手を翻弄することが必要です。
■ズベレフ選手使用モデル:ヘッド グラビティプロ
10年ぶりに出たヘッドの新しいプロモデルです。フレームのしなりとまんまるいフェース形状から、ストローク好きの方向けです。 当たったフィーリングが手に伝わってくるのが早く感じ、安心してハードヒットできます。シングルスメインの方におすすめ。 「ベレッティーニ選手 VS 錦織圭選手」
突然出てきた新星で、あまりデータはありませんが、長身から繰り出す高速サービスが一番の武器でしょう。フォアの強打も魅力ですが、バックのスライスも切れがありパワーだけではありません。
錦織選手との対戦はまだありません。リターンの良い錦織圭選手からするとプレーしやすい選手に思えます。 ベレッティーニ選手の強打をライジングで左右に振り回して、ドロップショットで意表をつくシーンが想像できます。
■ベレッティーニ選手使用モデル:ヘッド エクストリームプロ or MP
トップベビーな設計から、サービスとストロークを強化したい方に向いています。
フレームが26mmあり、プロモデルの中ではパワーがあり、スピンをかけてもスピードが遅くならず、攻撃的に仕掛けていけるモデルです。 錦織圭選手の2020年は再びATPツアーファイナルズに出れるように、怪我を治して万全な状態でプレーして欲しいと思い応援しています。
やっぱり錦織圭選手が出てないATPツアーファイナルズは日本では盛り上がりに欠けてしまったように思え少し寂しい気持ちでした。
グランドスラムとオリンピックで活躍し、ATPツアーファイナルズに出場する。
2020は錦織圭選手の集大成になるように祈っています。
【GEEK通信】【スノワート】「ビタス115、ゲルレゾリューション8、ジャストグリップ、新ハイブリッドを実践で試す。」
2019/12/26
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ビタス115、ゲルレゾリューション8、ジャストグリップ、新ハイブリッドを実践で試す。」
飯能のストロークマシーンMさんと出会ったのは3年前です。
Mさんがシングルスのテニスオフを開催していたので参加したのですが、元スポーツメーカーで働いていたということで意気投合し定期的にシングルスをしています。
なぜストロークマシーンかというと、フォア、バックともにスピンの安定したストロークで、アンフォースドエラーはほとんど無く、また感情を表に出すこともなくロボットのようだからです。
ポイントを取るにはこちらがMさんを上回るショットを打つか、予測をさせない意外性のあるショットを打つしかありません。
定期的にプレーしているのは、相手のテニスレベルにブレがないので、テニスの上達具合や道具を変えたときの試合での有効性を確認するためです。本当に有り難い存在なのです。
この日も3ヶ月ぶりに、飯能に行きました。
中居「市民大会の連続優勝はいくつになったのですか。」
Mさん「15までは数えたのですが、正確にはわからなくなりました。」
中居「連勝は続いているということですね。」
Mさん「はい。」
前回プレーした際は1-6、2-6だったと思います。
今回テニスオフに参加した理由は、【スノワートのビタス115】にラケットを変えたのでその効果をみようと思いました。
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【ウインザー価格:¥30,800(税込)】
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トスに勝ち、サービスを選択し、1球目に事件が起きました。
ワイドにスライスサービスを打つと、良い角度で入りノータッチエースと思った瞬間、ギリギリラケットの先っぽにかろうじて当たり、フラフラとクロス方向にリターンがきて、私はサイドアウトと思いながらも、ネット方向に走りました。
なんとオンラインでバウンドしたボールは変な回転がかかっており変則的な弾み方で体の方に向かってきました。
慌てて窮屈なスイングをしました。
ナダル選手がよく使うバギーホイップショットのようなスイングだったのですが、そのようなショットは打ったこともなく、フォロースルーでラケットが眉間にガツンとぶつかったのです。
サングラスをしていたので、直接ラケットが顔に当たらなかったのは不幸中の幸いでしたが、ノーズパッドが食い込み流血してしまったのです。
タオルで血を拭き取り、曲がったノーズパッドを指で直し、試合を続行しました。 記憶が飛んでいて詳しい試合状況は分かりませんが、2-6でこのセットを落とし、セカンドセットも0-3となりました。
ここでやっと冷静になり、ストローク戦でポイントが取れていないことに気づき、ダブルスで磨きをかけたサービスアンドボレーとリターン時のチップアンドチャージをしかけ、ネットにガンガン出ました。
そこで2ゲームを返した辺りから、数年に一回やってくる無の境地(ゾーンに入る)になりました。
なんと5ゲーム連取し、セットポイントを取るところまで行きました。あと1ポイントになったところで、残念なことに無の境地から現実に戻ってしまい、イージーボレーをミスし、このゲームを落とし、6-6まで行っていまいました。
タイブレークも4-1リードから追いつかれ、5-6。
セカンドサービスで果敢にネットに出て、力の無いリターンをオープンコートにボレーを決めたときに、Mさんの人差し指が上を指しているのに気が付きました。結局最後はダブルフォルトで5ー7の負けでした。
Mさん「今日はサービスが良かったですね。」
中居「ラケットをスノワートに変えたんです。」
Mさん「スノワート?」
中居「25年ぶりにラケット作りを再開したベルギーのメーカーで、これが良いんです。」
Mさん「何が良いんですか。」
中居「東レのカーボン使っていて、食い付きが凄く良いんです。」
ラケットをチェックしていたMさんが、【ジャストグリップ】に気が付きました。
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【ウインザー価格:¥660(税込)】
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Mさん「こちらは何ですか。」
中居「実はこれでサービスが良くなったんです。」
Mさん「、、、」
中居「シリコンでできているのですが、手のひらにピッタリとフィットして、リストの返りが良くなるのでサービス、スマッシュが良くなるんです。」
Mさん「ほー、このようなもので。」
今回のためにストリングも、【(縦)トニックプラス(横)ハリアーレスポンス】を42ポンドに張り替えたのもマッチしていました。
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【ウインザー価格:¥4,950(税込)】
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【ウインザー価格:¥2,376(税込)】
