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【GEEK通信】【ヨネックス】「Vコアプロは不思議と伸びるボールが打てるラケットです」
2019/09/26
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「Vコアプロは不思議と伸びるボールが打てるラケットです」
全米オープンで、ワウリンカ選手がジョコビッチ選手に勝つとある人と予想をし合っていました。 結果はワウリンカ選手が2セットを先取して、3セット目の途中で、リタイアしワウリンカ選手の勝利となりました。
ジョコビッチ選手が左肩を痛めているのは知っていましたが、ワウリンカ選手の調子が上がってきていることに期待していました。 調子の良い時のワウリンカ選手は誰にも負けません。
でないと、グランドスラムで3回も優勝してません。
個人的にもバックハンドとリターンは真似したいショットです。
ストレートにも、クロスにもノータッチエースが取れるキレのあるシングルバックハンドはフェデラー選手以上だと思います。
リターンはフォアもバックもスライスのブロックリターンをよく使います。
男子の選手では珍しいと思いますが、アマチュアには非常に参考になるショットです。
ブロックリターンのメリットは、ラケットを大きく振りませんのでミスヒットが減少します。
ボールが浅くなると相手にチャンスボールが行ってしまいますので深く返すことが重要です。
また全てブロックリターンにしてしまうと、サービス&ボレーを仕掛けられるので通常のリターンも混ぜることが重要です。
錦織選手はワウリンカ戦の時に頻繁にサービス&ボレーを仕掛けています。
そのようなワウリンカ選手の手に握られていたラケットは新しいVコアプロ97でした。
モスグリーンの渋めで強そうなデザインのラケットです。 2年前に、VコアデュエルGから大幅に改良されて発売された「初代Vコアプロ」を打った際、完成度の高さに驚かされました。
私中居は、VコアデュエルGのさらにひとつ前のVコアツアーG(オレンジ色)をマイラケットとして使用していて、しなりがあって、食いつく打球感が好きでした。
VコアデュエルGにチェンジした時は硬く感じたのと、ストリングパターンが完全にストローカー向きになっていたので移行することができませんでした。
そのようなジレンマがある中で発売された初代Vコアプロは、VコアツアーGの良さも取り込まれており、良いラケットだなと思い真剣にまたマイラケットとして使おうと考えていたのですが、すでに楽なラケットに慣れてしまっていて断念するしかありませんでした。
そして今回の2代目Vコアプロはどのように改良がなされたのか非常に楽しみでした。 今回は小手指のダブルスオフで、
Vコアプロ97 Gタイプ310g
Vコアプロ97 LGタイプ290g
Vコアプロ100 Gタイプ300g
Vコアプロ100 LGタイプ280g
を順番に試打してみました。
**以下は中居の個人の見解です** まずは、Vコアプロ97Gタイプから使用しました。
サービスとストロークは破壊力があって何本かエースを取ることができました。
試合後、主催者Aさんが言いました。
主催者Aさん「中居さんのボール伸びてくるね」
打ってる側からは、伸びてるのはわかりませんがしっかりと押してる感覚はありました。 ネットプレーはミスが出ていて、重さとフェースサイズに対応できていませんでした。
次に、Vコアプロ97LGタイプを使用しました。
軽くなってボレーはしやすくなったのですが、ストロークの威力がなくなってしまい、逆につらい展開になってしまいました。
Vコアプロ97は頑張ってGタイプを使った方が、良い結果が得られるようです。
続いて、Vコアプロ100GタイプとLGタイプを使用しました。
100のタイプはフレーム厚も1mm厚くなってLGタイプでも打ち負けはあまり感じませんでした。
ボレーやスマッシュはLGの方が打ちやすくて、気持ち良くプレーできました。
主催者Aさん「中居さんは、いくつなの」
私「58歳です」
主催者Aさん「やっぱり若いよね、スマッシュを打つ時ちゃんと背筋使っているから、若いと思ったんだよね」
私「仕事ではベテランですけど、ここでは若手ですね」
平日の昼間にテニスをやっているグループは、定年を迎えた方が中心なので今回も最年少だったみたいです。 ただ自分より速いボールを打つ人は沢山いらっしいました。
今回はダブルスのゲームでテストしたこともあり、Vコアプロ100LGタイプが最も打ちやすいラケットでした。 打球感はVコアプロ97Gタイプが気持ちよく、シングルスならこちらで決まりと思いました。
今回、VDMという振動減衰する機能をグリップ内部に搭載した効果は十分に体感することができ、本来難しいラケットのはずが、簡単に感じることができました。 ごまかしがきかないラケットとも思いましたが、100%のエネルギーをマイナスすることなく、ボールに伝えてくれるラケットです。
(伸びるボールは簡単によく飛ぶラケットでは不思議と打てないものなのですね。ふと感じた中居でした。)
【GEEK通信】【ウイルソン】「7代目ブレード全機種インプレ」
2019/09/18
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「7代目ブレード全機種インプレ」
ブレード V7が発売されました。
初めて店頭にサンプルが届いたときに、
スタッフA「ブイセブンってどういう意味でしょうか」
スタッフB「ブレードのイニシャルのVじゃないの」
スタッフC「ブレードはBだろ、バージョン7だよ」
そうです、今回の登場で7代目になります。
2006年に初代「n BLADE」が発売されジョコビッチ選手が使用しました。
初代から7代目まで共通するのが「XLOOPテクノロジー」です。 D型をしたシャフトが特徴で、ラケットのしなり、ねじれをパワーに転化するテクノロジーが詰まっています。
ただパワーを向上させるには、フレームを厚くすればいいのですが、球離れが早くなってしまい、コントロールやスピン性能が落ちてしまいます。
ブレードが目指したパワーは、プレーヤーが出した出力をそのまま減速なしでボールに伝えることです。
普通は、しなりやねじれにより100%で打ったボールが80%や70%に減速してしまうのですが、XLOOPテクノロジーによってしなり戻り、ねじれ戻りを利用しパワーロスを防いでいます。
さらにしなりによるメリットを享受できます。しなりによりボールを長くインパクトすることができ、フラットに当たれば重たいボールが相手コートに行き、スピンをかければより回転数が上がってくれるし、スライスをかければ押しの効いた伸びるボールを打つことが可能です。 そこで今回のブレードV7の改良点を見てみましょう。
前モデルのV6(6代目)に採用された「カウンターヴェール(CV)」を見送り、「バサルトファイバー」を大量に投入しました。
元々、振動吸収、打球感に定評のあるカーボンですので、FEEL FLEXという新しいカーボンの編み方と相性が良いのでしょう。
前作のRATEST値が68で今作が63というところからも、かなりしなりが大きくなっています。(GEEK調べ)
縦しなり(天地に対してしなる)は計測できませんが、V7(7代目)は縦しなりも大きいのが特徴です。 では、実際に試打したので、一本一本チェックしていきましょう。 **以下は中居の個人の見解です**
「ブレード98 18×20 v7.0」
ボレーボレーの練習から使い始めたのですが、軽く打っているのにしなりが凄い!
相手のボールもゆっくりなのにしなっているのがよく分かります。
ここまでしなるとボレーは少し難しかったですが、ストロークで一変しました。
私の持ち球はフラット系なので、インパクトから打球方向に向けて少し押すのですが、手のひらに押してる感覚がビシビシ伝わってきます。
直線的に飛んでいき空中でひと伸びしているように深く入ります。 「ブレード98 16×19 v7.0」
18×20と同じように、フラットドライブで押すように打ったのですが、弾道が少し上に上がります。
バランスが320mmと前作よりも5mmトップライトになったおかげで気持ちよく振り抜けました。 「ブレード98 S v7.0」
こちらは前出の2機種とは別物です。
18×16のスピンエフェクトストリングパターンに10g軽い295gの設計のため、否が応でもスイングが速くなり、スピンのかかりには打った本人がびっくりするほどです。回り込んでの逆クロスはかなり鋭角に入ります。 「ブレード100L v7.0」
ブレード史上初の100平方インチ誕生です。ブレードのイメージの難しさはまったくありません。
100平方インチでフレーム厚が薄くて軽いのは全メーカーでもあまり無いスペックで、パワーは抑えめですので、ミスの少ないテニスが可能です。 「ブレード104 v7.0」
104平方インチの大きなフェース面積でここまでしなると、ハードヒット時の面ブレが気になることも。
バックハンドのスライスやボレーは打ちやすかったので、足元に沈めたり、ロブを上げたりするテクニック系のダブルスを目指す方にオススメ。 「ブレード104 SW CV v7.0」※発売は2019年9月末を予定
セリーナ・ウィリアムズ選手のこだわりが詰まった本物のプロモデルです。
こだわり1:こちらのモデルだけカウンターヴェイルが採用されている
こだわり2:ラケットの長さが1インチロング
こだわり3:パワーホールがある
こだわり4:18×19のストリングパターン
こだわり5:306gなのにバランスが330mmとトップヘビー
こちらのラケットをフルスイングできるプレーヤーはあまりいないと思いますが、もし使いこなすことができたなら、破壊力はとてつも無いことになります。
ぜひセリーナ選手になりきってチャレンジしてみませんか。 今回のブレードは、クラッシュと共通する部分は多いですが、クラッシュはしなることで予想以上にボールが飛ぶイメージですが、ブレードはしなることでご自身のイメージ通りの飛びを実現しているようです。
7代目ブレードは完成度が高く、ウイルソン契約選手の使用率がナンバー1のラケットです。
デザインついては非常にカッコよく、こちらのラケットを持っていたら相手に「この人デキるな。」と思われるラケットと感じます。
ラケットに負けないプレーをしましょう。
【GEEK通信】【プリンス】「10年後まで記憶の残る傑作!赤いビースト誕生」
2019/09/06
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「10年後まで記憶の残る傑作!赤いビースト誕生」 ウインザーではトラックマンを使って数値に基づいたラケット診断を行なっていますが、人間と違って社交辞令もなければ、遠慮もありません。
ただ正確に真実のみをデータで訴えかけてきます。 今回はプリンスの新製品を10本まとめて試打をしてトラックマンでデータ取りを行いました。
【データ取りをしたラケット】
「X97ツアー」/「X100ツアー」
「ファントムO3 100」/「ファントム100」
「ビースト100(300g)」/「ビーストO3 100(300g)」
「ビースト100(280g)」/「ビーストO3 100(280g)」
「ビーストO3 104」/「ビーストライト 100」
※ファントムO3 100・ファントム100・ビーストライトは2019年11月発売予定
トラックマンの測定方法は、フォアハンドを10球、7~8割の力でコーンを目掛けて打ちます。
ボールスピード、回転数、打ち出し角度、着弾地点などを計測し、総合的にどのラケットが良いのかを判断します。 データの判断ポイントは、ボールスピード、回転数、着弾地点10球を円で囲んだ面積です。
またなぜフォアハンドかというと、統計的に70%はフォアハンドを打っているからです。 【補足】 着弾地点の円の大きさが小さければ小さい程安定してコントロールできていることになります。
上記画像の【18.5㎡】【36.6㎡】~【11.7㎡】の中で円の面積が小さいものが最もコントロールできたラケットという事になります。
その他、ボールスピードや、回転数の数値を比較して総合的にどのモデルが合っているのかを決定します。
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「ビーストライト100」は、ジュニア高学年向きのラケットでグリップサイズも0番で、とりあえず打ってみよう程度の参加でしたが、なんとボールスピードの項目でトップだったのが「ビーストライト100」でした。
