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店舗情報
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2020/05/16
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。
相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。
以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。
中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。  
【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識」
2020/05/03
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「いまさら聞けないテニスの常識、非常識」
テニスを始めて数年が経ち、みんな普通に言ってるけど、意味がわからないとか深く理解していないとか間違って覚えていたとか色々あると思うのですが、 いまさら恥ずかしくて聞けないことってありませんか?
今回はそんなお悩みに答えていきたいと思います。
「ボックスフレームとラウンドフレームの違いがわからない」 まずは、ラケットのボックスフレーム、ラウンドフレームについてです。 フレームの断面に対して、ボックスフレームとラウンドフレームと区別しています。 ボックスと言えば、電話ボックスとかティッシュボックスとかの長方形を思い浮かべると思います。
ラケットのボックス形状も角が90度の四角形のことで、1980年代1990年代はほぼボックス形状が中心でした。
以前からラウンド形状はありましたが、ラウンド形状が流行り出したのは、バボラピュアドライブからなので、ここ20年というところです。
ウッドラケットからカーボンラケットに変わっていったのですが、ウッドの流れから「しなり」「食い付き」「ホールド感」というのは重要視されていましたので、柔らかさが出るボックス形状が主流だったのです。
ラウンド形状は、フレームの剛性を硬くでき、空気抵抗を抑えることができたので、パワーを生かしながら、スピンを増やせたので、エッグボールという新しい弾道が生まれ、アウトしそうな軌道から急激に落下しベースラインギリギリで着弾し、大きく跳ね上がりました。
このエッグボールを操ってクレーコートで暴れていたのがスペインのR・ナダル選手です。 ボックス形状とラウンド形状を比較するのにわかりやすいので、スクール消しゴムとスーパーボールを用意してみてください。 親指と人差し指で挟んで力を入れると、消しゴムはグニャッと変形しやすく、スーパーボールは変形しづらいと思います。
ラケットのしなりはカーボンの編み方で硬くも柔らかくもできますが、ラケットのフェース面が内側に引っ張られる変形は素材ではなく、形状で起こります。
ボックス形状は内側に少し小さくなるような変形が起き、ホールド感、手のひら感が起こります。 ラウンド形状はほとんど変形しませんので、パワーロスなく弾き出します。
どちらが良いのではなく、好みの打球感になります。
ボールを乗せて少し運ぶようにコントロールする方はボックスフレーム向きで、ヘッドスピードを上げてスピンで攻めていく方はラウンド向きです。
「ウエイト、バランス、スイングウエイトって何?」 ラケットのウエイトはわかるけど、バランス、スイングウエイトは何?と言う方は結構いらっしゃいます。
ウエイトは単純に全体の重量です。
バランスは、重心の位置のことで、釣り合うところから、グリップエンドまでの距離を測ります。
320mmをイーブンバランスと言って、数字が大きくなるとヘッドが重たいので、トップヘビー、数字が小さいとヘッドが軽いのでトップライトと言います。
ハカリを二つ用意し、ひとつはラケットのトップ部分を乗せ、もう一つのハカリにグリップエンドを乗せるとそれぞれにウエイトが表示されるのですが、トップヘビーのラケットはヘッドを乗せたハカリの数字が大きくなり、トップライトはグリップエンドを乗せたハカリの数字が大きくなります。
当然、二つのハカリの合計はラケットのウエイトと同じになります。
要するにバランスはラケットのどの部分が重たくなっているかです。
スイングウエイトは、動いている状態の動的ウエイトのことです。
もし、ラケットの真ん中辺りを握って振る競技ならスイングウエイトを測る必要はありません。ウエイトとバランスだけで十分です。
ラケットの一番端のグリップを握って動かすと、慣性モーメントが働きますので、スイングウエイトを測ることでプレー時の状態に近い感覚のウエイトがわかってきます。
ウエイトとバランスが同じラケットでも、スイングウエイトが違うことがあります。
ウエイトが300gでバランスが320mmのラケットが2本あります。
わかりやすくするために大袈裟に表現します。
①ラケットトップ部が125gでグリップ部が125gでバランスポイントが320mmのラケット
と、
②バランスポイント320mm付近に250gの重さが集中しているラケット があると仮定します。 ウエイト、バランスはまったく同じですが、スイングウエイトは、①の方が重たくなります。
ラケット内部の素材の密度や、樹脂の量の偏りは外見からはわからないのです。
スイングウエイトが大きい方が威力も大きくなりますが、操作性能は悪くなります。
同じスイングスピードで振ることができるならば、スイングウエイトが大きい方がパワーが上がりますが、もし、スイングスウエイトが小さいことで、スイングスピードが速くなる場合は逆転することもあります。
「ボールの威力=ウエイト×スイングスピード2乗」
ですので、ウエイトよりもスイングスピードの方が2乗で比例するので、ウエイトを軽くしてスイングを速くするのも簡単に威力を上げる方法です。
下記のように、ウインザー店頭ではスイングウエイトを計測する機械がございます。 「パワー=ウエイト×移動距離」の公式がありますので、軽いものより重たいものの方が威力が出るのです。