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シューズについては、【アシックスのゲルレゾリューション8】にシダスを入れ、出来る限りの準備はしたのですが最後はメンタルでした。
セカンドセットだけ見ると、スノワートに変えた効果は十分あったようです。
サービス以外では、バックハンドのスライスの伸びが良く、いつもならフォアに回り込まれて打ち込まれることが多いのですが、今回は回り込まれることも少なく、相手の返球もバックハンドスライスが多くなりました。
ストリングをナチュラルとポリエステルのハイブリッドにした効果はボレーで発揮しました。
ストレート、クロスに自在に沈めてくるリターンに対して、ローボレーをアングルに決めるショットが何回かありましたが食い付いてから弾く感覚はナイロンとポリエステルのハイブリッドにはありませんでした。
20球くらい続いたラリーで最後にエースが取れたのは、ゲルレゾリューション8のお陰です。
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【ウインザー価格:¥14,355(税込)】
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踏ん張ってからの切り返しに無駄がなく、エネルギーの消費を少なくしてくれます。
後はメンタルを鍛えれば良いのですが、私自身のポリシーは【道具に頼って勝つ】ことです。
あともう一品、勝つために必要なグッズを探しに行ってきます。
【GEEK通信】【ウイルソン】「ラケットとストリングがシンクロしたクラッシュ100Sでスピンを操る。」
2019/12/21
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ラケットとストリングがシンクロしたクラッシュ100Sでスピンを操る。」
クラッシュが発売された際は、本当に驚きました。
とにかくこれほどしなるラケットは未だかつてありませんでした。
しなり具合はウッド並みで、手であおってもしなりがわかるレベルです。
ただラケットにはしなるメリット、しなるデメリットがあります。
しなるメリットは、ボールがラケットに当たっている(厳密にはストリングに当たっていますが)時間が長くなるので、コントロールがつけやすく、スピン、スライスがかけやすくなることが挙げられます。
しなるデメリットは、しなりと同時に捻れが起こり、面ぶれや方向性の狂いが生じることが挙げられます。
ウイルソンは捻れの起きないシャフトを開発し、この問題を解決しました。
さらに、クラッシュレベルのしなって捻れないラケットを他社に追随されないようパテント(特許)を取っているところは先を見据えていて流石と感じました。
私がテニスを始めて最初に買ったラケットはヤマハのウッドラケットで、グリップサイズがあることも知らずに5番を買ってしまいました。
ウッドラケットを知らない世代へ向けて補足させていただきますが、ウッドラケットはどのような感じかと言うと、しなって捻れるのをわかってボールをコントロールするのがウッドラケットの醍醐味でした。
ラケットフェースをフラットに当て、飛ばしたい方向にフォロースルーするのですが、飛んで行った後も永遠にボールを追いかけるように、真っ直ぐ振り抜くのです。そうしないと勢いのあるボールが飛ばなかったのです。
特にバックハンドはスライスが多かったので、捻れを利用して外に切れていくサイドスピンを普通に打っていました。
その後、グラファイトやグラスファイバーを使ったラケットが続々発売されたのですが、ウッドとはまったく性能が異なり、しなり、捻れが抑えらており、格段にパワーがアップしました。
フレーム形状もボックス型からラウンド型に変化していきます。ボックス型より、ラウンド型の方がしなりや捻れが少なくなるからです。
同じ体積のボール型の消しゴムと長方形の消しゴムがあったとします、手で曲げたり捻ったりしてみると変形が大きいのは長方形の方になります。
カーボン繊維も進化し、さらに強度の強い材質や編み込み方が生まれ、頑丈で壊れない、しなり捻れのないパワーロスのないラケットが増えていきました。
でもそこで困ったことが起きました。
テニスコートの大きさは一定なので、パワーが大きくなると、バックアウトが増えてしまうのです。
体力があってスイングの速い方は、ポリエステルストリングを張りトップスピンでバックアウトを防ぐ方法を取り、 体力があまり無くスイングがゆっくりな方はナイロンマルチフィラメントにウレタンコーティングしたストリングを張り、 ボールの接触時間を長くして距離をコントロールする方法にたどり着いたのです。
そこでクラッシュの登場です。 体力があまり無くスイングがゆっくりな方は、ボールとラケットの接触時間が長い方がミスが出にくくなります。
パワーがあってスピードの出るラケットも魅力的ですが、中居個人の考えとしてはアマチュアの試合で勝てるラケットは、ミスが少なく、沈めたり、ロブを深く打ったりできるしなるラケットの方なのです。
今まで発売されたクラッシュ5機種を繰り返し試打しましたが、たまに「あれっ」と思うことがありました。
何故なら自分が思っている弾道の高さと合わないことがあったからです。
はっきりとした原因はわからないのですが、しなっているのですが、球離れが早いときがあるのです。
今回発売されたクラッシュ100Sを打って、はっきりと原因がわかりました。
「ラケットのしなりとストリングの食いつきが自分の感覚と合っていなかった」 クラッシュ100Sは18×16のストリングパターンを採用したスピンエフェクト機能を搭載した「Sラケ」です。
横糸が少ないため、縦糸の動きがよくなり、スピンがかかるときのストリングの横にずれて戻るスナップバックが活発になります。
ラケットがしなったときに同調するようにストリングがスナップバックし、シンクロすることにより、自分の打ちたい角度、方向に正確に飛んでくれるのです。
私個人的にはクラッシュの完成形となりました。 トップスピンロブが前衛の頭上を越えて、急激に落下し、バウンド後バックネット方向に跳ねるので相手の後衛もカバーできません。
また、アングルに打ったパッシングがサイドアウトしづらくなりました。
ナイロンとポリエステルを打ち比べましたが、ポリエステルの方がSラケの特性がわかりやすく、スピン重視の方はポリエステルがおすすめです。
ボレーが好きな方や、タッチを重視する方は、縦にナチュラル横にポリエステルのハイブリッドが良さそうです。
ナチュラルの替わりにNXTソフトを持ってきても良いと思います。
スティーム105Sを使用していた自分としては、久々に使いたくなる「Sラケ」でした。
【GEEK通信】【アシックス】「ゲルレゾリューション8を買わない理由が見つからない。」
2019/12/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。