確かに、「ビーストライト100」を打っているときに感じたのが振り抜きの良さと、程よい食いつき感で、グリップ2だったら良いのになと思いながら打っていました。
まさか、スピードが一番出ていたとは信じられませんでした。
そもそも私にとっては、フォアハンドが苦手なショットということもあり、260gと軽量だったのが良かったのかもしれませんが、面ブレもなくしっかり押せる感覚がありジュニアラケットも本気で作っているプリンスと感じました。
前回に「X100ツアー」「X97ツアー」のレポートをしましたが、今回試打したビースト4機種にも共通するものがありました。
打球感が似ていて、しっかりとした手応えの中に、包み込むような柔らかさがあり、余韻の振動が非常に少なく、胸のすく気持ちいい爽快感が残ります。
同じシリーズを続けることで完成度が高くなっているようです。 トラックマンのデータを細かく見てみると、
「ビーストライト 100」
ボールスピード105km、回転数829回転、打ち出し角度8.2度、着弾地点の面積13.1㎡
「ビーストO3 100(280g)」
ボールスピード101km、回転数1358回転、打ち出し角度8.6度、着弾地点の面積13.3㎡
「ビースト 100(280g)」
ボールスピード104.5km、回転数1109回転、打ち出し角度8.9度、着弾地点の面積26.2㎡
「ビーストO3 100(300g)」
ボールスピード100.7km、回転数1006回転、打ち出し角度9.1度、着弾地点の面積4.4㎡
「ビースト 100(300g)」
ボールスピード97.6km、回転数776回転、打ち出し角度10.1度、着弾地点の面積11.7㎡
「ビーストO3 104」
ボールスピード101.2km、回転数748回転、打ち出し角度8.4度、着弾地点の面積9.9㎡ **以下は中居の個人の見解です**
「ビーストライト 100」
ボールスピードは1番でしたが、回転数が低く、打ち出し角度も最も低いので、ネットする確率が高くなりそうです。
前述の通り、ジュニアラケットから大人のラケットの入門モデルを本気でつくったプリンスの意気込みをとても感じました。
「ビーストO3 100(280g)」
回転数はダントツで一番でした。
その割に、スピードも落ちることなく維持していて、着弾地点の面積も平均的なので、試合になると安心して使えそうです。
「ビースト100(280g)」
ボールスピード2位、回転数2位、打ち出し角度も悪くないのですが、着弾地点の面積がワースト2位で、安定感が出ていません。
試合ではミスが出そうな気がします。
「ビーストO3 100(300g)」
スピードは平均的、回転数は3位、打ち出し角度平均的、着弾地点の面積はダントツの1位でした。
今回試打した10機種でナンバー1はこのラケットに決まりです。
「ビースト100(300g)」
ボールスピード、回転数ともに低い結果になりました。 ビーストは280gにするか300gにするか、O3グロメットにするか、トラディショナルグロメットにするか選ぶことができます。
重さに関しては、今まで使ってきたウエイトが何グラムなのか、プレースタイルはネットプレーヤーなのか、ストローカーなのか、体力はあるのか無いのか等様々なファクター(要因)があります。
基本的には、振れるかぎりは重たい方が良いのですが、【後半疲れてくる】【サービスゲームが辛い】などがあれば軽くした方が良いでしょう。
O3グロメットかトラディショナルグロメットかは打球感の好みになります。
O3グロメットのメリットはストリングの可動域が大きくなることで、スイートスポットが広くなり、スピン・スライスの回転量が増えます。
トラディショナルグロメットのメリットは打球情報がダイレクトなので、コントロールがつけやすく、どこで捉えているか把握しやすくなります。
今回、ナンバー1になった「ビーストO3 100(300g)」は当然良いラケットなのですが、
私が選んだのは「ビーストO3 100(280g)」の方です。
理由としては、回転数がダントツに高かったことと、やはり20g軽いことです。
構えているところに飛んでくる10球を打つのと、走りながら100球以上打つのでは、結果も当然違っていきます。 今作のビーストは、軽量ラケットの欠点である打ち負け感がなく、
中身が詰まった濃厚な打球感からくるコントロールのつけやすさを感じました。
無理して300gの重さにして、後半辛くなるより280gで軽快にプレーするのもベテランのテニスだと思います。
ドロップショットを拾うのが辛い、ロブを抜かれたら追えなくなってきたという方は、少し軽いラケットに変えても良い頃です。
10年後20年後に「あのプリンスの赤いラケットって、良いラケットだったね。」と言われる可能性のあるラケットに仕上がっていると感じました。
【GEEK通信「伸びる、止まる、曲がるバックハンドスライスが自由自在のX100ツアーはおもしろい。」
2019/08/22
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「伸びる、止まる、曲がるバックハンドスライスが自由自在のプリンスX100ツアーはおもしろい。」
ベテランテニスのJOP大会のシングルスを見ると、バックバンドのスライスを使う選手が非常に多いです。
その理由として年齢が上に行けば行くほど、シングルバックハンドが増えていると思います。
オムニコートを使用するので球足は遅くなり、ノータッチエースは少なくなり、無理にドライブで打ってミスをすることを避けるようになります。
3セットマッチの試合もあるので、体力の温存として省エネのスライスを多用します。
ベテランの試合ではドロップショットが重要で、スライスショットのフォームからドロップショットは打ちやすく相手に読まれにくくなるなど、、、
色々な理由でバックハンドスライスを使う選手が多く、重要なショットなのです。
プリンスから発売された画期的なラケット「X」は、ツイストパワーテクノロジーを搭載したフォアとバックが違う性能のラケットで、バックバンドのしなりがフォアより11%柔らかくなるものでした。 当初は、テニス経験の浅いバックバンドが苦手なプレーヤー向けに発売したのですが、
上級者からの評価も高く、今回100平方インチで300gの黄金スペックのものと97平方インチで310gの上級者向けモデルの2機種を追加発売したのです。 ベテランテニスのランキング上位の選手は「待っていました!」と言わんばかりに、次々とこちらのラケットにチェンジしているという噂を耳にしました。
先日発売元のグローブライドの本社にお邪魔し、徹底的に試打をして参りました。
ヒッティングの相手が、ラケット開発責任者のSさんで関東オープンベテラン優勝の実績があります。 奥様は現役時代は全国大会で活躍した有名人で、息子は現役Jリーガーのスポーツ一家です。
まずは、97平方インチで310gの【X 97 ツアー】から打ってみたのですが、テニスラケットとしての完成度が高く、ボールを包み込むような打球感が気持ちよく、余計な雑味の無い本格派なラケットに仕上がっています。
スイートスポットは決して広くはありませんが、芯に当たった気持ち良さを楽しみながら、ストロークでフラット・スピン・スライスを自在に操ることができます。
プリンス契約プロも使っていてもおかしくないくらいのラケットと感じました。 次に試打したのが、100平方インチで300gのモデル【X 100 ツアー】で、打球感は【X 97 ツアー】と同じで包み込むような打球感があり、気持ち良いのですが、【X 97 ツアー】に比べてパワーがあり、ボールの伸びがよく7掛けのスイングで十分でした。
バックバンドはびっくりするくらい上手に打つことができました。
Sさんは【X 97 ツアー】で私は【X 100 ツアー】でバックバンドのスライスだけ選手権のように、すべてスライスで打ち合いましたが私の完全勝利でした。※譲っていただいたのもあると思いますが
インパクトが長いので、十分に回転をかける時間的余裕が持てます。
直線的に飛んでいるのですが、滞空時間が長くベースライン付近で着弾し、バウンド後に伸びがあります。
このスライスが打てれば試合中に守ることもできますし、相手からの攻撃も受けなくて済みます。
私はフォアハンドが苦手であまり強打ができないのでスライスをよく使います。
【X 100 ツアー】を使うと、バックバンドは伸びあるスライスと切れのあるドライブが打てますが、フォアハンドでスライスを打つとボールが持ち上がらずネットすることもありました。
フォアサイドとバックサイドの剛性の違いがよくわかった瞬間でした。
当然、フォアハンドを強打する方は剛性の高い方が面ブレが起きずパワーロスもなく安定しているのですが私はレアケースです。 ただ、フォアサイド側もバックサイドと同じ硬さにすれば良いのかというと、また違う感じがします。
捻ってあるからこそ生まれる「しなり」と「捻れ」の融合みたいなことがあるのだと思います。
イメージとしては、インパクトの瞬間、地面に対して垂直に当たり、フェース面の地面側はしならず、空側だけしなる(フェースが開いて閉じる)ような感覚です。 【X 97 ツアー】より【X 100 ツアー】が個人的に良かった理由がもう一つあります。
ストリングパターンが【X 97 ツアー】は16×19に対し、【X 100 ツアー】は16×18で少し粗い設計となっています。
現在使用中のレヴォCS10.0も16×18なので、もともと相性が良かったのかもしれません。 ストリングパターンは細かいとボールを潰しやすく、粗いと食いつきがよくスナップバックが起こりやすくなります。
ボールを潰せるスイングスピードの方は、ヘビースピンがかかり、エッグボールで攻撃できる16×19で、 スイングスピードがそれほど速くない方は、ストリングのスナップバックを利用して、スピンとパワーをアシストしてくれる16×18がおすすめです。
今回はストロークとボレーのみの試打でしたので、試合形式でどのような感触なのか、次回試してみます。
その結果次第では購入もあると思います。 *こちらのモデルは左利き用もラインナップ
【GEEK通信】「発見!クラッシュ108は打っても打ってもアウトしない不思議なラケット」
2019/08/09
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「発見!クラッシュ108は打っても打ってもアウトしない不思議なラケット」
先日、Y田さんとシングルス7セットやった話しの後日談です。
月曜日に4時間シングルスをやり、その週の木曜日にまたY田さんと4時間シングルスをプレーをしました。
Y田さん「実はまだ疲れが取れてないんです。」
私「そうなんですか、自分は昨日も4時間テニスしましたよ。でも全然大丈夫です。」
Y田さん「自分より3つも年上なのに、凄い体力ですね。」
私「体力じゃないんです。疲労をためないようにしているんです。」
Y田さん「どうしているんですか。」
私「重炭酸イオンのお風呂に入っています。これが効果あるんです。」
Y田さん「それ欲しいです。」
重炭酸イオンを発生する入浴剤「アスリートリラックス」こちらがオススメです。
※使用感には個人差がございます
きっかけは、炭酸ガスの温泉に入ったときに気持ちよく、温泉を出た後も血流が良くなっているのか冬なのにずっと暖かさが続きました。
翌日にはテニスの疲れがなくなっていました。
炭酸ガスを調べてみると、重炭酸イオンがもっと効果があることがわかり、それ以来、自宅のお風呂で使用しています。
38度前後のお湯に15分浸かると、重炭酸イオンの効果があらわれます。
・重炭酸イオンが血管に取り込まれると「体内NO」という健康物質が分泌され、血管が拡張し、血流がよくなります。
・血液中の酸素量が増え、ミトコンドリアの働きが活性化。酸素を使うエネルギー生成が行われ、体温が上がる。
・血流が上がると副交感神経のスイッチが入り、リラクゼーション状態となって快眠、疲労回復が促進
・血管拡張によって血液中のリンパ球の動員が容易になって、リンパ球が増加し免疫機能が向上する。
よってシングルス4時間やっても、翌日に疲労が残り辛くなるのです。
その日の疲れはその日のうちに。
蓄積されるといつも疲れている状態が続いてしまいます。
痛い肘、膝をマッサージしていると15分はあっと言う間に経ってしまいます。
一回300円で、家族からも感謝されること間違いなし。
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■「アスリートリラックス」はウインザー各店店頭にて取扱っております。
10粒入り
ウインザー価格:¥1,080(税込)
30粒入り
ウインザー価格:¥2,700(税込)