ラケットA:320g、バランス310mm、スイングウエイト285
ラケットB:280g、バランス330mm、スイングウエイト285 ラケットAとラケットBはスイングウエイトが285と同じですが、同じスイングスピードで振った場合ラケットAの方が威力が大きくなります。
ただしラケットBは40g軽いので、疲労が出る後半にスイングスピードが落ちにくいメリットがあります。
店頭でスイングウエイトを計測する最大のメリットは、同じラケットを2本そろえるときに、振った感覚が近いものを正確に選べることです。 同時に2本購入しなくても、1本目のウエイト、バランス、スイングウエイトがわかっていれば、2本目を購入するときに近いものを選んだり、1本目よりも軽いもの、重いものなど注文をつけることができるのです。
参考になったでしょうか、今回は以上です。
【GEEK通信】【ダイアデム】「NOVA100 大ヒットの予感」
2020/04/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ダイアデム】「NOVA100 大ヒットの予感」
2020年に3月に発売されたダイアデム「NOVA」が、3月度のウインザー全店舗の人気ランキングにランクインしました。
※ウインザーでは横浜店・渋谷店・梅田店・オンラインショップのみの取り扱い。
当GEEK通信のコアな読者の方で、20年来のテニス仲間であるTさんは、バボラのピュアドライブの発売以来すべて揃えているピュアドライバーです。
そのバボラ以外使用しない契約選手のようなTさんが、GEEK通信を見てダイアデムに興味を持ち、いてもたってもいられず店内で試打ができる横浜店で一通り試打し、NOVAを購入。
何故購入に至ったのか等、Tさんの感想をいただきました。
以下はTさんのコメントです。
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Tさん 「tennis365ニュースにもギーク通信のダイアデム記事が、載っていたので更に話題となるのでしょうか。ダイアデムの公式Twitterを見ると、実際に試打をして惚れて買う人が多いそうで。ピュアドライブVSと同じフレーム厚なのにあのパワーは凄いと感じました。
NOVAを使用してテニスをプレーした際に相手をしてくださった方に感想を聞いたら、『差し込んでくる』『着弾してからのボールの伸びが凄い』とのことでした。
打感は柔らかいにも関わらず個人的に申し分ないほどの剛性感があって、スイングスピードが早ければしっかりホールド感も感じることができ、尚且つボールの射出スピードが速いといった《二律相反》している感覚で、これがいわゆるプロストックラケットという感想を抱きました。
試打室で打つよりもコートで生きたボールを打つと尚更、NOVAの良さを体感しました。
自由自在でラケットのキャッチコピーの爆発的パワーというのを感じました。
※個人的な印象ですが、元々ガットメーカーだったバボラとヒストリーが似ているようにも感じました
このようにコメントをさせていただきましたが、既存メーカーのラケットを選ぶという選択肢だって勿論ありますし、好きなプロプレーヤーが使ってるメーカーを選ぶのも全然OKだと思います。
本質を求めるプレーヤーや本気で勝ちたいプレーヤーが、ダイアデムを試打すると選択肢に入るかなと思いましたのでぜひ機会ができた際に試してみて下さい。」
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まだまだ認知度は高くはないですし有名プロが使っているわけでもなく、とにかく知らないことが多いので、正規代理店のK氏にダイアデムについてインタビューをしましたので参考にしてみてください。
中居「ラケットの開発のきっかけはあったのでしょうか」
K氏「社長のAJバートレット氏がカレッジプレーヤーだった2009年にロジャー・フェデラー選手のヒッティングパートナーを務めたことがありました。彼はメーカーから与えられている市販製品とロジャー・フェデラー選手を始めとするトップが使用するプロスペックモデルとの違いに愕然としたと言っていました。怪我もありプロの道を断念したとのことでしたが、テニスメーカー、しかもプロスペックを皆が使えるものを提供したいという夢があったとのことでした。」
中居「ダイアデムの名前の由来は何でしょうか」
K氏「ダイアデムとは王冠のことで、覚えやすく高貴な意味があります。ロジャー・フェデラー選手とヒッティングした意味合いも少しだけ入れたいと思ったことや、テニスブランドとして高みにいきたいと言う願望があったと言っていました。」
中居「代理店になったきっかけはあったのでしょうか」
K氏「私との出会いは2018年秋です。日本市場でこのブランドを広めたい、コンサルタントをしてくれないか?私は貴方のことを調べたし、良く知っている米国のWやPからも貴方の名前が必ず出てくる。だから逢いに来た。と言うオファーが来たことがきっかけでした。(オファーをもらった当時は扱いブランドの『スノワート』に集中をしていました)
K氏2019年にダイアデムのラケットがアメリカでスタートしましたが、スタート当時私は『並行輸入という形で日本に沢山流れてくるので、正規代理店を決めてお店に卸してください。ネットのみではなく実店舗があるショップから支持が受けられないブランドは終わってしまいます。』と伝えました。」
K氏「同時にラケットの完成度ですが、ウレタンフォームを詰め込むまでのアイデアは良かったのですが、個人的にはもう少しバージョンアップできる余地があると感じていました。それからはフレーム内にFSと言う壁を2枚入れ3層にしたり、PUフォームを2種類の極め細かいものにしたり、素材を全て世界一の国内最大手素材ブランドに変えました。
K氏「2019春ごろには2020モデルを完成させ、この2020モデルから日本での販売をスタートするというアドバイス提案をし、日本市場への準備を整えて参りました。
これ以降は、ダイアデムに『日本の正規代理店を決めて下さい。』と伝え、コンサルタントとしての契約を終えたのです。