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「アシックス ゲルレゾリューション8を買わない理由が見つからない。」
トーマス・エンクビスト氏を知っている方はあまり多くはないかもしれませんが、アシックスシューズを語る上で大変重要なプレーヤーでした。
1990年代に活躍したスウェーデンの選手で、全豪オープン準優勝、シングルス最高ランキング4位の実績があり、錦織選手と丁度同じくらいの成績を収めています。
アシックスはこの当時、テニス選手との契約は少なくエンクビスト氏がアシックスの看板選手でした。
その時に発売したのが「ゲルエンクイスト」です。 「エンクビスト」ではなく「エンクイスト」だったのは、ヨーロッパの選手の呼び名をカタカナにしたときに発音の聞き取り方でよく起こるパターンです。
ボルグ→ボリー/エドバーグ→エドベリ/ワウリンカ→バブリンカ/ビランデル→ビランダー などなど数え上げるときりが無いほどです。
「ゲルエンクイスト」は、190cmのエンクビストのフットワークに耐えるよう、幅はややタイトでソールも硬めで、アッパーもがっしりしたハードな作りのシューズでした。
今思うと、その後発売された「ゲルレゾリューション」の原型になったのではないでしょうか。
私も2007年に発売になったゲルレゾリューションに感銘を受けゲルレゾリューション7まで契約選手でもないのに、履き続けました。
挙げ句の果てには、ウエア、キャップ、ソックス、リストバンドまでアシックスで揃える徹底ぶりで、モンフィス選手に引けを取りません。
そんな自主契約選手にも、アシックスを履けなくなる事態が起こってしまいました。
ゲルレゾリューション7で足が痛くなってしまったのです。
10数年アシックスを履き続け、ソリューションスピードでも、オムニテレインでも快適に履けて、足に合わなかったことは一度もありませんでした。ゲルレゾリューション7でプレーをした後に痛みがあっても、まったく疑うことなく履き続けました。
自分の足の骨格が変化していることに気が付かなかったことと、アシックスのシューズがすべて自分の足に合っていると誤認していたことが原因でした。
小指側の骨の部位が腫れてる状態で、内反小趾という症状です。
一度この症状になっていまうと、何を履いても痛みが出てしまい、幅広4Eのシューズしか履けなくなってしまいました。
その後は徐々に回復してきてはいましたが、シューズによっては同じ部位に痛みが出る状態でした。
それから数ヶ月経ち、アシックスの新作シューズ発表会に出席し、早稲田大学のコートにお邪魔することになりました。 ゲルレゾリューション8が発売となり、今までなら「早く履きたい」とワクワクして会場入りしたのですが、今回は痛くなったらどうしようという不安が先にたちました。
万が一痛くなったら、インソールをすぐに取り替えようと思ってシダスのインソールを準備して行きました。
シダスのインソールはアーチをサポートしてくれるので、足のサイドへの負担を軽減してくれるのです。
試履きの前に、アシックススタッフから商品説明を受けました。
新機能の「ダイナラップ(DYNAWRAP)」が気になりました。 シューレースを締めると同時に、親指側と小指側のパッドがホールド感を高める機能なのですが、自分にとっては小指側はそっとしておいて欲しい箇所なのです。
説明が終わり、質疑応答になった瞬間手を上げていました。
「ウインザーの中居と申します。ダイナラップについてなのですが、シューズ内側のパッドが締め付けることで小指側が痛くなることはないでしょうか」 完全に自分本意の質問をしてしまいました。
柔らかいパッドなので、痛くなることは無いとの解答をいただきました。
不安は少し和らぎましたが、テニスコートで実際にプレーしてみるまで安心はできません。
佐藤文平プロと綿貫陽介プロの指導の元、シューズの機能を味わうのですが、プロもシューズの機能を引き出すために、ギリギリ届くような球出しでスライドやクロスステップを指導してくださりハードなフットワークメニューとなりました。 約2時間プレーしたのですが、まったく痛みはありませんでした。
ゲルレゾリューション7はアッパーの素材を強固にしアウトサイドへの逃げを防いでいましたが、
ゲルレゾリューション8は、柔らかいアッパー素材に変更しダイナラップでサイドの補強・安定を図っていたので、小指側の痛みはまったくありませんでした。 特に小指側は痛みの箇所の手前を締めるため、逆に痛みのある部位はフリーになっている感覚がありました。足裏全体に隙間なくシューズ自体が吸い付いている感覚で、左右に振られてストップした時もシューズと足が一体化していてロスなく切り返すことができました。
綿貫陽介プロはこう言ってました。
「選手になって、両足首のサポーターは必ずしていましたが、アシックスを履くようになってから、サポーターは要らなくなりました。」
サポーターをしている選手のほとんどは、予防として付けているのですが綿貫陽介プロは不安が払拭されたことでサポーターを付けなくなったのでした。
今回はハードコートでしたので、オールコート用でプレーしましたが、いつもプレーしているのはオムニコートですので、ゲルレゾリューション8OCのソールが気になりました。 また、前作のゲルレゾリューション7 OCから、あの伝説のオムニテレインのソールパターンが一部採用されています。
ベテランテニスの上級者の間では、オムニテレインを履いていないと試合で勝てないと噂が立つほど、完璧なソールでした。
ドットパターンのソールなのですが、切り株が斜めになっており一歩目のスタートは切り株がコートに刺さり、スタートダッシュが決まり、最後の一歩は滑るように滑らかで、逆をつかれた時に踏ん張ると大きい3つの円形スタッドがコートを噛み、ストップできる優れものでした。 価格も据え置きで、買わない選択肢はもはやないと感じました。
これでまた自主契約選手としてプレーできそうです。
【GEEK通信】【ダンロップ】「SXシリーズとレヴォCVシリーズを打ち比べしてみました。」
2019/12/05
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ダンロップ】「SXシリーズとレヴォCVシ
リーズを打ち比べしてみました。」
ダンロップ→スリクソン→ダンロップへ。
ダンロップと言えば、ジョン・マッケンロー氏が使っていたウッドのマックスプライ(1980年頃)が有名です。
その後、ナイロンインジェクション製法のマックス200G(1983年)が大ヒットし、シュテフィ・グラフ氏も使用していました。
ここまでは、イギリスのダンロップ社が手掛けたものです。
日本国内では、PRO1000RIMが1994年にスタート。鈴木貴男選手が使用し、ダンロップイコール衝撃吸収に優れた柔らかい打球感が持ち味のメーカーという位置付けを勝ち取りました。
その後、ダイアクラスターシリーズが定着しました。