*********** テニスコートでクラッシュを使用しているプレーヤーをよく目にします。
今回のダブルスの対戦相手が2人ともクラッシュだったのですが、ネットに出てウォッチしたボールがストンと落ちて入ること多数。
スピードはあまり出ていないのですが、確実に入っていきます。
アマチュアにはスピードより、コントロールが大事ですよね。
プロはスピードが出るラケットでコントロールする技術がありますが、アマチュアはスピードが出るとミスが出やすい傾向にあります。
クラッシュのしなりはミスショットの許容範囲を広げてくれているようです。
ということで、クラッシュをいちから打ち直してみました。 ある発見がありました。
クラッシュ108が程々にパワーがありながら、打っても打ってもバックアウトしないのです。
※個人差によります
私にとっては、100ツアー、100、100L、98の4機種はパワー不足で必要以上に強打しないと深く飛ばないことが多いです。
ところが、108は軽く打つと深いボールが行き、ハードヒットすると浅いボールになるのです。
不思議な現象はなぜおこるのでしょうか。
まずはスペックを確認してみましょう。 ***********
クラッシュ108:ウエイト280g、バランス335mm
クラッシュ100:ウエイト295g、バランス310mm
クラッシュ100L:ウエイト280g、バランス315mm
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まず気がつくのはバランスの違いです。
280gで335mmというのは、かなりトップヘビーです。
バーン100LS:ウエイト280g、バランス325mm
ウルトラ100L:ウエイト277g、バランス325mm
ですのでウイルソンのラインナップの中でもトップヘビーで、ましてやクラッシュはトップライト設計のモデルです。
さらに、さらにクラッシュ108は0.25インチロングなのです。
これは間違いなく、パワーアップが狙いです。
力があまり無い女性でも楽々飛ぶように設計したのかもしれませんが、ハードヒットする男性でも使えることは想定外だったかもしれません。 なぜ、ハードヒットすると浅くなるのかというと、クラッシュ特有のウッド並みのしなりが原因と考えます。
軽く打つとあまりしならないので、フェース108平方インチ、バランス335mm、0.25インチロングのおかげでパワーが生まれ深くて威力のあるボールが飛んでくれます。
ところが、ハードヒットした途端にボールの軌道が変わるのです。
ネットを越してすぐに「グググ」とスピンで沈み込むのです。
打てば打つほど沈み込む感覚があり、アウトボールはほとんどありません。 ダブルスのゲームで使ってみたのですが、普通に打つだけでリターンがよく沈みます。
センターへの突き球も良いボールが打てるのですが、アレーを狙ったアングルショットがサイドアウトせずに入るので安心して角度をつけることができます。
球乗りが良いのでボレーもミスが少なく、元々、軽く打つと飛ぶラケットですので、ボレーの威力もあり、ネットプレーは軽快です。
私の中で最近チャレンジしていることがあるのですが、相手の前衛がネット際まで詰めている場合にトップスピンロブでストレートに抜くリターンを練習しています。
抜ければそのままエースになることが多いのですが、浅くなればスマッシュを決められ、スピンのかかりが悪いとバックアウトしてしまいます。
クラッシュ108でトライしてみたところ、面白いように見事に決まりました。
インパクトの時間がながいので、成功に結びついてくれたようです。 ダブルスでスピンを操りたい男性におススメの一本です。
対戦相手がクラッシュを使っていたら、要注意です。
際どいボールはウォッチせずに打ち返しましょう。
【GEEK通信】「ヘッドから10年ぶりの新シリーズ グラビティを試打」
2019/08/01
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「ヘッドから10年ぶりの新シリーズ グラビティを試打」
ヘッドから新しく発売されるラケット「グラビティ」の名前を聞いた時は、「ビクッ」としました。
なぜかというと、グラビティという名前のストリングが発売されており、張るのに苦労したことを思い出したからです。
グラビティというストリングは、縦糸が正三角形で横糸が円形のハイブリッドポリエステルです。 縦糸が1.25mmの表示なのですが、円形のストリングならば、直径1.25mmは普通のゲージですが、三角形の1.25mmは高さを表示しています。
三角形の一辺の長さを計算すると、1.44mmになるので相当太いストリングになります。
ラケットのストリングホールの大きさも色々あり、その時張ったラケットが小さなホールだったので、苦労した日がありました。
「グラビティ」という名前で一瞬ためらってしまったのはそういう過去があったのですが、ラケットを試打してみると別世界が待っていました。
初めて見たのは、パンフレットだったので、2色展開のラケットだと思っていました。 実物を見てびっくりしました。 ラケットのスムース面、ラフ面でカラーが異なっていたのです。
打つ面によって性能が違うわけではありませんが、フォアとバッグで違う面で打てたり、試合前のトスの時にわかりやすかったりするなど面白いデザインですね。 ビッグ3の牙城を崩すのは、ズべレフ選手(グラビティ)、ティーム選手(ストライク)、チチパス選手(ブレード)の3人と言われていますが、偶然にも3人のラケットの新作がこの夏に揃い踏みになります。
ヘッドは10年前にジョコビッチモデルとしてスピードシリーズを発売して以来の新シリーズの登場になり、ズべレフ選手に対しての期待の表れだと思います。
ラケットを正面から見ると、2時10時の幅が広くかなり丸くなっています。 また、5時7時の位置に新素材を採用し、食いつきをよくしています。 試打は軽い順に、
グラビティS(285g)→グラビティMP(295g)→グラビティツアー(305g)→グラビティプロ(315g)
の順番で打ちました。 グラビティSの第一印象は、楽によく飛んでスピンがかかるでした。 グラビティMPは、Sに比べて打ちごたえがあり、コントロール性能がより高くなっているようでした。少し飛びを抑えたラジカルMPのような感じです。 グラビティツアーは、このあとに打ちましたグラビティプロとセットで解説します。
ともに18×20の密なストリングパターンを採用し、打球感、コントロールを重視した設計になっています。
ウエイト以外の大きな違いはフレーム厚がツアーが22mmに対して、プロはさらに2mm薄い20mmになっています。
試打用はシンセティックガットPPSを46ポンドで張ったのですが、面圧が64も出てしまい硬すぎたかなと思ったのですが、いざ打ってみるとラケットの打球感がソフトなので、全く硬く感じませんでした。
グラビティツアーが弾く感触があるのに対して、グラビティプロはしっとり乗る感触です。
ともに18×20のストリングパターンですので、ストロークの飛び出し方向は低めに感じます。 今回試打をしたのは、2面12名4時間のダブルスオフでした。
4機種を順に使用しながら、テニスの調子も良くてここまで全勝です。 次のゲームで組む相手は、今回参加しているメンバーの中では最も初級に近いAさんです。
ただ一番早くコートに来て素振りをしているのを私は知っていました。
対戦ペアは今回の参加の中でも上手な二人が組んでいます。
かなり緊張しているのがわかったので、Aさんに近づいて耳元で囁きました。
「ここまで全勝なので、頼みます」
わざと緊張感が増すようなことを言ったので、初めはびっくりされてましたが、その後は笑ってくれました。
Aさんの緊張も解け、いつも以上の頑張りで勝利することができました。
このゲームにどうしても勝ちたかったので、安心してプレーできるラケットはどれかと考えて選んだのは、グラビティMPでした。
1球の威力はグラビティプロですが、確実にミスなくプレーをしたかったのとボレーは16×19のストリングパターンが行いやすいので、グラビティツアーと迷いましたがMPを選びました。 グラビティシリーズ全般に言えるのは、粘りのある柔らかい打球感から安心感を得られることです。
ストロークはスピンでもスライスでもしっかりと体重が乗り、見た目以上の威力が出ます。
ボレーは、グラビティSとグラビティMPは行いやすいですが、グラビティツアーとグラビティプロは踏み込みが必要です。
プレステージシリーズとスピードシリーズの間に位置するようなアスリート向けのグラビティと使用するズべレフ選手に注目です。
【GEEK通信】「ピュアストライク5機種をダブルスでテストしてみました」
2019/07/18
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「ピュアストライク5機種をダブルスでテストしてみました」
バボラピュアストライク5機種を持って、とあるテニスコートでプレーをしました。
この日は4人でダブルスのオフなのですが、集まってみたら皆様凄い方達でした。
主催の方は、ポリエステルを数日で切ってしまう超ハードヒッターで、残りの二人は全国大会常連のベテランとインカレサークルの大学生です。
試打をしているどころではないメンバーが集まりましたが、翌日に控えていた "ミスターバボラ" 大塚氏とのプロモーションビデオ撮影があり、打つしかないのです。
それに、ラケットはピュアストライクしか持参していません。
個人的に扱いやすいスペックから順番で打つことにしました。
①ピュアストライク100チーム(280g)→②ピュアストライク100(300g)→③ピュアストライク16×19(305g、98インチ)→④ピュアストライク18×20(305g、98インチ)→⑤ピュアストライクツアー(320g、98インチ) ピュアストライクチーム(100)でスタートしたのですが、案の定ミスを連発してしまい1-5のピンチです。
ピュアストライク100に持ち替えてから、良いショットが入り出し、なんとかタイブレークでハードヒッターと学生のペアに勝ちました。
ピュアストライク16×19で全国ベテランと学生ペアに勝ち、ピュアストライク18×20でハードヒッターと全国ベテランペアに勝ちました。
ピュアストライクツアーでハードヒッターと学生ペアと2度目の対戦をした時のことです。
私はアドバンテージサイドを守っていたのですが、相手のアプローチショットがベースラインギリギリのアレーに入っていきました。
ロブかスライスでの返球と全員思っている場面で、ドミニク・ティエム選手のようにバックバンドをクロスに振り抜きました。
鋭角に飛んでいき相手側のアレーに入るノータッチエースとなりました。
また私が前衛で全国ベテラン出場者のアドコートからのサービスの時、ロブで自分の頭上を抜かれてそれを追いかけ振り向きざまにバックバンドで振り抜くと、逆クロスにエースとなりました。
重さ(320g)で振り遅れたのがアウトサイドにスピンがかかり良い結果となりました。今回の試合ではなんと強敵相手に全勝。(これもすべてラケットのおかげではないでしょうか。)
扱いやすい→難しいの順番で打ったのですが、段々と打ちやすくなっていったのが不思議でした。
試合の翌日 、"ミスターバボラ"大塚氏にその質問【段々と打ちやすくなっていった】をしましたが、、、この回答についてはいずれ動画として掲載しますのでチェックしてみてください。 NEWモデルのピュアストライクシリーズは全体的に前作よりも、マイルドな打球感になっており、難しいラケットを扱い易くしてくれています。
ピュアストライク(18×20)や320gのピュアストライクツアーは決して簡単なラケットでは無いのですが、 芯に当たっている限りでは他の機種に無いヘビーなボールが飛んでくれます。
正面から見たラケットの厚みは恐らくこれ以上薄いラケットは無いであろうと思われます。
メリットとして振り抜きが良くなりスイングスピードが向上し、攻撃的なプレーが可能になります。
「ピュアストライクチーム」※8月発売予定
決して楽なラケットではありません。
しっかりとしたスイングができている方で、
体力があまりない、女性、ジュニアにオススメです。 「ピュアストライク100」※8月発売予定
オールラウンドなプレーを目指しながらも、ストロークでは攻めたい方にオススメです。
ピュアドライブでは飛びすぎてしまうという方にオススメです。 「ピュアストライク16×19」※10月発売予定
とにかく振り抜く方にオススメです。
ストロークの威力、サービスの切れで勝負できるラケットです。
攻撃は最大の防御なり。 「ピュアストライク18×20」※10月発売予定
コントロールを重視している方にオススメです。