ですが、正規代理店を決めるコンペが中々決まらないことなど様々なストーリーがあり、最後には私自身の会社もコンペに入れてもらい、、、、結果的に日本における販売権を私の会社が獲得することになりました。」

中居「会社の規模ではなく、ラケットにかける熱量の違いだったのではないでしょうか。Kさん熱い人ですから。お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。」
ダイアデムはストリングメーカーとして2015年にスタートし、選手やコーチ、ストリンガーに評価をもらい、ダイアデムというブランドが認知されラケット開発に至ったと聞いています。
そこで星形断面形状の「ソルティスパワー」を自分のラケットに張ることにしました。
カラーがティール(エメラルドグリーン)とブラックがあり、悩んでいるとパッケージの名前が違っていることに気が付きました。
ティールはエメラルドグリーンのパッケージで「SOLSTICE POWER(ソルティスパワー)」となっています。
ブラックは、黒いパッケージで「SOLSTICE BLAC(ソルティスブラック)」となっています。
そもそもカラー違いでパッケージの色が違うことはないので、この時点で変だなと思ってました。
【なぜ名前が違うのか】をK氏に尋ねました。
K氏「中居さん、よく気付きましたね。実はアメリカでは違うアイテムとして販売しているのです。カラーを変えると打球感が違ってくるのです。」
中居「グリップテープもカラーによってフィット感が変わりますが、ストリングも変わるんですね」
K氏「ただ本当に、違いがわかるのは選手クラスの限られた人達だけなのですが、アメリカでのダイアデムのターゲットが選手層なので、別々のアイテムにしているのです。」
次回はこの二つのストリングの違いを試打をして解明していこうと思います。
【GEEK通信】【ヨネックス】「完成度の高さが売りのVコアプロ100 JP※Vコアプロシリーズインプレッション」
2020/04/04
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ヨネックス】「完成度の高さが売りのVコアプロ100 JP 」
意外と知られていないのが、ヨネックスのラケットカスタムオーダーシステム「カスタムフィット(CUSTOM FIT)」です。
国産ラケットメーカーの強みは、1本1本のラケットのウエイト、バランス、スイングウエイトが比較的均一なことです。
ラケットはほとんどが海外生産で、意外とばらつきが多いのです。カタログに表示されているウエイト、バランスは平均を記載しており、プラスマイナス5~7のずれは許容範囲なのです。
逆に言うと自分の好みのウエイト、バランス、スイングウエイトをばらつきの中から選ぶことが可能なのです。
そこにいくとヨネックスはばらつきが少ないので、ウエイト軽め、バランストップヘビー等を選ぶのが難しいのです。
そこでカスタムフィットです。
ウエイトを5g、バランスを5mm上げ下げすることが可能なのです。
また、0.5インチロングにすることも可能です。(その場合はウエイト、バランス指定はできません)
費用は¥2,000+税で、10日から1ヶ月程で出来上がります。
※上記金額は2020年2月時点のもの
さらにラケットにネームプリントもできます。(費用は¥1,000+税)
※上記金額は2020年2月時点のもの 国内に工場を持つヨネックスだからできる、きめ細かなサービスです。
Vコアプロ97をカスタムフィットしたY田さんと、今回発売された「Vコアプロ100 JP」をはじめ、Vコアプロシリーズを試打したのでインプレッションをお送りしたいと思います。
今回中居が用意した試打ラケットは、【Vコアプロ100 JP】と【Vコアプロ100(300g)】にヨネックスのダイナワイヤー130を50ポンドで張ったものです。
また、Y田さんが305g、305mmにカスタムフィットした【Vコアプロ97】にルキシロンのスマート125を39/36で張ったものも参考に打ってみました。
試打の前に補足させていただきますが、Vコアプロ100 JPは日本人のために開発されたモデルで、フレーム厚を厚くしてウエイトを軽量にし、力に自信が無い方でもパワーが出せる設計です。
Vコアプロ100 JPは、スペック的にすでに発売しているVコアプロ100と別シリーズのVコア100の間に位置するようなラケットと感じましたが、シリーズが異なるうえで両ラケットの間に位置する狭い部分に焦点を当てたラケットだからこそ完成度が高いと感じます。
(そもそもVコアプロ100 JPは必要なのかの論議が起きそうですが、試打でその論議を食い止めることができるかも注目です。)
今回の試打で中居にとって最も気持ち良く打てたのはVコアプロ97でした。
まったく硬くなく、むしろ柔らかい打球感で球乗りがよく、インパクトから中々離れない印象を受けました。ただし、不利な態勢になると100%からいきなり50%以下になってしまったようなパワーしか出せず、まったくごまかしがききません。※中居個人の意見です
次に打ったVコアプロ100は、少し楽になりましたが、柔らかさはあまり感じなくなりました。
確かに、パワーアップし、スピンもかけやすいのですが、Vコアプロ97と比較し差はほんの僅かかも(?)と感じました。
自分なら、打球感を重視してVコアプロ97を選びます。
これには私個人の経験談による理由があるのですが、元々、VコアツアーG(オレンジ色のモデル)を使っていて、今でも名器だったなあと回想するほどで、20mm厚のボックスフレームは大好物なのです。
Vコアプロ100 JPは、23mm厚になるので20mmのVコアプロ97、21mmのVコアプロ100に比べて反発力が明らかに違いました。
Vコア100に比べると流石に飛びは落ちますが、ボックスフレームならではの、掴む打球感があり、ボールの押し具合は手のひらに伝わる感覚で調整がしやすく感じます。
ポリツアープロで張ったのも打ちましたが、食い付きが良くスピンもかかり、さらに音が良くて、気持ちが乗ってプレーすることができました。
個人的にはポリエステルが合っていると感じました。