また、現在でも売れているレヴォCS10.0の第一弾のスペースフィールプライムが生まれたのが2002年です。
テニスでは2007年にボールとウェアを発売時にスリクソンを立ち上げ、ダイアクラスターシリーズをスリクソンXシリーズに改変し、日本はスリクソン、イギリスはダンロップに分かれていったのですが、2012年のバイオミメティックシリーズ以降日本でのヒット商品はない状態でした。
スリクソンを手がける住友ゴム工業は、軌道に乗ってきたスリクソンを海外に広げるために、イギリスのダンロップを傘下に収め、ダンロップブランドとしてスリクソンの技術を生かしたラケットを発売したのが、昨年のCX200、CX400シリーズです。
上級者の間で、「ダンロップ良いらしいよ!」と評判になりトップアマチュアの使用者が増え、海外のプロの使用も増えてきています。
ダブルスの手本にしているジェイミー・マレー選手や、美しすぎるテニスプレーヤーのワン・チャン選手もCX200を使用しています。
軌道に乗ってきた新生ダンロップから、第2弾としてSXシリーズの発売が決まりました。
CXのCはコントロールで、SXのSはスピンを表します。
前身となるのが、スリクソンレヴォCV3.0で、シャフトにグルーブが入っていたしなりが特徴のラケットでした。
今回発売になるのは、モールドが同じ100平方インチの310g、300g、285g、270gと105平方インチ270gの5機種です。
前作のレヴォCV3.0と比較して試打してみました。
不思議なのは、RA値が68→64としなる設定になっているのですが、打球感はSX300の方がしっかりしていると感じることでした。
前作のレヴォCV3.0よりパワーが上がっているのを第一印象で受けたのですが、その歯切れの良さが「しっかりしている」と感じさせたのかもしれません。
レヴォCV3.0(変幻派)の粘り強さとレヴォCV3.0F(弾丸派)の歯切れの良さを1本に集結したような感じでしょうか。
ウエイトが15g刻みで270gから310gまで選べますので、ネットプレーヤー、ベースラインプレーヤー、スピン系、フラット系、年齢、体力、ダブルス派、シングルス派など自分に合うウエイトを選択できます。
重たいものを速く振ることで威力が出ますが、重さよりも速く振るのを優先されることをオススメします。
無理して重たいラケットを選ぶと、前後左右に振られた時にミスが出ます。 また、後半疲れが出た時に急激にパフォーマンスが落ちます。 重たいものが打ち負けないのは間違いないですが、自分から振っていくショットの方が重要ですので、気持ちよく2~3時間プレーできる重さを選択してみてください。
私中居はSX600が一番気持ちよくプレーできました。
シリーズ5機種全体で感じたのは、スピンがかかって安定していることでした。
中居個人としてはスピンによる安定は、グロメットの形状をI型やD型を使って弾道を補正する工夫をしているためなのか、シャフトに溝を掘っていることが理由なのか、ラケット全体の機能なのかハッキリとはわかりませんでした。
最近のラケットは壊れてしまうことは少なく、3年、5年使うのは当たり前で10年使っている方もいらっしゃいます。その場合、グロメットは広がったり、潰れたり、折れてしまったりするのが散見されます。ですがグロメットを交換しようと思ったときには、すでに発売を終了していることもあります。
もしグロメットの形状によるものだとしたら、グロメットの交換パーツが付属していればラケット本来の性能を維持できるかと思いました。 ※幸いにも、SX300と600の弾道補正するグロメットはトップ部のスピンブースト(縦糸10本)と呼ばれているところなので。
店頭にサンプルを展示していますが、デザインの評価も高く、手に取られる方が増えています。
衝撃吸収が良く、反発力が高い高性能なラケットに仕上がってますので、いつもの重さのひとランク下の重さでも十分対応できますので、300gから285gに、285gから270gにするのもありだと思います。
【GEEK通信】「285gのラケットをチェックしました」
2019/11/29
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「285gのラケットをチェックしました」
昨年から市民大会ベテランの部を7連続優勝中のMさんとのシングルスマッチにきております。
スピンの利いたストロークが安定しており、イージーミスはほとんどありません。
片手バックのスピンも威力があり、左右の動きは穴がなく、付け入る隙があるとすれば、前後の動きくらいです。 今回のテーマはネットプレーを積極的に仕掛けることと、ドロップショットを含めた短いボールを使うことです。
ストロークの打ち合いでは、完全に相手が有利になるので、サーブ&ボレー、アプローチからボレーなどネットプレーで仕掛け、バックハンドに浅いボールを打つとスライスでの返球が来るので、次のボールで攻撃するつもりです。 難しいのが、勢いのないぽっとんスライスだと攻撃されてしまうので、浅くても滑るスライスを打たないといけないことです。
なんと作戦がうまくいき、4-1リードです。
7大会連続優勝しているということは、30戦無敗みたいなものです。
そのレジェンドに「勝てるかも」と思ったのが良くなかったのか、いつまでも作戦通りには運ばず、そこから5ゲーム連取されてしまい、4-6でファーストセットは取られてしまいました。
メンタルの弱さを痛感しました。
セカンドセットは、2-5となりもはやこれまでかと思ったのですが、無心に拾って粘る展開プレーを見せ5-5まで追いつきました。
結局5-7でフィニッシュしましたが、いいテニスができたので満足感はありました。
Mさん「中居さん以前より動き良くなってますね。」
私「5キロ痩せたのでそれが良いのかもしれません」
Mさん「私も15キロ減量してからテニスを再開させたんです」
私「15キロは凄いですね」
リバウンドしないように気をつけていこうと思います。 気になるラケットを集めた「285gのラケットチェック」を個人的に開催しました。
ピックアップしたのは各メーカーの285gのラケットです。
バボラからは、ピュアアエロチームとピュアドライブチーム
スリクソンからは、レヴォCV3.0F-LSとレヴォCX4.0
ブリヂストンからは、XブレードRS285
ウイルソンからは、ブレード98L
ヨネックスからは、VCORE 98とEゾーン100
ヘッドからは、グラフィン360スピードS
ミズノからは、Fツアー285
300gではなく、あえて285gのラケットを使うことの意味は、15g軽くなることで振り抜きが良くなり、サービスが打ちやすくなり、15g軽くなることで、操作性能が良くなり、ボレーボレーからのスマッシュやバックのハイボレーなどのネットプレーがしやすくなります。
・15g軽くなることで打ち負けやすくはなるので、リターンについてはどうか。
以上を踏まえて、チェック項目は
「サービス:スピン、スライスは打ちやすいか、セカンドサービスは安定しているか」