どこで捉えているか敏感に伝わっていきます。
ストリングがすぐに切れてしまうが、ポリエステルではなくナイロン系を張りたい方も安心と思います。 「ピュアストライクツアー」※10月発売予定
面ブレが少なく、リターンが安定します。
体力に自信のある方、重さを活かしながら省エネテニスをする方など思っていたよりも幅広く使えるモデルです。 振動止めを付けずに試打したのですが、不快な振動はなく気持ち良い音、打球感でした。デザインも斬新でカッコイイラケットです。
発売が今から待ち遠しいですね。
【GEEK通信】「ウイルソンクラッシュ98は、こんなラケット欲しかった!と思える逸品」
2019/06/07
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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「ウイルソンクラッシュ98は、こんなラケット欲しかった!と思える逸品」
膝の怪我(打撲)もだいぶ癒えてきましたので、6月からシングルスを再開しました。 ダブルスばかりプレーしていると、リターンやベースラインからのストロークを強く打つことが癖になります。
「何言ってんの!?逆でしょ?」と仰る方もいると思いますが、私の場合は、ダブルスは強打でシングルスはゆっくりスローボールなのです。
ダブルスの場合前衛がいますので、ポーチされないようにクロスに強打とストレートアタックの強打なのです。 かたやシングルスはミスをしないようにゆっくりと深いボールを打つことを心がけています。
ベテランシングルスは、エースはほとんど無くどちらかのミスを引き出した方がポイントを奪うのです。
そのようなベテランシングルスの戦い方を参考にさせていただいたのが、テニスライズ代表の河合氏です。
河合氏とは、彼がテニスコーチになる前からの知り合いで過去100戦以上対戦していますが、一度も勝ったことがありません。
今回8年ぶりにシングルスの試合を行いました。河合氏は実は8年前に足を複雑骨折しており、以前のように試合に出るのは無理なのではと思われていました。
それから奇跡的に回復し、今年からベテラン大会に復帰したとのことです。
当時の怪我があったこともあり、サービスはスピードを落としてファーストを確実に入れてくる、ストロークはフォアハンドはスピンで確実に入れてくる、バックハンドはすべてスライス。
一進一退で5-5になり、河合氏のサービスゲームです。
ここでギアを入れたのかワイドにサービスエースがきました。
5-6になり私のサービスで、積極的ににアプーチを打ちネットに出ました。すると河合氏からバックハンドでキレッキレのパッシングをされました。
5-7でファーストセットを落としましたが、河合氏は50%くらいの体力消耗に対し、私は100%全開でしたのでセカンドセットでは2-6とあっけなく取られてしまいました。
試合後、河合氏に聞いてみました。
私「昔みたいにガンガン打ってこないけど、足の具合はいかがですか。」
河合氏「足はもう大丈夫です。ベテランの試合は打っても返ってくるから、深いボールでミスなく粘ることだね。」
私「確かに、スライスは深く入ってきてやりづらかったですね。」
ここぞの場面のために体力を温存しているようでした。私も次からは、この戦略をやってみたいと思います。 大好評のウイルソンクラッシュに、クラッシュ98、クラッシュ100L、クラッシュ108の3モデルが追加になるので、早速打ってみました。 クラッシュの卓越したしなりは、フェース面が小さめでフレーム厚が薄めのラケットと相性が良さそうだということを常々思っていましたが、、、ついに出ました。
クラッシュ100ツアーとクラッシュ98はウエイト、バランスがまったく同じ、310g、306mmですが、打球感がまるで違いました。
クラッシュ100ツアーはしなるのに、あまり柔らかさを感じませんでした。
それはなぜなのか、クラッシュ98を打ってやっとわかりました。
言葉として表現するのは難しいですが、表現でするならば、[しっとりしている]か[カラッとしているか]の違いと感じました。 ■クラッシュ98は、中身が詰まった感覚があり、しなりと相まって、ひと昔前のラケットの打球感に感じました。
古いと言うわけではなく、安心感があり、自分の思っている範囲内でボールが飛んでいってくれます。
手に伝わる柔らかさがイメージ通りで心地良い打球感です。 ■クラッシュ100ツアーは、中空系の打球感でありながらしなりの大きいラケットで、慣れないと力の入れ具合が難しいところがあります。
錦織圭選手も動画で「ポーンと飛んでいく、タイミングが合わないくらい柔らかい」というような内容を語っていました。
今まで数多くのラケットを打ってきた中で、見た目である程度どんなラケットかイメージすることがあります。
クラッシュ100ツアーはいい意味で裏切られます。クラッシュ98は、イメージした通りの弾道で飛んでくれます。
ボールを押すように打つベテランプレーヤーには是非打ってもらいたいラケットです。 ■クラッシュ100は、フェース100平方インチ、フレーム厚24mm、ウエイト295g、バランス310mmのクラッシュシリーズ5アイテムのど真ん中のモデル。
男女、プレーレベル、プレースタイルを問わないユーティリティモデル。迷ったらこちらのモデルです。 ■クラッシュ100Lは、是非女性に使っていただきたいラケットです。
280gですのでまさに女性の平均的ウエイトで、しなることでスイングスピードが速くない方でも、コントロールがつけやすくスピンをかけるのが苦手な方でも自然とかかってしまいます。 ■クラッシュ108の特徴はバランスが335mmということで、クラッシュ100Lは、同じ280gで315mmですから、20mmも違います。
その20mmの違いはストロークやサービスのパワーとなって現れます。
クラッシュシリーズ最大の特徴はしなりですが、しなりによりパワーを奪われるのも事実です。
そこでクラッシュ108は、トップヘビーバランスと0.25インチロングでパワーアップしているのでしょう。 一見ダブルス向きかと思いますが、ストロークの安定感からベテランのシングルスにも良い結果が出そうな気がします。
【GEEK通信】「ラケット選びはスイングウエイトが大事です。もっと大事なのは自分の感覚です。」
2019/05/23
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
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「ラケット選びはスイングウエイトが大事です。もっと大事なのは自分の感覚です。」
皆様は、ラケットを選ぶときに何を意識して選んでいますか。
ウエイト、バランス、スイングウエイト、グリップ形状、塗装の仕上げetc。
もちろん気にしないという方もいらっしゃると思いますが、グリップを握ってみたり、軽く振ってみると1本1本違うことが分かると思います。
始めに申し上げますが、自分の感覚が一番大事です。
人間の持っている感覚はどんな精密機械よりも敏感で正確です。
グリップを握って振ってみるだけで、
グリップの太い細い、グリップの八角系の形状の違い、重い軽い、トップヘビー、トップライト、もしかしたら空気抵抗もわかるかもしれません。
スイングした時の音の違いもわかるかもしれません。
人間は五感を使って総合的に判断できるのです。

ですが、直感で選べなかった場合に悩み出すことがあります。
この時はウエイト(静止重量)、バランス、スイングウエイト(動的重量)を計測してみましょう。
ラケットに刻印されているウエイト、バランス(プリンスはスイングウエイトも刻印されています)はあくまでも平均を記載しており、プラスマイナス5くらいの誤差があることを認識いただければと思います。
ウエイトはボールの威力に直結する非常に重要なファクターです。
スイングスピードが一定ならば重たければ重たいほど威力が出ます。
相手のボールの威力を利用してコンパクトに振るプレーヤーは重い方が良く、
相手のボールに関係なく自分自身のスイングを速くして打つプレーヤーは、重た過ぎない方が良いということになります。
引退した伊達公子氏のラケットが数量限定で発売されましたが、なんとウエイトは355gでした。
バランス302mmから予想できるスイングウエイトは320前後でしょうか。
伊達公子氏の打ち方は、相手のボールの威力を利用して小さなテイクバックからライジングで打つ打法でした。
スイングを速くすることよりも、ラケットの重量で威力を出す選手と感じました。
実際には、人間のスイングスピードは一定ではなく、ショットによって異なりますし、前半のプレーと後半のプレーでも変わっていきます。
ちなみに「ウエイト×スイングスピードの二乗」にボールの威力は比例していきますので、 スイングスピードに影響を与えるほど重たくしてしまっては元も子もありません。
気持ちよく振れるギリギリ重たいものがベストウエイトになります。
私は現在255gのラケットを使っていますが、それまでに使っていた285gより、サービスが10km速くなりました。 これはラケットを軽くしたことによりスイングスピードが速くなったためです。
ラケット選びで重要な要素は
スイングウエイト > ウエイト > バランス
になります。

テニスのスイングはほとんどがグリップを支点に動いています。
静止重量(ウエイト)より動的重量(スイングウエイト)が重要なのです。
先日オーストラリア在住のSさん(日本人女性)がラケットを2本持って来店されました。
調子の良い1本は折れてしまっていて、同じラケットを使っているのですが、残りの1本はなぜか調子が良くなく、 「きっとスイングウエイトが異なるのでは?」
と、わざわざ日本に持参したのでした。
オーストラリアではスイングウエイトを測る機械を見たことが無いそうです。
計測の結果は、ウエイトはほぼ同じでしたが、スイングウエイトが10以上違っていてまるで別物でした。
折れている方に近いスペックをスイングウエイト重視で計量し、見つけたときは大喜びでした。

スイングウエイトは280~290が平均的で、290以上は体力のあるプレーヤーに向いています。 280以下は操作性重視のプレーヤーに向いています。
また、2本同じラケットを揃える時は、なるべく近いスイングウエイトを選びましょう。

下記の画像は、スイングウエイト、ウエイト、バランスを計測できる機器です。
※ウインザーラケットショップ各店に常設しております。
もし、ご来店時に近いスペックが見つからなかった時は、
ウインザー11店舗の在庫の中から探すことも可能ですので、ご遠慮なくお声をお掛けください。
あなたは現在使っている自分のラケットのスペックをご存知ですか。
ガットが無い状態でお持ちいただければ、簡単に計測することができます。
張り替え時に計測することもできますので、是非ご用命ください。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2019/05/16
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。 相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。 以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。 中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。
上から下に叩きつける動作が入るとネットミスになります。
そこで、バランスがトップヘビーのものはヘッドが被りやすくなるので除外します。
また、重量の重たいものも振り遅れにつながるので除外します。
ウエイトが280g-285gでバランス320mmのものと、
ウエイトが300g前後でバランス315mm以下のトップライトのものをチョイスしました。

【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「シングルス向きラケット、ダブルス向きラケットを検証してみました」
2019/05/02
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「シングルス向きラケット、ダブルス向きラケットを検証してみました」
モンテカルロマスターズダブルス男子決勝を見ていると、4人全員ヘッドのラケットバッグで入場してきました。
ラケットバッグからラケットを取り出す選手たち。
プレステージ、プレステージ、プレステージ、まさか4人目もプレステージ!