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今回一緒に試打をしましたY田さんのVコアプロシリーズのインプレッションをご紹介します。※個人の意見です
■Vコアプロ 97
面の小ささ、フレームの細さからくる振り抜きやすさは抜群です。一定のしなりは感じますが、大きなしなりを感じることはないという印象です。面の安定性が高く、フラットドライブでボールをつぶして打ちやすいです。またサーブでもスイングスピードを上げやすいです。 もちろん使い慣れているという背景もありますが、スピード、回転、コントロールの制御は最もしやすいと感じました。しっかり振り切るスイングをするプレーヤーに合うと感じました。
■Vコアプロ 100
Vコアプロ 97に比べると飛びが良く、反発性も高いと感じます。打感は良いのですがVコアプロ100 JP同様にしなりは感じにくいかもしれません。Vコアプロ100 JPと同じような重さ、バランスのはずですが、試打をしたラケットの3本の中では、最もヘッドの重さを感じました。Vコアプロ97に比べ、ボールは飛びますが、重たく感じてしまった理由でコントロールはしにくかったです。中級以上でラケットヘッドの重さをご自身のスイングとうまくミックスして使える人に合うのではないかと感じます。
■Vコアプロ 100 JP
当然ですが、最も飛びが良く、弾道も高めになりました。試打用ラケットはヘッドの重みをあまり感じなく、操作性が良かったので、ボールは飛ぶ中で、コントロールを比較的しやすかったです。BOX形状の打感の良さも残り、しなりはあまり感じなかったです。オールラウンドに使いやすい印象で、マイルドな打感はすべてのプレーヤーに合うように感じました。
3本に共通して言えるのは、不快な振動が本当に少ないことだと思います。テニスエルボーになってしまった人などにも向くかもしれません。
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最後に、Vコアプロ100 JPは、BOX形状のノリの良い打球感が好きな方でパワーアシストも欲しいし、操作性も良くしたいと言うこだわりが強い方も満足させるラケットに仕上がっています。
そしてもう少し軽くしたい、トップライトにしたいなどの要望がある方は「カスタムフィット(CUSTOM FIT)」をお試しください。
【GEEK通信】【ダイアデム】「本物か偽物か、ダイアデム誕生」
2020/03/30
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「本物か偽物か、ダイアデム誕生」
昨年、ダイアデムという新しいラケットブランドを初めて聞いたとき、怪しいブランドが出て来たなと思いました。
まったく新しいブランドが出てきたり10年以上前にあったブランドが復活して、SNSで取り上げられたり、SNSに広告を入れたりして、画期的な機能性を謳っていることをよく目にします。
実際に打ってみると、まったく嘘ではないですが、個人的には広告が少し大げさかなと感じることがゼロではありません。
スノワートも25年ぶりに復活したものの、はじめはあまり興味は湧きませんでした。
ところが、実際に試打してみたら驚きました。
厚ラケなのに食い付きがよくて、パワーがありながらスピンのかかりが非常によく、後日、トラックマンでデータを測ってみたら、過去最高の数字を叩き出しました。
それから現在までスノワート ビタス115は手放せないラケットになっています。
そのスノワートの新作ラケットの試打会があり参加させてもらったのですが、その試打会になんと今回取り上げますダイアデムのラケットもあったのです。 スノワートジャパン社長のK氏は、大手ラケットメーカーを渡り歩いてきた人で、ラケットメーカーの裏の裏まで知り尽くした人なのです。
そのK氏が惚れ込んで、ダイアデムの日本での正式な代理店になったのです。
K氏「ダイアデムはアメリカの数100位の選手が、トップ選手のヒッティングパートナーをしたときに、その選手のラケットが自分と同じメーカーのものなのに、まったく違っていることに愕然とし、トップ選手と同じレベルのラケットを作りたいと思ったところから生まれたブランドなんです。」
市販のラケットと世界のトップ選手のラケットは、同じでないこともあります。
ただし、特別仕様は本当のトップ選手だけで、ほとんどの選手は市販のラケットを使っていて、そこから強くなっていくのです。
K氏「ダイアデムのこだわりは、ラケットの内部にびっしりとポリウレタンフォームコアが詰まっていて、カーボン繊維もかなりいいものを使っています。」
ウレタンフォームを詰めるとかなり重たいラケットになってしまうので、通常のラケットは空洞になっています。 よほどいいカーボンを使わないと内部にフォームコアを入れて300gには仕上がらないのです。
半信半疑で実際にボールを打ってみました。 1球で違いがわかりました。
まず甲高い音がキーンと響きます。
ラケットの剛性はかなり硬い感じはしますが、ホールド感があり、スピードボールがバンバン飛ぶのですが、自分の手の内でコントロールできてしまうのです。
うーん気持ちいい!
セントビンセント製のプロスタッフを思い出しました。
98平方インチ315gでフレーム厚21.5mmのエレベートツアーと305gのエレベートをまず打ち比べました。 さすがに自分の体力では、305gがギリギリ振り切れる重さでした。
ただ体力のある方なら、315gがより威力が出て、今回登場したメーカーの目指すトップ選手と同じラケットに近づくことになるでしょう。
100平方インチ300gでフレーム厚23.5mmのノヴァと285gのノヴァライトも打ってみました。
大和スペックはアメリカにも広がってきているようです。 軽くパワーが出て、スピンも楽にかかるのでノヴァの方が万人に向いた設計になっています。
トラックマンでデータを取ってみると、スピンのかかりが跳ね上がっています。
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エレベートツアー:スピード108km.  