「ネットプレー:ボレー、スマッシュ、バックハンドハイボレーのしやすさはどうか」
「リターン:サービスのリターンは打ち負けないか」 を踏まえて試打しました。
(一部、過去に十分試打したラケットは今回は試打していません)
チェックポイントはサービス部門、ネットプレー部門、リターン部門で分けて行いました。 集めた285gのラケットはいずれもチェックする点がありましたが今回は3本ピックアップします。
■サービス部門「バボラピュアアエロチーム」
振り抜きが良いラケットですし、威力が出ます。フラットの伸び、スピンの跳ね方、スライスの曲がり方どれをとっても抜群でした。
特にセカンドサービスは、振れば振るほど入るような不思議な感覚でした。 ■ネットプレー部門「ヨネックスEゾーン100LG」
この食いついてから弾き出す感じが独特で、インパクトで溜めを作れるので相手にコースを読まれづらく、バウンドも滑ってくれます。
スマッシュ、バックハイボレー、ドライブボレーもミスを少なくしてくれます。285gとは思えないしっとりとした柔らかい打球感が魅力です。
アウトかなと思ったボールが入っている優れものです。 ■リターン部門「ブリヂストンXブレードRS285」
285gとは思えない面の安定感に、285gならではの振り抜きの良さが秀逸で、速いタイミングでサーバーにリターンが返ります。
スピンで足元に沈めたり、スライスで深く返球したり、リターンサイドが楽しくなります。
285gという利点を生かした操作性の良さに加え、本来なら300g以上あるラケットにしか出せない中身の詰まったようなしっかりとした打球感を実現しています。
そのおかげで、打ち負け感がなく、ボレー、リターンのコントロール性が非常に優れています。 数年前の285gのラケットは、初級者用がほとんどでしたが、今回試打したラケットはどれも、男性の中上級者が満足いく完成度になっています。
主にダブルスをメインにプレーする方は、15g軽量化するメリットはあると思います。
最近300gが辛くなっている方は、285gも選択肢の一つにしてみてください。
この企画の後にダンロップから285gのCX400の発売が、決定し打ったのですが、これが素晴らしく良かったので、後日、その他の機種と一緒にレポートします。
【GEEK通信】【プリンス】「ツアープロライト Ⅴで快適テニスを。」
2019/11/28
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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【プリンス】「ツアープロライト Ⅴで快適テニスを。」
人間の足は複雑です。右と左で長さが異なるのは当たり前。私自身も足長が5mm違い、幅も2Eと3Eです。
流石に左右違うシューズを履くわけにもいかず、大きい方の足に合わせてサイズを選んでいます。
あるメーカーのシューズが好きで長い期間履いていましたが、ある日突然足に痛みを感じました。
小指側の骨が赤く腫れています。
内反小趾という症状で、幅の狭いシューズを履くと痛みが出るようです。
足の骨格は変わってくるものなのですね。
なるべく痛みを感じないシューズを探して色々と試履きをしてみると、プリンスの【ワイドライトⅢ】が痛くなく、ウィズが4E相当あるのにもかかわらずかかとから足首回りのフィット感が良かったので迷わず購入しました。 =============
*ワイドライト Ⅲ AC
メーカー希望小売価格: ¥14,850(税込)
→ウインザー価格:¥11,880(税込)
※上画像はオールコート用ですが同カラーでオムニクレーコート用も展開
=============
軽量でありながら安定感もあり、気に入って使っていたのですが3ヶ月程でアッパーに穴が空いてしまいました。
原因は、実際の足の幅、甲の高さより一回り大きなシューズを履いたことで前足部の屈曲時に必要以上にアッパーに大きなシワができてしまい、その箇所から穴が空いてしまったのです。
それでもワイドシューズのおかげで内反小趾の痛みも無くなってきたので、気になっていた【ツアープロZ Ⅳ】に履き替えることにしました。
こちらのシューズは、ハムストリングの動きを活性化する機能を搭載した最新のモデルで、見違えるようなフットワークを可能にしてくれました。 ただ、幅が狭かったので内反小趾の痛みが再発してしまいました。(2E相当) =============
*ツアープロ ゼットⅣ AC
メーカー希望小売価格: ¥15,950(税込)
→ウインザー価格:¥12,760(税込)
※上画像はオールコート用ですが同カラーでオムニクレーコート用も展開
=============
そこで、幅が3E相当の【ツアープロライトⅤ】を試してみることにしました。
足を入れてみると柔らかい当たりで全体を隙間なく締め付ける感覚ですが、痛いところはまったくなく丁度良い幅のようです。
アッパー素材がすべてメッシュなので部分的に硬くなる部位もなく気持ち良いフィット感になっています。 =============
*ツアープロ ライトⅤ AC
メーカー希望小売価格: ¥15,950(税込)
→ウインザー価格:¥12,760(税込)
※上画像はオールコート用ですが同カラーでオムニクレーコート用も展開
=============
いつものようにシューレースをしっかり締めて10分くらいプレーしていると、足の裏が少し痛くなっていきました。
こちらに関してはシューズのフィット感が良すぎて、血流が止まって少し痺れてしまったようです。
シューズをよく見てみるとシューレースホールが多いのと「平紐」が使われていました。紐を緩めてプレーすると、なんの問題もなく快適でした。
紐の種類は、丸紐、平紐、丸平紐(オーバル)がございます。
丸紐は通しやすいが結びが解けやすい特徴があり、平紐は通しづらいが結びが解けづらい特徴があり、その中間の特徴を持つ丸平紐が最近の主流になっています。
予備に付いている紺色のシューレースに取り替えたのですが、なんと172cmもあり、予備の穴を通すヒールロックをしやすくしています。
4時間プレーをして感じたのは前への動きの素早さと横の動きの安定性です。
アッパーがオールメッシュの場合、サポート力が足りなかったり、サイドへの固定力が足りなかったりするのですが、ツアープロライトⅤはオールメッシュながら、軽量で蒸れないプラスポイントはあっても、マイナスポイントは見当たりませんでした。
シューズが足に合うor合わないは、ラケットが合うor合わないよりもテニスの調子の良し悪しに大きく影響するかもしれません。
私は、2E、3E、4Eをすべて履いてベストを見つけ出しましたがお金と時間がかかってしまいました。
お金と時間をかけずご自身に合ったシューズを見つけ出す手段の一つに、【実際に計測してみること】をオススメ致します。
ウインザーでは足型計測器を使って足長やウィズを計測しています。まずは自分の足の特徴を把握してからシューズを選んでみてはいかがでしょうか。 お金と時間の無駄遣いを防げます。