スピードでもなく、ラジカルでもなく、インスティンクトでもなく、エクストリームでもなく、なんと全員プレステージ使用していました。
マスターズ1000の決勝ですから、ラケットの宣伝効果はかなりあるはずですが、観客席は少し少ないような状態でした。
観戦するスポーツとしては、シングルスの方が人気で、プレーするスポーツとしてはダブルスが人気ということでしょうか。
テニスにはシングルスとダブルスがあります。
私は両方ともプレーしますが、中にはシングルスのみの方、ダブルスのみの方もいらっしゃいます。
プロを見ても、ダブルスのみプレーをするスペシャリストも沢山います。
有名なところでは、ブライアン兄弟やジェイミー・マレー選手(アンディ・マレー選手の兄)はダブルスのスペシャリストです。
昔はジョン・マッケンロー氏やマルチナ・ナブラチロワ氏が両種目でナンバーワンになったこともありますが、最近では両種目で健闘しているのはジャック・ソック選手が思い浮かびます。
現在【2019年4月29(月)】、ダブルスが2位でシングルスが149位ですので、やはり両立は難しいのでしょうか。
シングルスとダブルスの一番の違いはリターンではないでしょうか。
シングルスの場合はなるべく深くリターンするのに対して、ダブルスは浮いたリターンはポーチされてしまいますので、低い弾道でローボレーをさせるように浅く打ちます。
シングルスはまずミスをしないように確実に返します。エースを狙うことはたまにしかないと思います。
ダブルスはリターンから勝負をかけていきますので、強くセンターに、鋭角にトップスピン、ストレートアタック、ロブ、ネットに出ない相手にはドロップショットも。
ボレーの重要度にも違いがあります。
アマチュアの場合、人によってはシングルスで一度もボレーしないままゲームセットを迎えることもあります。
ダブルスでは、ありえないことです。
ダブルスでは前衛の動きや平行陣でのボレー、スマッシュが重要になります。 シングルスでは先に決めるよりも、先にミスをしないことが勝利に近づきます。
ダブルスでは逆で先に仕掛ける方が有利に展開していくことの方がよく見受けられます。
以上を踏まえた上で、シングルスに向いたラケット、ダブルスに向いたラケットを検証していきましょう。
シングルスに適したラケットは、ストロークが安定してミスが出にくいモデルです。
「バボラ ピュアアエロ」
攻撃的なスピンを可能にするパワー系モデルで、スピンでワイドに振り相手を走らせ、甘くなったところを回り込んでのフォアハンドで決めるプレースタイルに向いています。(R・ナダル選手使用モデル)
「ウイルソンウルトラツアー95CV」
フラットドライブで早い展開で勝負するモデルで、ベースラインの内側からライジングで打ち相手に余裕を与えないプレーに向いています。(錦織選手使用モデル)
「ヘッドグラフィン360スピードプロ」
フラットからスピンまで多彩なショットを可能にするオールラウンドモデル。(N・ジョコビッチ選手使用モデル)
「ヨネックスVCOREプロ97」
厚い当たりで押せる本格ボックスタイプ。アウトを気にせずフラットな当たりで打て、またアングルショットがよく沈みます。(S・ワウリンカ選手使用モデル)
「ダンロップCX200」
マイルドな打球感でありながら、ベビーなボールが生まれるモデル。現代風の横振りスイングに合っており、フォロースルーは背中にという方にオススメ。(使用選手多数。)
「プリンスツアー100」
攻めのストローカーは310g、繋いで粘るストローカーは290gがオススメです。 また、スピン系の方はツアーO3 100の方が振り抜きが良くスポットも広いのでよりいいでしょう。
「プリヂストンXブレードBX305」
とにかくプレースメントがしやすいラケットです。
ラケット全体がしなるので、スピンでもスライスでも最後の一押しが効き重たいボールが操れます。
ダブルスに適したラケットは、操作性が良く、ボレー・スマッシュが打ちやすいモデルです。
「バボラピュアドライブチーム」
285gだとトップヘビーに設計するのが普通ですが、あえてバランスを320mmとイーブンバランスにすることで操作性能を重視しています。 それでも打ち負けないパワーを備えています。
「ウイルソンウルトラ100L」
277g、325mmの軽量設計。
力のない女性でも打ち負けないパワーがあり、ボレー時の食いつきの良さがミスのない手堅いプレーを可能にしてくれます。
「ヘッドインスティンクトS」
285g、320mm設計。
柔らかい打球感から受ける印象を裏切るパワフルなボールが飛び出します。
「ヨネックスEゾーン100(LG)」
285g、325mm設計。
広いスイートスポット、マイルドな打球感、球乗りがよく自分からミスするイメージの湧かない安定感のあるモデル。
「ダンロップCX400」
285g、330mm設計。
フレーム内部にインサートされたソニックコアの効果で、衝撃を吸収し、まったりとした打球感を実現しています。コントロール派の方にオススメ。
「プリンスビーストO3 100(280)」
280g、330mm設計。
テキストリーム×トワロン、O3グロメットシステム採用で、パワー、スピン、コントロールの両立が可能に。楽々なのに凄いボールが打てます。
「スリクソンレヴォCS10.0」
255g、360mm設計。
魔法のラケットと形容される平成の名品。
メインストリングが40cmあり、ボレー、スマッシュが楽々。クロスストリングの間隔を広げ、スピン、スライスが自由自在です。
これぞダブルススペシャルモデル。(ギーク中居使用中モデル)
今回は代表的なモデルを挙げましたが、ストリングの種類やテンションの設定を変えることで、シングルス向きをダブルス向きに、ダブルス向きをシングルス向きにすることも可能です。
【GEEK通信】「平成ヒットアイテム=ラケット編=」
2019/04/26
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中居が担当いたします。
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「平成ヒットアイテム=ラケット編=」
平成ヒットアイテムを振り返ってみましょう。
平成元年は西暦1989年です。
この年に発売された代表的なラケットは、ウイルソン「プロファイルハンマー」、ヘッド「プレステージプロ」ですが、 この2機種は現在に続く流れを作った大事なモデルでした。
軽量厚ラケは現在もベテランや力に自信が無い女性になくてはならない存在です。
この2年前に世界初の厚ラケ「プロファイル」が登場し、その爆発的な反発力にテニスに関わる全ての人が衝撃を受けました。
プリンス「サンダースティック」※中居も使用していました ダンロップ「インピーダンス」など厚ラケブームが到来したのですが、重量が330gくらいはありましたので、パワーをコントロールすることができず、薄いラケットに戻す方も多かったのは事実です。 テニスコートの奥行きは23.77mで、約1m(センター0.914m、両サイド1.07m)のネットの上を通過してベースラインの内側に入れないといけないので、ただ遠くへ飛べばいいわけではありません。
厚ラケは球離れが速いためにスピンをかける時間が短い上に重量も重かったために、パワーをコントロールするのが難しく上級者にあまり支持されませんでした。
上級者が支持したのは、ヘッドプレステージプロを筆頭にフレーム厚の薄いボックス型ラケットでした。
フレーム厚の薄いボックス型ラケットは、ラケットのしなりとフェース面のたわみで長くボールを打つことができ、スピンのかかりもよくなり、ハードヒットしてもコートに収まりやすく、またプレーヤーの力加減で飛距離を出しやすいのです。
厚ラケはその後、軽量トップヘビーのハンマー理論が生まれ、軽くても打ち負けないラケットが続々と発売されます。
厚ラケでも軽量であればスピンやスライスなど回転がかけやすくなり、パワーをコントロールできるようになりベテランや女性に大ヒットしたのでした。
平成元年と言えば、マイケル・チャン氏が17歳でフレンチオープンを優勝したのですが、レンドル戦で見せたアンダーサーブは話題になりました。
数年後に発売された「マイケルチャングラファイト」は1インチロングで大ヒットし、各メーカーが1インチロングモデルを次々と発売し、長ラケブームが起きました。 プリンスは熱可塑性樹脂を使ったボルテックス(58,000円)やフレームを二つ貼り合わせたモアシリーズを発売しラケット業界を賑わせていました。
モアシリーズはその後O3システムを生み現在に至っています。 平成の名品は、平成10年に日本デビューを果たしたバボラ「ピュアドライブ」でしょう。 バボラと言えば、ナチュラルガットかガードテープのメーカーというイメージが当時私にありました。
フレンチオープンで優勝したカルロス・モヤ氏がピュアドライブを使用しており、「あれは?」と話題になりました。
一見すると普通の中厚ラケットでしたが、ストリングメーカーの発想からグロメットに画期的な機能「ウーファーシステム」を搭載したのです。
グロメットに半円の膨らみを付け、ピストン運動とローリング運動を起こすことで、インパクトしたボールの箇所が沈み込み、オフセンターでもコントロールを可能にし、スピン性能を大幅に向上させたのです。
あれから20年、進化を続けながら現在も人気を博しテニスコートに行くと1面に2、3人が歴代の青いラケットを使用していることはよくある風景で、「モンスターラケット」と形容されるのもうなずけます。
平成ヒットラケットで忘れてはいけないのが、チタン軽量モデルです。
その先駆けとなったのが、ヘッド「TI.S6」でなんと225gだったのです。(復刻モデルが発売されています) その後、プリンス「サンダーウルトラライトチタン」や ヨネックス「SRQ ti800」など超軽量を売りにするラケットが大流行したのですが、軽量にすると手に来る衝撃が大きくなる問題も起こりました。 ウイルソンはその問題に取り組み、ローラーシステムやトライアド機能で衝撃緩和し現在もトライアド機能を搭載したラケットを発売しています。
チタンではありませんが、軽量デカラケの名品として、忘れてならないのが、平成14年に発売されたダンロップ「スペースフィールプライム」です。 現代のスリクソン「レヴォCS10.0」が10代目で15年続いている「魔法のラケット」です。 私も魔法にはまってしまい未だに魔法が解けていません。
平成30年間、ラケットは大きく変化し、フェース面積がルール上ギリギリの135平方インチが発売されたり、長さもルール上ギリギリの29インチ(長ラケブームが起こる前は32インチまでOKでした)が発売されました。
あなたにとって平成の思い出となるラケットはなんでしょうか。
もうすぐ始まる令和の時代に一体どんなラケットが誕生するのか、今から非常に楽しみです。
【GEEK通信】「ヘッドグラフィン360ラジカル4機種を旧モデルと比べて試打しました」
2019/04/18
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------------- 「ヘッドグラフィン360ラジカル4機種を旧モデルと比べて試打しました」
初代ラジカルが発売されたのは1993年なのですが、今でもはっきりと覚えています。
逆に忘れてしまったら、私の家内に叱られます。(私的なことで申し訳ありませんが結婚した年です。)
当時人気絶頂だったアンドレ・アガシ氏がドネーのプロワンからヘッドに電撃移籍してアガシ氏のために開発したラケットが初代ラジカルだったのです。
あれから26年経ちラケットもかなり進化しています。
フェース面積、フレーム厚、フレーム形状、ストリングパターン、材質が変わり、今回遂に26年間変えなかったグリップ形状を変更したのです。
31年続いているプレステージとこれまでのラジカルは偏平グリップを採用していてヘッドの特徴でもあったのですが、ラケットの進化とともに打ち方も変わってきており、ストロークの握りはセミウエスタンかウエスタングリップ(厚い握り)になっています。
30年前はイースタン(薄い握り)が普通でしたので、偏平グリップ(長方形に近い)がボールを押すように打てて良かったのですが、現在ではボールを潰すように引っ叩きますので、正八角形に近い形状の方が力が伝わりやすいのです。
新しいグリップは、スピードシリーズと同じ形状で馴染みのある方も多いと思います。
もし、昔の形状が良いという方はパレット交換で形を変えることもできますので、店舗でご相談ください。
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■グリップの一辺の長さをノギスで測りました
今までのラジカルのグリップ2
→27.5mm、33.3mm
グラフィン360ラジカルのグリップ2
→29.0mm、31.5mm
※中居調べ
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実際に写真でNEWモデルと旧モデルのグリップを写真撮影しましたが、なかなか伝わりにくものとなりましたので、ぜひお店に来られた際は、グリップの違いを体感してみてください。 前置きはこのくらいにして、「グラフィン360ラジカル」の4機種「PRO」「MP」「MPライト」「S」を早速試打していきましょう。 ストリングはヘッドのベロシティマルチ130を48ポンドで張り上げました。