         スピン2,903rpm
エレベート   :スピード109.6km
         スピン2,944rpm
ノヴァ     :スピード107.3km   
         スピン3,130rpm
ノヴァライト  :スピード111.0km
         スピン3,508rpm ---------------------------
このデータからわかるようにスピンの回転数は3,000回転前後出ており、過去にデータを取ってきたラケットの中でもずば抜けています。
一番良かったのが、ノバライトでスピードとスピンが共にナンバーワンでした。
ただ気になるのが、レングス(飛距離)が24.3mでバックアウトしている点です。(ベースラインまでの距離は23.77m)
解決する方法がひとつあります。
スピンの回転量を増やすことです。
実はダイアデムはストリングメーカーで、ソルティスパワーという星型断面形状のポリエステルを発売していますが、トラックマンでデータを取ったときは、 ナイロンストリングのエボリューションが張ってあり、試打会で初めて打ったときは、ソルティスパワーが張ってありました。 ソルティスパワーで打ったときは、打球音が高く、食い付きがよく、スピンがかかっていながらボールの伸びを感じました。
通常ポリエステルはナイロンより20%程スピン量がアップすると言われています。
スピン量とボールの伸びは比例しなさそうですが、星型断面形状のおかげでそれが可能になっているようです。
スピン量の向上のためには、ストリングとボールの接触面積を上げ摩擦抵抗を上げなくてはなりません。
1.25mmより1.30mmのゲージの方が接触面積を増やせるので、パワーがあってボールを潰せる方は太ゲージの方が良いのですが、太くなると反発力が落ちます。
アメリカでは1.30mmが標準で日本では1.25mmが標準なのは、基礎体力の差からきていると思います。
ソルティスパワーは、形状を星型にすることで、表面面積が大きくなり、1.25mmでも1.30mmかそれ以上の効果があります。
また、インパクトの瞬間尖った先端が折れ曲がりボールとの接触面積を広げ、ボールが離れる寸前に元の星型に戻りスナップバックを助長します。
ノヴァライトにソルティスパワーを張れば、スピードとスピンを向上させながら、ベースラインに収まるボールを打てる可能性が高まります。
新しいものには慎重になることも必要ですが、食わず嫌いにならないようにしようと自分自身に言い聞かせるきっかけとなる、面白いブランドが誕生しました。
【GEEK通信】【プリンス】「ファントムグラファイト107の試打結果が大変良かったです。」
2020/03/06
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【プリンス】「ファントムグラファイト107の試打結果が大変良かったです。」
1989年全仏オープン決勝、マイケル・チャン VS ステファン・エドバーグの試合を30年ぶりに観てみました。
マイケルチャンは17歳3ヶ月でグランドスラムを優勝し、その最年少記録は今でも破られていません。
この大会の第一シードのレンドルとの対戦では、途中ケイレンしながらプレーし、意表をつくアンダーサーブなどでなんとか勝ち上がり、決勝のエドバーグ戦を迎えたのですが、17歳とは思えない戦い方をしていました。
エドバーグと言えば、華麗なサーブアンドボレーが有名ですが、チャンはそれを封じるためにある作戦を実行しました。
エドバーグのサービスで始まったのですが、なんとチャンはベースラインより2mくらい前でリターンを構え、エドバーグのボレーを封じる作戦です。
まんまとはまり、エドバーグはダブルフォルトでこのゲームを落とします。
その後もチャンの作戦は大当たり、エドバーグより先にネットに出て相手の得意な形に持っていかないようにしました。
出鼻を挫かれた展開となり、気がつけば6-1です。
落ち着きを取り戻したエドバーグは第2セット、第3セットを取りましたが、いつも以上にエドバーグは体力を削られ、第4セット、第5セットはチャンが取り優勝しました。
びっくりしたことが3つありました。まずチャンの寝癖がすごかったことです。
17歳だとあまり気にしないのかもしれません。
二つ目は、第5セットの時、エドバーグがコーラ(?)を飲んでいたことです。
やっぱり疲れた時は炭酸なんですね。あの形のビンで真っ黒の飲み物はコーラだと思います。ゲップしていたので間違いないでしょう。
三つ目は、チャンがチェンジコートの時に食べていたものです。
ヒントは全仏オープンならではのものです。
「フランスパン」です。 アナウンサーが驚いていました。
当時のチャンは、プリンスグラファイトOSでエドバーグはウイルソンプロスタッフミッド85を使用していました。
山なりのボールのラリーで、現在のテニスに比べかなり遅いスピードでしたが、アマチュアには非常に参考になる基本に忠実な打ち方+試合の組み立てをされていました。
浅いボールはスライスでアプローチを打ち、ボレーでオープンコートに深く打つことをしていました。
現在では、浅いボールは一発でエースを取られてしまいます。ボレーもただ深いだけだと、パッシングショットで逆襲を受けてしまいます。
ですが、それはプロや上級者の話です。
ほとんどのウィークエンドプレーヤーは、山なりのボールを打っています。
プロの真似をしてハードヒットしているプレーヤーは、ミスが多く試合では中々勝つことができないシーンを目にします。
1989年の全仏オープン決勝の映像を見る機会があれば、大変参考になるのでお時間があれば観てみてください。 ということで本題の「ファントムグラファイト」の試打速報に移りたいと思います。
新型コロナウイルスの影響で、中国の生産工場の遅れがあり、3月末に発売予定が大幅に遅れそうな気配ですが、試打結果が大変良かったので、インプレをご報告致します。
ファントムグラファイトは107と100が発売予定ですが、100の発売は5月なので、今回は107のみ試打しました。
私中居は、30年前にノングロのグラファイト110から始まり、ピングロ、1本ライン、4本ラインと歴代のグラファイトを使い倒していました。
ノングロ:グロメットが無い直接フレームホールにストリングを通す仕様