そしてシューズと同じくらい大事なのが「インソール」です。
フランス生まれのシダスインソールは、足の形状を整えることで骨格のバランスや筋肉の使い方を改善しケガを防ぐ効果があるのでパフォーマンスを向上させてくれます。
12/1(日)にウインザーラケットショップ池袋店にてシダスの専門家を招き、足型計測会を開催しますのでぜひ参加をお待ちしております。
【GEEK通信】【スノワート】「スノワートとジャストグリップで勝率アップ」
2019/11/22
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「スノワートとジャストグリップで勝率アップ」
ラケットをスノワートビタス115に変えた週に、ダブルス4時間×2回とシングルス4時間を行いました。
市民大会優勝者が参戦する中でダブルスは勝利数が多く個人的に嬉しい結果でした。
シングルスは6人総当たりで、4連勝で最後のマッチはアメリカでコーチをしていた方に3ー4で負けてしまいました。
もちろん対戦相手にもよりますが、勝率が上がってきています。
なぜ勝率が上がっているかというと、サービスキープ率が良くなっていることが挙げられます。
スライスサービスを軸にしているのですが、ワイドもいいのですが、センターに打った時にリターンミスをしてくれるケースが増えました。
特に、バックハンドのリターンで体に食い込んできて、窮屈な打ち方でミスすることが多々あり、今までは滅多にないことなので、そこを狙うようにしたところサービスキープが楽になりました。
また、ストロークでもスピンのかかりが以前より良いので角度をつけたショットで抜いたり、トップスピンロブが決まったりしました。
前回の投稿で、お気に入りのアイスコードを張ったところ、あまり相性が良くなかったことを報告していましたが、一回使ってすぐに張り替えることにしました。
ローボレーがネットを越えなかったことがあり、自分の感覚とのギャップを感じ、くいついて弾きもあるストリングはなんだろうと考えました。
ナチュラルガットの可能性が高いと踏んだのですが、失敗すると痛手が大きいので、まずは縦にゴーセンテックガット16、横にルキシロン ティモ110を張ってみたところ、激変しました。
ボレーのタッチがよくなり、ストロークの深さも出るようになりました。 テンションもレヴォCS10.0のときは、55ポンドでしたが、ビタス115にアイスコード50ポンドで硬く感じたので、今回45ポンドにしてみて良い感じになりました。
次回は40ポンドまで下げてみてベストテンションを探っていこうと思います。 スノワートのラケットはまだまだ馴染みの無い方が多いと思いますが、ウッド時代に一世風靡したベルギーのメーカーです。
3年前に、ラケット製作を再開し、日本人スタッフも開発に加わりこだわりのあるラケットが完成しました。
高品質な東レのカーボン繊維を使用し、可動域を効率的に考えたスカーレットグロメットに、スイートスポットを外れたときこそ性能の違いを発揮するバイオニックフレーム(トップ部、フェースサイド、フェース下部、スロート部の断面形状をそれぞれ変える)など細部にわたりこだわった結果、日本人が好む打球感を実現し、パワーがありながらも、柔らかいタッチが生き、快適にプレーができるのです。
カラーリングにもこだわっており、単純な黒を使わずに、オレンジに黒を混ぜたチョコレート色、グリーンに黒を混ぜたマットな深緑色など高級感のある飽きのこないカラーになっています。
また、モデルチェンジのサイクルを5年に設定しており、ほとんどのメーカーが2年サイクルの中で、倍以上の長さで、製品に自信がないとできないことです。
この記事を書いてる間に、ダブルスをプレーしている時に気づいたことが、「相手のミスが増えている」でした。
どういうことかと言うと、サービス、ストローク、ボレーひとつひとつのショットがほんのわずかながら威力(回転)が増している感じがしてます。
そしてその威力(回転)アップに貢献しているのが、ジャストグリップです。 --------------------------------
ウインザー価格:660円(税込)
-------------------------------- シリコン製のグリップバンドなのですが、エンドキャップ部にレザーの上から被せ、オーバーグリップを巻きます。4、5cmくらいのものですが、グリップエンドに向けて徐々に太くなっていきます。
サービス、ストローク時に、手のひらが支点になって、ラケットヘッドがいつもより速く加速してくれます。
前々からグリップテープの余ったものを、エンドに入れて太くしていたので、ほとんど違和感なくプレーできましたが、シリコンの柔らかさとエンドに向けて徐々に太くなる感覚が絶妙に気持ち良いです。
特に、サービスの時にリストが効き、スピン、スライスのかかりがよくなったと体感しました。
セカンドサービスも安定し、ほとんどダブルフォルトしませんでした。
自分のお手製で行なっていた時は、上手くできたり、ちょっと失敗したりするなど安定していませんでしたが、こちらのジャストグリップは、ただはめるだけですので失敗もなく簡単です。合わない場合は簡単に外せますので一度チャレンジしてみると良いと思います。
ハマる人はきっといらっしゃるんじゃないかなと個人的に思うアイテムです。
【GEEK通信】【トラックマン】「トラックマンが選んだ私のラケットは、スノワートビタス115でした」
2019/11/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「トラックマンが選んだラケットは、スノワートビタス115でした」
私が本当に好きなラケットは、プロスタッフ、プレステージ、Vコアプロです。
薄いフレームのボックスタイプは、しなりやノリがあり打ってる打球感が手のひらに伝わってくるのが特徴で「プレーをしている感」が気持ち良いのです。
単純に試打をしただけならきっとこの中からラケットを選んでいると思います。
でも、試合をしたら勝ちたいし、負けたら悔しいじゃないですか。
そこで自身のプレースタイルを思い直し、フェースを少し大きくし、フレーム厚を少し厚いものにし、ウエイトを少し軽くし、それでも打球感は打ちごたえのあるボックスタイプにこだわって、スリクソンのレヴォCX4.0を使っていました。
そのような時、トラックマンに出会いました。 トラックマンとは、レーダー技術を応用し、ボールの速度、回転量、軌道、飛距離、着地点を計測しデータ化する事ができる機器です。
メジャーリーグ、プロ野球、ゴルフなどで導入されており、ウイルソンを始めラケットメーカーも導入し始めています。
ウイルソン契約プロは世界ランキング80位以内の選手に限り、トラックマンでデータを取り、ラケット選びに活かしているそうです。
トラックマンは「マン」と言っても人の感情はありませんので、データを正確に計測するだけです。