スピードシリーズやインスティンクトシリーズは縦糸の間隔を均一化していますが、ラジカルシリーズはセンターフォーカスのため、張り上がりの面圧 は「58」と高めになっています。
比較対象として用意した前作グラフィンタッチラジカルMPと新作グラフィン360ラジカルMPの違いから見ていきましょう。
振動止めを付けずに打ってみると打球音が全然違いました。
前作のグラフィンタッチラジカルMPは高音で「パンパン」という打球音に対してグラフィン360ラジカルMPは「ボムッボムッ」と余韻が響かないような音になってます。
比べて打ってみると、グリップの違いが明らかでした。
やっぱり新しく採用した形状は正解だと思います。
フォアハンドのストロークの時に手のひらとの一体感があり、スピンをかけるときの力が伝わりやすく感じました。
打球音の通り前作は弾く感じで、新作は食いつく感じがしました。
食いつきの良さからストロークの安定感、安心感があります。
ボレーでものりの良さがローボレーの難しいショットもしっかり深くコントロールできました。
マイルドな打球感のせいで、簡単なラケットのイメージが先行しますが、ハードヒット時の破壊力はやはりプロモデルらしいボールの伸びを感じました。
次にグラフィン360ラジカルPROにチェンジしました。 打球感、打球音はそのままにストロークの威力が増し、リターンでストレートを狙うと相手のラケットを弾くシーンがありました。
流石に私には重た過ぎてサービスゲームが長くなると辛くなりました。
グラフィン360ラジカルMPライトにチェンジしました。 今度は軽過ぎたのかフレームショットが増えました。
慣れてくるとスピンがかかり、リターンは沈み、トップスピンロブは決まり中々良かったのですが、この日は風速10メートルの風が吹いており向かい風の時は押し戻されるようなボールになってしまい、負けないように力むとコントロールを失ってしまい軽量ラケットの難しさも感じました。
最後にグラフィン360ラジカルSにスイッチしました。 同じ軽量ラケットでも全く性能は異なり、1球目のリターンはバックネットまで飛ばしてしまいました。
フェース102平方インチ、フレーム厚25mmとパワーの出る設計ですので、ハードヒットしなくも十分に威力は出ました。
それでも、ラジカルシリーズ共通の打球感で25mmある中厚ラケットとは思えないしっとりした感触でした。
女性の中上級のプレーヤーにはパワーもあり、マイルドな打球感でもあり人気が出そうと感じました。
今回の改良点である、グリップ形状の変更、食いつき感のアップはストロークを主体に試合を組み立てるプレーヤーには良い方向に受け止めてくれると思います。
アンドレ・アガシ氏からアンディ・マレー氏に受け継がれたラジカル伝説を継承するのは誰なのか、ラケットの発売とともに楽しみになりました。
※発売4月下旬を予定しています
【GEEK通信】「ヨネックスレグナは至高か究極か試打の結果は?」
2019/04/11
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
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「ヨネックスレグナは至高か究極か試打の結果は?」
ラケットの材質の進化は、竹、木材、金属、グラスファイバー、カーボンと半世紀の間に劇的に進化しています。カーボンが使用されるようになってから30年以上になりますが、カーボン自体の進化も見張るものがあります。
カーボン(グラファイト)は炭素繊維をシート状にしてレジン(エポキシ樹脂)で固めて固形化します。
糸状にして編み込むブレードとかスリーブと言われるものやナノチューブなど様々なカーボン繊維が開発されています。
そう言った手の込んだカーボン繊維は非常に高額で、F1のボディや10万円以上するゴルフのドライバーなどに使用され、テニスラケットには部分的にしか使われないのが常でした。
カーボン繊維には【高反発】【振動吸収】【耐久性向上】などの役割があり、高品質なカーボンをふんだんに使用できれば相当良いラケットが出来上がるはずです。
ヨネックスレグナは、高品質な「namd」をフレームトップ、フレームサイド、シャフトとふんだんに使用した贅沢設計なのです。
トリフとフォアグラを使った贅沢料理のように濃厚な美味さを味わえることを期待して、いざ試打してみようと思います。 いつものダブルスオフに来ています。まずはレグナ98でゲームです。
思ったような濃厚な打球感ではなく、硬くて飛ばない印象です。あっけなく負けてしまい、次はレグナ100でチャレンジです。
10g軽くなり、フレーム厚も1mm厚くなり、フェースも2平方インチ大きくなり、楽になるはずが、やっぱり硬くて飛ばないのは大差なく、あえなく敗退しました。
準備運動をほとんどしていなかったので、待機している時にずっと素振りをして体を温め次のゲームではまたレグナ98に戻し、再チャレンジしました。
素振りのイメージのまましっかりと振り抜いた時に、ボールがラケットの真ん中にめり込む感じがして「この感触だ」と実感してからはインパクトに集中してプレーしました。このゲームは勝ち、レグナ100でも勝ち、2連敗の後は5連勝でフィニッシュです。
レグナと言うラケットは決して簡単なラケットではありませんが、良いラケットであることは間違いありません。
ただ良さを引き出すために打つ方も正しい打ち方をしないといけません。
ある程度のスイングスピードがないとラケットがしなりません。
一旦しなったラケットは元の形状に戻ろうとしますが、その復元力が非常に強いと感じました。
体のひねりを使ってしっかりとスイングできたときは、回転のかかった威力のあるボールがベースライン深く入ります。その証拠となるシーンがありました。
アドコートでリターンの場面で、左利きの逃げるサービスがサイドラインギリギリに入り、外に逃げていきます。 あらかじめケアしていたので、何とか届きましたが、完全にコートの外に追い出されてますので打てる場所はアレーを狙ってストレートに打つしかありません。
一か八かで思いっきり叩きますと、相手前衛の横を抜けアウトする軌道からベースライン際で鋭角に落ちて入ったのです。 サイドアウトかバックアウトしてしまうケースですが、一直線にアレーに突き刺さりました。
後で、左利きのサーバーからもこのショットを褒めていただきました。レグナの良さを引き出せた瞬間でした。
レグナ98とレグナ100は、Vコア98とVコア100との位置関係とは大分違います。 Vコアはしっかり打つ98に対して、楽できる100の位置関係ですが、レグナは98もしっかり、100もしっかりの同列の関係です。
しなり戻りの早いカーボン「namd」をふんだんに使っているという先入観から柔らかいイメージを持ってしまいましたが、それは間違いでした。
しなって良い部分としなってはいけない部分があるようで、フェースの真ん中で捉えた時の、しなるというかボールが引っ付くような感覚があり、その後爆発的に飛び出していきますが芯を外すとさっぱりです。
ストリングからボールが飛び出す1000分の4秒とフレームのしなり戻りがシンクロするように作られているのでしょうか。
しなりが大き過ぎるラケットは、しなっている間にストリングからボールが離れてしまうのでスピードがロスしてしまったり、方向が定まらなくなったりしてしまいます。
レグナはしなり過ぎによる弊害が起きないように設計されているようです。 プロや上級者はきっとレグナは柔らかいと感じると思います。
それは飛んでくるボールのスピードと打つ側の速いスイングで起こるボールとラケットの衝突でしなりを感じるからです。
一般のアマチュアでは、たまにしかその条件(速いボールと速いスイング)に出会いません。
結論として、レグナ98とレグナ100の差は自分のレベルでは、見分けがつけられませんでした。
ただ至福の時は「プロのラケットはこんな感じなのかな」と思わせる瞬間がたまに来ることです。
【GEEK通信】「ピュアドライブVSはパワーをコントロールできる優れものでした。」
2019/04/04
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
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------------------------------- 「ピュアドライブVSはパワーをコントロールできる優れものでした。」
日本に初めて入ってきたピュアドライブに私はすぐに飛びつき、使い始めたのは20年以上前のことです。
弾きが良いのに、スピンがよくかかる、当時には無い新しい機能を搭載したラケットでした。
※ピュアドライブとピュアドライブプラスを使い分ける荒業をやっていました。
この頃の私のプレースタイルは、がむしゃらにネットに出ていました。
サーブ&ボレーは当然のことで、リターンからのボレーも隙あらば仕掛けていました。
ボレーの打ち方は「切り過ぎ」とよく言われるくらい逆回転をかけていましたし、バックハンドはほぼスライスでした。
ピュアドライブはスピンをかけないとバックアウトする程パワーがありましたし、ボレーは素直に面を作るだけで良いボールが打てるので、打ち方が個人的に合ってなかったようで、半年程で薄いフレームのラケットに替えてしまいました。
ピュアドライブは20年以上、形状、ウエイト、バランス、フェース面積を変えずに今でも売れ続けている名器ですが、下記のような要望もありました。
「もう少し飛びを抑えたい」
「芯に当たった打球感を味わいたい」
「フラット系の当たりを安定させたい」

今回発売された「ピュアドライブVS」はそのような要望に応えてくれるモデルになっているはずです。早速確かめてみましょう。 打つ前に期待することはありますが、これ程までにドキドキ・ワクワクすることは滅多にありませんでした。
結果から申し上げると、期待を上回るほどに良いラケットでした。
打球感は打ち応えがありながら、決して硬くは無く、食いつき感の残るといった程良いフィーリングです。
ストロークの飛びはピュアドライブに比べ抑えられていますが、スピンをかけ過ぎる必要が無いので、着弾地点までの時間は速いように感じました。 最も感動したのが、バックハンドスライスを打ったときでした。
直線的な低い弾道で、ベースラインまで失速せずに突き抜けたのです。
偶然かなと思って次もスライスを打ったのですが、同じように伸びるように飛んでいきます。
風の強い日でしたが、押し戻されずにバウンド後も滑るように伸びていき、相手は取り辛そうでした。
ボレーの時も同じようなことが起こりました。
軽く打っているボールがバウンド後、「グッ」とひと伸びがあるのです。
インパクトの瞬間、フェース面に食いつき、その後弾く感触があり、掴んで放つようなのです。
サービスもスライスサービスの曲がりが良かったり、スピンサービスのキックもいつも以上でした。
振り抜きが良いことと、掴んで放つフィーリングがサービスでも生きていて気持ちよく打つことができました。 この日はダブルスのオフに参加していたのですが、主催の方がピュアドライブとプロスタッフ97CVを使用していました。
主催者「中居さん、そのラケットはピュアドライブVSですよね。もう手に入れたんですか。」
中居「お店から試打用を借りてきました。」
主催者「ピュアドライブだと飛び過ぎてしまい、プロスタッフを買ったんですが、そのラケット気になりますね。」
ということで、主催の方にも打ってもらいました。
主催者「ピュアドライブ並みにパワーがあるのに飛び過ぎ無いのは良いですね。」
主催の方は購入を検討しますとコメントしていました。
3月発売分は予約で完売するほどのラケットです。5月発売分もすでに予約で残り僅かという段階まできております。気になる方は是非お早めにご検討ください。
※ウインザー各店に試打用ラケットを用意しておりますので、実際にお試しいただくことも可能です。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第四回『シングルバックハンド』」
2019/03/29
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第四回『シングルバックハンド』」
まず初めにこの写真をご覧ください。 シングルバックハンドならではのダイナミックで気持ち良いフィニッシュです。
相手からの回り込んでの逆クロスや、ダブルバックハンドのクロスボールに負けないためには、これほど力強いフォロースルーが必要なのです。
ですが、中々アマチュアでここまで振り抜くのは難しいですよね。
では何故ここまで大きなフォロースルーが可能なのか考えてみましょう。
フォロースルーを大きくしようと思ってスイングしているわけではありません。
強いインパクトを意識してスイングした結果、大きなフォロースルーになったのです。
右腕は体の右端にあります。(左利きの方は左端)
フォアハンドの場合クローズスタンスとオープンスタンスで若干違いますが、右端から左端までの体の幅の間でインパクトをすれば良いので約50cm程の融通性があるかと思います。
バックハンドは右肩を支点としてスイングするのでクローズスタンスが向いています。
もしオープンスタンスで打った場合、テイクバックから打点までの距離が近く、スイングスピードを上げるための助走が短すぎます。
これではどうしても威力のあるボールが打てません。
打点はクローズに踏み込んだ右足から少し前が最も力を出しやすい位置になり、フォアハンドに比べると打点の幅が狭く融通がききません。