ピングロ:グロメットが採用されていますが、1本1本独立している仕様
その後、サンダースティックOS、ボルテックス、O3ブルーなど扱い易いラケットに乗り換えてしまいました。
数年前に、自宅の屋根裏部屋からグラファイトOSを発見し、意気揚々とコートに持っていきました。
ところが、全然良いボールが打てないのです。
打てないどころか、ネットより低いボールを手首のスナップを使ったトップスピンで打ち返そうとしたら、ネットの真ん中あたりにドスンと突き刺さったのです。最近のラケットなら、大体はこの打ち方でネットを越えているはずなのですが、全然持ち上がらないのです。
ラケットの進化をイヤと言うほど、この時は感じてしまいました。 そして今回ファントムグラファイトはこの打ち方でネットを越えるのか、試してみました。
1球目はドスンでした。
2球目は簡単に持ち上がりました。
1球目はど真ん中で打ち、2球目はやや先端の方で打ちました。
スイートスポットは上に広がっており、先の方で捉えると、回転がかかり、パワーも出ていました。
中身の詰まった打球感の107平方インチは本当に久しぶりです。
RA値は61(ギーク調べ)で、昔のグラファイトよりシャフトは柔らかくなっています。
恐らくフェース面は上に行くほど硬くなっていると思います。
想像よりもパワーもあり、バックハンドのスライスの伸びやボレーの扱いやすさはダブルスで生きていきそうです。
今回の試打では、エンブレムコントロール(マルチフィラメント)を45ポンド(面圧57でした)で張ったのですが、ナチュラルで張ってみたらどうなるか試してみたくなりました。
もう少しテンションを下げた方が食いつき感が増し、面白いラケットになるのかなと感じました。
40代50代の方は、昔懐かしい打球感に目頭を熱くし、最新のテクノロジーの凄さも感じることでしょう。
60代以上の方はご自身の体力と相談してプレーしてくださればと思います。
【GEEK通信】【ヘッド】「グラフィンシリーズファイナルか、完成度の高いスピードに仕上がりました」
2020/02/28
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ヘッド】「グラフィンシリーズファイナルか、完成度の高いスピードに仕上がりました」
全豪オープンで大坂なおみ選手に勝った15歳のコリ・ガウフ選手が使っていたヘッドの白いラケットが気になっていました。
スピードを使っていたノバク・ジョコビッチ選手はブラック×ブラックの限定モデルで、同じようにスピードを使っていたアシュリー・バーティ選手はグラビティに使用変更していたので、尚更、ガウフ選手を注目していました。
優勝したソフィア・ケニン選手に負けてしまいましたが、ケニン選手からセットを取ったのは、準優勝のガブリネ・ムグルサ選手とガウフ選手だけでしたので、数年後のグランドスラム大会優勝、世界ナンバー1は確約されているようなものではないでしょうか。
今回ガウフ選手が使用したラケットは「グラフィン360+スピードMP」で、2020年3月発売予定の最新モデルです。
グラフィンとは2010年にハニカム構造の炭素繊維グラフィンの研究でノーベル賞を取った、ダイヤモンドより硬いカーボン繊維のことです。
グラフィンXT、グラフィンタッチ、グラフィン360、と続き私中居の勝手な見解では最終章となるグラフィン360+が完成しました。
※勝手に最終章と言ってしまいましたが、グラフィンが360度(実際には12時、3時、9時の位置に使われています)に使われていて、さらにプラスαと来たら、この後に何が来るのか想像ができませんでした。
ダイヤモンドより硬いカーボンの次はどのような素材があるのでしょうか。
これまでに電気を発生する素材(ピエゾ)も使い、強く叩くと硬くなり、優しく触るとグニャっとする素材(d3o)も使用してきています。
新素材の登場は楽しみに待つとして、今回登場の最新モデルのスピードを試打しましたのでご報告していきます。
用意したラケットは、
「グラフィン360+スピードPRO」「グラフィン360+スピードMP」「グラフィン360+スピードS」
の3本で、ダブルスの試合で使いながら、インプレッションしていきます。
まずは「グラフィン360+スピードS」から試打を始めました。
285g、320mmでフレーム厚25mmの(扱いやすい)黄金スペックで、飛びもよく、手にくるショックも少ないラケットですが、決して初級用ラケットではなく、スピンもよくかかるし、何よりもサービスの切れが半端なく、上級者でも満足する作りのラケットでした。
「グラフィン360+スピードMP」は、300g、320mm、フレーム厚23mmの大和スペックで、前作とまったく同じスペックなのですが、柔らかい打球感でありながら、反発力もアップしていて、5時7時の位置に採用されたスパイラルファイバーテクノロジー(これが360+の+部分にあたります)のおかげで、よりしなりのあるラケットを実現しました。
個人的な想像ですが、シャフト、フェース面の12時、3時、9時部分にダイヤモンドよりも硬いグラフィンが搭載され、5時、7時部分に柔らかくしなるスパイラルファイバーを使うことで、面安定とホールド感を両立しているように感じました。
単純に質の良いカーボンを使うと、雑味の無い打球感になり、食いつきを感じます。
ラケットに当たったボールのフィーリングが正確に手のひらに伝達し、力の入れ具合や回転の掛け具合、飛び出し方向の修正など、調整がしやすくなります。
それによってミスが減ってくるので、ラケットが扱いやすく感じます。
グラフィン360+スピードMPには、まさにそれを感じました。
その後に打った「グラフィン360+スピードPRO」でさらに確信しました。
310g、315mmでストリングパターン18×20のジョコビッチ選手が推奨(ヘッドのカタログでは推奨になってます、実際にジョコビッチ選手は18×19を使用しています)する一番難しいモデルです。
最後に使ったのですが、いつも使っているスノワートビタス115でプレーをしている感覚で、ハーフボレーを角度をつけて逆クロスにアングルに打ちました。 これが見事に相手の逆をついてエースになってしまいました。