機械ですので、体調や気分で数値が変わることもありませんが、ラケットの知識に精通したスタッフのガイドが必要になります。
私も2年前にトラックマンを使用したラケット選びをオンコートで行う機会があり、当時使っているラケット〔CX4.0〕に似ているスペックのラケットを中心にテストしましたが、[CX4.0]を超えるラケットは出てきませんでした。トラックマンスタッフの推薦でイヤイヤながらでテストしたレヴォCS10.0がなんとナンバー1の評価になったのです。
フェース面積115平方インチで、255gのラケットですから、自分の好みとはかけ離れていて意識もしていませんでしたが、トラックマンスタッフの目には「いけるかも」のひらめきがあったのです。
トラックマンのデータを信じて、レヴォCS10.0に変えたところ、連戦連勝とまではいきませんでしたが、一度も勝ったことが無い相手に勝つことがあったり、対戦相手からいつもと違うねと言われたりすることもありました。
あれから2年経ち、私がトラックマンスタッフとして、聖蹟桜ヶ丘店でのトラックマンラケットカウンセリングをする立場になりました。
参加者は小学生の女の子から、ベテラン男性まで幅広い層の方がいらっしゃいましたが、ほぼ全員、ご自身のラケットより高評価のラケットに巡り合うことができていました。
お客様のイベントの空き時間があったので、以前から興味があった「スノワート」を打ってみました。 シングルスとダブルスを両方プレーする私にとって、回転数が上がり、ストロークが安定することを望んでいましたので、この結果は嬉しい誤算でした。
トラックマンのデータには現れませんが、ビタス115は軽量デカラケとは思えない、プロスタッフに通じる打球感を感じたのです。 スノワートラケットの素材には、日本の東レのカーボンが使用されており、カーボンの中でも非常に高価な材質です。
世界のトップ選手でも東レのカーボンは、違いの分かる数名にしか採用されていない代物です。 高級食材を使用した料理と同様に、材料が良いとやっぱり味わいが違っていきます。
今まで発売された軽量デカラケはほとんど試打していますが、このような打球感は初めてです。
2年ぶりに、ラケットを変える決意をし、レヴォCS10.0と同じストリングのアイスコードを張り上げました。 ところが、ポリエステルとの相性がよくないのか、食いつくような打球感が出ず、硬さが前面に出てしまいました。 高級食材をより美味しくする料理法があるように、ビタス115に合うストリングがきっとあるはずです、今後見つけていこうと思います。 でも、久々にワクワクしています。
【GEEK通信】【トラックマン】「失敗しないラケット選びはトラックマンで」
2019/11/01
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「失敗しないラケット選びはトラックマンで」 皆さんはラケットを選ぶ際はどのように選ばれていますか。
試打をしたり、コーチや友人にアドバイスをもらったりしていると思います。
ラケットのキャッチコピーに注目すると、スピードが出て、スピンがかかって、振動がなく、スイートスポットが広いなどプレーヤーにとってメリットあることとが訴求されています。当然ウソでは無いのですが、すべてのプレーヤーに当てはまることは無いのです。
ラケットメーカーは、日々良いラケットを作るために研究開発を行なっています。
ラケットを固定して、テニスボールをぶつけ、跳ね返るスピード、角度、飛んで行った後の振動など高速カメラで撮影し、従来モデルよりも少しでも上回るよう努力しています。
ただ、プレーヤーによってグリップの握り、スイングフォーム、フットワーク、スイングスピード、回転のかけ方など一人一人違うので、合うラケット、合わないラケットが出てきてしまうのも事実です。
ご自身に合うラケットは必ずあります。その一本に中々出会えていないだけなのです。もしくは出会っているのに気づいていないケースがございます。
合うラケットについては自分で試打すればわかると思っていらっしゃる方の方が多いのではないでしょうか。
打ち応えが気持ち良く、自分ではナイスショットを打っているつもりでも、ただ衝撃が大きいだけで、相手にとっては失速して打ち易いボールになっていることもよくあるのです。
打球感や打球音には騙されることがよくあるのです。
気持ちよくプレーできることに越した事はないですが、スピード、スピン、コントロールとは直接結びついていないことがしばしばあります。
自身に合うラケットは客観的に判断してくれる第三者に任せることもラケット選びの選択肢の一つとしてオススメさせていただきます。
いつも一緒にプレーをしている友人やプレースタイルを知っているコーチが真剣に相手してくれるなら良いことです。
ただ信頼のおける友人でもラケットの知識が不足していたり、その他様々な事情があるかと思います。
そして人間なので、その日の体調や気分で正しい評価ができなかったりすることも当然あります。
そこで、私はトラックマンを使ったラケット選びをご紹介します。 トラックマンとは、レーダー技術を応用し、ボールの速度、回転量、軌道、飛距離、着地点を計測しデータ化する事ができる機器です。
機械ですので、体調や気分で数値が変わることもありません。
ただしAI機能はありませんので、ラケットの知識に精通したスタッフのガイドが必要になります。
先日聖蹟桜ヶ丘店の試打コーナーにてトラックマンラケットカウンセリングイベントを開催しましたので、どのような流れで行われているか簡単に説明していきましょう。 まず、初めに現在使用中のラケットのデータを取ります。
わかりやすく、スピード100km、回転数1,000回転だったとします。
次に、参加者の希望するラケットを打ちます。 スピード120km、回転数800回転だったとします。【仮定】
次にスタッフが提案するラケットを数本打ちます。
スタッフは、データと実際の参加者のスイングフォームや力感などを読み取りウエイト、フェース面積、フレーム厚などを変化させながら、ベストなラケットを探っていきます。
すると、スピード120km、回転数1200回転、打ち出し角度10度、着弾地点23mといったすべての数字が現在使用中のラケットを上回り、理想的なラケットに巡り合うことがしばしばあります。 稀に、現在使用中のラケットが一番良かったということ事例もあります。
今のままで良いんだというように、迷いがなくなる+納得できるので良いことなのです。
参加者の表情を見ていると、スタート時は緊張からか眉間にしわの入った硬い表情の方が多いのですが、良いデータが出たときは試打の途中から嬉しそうな表情に変わることがよくあります。
今回お邪魔したトラックマンカウンセリングイベントは10数名の参加でしたが、試打終了後に購入された方が数名、検討する2本の候補が出て、データ採取の後に時間が許す限りですが、2本を交互に打ち1本に絞り込む方が数名とナンバー1だったラケットをレンタルされる方数名と、再度検討する方数名に分かれました。 また参加者にはジュニアの子も多く、ラケット選びによって上達が早くなるか、遠回りするかが出てきますから親御さんも真剣そのものです。