バックハンドが苦手な人はスタンスがオープンになってしまったり、打点が遅れて体の横になってしまったりすることでミスしてしまうのです。
フォアハンドでは大丈夫なことがバックハンドではミスになってしまうのです。
しかしながら、バックハンドは打点の幅が狭く打点が定まりやすい事もあり、一度コツを掴んでしまうと再現性が高いのもバックハンドの特徴です。
一方、フォアハンドは、コンチネンタル、イースタン、セミウエスタン、ウエスタンどの握りでも打てます。
打点の位置も自由です。調子が良いときは何も考えなくて良いのですが、
不調に陥ったときに、原因の追求が難しく、立ち直りに時間がかかってしまうことが多いのです。
現に、自分もフォアハンド病にかかってしまい、グリップの握りや打点の位置を色々試すうちに、肘を痛めてしまいました。 スピンをかけると痛みが走るので、フォアハンドはもっぱらスライスです。
バックハンドはまったく痛みはないので、頼みの綱はバックハンドとなり、ほとんどスライスは使用せず、決め球はバックハンドで打つようになり、回り込んでのバックハンドを打っていました。
その結果、苦手だったバックハンドがいつしか自信を持てるショットになり、自分のテニスの中心になってきたのです。
参考になるかは分かりませんが、しばらくフォアハンドはスライスにして、バックハンドのみで勝負するテニスをやってみるのも良いかもしれません。
新しい境地を見つけることができるかもしれませんよ。
さて話を戻しますが、バックハンドが打ちやすいラケットとはいったいどんなラケットでしょうか。
フォアハンドに比べ、シングルバックハンドは、力が入り辛い上に、居合抜きのように一気に振り抜きます。
そのため、操作性能が良く、トップヘビーよりトップライトの方が良いと思われます。
また、フェース面積も小さ過ぎると打点が遠くなってしまい難しくなり、大き過ぎてもシャープに振り抜けません。 フェース面積は100平方インチで、300g以下でバランス320mmが以下が理想です。
さらに、バックハンドはフォアハンドに比べ振り遅れのごまかしがききませんので、球乗りの良い少ししなるラケットが合うと思います。
候補のラケットは、
バボラピュアドライブチーム、バボラピュアアエロチーム(共に285g、320mm) ウイルソンクラッシュ100(295g、310mm) プリンスX100(300g、320mm) ヘッドグラフィン360インスティンクトS(285g、320mm) ヘッドグラフィン360スピードMPライト(275g、330mm) ブリヂストンXブレードBX290(290g、325mm) 個人的にはまったのがヘッドグラフィン360スピードMPライトでした。
振り抜きがとにかく良くてインパクトからフォロースルーまでが一瞬でフィニッシュする感覚です。
フレーム厚が22mmですので振り抜かないと飛ばないというのもアウトを気にせず、迷いなく100%のパワーを出し切れます。
あくまでもシングルバックハンドでフラットドライブだけのショット限定ですのでお間違いなく。
みなさんもシングルバックハンドを磨いてみませんか。
【GEEK通信】ブリヂストン 『X-BLADE BX』 は五感で楽しめます
2019/03/19
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------------- 「ブリヂストンXブレードBXは五感で楽しめます」
ブリヂストンのBXと聞くと20年以上前に、大変気に入って使っていたBXを思い出します。
高級なカーボンを使った初代BX、2台目BXⅡ、バンパーなし深緑色の3台目BXを使っていました。
当時からブリヂストンはノリのいいラケットを作るのに長けていました。
今回のXブレードBXもしなりと食いつきをテーマに、パワーも両立した完成度の高いモデルを4機種発売しました。
* XブレードBX305 (フェイス:98inch2 ウエイト:305g  バランス:315mm フレーム厚:21mm
* XブレードBX300 (フェイス:98inch2 ウエイト:300g  バランス:320mm フレーム厚:22mm)
* XブレードBX290 (フェイス:100inch2 ウエイト:290g  バランス:325mm フレーム厚:22-23-22mm) * XブレードBX280 (フェイス:100inch2 ウエイト:280g  バランス:330mm フレーム厚:23-24-22mm) まずは305を試打してみました。
「おお、すごいしなる!」
しなった後に、フレームが震える感じがして昔懐かしい感触がしました。
シャフトに添える左手の指先の触覚が心地よい、本格的なボックスフレームです。
最近のボックスフレームは微妙にラウンドが入っていたり、正面の厚みが大きかったり、伝統的な形ではなくなっていました。
ただ、昔のラケットとの違いは、ボールの勢いとサポート力です。
やはり、ちゃんと芯に当たらないといいボールは打てませんが、しっかりとインパクトできた時は、狙った方向に真っ直ぐ伸びていきます。
この日は結構風が吹いていましたが、風に煽られることなく重たいボールが飛んでくれました。
次に300を打ちました。
305と全然違いました!
カタログの表記上としては、ウエイトが5g軽く、バランスが5mmトップへ、フレーム厚も1mmしか変わりませんが、305とは全く違いました!
しなることはしなるのですが、305に比べると弾きがよく、スイートスポットも広いようです。
スピンもよくかかり、ベースライン付近にきっちり収まっていました。
ボレーの歯切れの良さに加え、スマッシュの振り抜きの良さを感じました。
305と同じ面積(98平方インチ)とは思えないほど、楽々でした。
次に290を打つと305に近い柔らかさを感じました。
しなっていると言うより、フェース面に包み込まれていると言う方が近い感覚かもしれません。
無理なくスイングできる重さなので、サイドに振られたバックハンドもスライスではなくドライブで返球することができます。
しかしながら、一番びっくりしたのが、実はスライスを打ったときでした。
糸を引くようにネットすれすれを通過したボールがベースライン手前でバウンドした後、低く滑って伸びたのです。
クロスコートにスライスを打つと、今度はサイドに曲がって、バウンド後外に逃げるように滑ったのです。
フェースに食いついている時間が長いので、いつも以上にフォロースルーが長くなり、しっかりとスライス回転がかかり、受け手側は非常に取りづらそうでした。
最後に280を打ったのですが、これが一番楽々でした。
このフレーム厚(24mm)でこの柔らかさを出すのは大変だったろうなと、勝手に開発者の気持ちになりました。
ラウンド形状とは違ったまったり感が出ていて、パワーだけじゃなく、微妙なタッチショット(ドロップショットやロブなど)も打ちやすく、ダブルスを主体にプレーするベテランや女性におススメのラケットです。
個人的にはまったのは、290です。
ストローク、ボレー、サービスすべてにおいて、コントロールとパワーがいい感じで融合していました。
ボックスフレーム独特の中身が詰まった、しっとりとした打球感とフレームのしなり、フェース面のたわみが相まり、さらに打球音がいいので気持ちよくテニスができました。
XR3が張ってあったのですが、TGVやXONEバイフェイズを張ったらさらに良さが引き出させるだろうと推測されます。
ブリヂストンに以前から敬意を払っているのが、セプトングリップです。
通常のグリップは、カーボンの上にウレタンで8角形に形成し、エンドキャップを被せビスで止めてあります。
使っていくうちに、ビス止めが緩み、エンドキャップがグキグキと動いてしまうことがあります。
これが非常に気になり、さらにビスで止めるのですが、ウレタンに穴を開け過ぎると割れてしまうことがあるので注意が必要でした。
セプトングリップは特殊なゴムで、エンドキャップまで一体成型し、カーボンの上から被せてあります。
これは、ゴルフのグリップを参考にした構造(方法)で、ゴルフクラブも製造するブリヂストンならではの発想だったのです。
エンドキャップを使ってませんので、緩むということは起きないのです。
また、セプトングリップのいいところは、重さ、長さ、太さの調整がグリップの交換でできるところです。 **********
そして先日、ブリヂストン本社へお邪魔し、ラケット開発担当 上坂氏に試打した感想や気づいた点などを投げかけてみました。

『とてもしなりを感じるラケットだが、しなることによるデメリットである、ねじれ、パワーロスをあまり感じなかったのはなぜか?』
上坂氏
「柔らかい=ねじれが出てくる不安定さを、新フレーム構造【レジツイストBフレーム】によってねじれを抑えることができました。」
「また中厚モデルのRSシリーズでも採用しているバランス設計【パワースタビリティシステム】の効果で、スイング自体の安定度をあげることで、さらにねじれを抑えることが出来ました。」
「フレーム厚についてですが、305g、300gはフラット、290g、280gはフレームの中央あたりがトップ、シャフト部分にくらべて、1mm厚くなっている形状に分けているのはなぜか?」
上坂氏
「305g、300gより、もう少しパワーを求める方が使うであろう290g、280gについては、フレームの3、9時部分を1mm厚くすることでパワーを求めつつ、シャフト部分は薄くしていることで、ラケットの特徴であるしなり感を生み出しています。」

『今回のラインナップで、ウエイトが280g、290g、300gと来て、310gと思ったら、305gという設定ですが、何か意図があるのですか?』
上坂氏
「まずはここ最近の流れとして、あまり重くしすぎないという傾向があります。そういった声を多くいただいたので、今回は310gではなく、305gに敢えて設定した。また、当社ラケットの特徴であるラケットカスタマイズサービスで、ウエイトパーツをつけたり、グリップチェンジでウエイトを重くすることが出来る環境があるので、ラケットのベースのウエイトは305gにしました。」 上坂氏
「また、今回4モデルを発売しましたが、305g ⇒ 300g ⇒ 290g ⇒ 280g と順に軽くしているラインナップではなく、【305gと290g】《300gと280g》というふうにグループ分けをしてラインナップをみていただきたい。」
「【305gと290g】は、スロートの部分を柔らかくしていることでしっかりとしなりコントロールできるモデル 《300gと280g》フェイスの部分のたわみを大きくさせ、スロート部分はしっかりとさせることで、 速いスイングでもしっかりとコントロールしやすくしています。」 体の一部になれるようなラケットを目指してつくりました!とのことでした。
**************************
X BLADE-BXは、久々の本格派ボックスフレームラケットで、使っているルビーレッドが闘争心を掻き立ててくれます。
左手の触覚、打球音など五感で楽しめるラケットではないでしょうか。
【GEEK通信】「ラケットのカラーリングで結果が変わるかも?」
2019/03/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「ラケットのカラーリングで結果が変わるかも?」
ラケットのカラーについて考えていこうと思います。
テニス用品に使われるカラーは大きく分類すると、
白、黒、赤、青、緑、黄、オレンジ、グレー、ネイビー、ピンクなどです。
色によってパワーが出たり出なかったりすることがあるのですが、ある研究によると、色によって筋肉の反応に違いがあり、平常時を23とすると、青は24、緑は28、黄は30、オレンジは35、赤は42となるそうです。
また、オリンピックの格闘技種目で赤のユニフォームと青のユニフォームの対戦成績は圧倒的に赤が勝っているそうです。
色によって好き嫌いはあると思いますが、色の好みによって性格が現れると言われています。
以下は一般的に言われている色別の性格です。 「赤」開放的、個性的、リーダーシップがある
「黒」威厳がある、孤独を好む、人を動かす能力にたける
「白」純粋、完璧主義者 「青」理性的、慎重、自信家
「黄」個性的、頭の回転が速い、自己中心的
「緑」穏やか、素直、堅実
「オレンジ」社交的、好奇心旺盛
「ピンク」愛情豊か、気配りが細かい、依存心強い
「紫」繊細、ロマンチスト、プライドが高い
どうでしょうか当たっている方も多いのではないでしょうか。
ウエアは機能性よりも、デザインや色を優先してしまうことが多いと思います。
シューズに関しても、機能性、履き心地が同じレベルであれば、好きな色を選んでいる方が多いようです。
ラケットも色の種類があれば、好きな色を選んだり、ウエアやシューズとトータルコーディネートができる等、より楽しいテニスライフを送ることができるのではないでしょうか。
そこで今回は、色が選べるラケットを特集していきましょう。
まず色やデザインを豊富に取り揃えているのはウイルソンです。
ウイルソンは2色使いのラケットが多く、メインカラーとサブカラーを逆転した「リバース」やカモ柄を使った「迷彩」などを発売しています。 次にカラーが豊富なのは、ヨネックスで、Eゾーンシリーズは、ブラック×グリーン、ブラック×ブルーがあり、100のみ限定でホワイトが発売されました。
また、赤が好評だったVコアシリーズにギャラクシーブラックカラーが追加されました。