その後も難しいショットにチャレンジしたのですが、面白いように決まり、対戦相手から「まったくどこに来るか予想ができませんでした」と言われました。
グラフィン360+スピードPROは決して易しいラケットではありませんが、コントロールがしやすく、思った通りに打てるラケットでした。
今回のグラフィン360+スピードシリーズは、グラフィン素材の最終形で、衝撃吸収に優れているのに、打ち応えはしっかりと手のひらに伝わってくる仕上がりで、難しいショットも楽に打ててしまうプレーヤーに優しい高性能なラケットです。
SからMPとか、MPからPROとかワンランク上の上位機種にチャレンジしてみたくなるシリーズでした。
【GEEK通信】【ウイルソン】「#ULTRAできるチャレンジがメインの試打会に参加しました。」
2020/02/21
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【ウイルソン】「#ULTRAできるチャレンジがメインの試打会に参加しました。」
ウルトラと言えば、私の世代はウルトラⅡを思い出す方が多いと思います。
30数年前に7万円で発売されました。
有名なプロスタッフミッド85が6万円でしたので、その上位機種だったのですが、ダブルブレードカーボンにボロンを使ったモデルです。
当時ボロンは超高級素材で、プリンスボロンは15万円でした。
よってウルトラには、近寄りがたいとか、一目置くと言ったイメージがあり、「ウルトラはいる」とか「ウルトラいいね」などの軽いイメージは湧かなかったのです。
数年前のことですが、ウルトラ100(2代前)を打ってみると非常に使いやすく、ストレスなくプレーできました。
プレーしたこの日は各メーカーのラケットを一通り試打するイベントで、ヒッティングパートナーから「中居さんのテニスには、ウルトラ100が一番合ってましたよ」
と言われ、生まれて初めて他人の意見を元にラケットを買いました。
確かにボレーがしやすく自分のプレースタイルに合っていました。
その後、色々とラケット を変えましたが(5機種程)、ウルトラ100はいつ戻しても、すぐに試合で使えるので、今でも手元にあります。
そしてまたウルトラの新作が打つことができる機会がやってきました。
ウルトラ100、ウルトラ100L、ウルトラ100S、ウルトラ108の4機種です。(ウルトラ100ULは今回試打の機会はございませんでした)
なんと見慣れたPWSの膨らみはなくなり、逆にその部分がえぐれているのです。
お馴染みのクラッュゾーンもボリュームアップし、とにかくストリングの撓みを縦も横もアップしたのです。
ウイルソンスタッフの道場さんと横山さんは、YouTubeでもお馴染みで、読者の皆さんも知っている方も多いのではないでしょうか。
『#ウルトラできる』をテーマに難しいショットに挑戦する動画は見ていて楽しいですね。
今回の試打会は、ウイルソンスタッフとウインザースタッフが色々な動画にチャレンジする企画でスタートしました。
ウイルソンスタッフ横山さんにご挨拶しました。
「今日はテニスバッグ背負ったまま試打するのですか。」
横山さんはキョトンとしてます。
道場さん「中居さんが気を利かせて、ウルトラできるチャレンジのことを言っているのに、何でわかんないの。」
【#ULTRAできるチャレンジ】とは、内山プロがバックスピンをかけて相手のコートに落ちたボールがネットを越えて自陣のコートに戻し、ボールカゴに入る映像などを配信しているもので、横山さんのバージョンはバッグを背負ってコートを後にする時に、ポケットにボールが残っていたことに気づき、ベースライン辺りからネット越しにボールカートに、フワリとドロップショットのように打って入れる動画でした。
横山さん「あーあれですか!(笑)大変だったんですよ。中々入らなくて、入っても跳ねて出ちゃったり。今日も撮影しますからね、中居さんが持っているペットボトルも使いますからね。」
そんなゆるりとしたトークでスタートしました。
ウルトラ100をまずは打ったのですが、ウルトラはどんどん簡単な方向に向かっているようでした。
打感が非常に柔らかくて、打った気がしないくらい手に響かないラケットに仕上がっていました。
ただし、先っぽに当たったミスショットは、ビリビリと響き、本当のラケットの硬さを痛感することができました。
本当は硬いフレーム構造で、パワーを出しながら、ストリングの撓みでマイルドな打球感にして、オブラートに包んだようなフィーリングを実現していたのです。
ウルトラ100Lは、280gでバランス320mmと前作より、3g重くし、5mmトップライトに変更しました。
本来は、280gだとトップヘビーにしないと打ち負けてしまうのですが、面ブレが少なく打ち負けないパワーがあるのでイーブンバランスの320mmを実現できたと言っていました。
実際に打ってみても打ち負けることなど全く無く、逆にスイングスピードが上がり、回転数が増しているようでバウンド後の跳ね方が大きくなっていました。
ウルトラ100Sは、ストリングパターンが18×16のスピンエフェクトモデルなので、スピンがかかりやすいのは当然なのですが、ローボレーとバックボレーがしやすいことを発見しました。
私だけかもしれませんが、フォアボレーはフラット気味で余裕があるとドライブボレーで打つことがあります。それに比べてバックボレーは、アンダースピンを多めにして安全に打っています。ローボレーもネットしないように、スライス回転を入れ相手コートに深く行くように打っています。18×16の粗いストリングパターンだと、ボールのフェルトがストリングの編み目にめり込む感じで、スライス回転がかかりやすくなる気がしました。元々、ボレーがしやすいウルトラ100 ですから、18×16のSラケもボレーがしやすいのは当然の結果でした。
ウルトラ108は、スライスが打ちやすくバックハンドは当然ながらフォアハンドのスライスがよく伸びて、相手は取り辛そうにしてました。
最大の特徴はボレーがしやすいことで食いついてから反発するので、逆回転、横回転が自在でネットプレーが楽しくなります。
試打の後は、#ULTRAできるチャレンジを行いました。
この模様はいずれ配信されますのでお楽しみに。
【GEEK通信】【ウイルソン】「黄金スペックの次に来る大和(やまと)スペック、ブレード100の実力とは。」