体の成長とともに、トラックマンラケットカウンセリングで確認するのがラケット選びにオススメと思います。
トッププロもラケット選びにはトラックマンを使用して、ラケットの素材、ウエイト、バランスなどのスペックを決めています。
ウインザーではトラックマンラケットカウンセリングを【店内試打コーナー】と【オンコート】で2種類定期的に開催しています。
※聖蹟桜ヶ丘店、横浜店の店内試打コーナーで開催するトラックマンラケットカウンセリングは参加費¥2,000(税込)
※東京都品川にあるスポル品川大井町などで開催するオンコートトラックマンラケットカウンセリングは¥6,800(税込) 特典として【ラケット購入時に使用できる¥2,000割引券】【ストリンググレードアップのサービス】がつきますので、購入目的のある方は非常にお得なイベントになっています。まずは一度参加してみてください。
自身が使用しているラケットが最下位になることもよくありますのでガッカリされることもありますが、それを知ることが次への一歩だと思います。
【GEEK通信】【月一企画】ショット別にラケットを考える第六回『フラットストローク&スライス』
2019/10/24
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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【月一企画】ショット別にラケットを考える第六回『フラットストローク&スライス』
久しぶりの【月一企画】です。
※「全然月一じゃない」と思われている皆様のお顔が浮かびます。。
ということで不定期開催のショット別にラケットを考える「フラットストローク&スライス」をお送りします。
近年のラケットはパワーがあり、トップスピンをかけないとバックアウトしてしまうものがほとんどで、ラケットのキャッチコピーも「スピンが凄い」は必ず入るワードです。
ただアマチュアのベテランはトップスピンを苦手にしている方も多いのです。
私もそうなのですが、テニスを始めたときのラケットがウッドラケットでした。
現在のカーボン製のラケットとは違い、ボールが飛ばないので、ベースライン深く威力のあるボールを打つには、フェース面をフラットに当て、インパクトから打ち出し方向へ真っ直ぐ30cmくらい押し出すように打ったものです。
グリップは、コンチネンタルからイースタンで握り、クローズドスタンスからスクエアスタンス(ベースラインに対して90°)です。
この打ち方でテニスを覚えてしまうとトップスピンを打つのが大変です。
ということで、50代以上の方はまだまだフラットで打つことが多いのです。
グリップ、フットワーク、スイングフォームを直すことが一番良いのはわかっています。
ただ体力も段々と衰えていく中で、スイングスピードも落ちていきます。フラットからスライスが身体に負担が少なくて、楽で良いのです。
今回は、現代テニスに逆行するフラット、スライステニスに合うラケットを探していきましょう。
ベテランプレーヤーが初めて手にしたウッドラケットとは、どんな特徴があったのでしょうか。
素材が木や竹などの木材ですので、柔らかく非常にしなりがありました。
フェース面積は80平方インチより小さく、重量が350g前後はありました。
しなりがあって、フェース面積も大きすぎず、ウエイトも軽すぎず重すぎないラケットが候補になります。
私の独断で選んだフラット、スライスが打ちやすいモデルは以下の5機種です。
ブリヂストンXブレードBX 290
ウイルソンブレード98 S
ウイルソンクラッシュ100
ヨネックスEゾーン98 LG
ダンロップCX400 ブリヂストンXブレードBXは、305と290がしなりがあり、300と280が少し硬めで弾くタイプです。
流石に、305はベテランには難しいので290がベストチョイスになります。
ボールのノリがよく、インパクトから少し押す感覚があります。
フラットは当然良い感じで打てるのですが、さらに良いのがスライスです。スライスが浮かずに伸びるボールが打てるので、バックは片手でスライスを多用する方におすすめの一本です。
高音の打球音が心地よく、気持ちよくプレーできます。 ウイルソンブレードSは、ストリングパターンに18×16を採用した本来ならスピンに特化したモデルなのですが、実際に打ってみると、フラットのコントロールがよく、深く打ったり、左右の打ち分けが楽でした。
本来なら98平方インチ、21mmのスペックはベテランには難しいのですが、18×16のストリングパターンのおかげで、食いついてからの復元力で飛ばしてくれるので、スナップバックはスピンだけでなくフラットショットにもメリットがあります。スライスはバックスピンですから当然打ちやすく、ネットの下から浮き上がる弾道を楽しむことができます。 ウイルソンクラッシュ100は、フレームのしなりでは右に出るラケットは無いくらいで、ウッドのようなしなりと謳っているのはウソではありません。
ウッドラケット育ちの方には、押すように打つ感覚が蘇ることでしょう。 ウッドラケットとクラッシュ100の違いは捻れれるか捻れないかで、一般的にしなりと捻れは同時に起き、パワーロスや打ち出し方向のズレが起こってしまいますが、クラッシュ100は捻れないために方向のズレが無くコントロール性能を失わないのです。 ヨネックスEゾーン98(LG)は、大坂なおみ選手やキリオス選手のイメージからハードヒッター向きの硬いラケットのように思われがちですが、実は非常にノリのあるしなりを感じるモデルなのです。
ただ、Eゾーン100に比べて飛びを抑えているので、スピンをかけると浅くなることがあるのです。
フラットストロークの一番難しいところは、打ち出し角度が上過ぎるとバックアウトしてしまうことです。
少し飛ばないくらいの方が安心して打ち込めるので、Eゾーン98はバックアウトが少なく安定感があるのです。 ダンロップCX400は、しなるというよりフェース面にめり込んでいるような感覚のホールド感があるラケットです。
パワーもあるので、ベテランや女性にも反響があり、振動吸収性の高さから腕の負担を気にする方にも支持されています。
ボレーのしやすいラケットなので、フラット、スライスのアプローチからネットで勝負する方にオススメの一本です。 以上独断と偏見で選びましたので合わない方もいらっしゃると思いますが、
ストリングに関してはマルチフィラメントのウレタンコーティングで間違いはないでしょう。
推奨ストリングは、バボラエクセル、テクニファイバーTGV、ウイルソンNXTなどです。 スピン系の方には若干切れてしまいやすいストリングですが、フラット・スライス主体の方には切れる心配もなく、食いつきの良さを堪能できるはずです。 力に自信が無い方や、ネットプレー中心の方は細めの1.25mm、ストロークで粘るプレーの方は1.30mmがオススメです。