これがまたカッコよくて、まったく別のラケットのように感じる程印象が変わります。 その他では、ブリヂストンXブレードの黒、赤、白と重さによって選べたり、バボラピュアドライブチームにホワイトが追加されたりします。 また、黒一色のプロスタッフRF97を使用しているフェデラー選手の人気もあって、ブレードシリーズ、バーンシリーズ、ウルトラシリーズにもブラックデザインを発売しました。 フェデラー選手のこだわりとして、回り込んでのフォアハンドが安定するようフェースをほんの少し柔らかくしたブラックアンドホワイトを昨年発売しましたが、数試合でブラックインブラックに戻してしまいました。 実は、元に戻したのではなくブラックアンドホワイトの少し柔らかいフレームでデザインだけブラックインブラックに変えていたのです。
ではなぜカラーだけ変えたかというと、光沢のあるホワイトがライトで光ってしまい、サービスの時にコースを読まれ易くなってしまったそうです。
フェデラー選手は繊細な選手と言えるのでしょう。
そのようにこだわりぬいたフェデラー選手のモデルが5月に発売することが決定しました。
赤いスイスマークがなくなって本当にブラックインブラックになるとのことです。 また、ウルトラシリーズにはホワイトインホワイトが追加されます。ホワイトにちなんでホワイトデーに発売するということも行います。 また、バボラは毎年、ピュアアエロにフレンチオープンカラーを発売しています。
ダンロップCX400もピンクをあしらった新色が登場します。
デザインも性能の一部だと考えて良いと思います。
それによってプレーに影響を与えることもあるし、何より気に入った道具じゃないと飽きてきてまた新しいラケットが欲しくなってしまいます。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第三回『スライスショット』」
2019/02/28
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第三回『スライスショット』」
ストロークのスライスショットでは、大半はバックハンドに使用しますが、フォアハンドでも有効なショットになります。
プロ選手でフォアスライスを使用するシーンをよく目にするのは鈴木貴男選手ですが、R・フェデラー選手はドロップショットに見せかけてフォアスライスでエースを取ったりもしています。
ATPトップ10の内ダブルバックハンド8名、WTAトップ10の内ダブルバックハンド10名というようにATPトップ選手でダブルバックハンドのプレーヤーが増えている中バックハンドスライスをよく使用する選手は、フェデラー選手、G・ディミトロフ選手がまず思い浮かびます。 アマチュアになると年代で異なるとは思いますが、50代のシングルバックハンド率は個人的な体感では8割くらいではないでしょうか。
特に社会人になって始めた方はシングルバックハンドが多いようです。
ではスライスショットのメリット、デメリットを考えてみましょう。
メリットとしては、体力を使わない、リーチが広くなる、打点が後ろでも打てる、ドロップショットがバレにくい等です。 逆にボールが遅くなる、スライスの種類によっては攻撃されやすい、パッシングしにくい等のデメリットもあるかと思います。
メリットの方が多いと思いますので、デメリットを克服したらメリットが多くなるショットです。 どうしたら、伸びのある攻撃的なスライスが打てるのか、スライスを武器にしているプレーヤーに尋ねてみました。
その方は、60歳前後の方でフォアもバックもスライスなのですが、切れ味が抜群で何度もポーチに出ようとするのですがネットスレスレで伸びてくるので中々出ることができません。一か八かポーチに出たのですが届きませんでした。普通のスライスより、速くて低くてバウンドしてから滑ってくるのです。
その方にとっての極意を尋ねてみました。
テイクバックは高く、インパクトは強く、フォロースルーは止める。 そして一番大事なのがラケットヘッドを立てて打つことだそうです。
ラケットを見せてもらうと、横糸が上方向にずれていました。
ラケットを立てている証拠です。
スライスの使用シーンは様々あると思います。
ここからはギアの目線で、
【守りだけでなく攻撃にも使えるスライスショット】→【スライスが打ちやすいラケット & ストリング & テンション】を探っていきましょう。
参考ですが、先程のスライスの達人が使用するラケットは10年程前のモデルで、軽量、オーバーサイズ(デカラケ)、フレームが厚く、ストリングはナチュラルガットで40ポンドで張っていました。オーバーサイズで40ポンドですからフィーリングはかなり柔らかいです。
個人的に考える「スライスが打ちやすいラケット」は、スリクソンレヴォCS8.0やCS10.0のような縦長フェイスでトップヘビーバランスが良いでしょう。 スライスの打点はやや手元から入って対角線上に上方向に抜けていきますので、縦長フェイスが良いと思います。
トップヘビーバランスが良い理由は、スライスは上から下に振るスイングですので、重さを利用できるからです。 重たいものを下から上に振り上げるのは疲れますので、スピンよりスライスが良いと思います。
フォアハンドに比べバックハンドはスイングスピードが遅くなります。
また、スライスショットの場合はゆったりとスイングをしますので、しなりのある球のりの良いラケットが相性のっ良いものと言えるでしょう。
まずオススメなのがプリンスの「X(エックス)」シリーズ。 まさにバックハンドが打ちやすくなる工夫があり、フォア面よりバック面が11%しなるように設計されています。
スイングスピードが遅くなるバックハンドでも球乗りが良くなり、伸びのあるスライスショットが可能になります。
次に、ヨネックスの「Eゾーン」シリーズもしなりに加え、対角線が長いフェース形状なのでスライスが打ちやすいラケットです。 また、ウイルソンの[Sラケ]もスライスショットが打ちやすいラケットです。
横糸を16本にすることで、縦糸のスナップバックを活発化し、ネットしそうで超えていくボールが可能になります。
[Sラケ]はバーン、ウルトラ、ブレードシリーズ内にそれぞれ存在し、特に「ウルトラ105S」は16×15のストリングパターンに加え、105平方インチのフェース面積からスライスショットは抜群に打ちやすいラケットです。 【ストリング】【テンション】ですが、ボールを潰すというより、ホールドして長く運ぶことが必要です。
 ストリングの種類は
ナチュラル > ナチュラル×ポリエステル > マルチフィラメント > モノフィラメント > ポリエステル
の順に適していると思います。
テンションは適正テンションの下(45-60ポンドの場合は45ポンド)を基準に、テンションを上げ下げしてベストを探すと良いでしょう。
スライスショットをマスターすると、同じフォームからドロップショットやロブも打てますので、テニスがもっと楽しくなると思います。
是非チャレンジしてみてください。
【GEEK通信】「しなるラケット、しならないラケットのメリットを考える」
2019/02/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「しなるラケット、しならないラケットのメリットを考える」
ラケットの硬い、柔らかい論争は昔からあります。
ある人の見解は、「ブレードは硬く」「プロスタッフ」は柔らかい。
私はまるで正反対です。
ヘッドのプレステージもお客様から「硬いですよね」の声をよく聞きます。
実際はよくしなるラケットです。
実際に「しなる」「しならない」と、打球感で感じる硬さはイコールにはならないようです。
様々な要因はあると思うのですが、どうやら飛ばないラケットは硬く感じることが多いようです。
スイートスポットに当たると、振動も無く気持ちよく飛んでいきます。その時に感じるのが[食いつく]や[柔らかい]という感触です。
スイートスポットを外した場合、振動も大きく飛んでいきません。その時に感じるのが[食いつかない]とか[硬い]という感触です。
芯を外すと途端に飛ばないラケットになってしまうので硬いと錯覚してしまうのです。
飛ばないのは、ラケットのねじれが原因なのです。
フレーム厚の薄いラケットはよくしなりますが、同時にねじれも起きているのです。
実際はしなっているのに、硬いと感じるのはねじれが原因で[飛ばない][振動がくる][面がぶれる]などの影響だと思われます。
芯で捉えることができる上級者や、ブレード・プレステージをマイラケットとして使用している方に聞くと、「柔らかい」という返答がほぼくることから、使いこなせる方には柔らかいと感じ、短時間の試打で芯にしっかり当たらないと硬く感じてしまうという結果になるのだと思います。
フレームが硬くてしならないラケットのメリットとフレームが柔らかくてしなるラケットのメリットを考察していきましょう。
硬さを表す基準としてRA値というものがあります。
RA TESTという計測機器を使いフレームに荷重してRA値を測ります。
RA値70以上は硬くてしならないラケットで、RA値65以下は柔らかくてしなるラケットです。
【プロスタッフRF97:RA値73】
【ブレード98CV:RA値68】
【グラフィンタッチプレステージMP:RA値64】
※GEEK中居調べ
硬くてしならない(RA値70以上)ラケットのメリットは、なんといってもパワーが出ることです。
ボールはインパクトから1000分の4秒で飛び出しますので、ラケットのしなりが頂点になった辺りですでにボールは面から離れてしまいます。
しなり幅が大きければ大きい程、パワーを吸収するようになってしまうのです。
よってフレームが硬くてしならないラケットは、入射角と反射角の差が小さくパワーロスが少なくなります。
柔らかくてしなる(RA値65以下)ラケットのメリットは、コントロールがしやすいことです。
スイングは体の回転、腕の振り、後ろから前への体重移動など様々なファクターがあります。
止まっているラケットにボールを当てる場合は、硬いラケットで良いのですが、スピン・スライスなどの回転やロブ・ドロップショットなどといったスピードを必要としないショットの場合は、しなることで打ちやすくなります。そして浅いボール、深いボールの飛距離のコントロールがしやすくなります。
では、パワーとコントロールは両立しないのでしょうか。
パワーとコントロールの融合をテーマに開発された【ウイルソンのクラッシュ】を試打しながらそのテーマを考えていきましょう。 ウイルソンのラケット「クラッシュ」の開発背景として、
【しなるラケットはねじれが起こり、それによってパワーを失う】という切り口からスタートし、
ねじれないシャフトの開発と、カーボン繊維の編み方で柔らかくなる独自の方法を編み出しました。
結果、RA値53(GEEK中居調べ)というかなり柔らかいラケットが完成しました。 店頭にあるラケットを隅々計測しましたところ、、、最もしなるラケットはプリンスファントム100XRJのRA値61でした。こちらのラケットはフレーム厚が16mmと薄いのでしなって当然なのです。
24mm厚のクラッシュが16mmのファントムよりも柔らかい数値が出たのは驚きました。
さらに店頭ディスプレイで飾っていたウッドラケット ウイルソン クリスエバートを計測するとRA値38でした。
もちろん新品ではないのでへたってしまっていることを差し引いたとしてもかなり低い数字です。
番外編としてウイルソントライアドXP125はRA値47と数字上は柔らかく出ますが、これはトライアド構造のためであり硬いシャフトと硬いフェース面をアイソゾーブというゴムでジョイントしているため、そのゴムの部分が伸縮しているのです。
ラケット全体がしなっているわけではないと思われます。 話を戻しますが、クラッシュを実際に打ってみると打球感はそんなに柔らかくは感じませんでした。
ねじれがないためと反発力があるためにそう感じたのかもしれません。
ストロークを打っている時に感じたのは、
スイートスポットが広く、芯を外してもミスが出ない使いやすいラケットという印象です。
ねじれが少ないことで本来ならミスをしたり、本来なら飛ばないボールがしっかりと深いボールで返るのです。

サービスを打つとまた、イメージが変わりました。
 凄く柔らかく感じるのです。 スピン・スライスはいつもよりキレが増しセカンドサービスでもコースを狙って打っていけます。
ただセンターを狙ったフラットサービスだけ、個人的にスピードが出し辛く感じました。恐らくサービスはストロークに比べ芯で捉える確率は上がるのとフラットですと90度に近い角度で当たるためだと思います。
冒頭に書いた1000分の4秒でボールは飛んでいくことを思い出してください。
「しなりが大きい程、しなりの頂点でボールが飛び出してしまうので威力が出ない。」
これが起こっているのでしょう。 (ただし、私はストロークで芯を外してしまうことが比較的あり、本来なら飛ばないはずのボールがねじれが起きないために十分に威力のあるボールが打てるのです。)
クラッシュ100ツアーはウエイト310gでバランス306mm、クラッシュ100はウエイト295gでバランス310mmです。 通常の設計より15mm程トップライトになっています。これはシャフトから手元にかけてねじれないようにカーボン量を凝縮しているからと思われます。
よって10gくらい軽いラケットのように操作できますので、迷ったらこの点について参考にしてみてください。
いくつものパテントを取っている革命的なラケットを32,000円(税抜き)で発売するウイルソンに脱帽です。