2020/02/07
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【ウイルソン】「黄金スペックの次に来る大和スペック、ブレード100の実力とは。」
ブレードとはBLADEBRAIDがあり、BLADEは「刃」という意味で、BRAIDは「編み込む」という意味になります。
ウイルソンは、プロスタッフミッド85にダブルブレード(DOUBLE BRAID)という2重に編み込んだカーボンを使用して、硬いのにノリがある打球感を実現し、ラケット史に残る大ヒットを記録しました。
あれから30数年経ち、ラケットも進化を続けています。
今回発売されたブレード100は、FEELFLEX パワードバイカーボンマッピングと呼ばれる編み込んだカーボンを使用しています。
まさにBRAID構造なのです。
こちらのギーク通信は、メーカーからの協賛、依頼は一切ありません。
ということで、試打は完全に自身のプライベートなテニスでやっています。
今回もダブルスのオフに参加し、そこで試合しながらラケットのインプレッションをしていこうと思います。
流石にプライベートですから、テニスが楽しくなければ面白くありません。
試打ラケットはほとんどの場合一試合使用して、マイラケットに取り替えてしまいますが、今回使用した【ブレード100 】は、非常に使いやすく、スーパーショット(生まれて初めてのポール回し等)の連続で、最後まで使い続けてしまいました。【ブレード100】が扱い易かったので起こった奇跡です。
ブレード100は300g、100平方インチ、22mm厚の黄金スペックの薄フレームです。
そもそも黄金スペックとは、ピュアドライブが大ヒットし、300g、100平方インチ、26mm厚が黄金比のような美しい形をしていることを黄金スペックとテニスグッズライターのM氏が名付けたことからスタートしています。
黄金比とは1:1.618の長方形の形のことで、ミロのヴィーナス、モナリザ、アップルのロゴなどに採用されています。
身近なところだと名刺のサイズが黄金比です。
黄金比以外でも、白銀比(大和比)、青銅比、第二黄金比などがあり、白銀比は法隆寺や五重の塔やドラえもんなどに用いられ日本人の好みに合うことで大和比とも言われています。
1:1.414でコピー用紙のサイズが大和比です。
日本限定発売のブレード100のスペックは、300g、100 平方インチ、22mm厚で日本人が好むスペックで、26mm厚だとパワーが出過ぎてしまい荒っぽくなってしまうという日本人プレーヤーの声に応えるモデルになっています。
また、黄金スペックのラケットはラウンド型のフレーム断面に対してブレード100は、ボックス型に近い断面を採用しています。(Xループ構造)
ラケットにしなりを持たせ、中身の詰まった打球感を実現し、パワーをセーブしコントロール性能を高めた300g、100 平方インチ、22mm厚のスペックは日本人好みのスペックということで、大和比スペック(大和[やまと]スペック)と言って良いのではないでしょうか。
個人的に大和スペックのラケットと呼べるのは、ヘッドグラフィン360+スピードMP(300g、100平方インチ、23mm)、バボラピュアストライク100(300g、100 平方インチ、23mm厚)、ヨネックスVコアプロ100 (300g、100 平方インチ、21mm)などです。
今後、大和スペックのラケットは増えてくる予感がします。
ブレード98 16×19と比較してみると、ブレード100の方が打球感がより柔らかく、スピン性能に優れているように感じました。
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RA値は
ブレード98 16×19  63    
ブレード100     61
※ギーク調べ
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ブレード100も16×19のストリングパターンなのですが、横糸の間隔を上下に広げてスナップバッグをしやすくしています。
通常フレーム厚のより薄いブレード98(21.5mm厚)の方がしなるはずですが、日本限定ということで日本人好みの食いつく感覚を重要視し、よりしなりを大きくしたのではないでしょうか。
ATP、WTAの選手のウイルソン使用率は35%(ナンバー1シェア)で、その内ブレードの占める割合が45%です。 チチパス選手、ラオニッチ選手、デミノー選手、ハチャノフ選手、ゴファン選手、ウイリアムズ姉妹、ハレプ選手、オスタペンコ選手、サバレンカ選手ら多数の選手から信頼されているブレードですが、ウイリアムズ姉妹以外は、98平方インチを使用しており、アマチュアが使用するにはハードルの高いモデルであるのは間違いありません。
その点【ブレード100】は決してハードルの高いプロモデルでは無いと考えます。
スイートエリアは十分に広く、球持ちが長く、ミスショットの許容範囲が大き目です。
それでいてブレードシリーズの最も良い特徴である、自分の力加減で飛距離、コースをコントロールできる手のひら感覚が備わっています。
黄金スペックをお使いの方で、バックアウトが気になる方は一度試してみるとハマるラケットだと思います。
【GEEK通信】「ラケットの未来予想図」
2020/01/30
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ラケットの未来予想図」
テニスプレーヤーの中でも、ゴルフをプレーしている方は多いのではないでしょうか。
ティーショットでドライバーが良い当たりをすると気持ち良いですよね。
ドラコンホールの時には、1ヤードでも遠くへ飛ばそうとマン振りするのではないでしょうか。
私中居は最近ゴルフをプレーしていませんが、プレーしていた当時は、規定ギリギリの高反発ビッグヘッドでさらに長尺シャフトを使っていました。
ところが、飛び過ぎを規定する規則ができて、低反発ヘッドでないとダメなルールになり、長尺シャフトも今後規定されるという噂があります。
25年前は300CCが一番大きいヘッドだったのが、軽量で大きくできる技術が進み、規定しないとどんどん大きくなるので、460CC以下の規定ができたのです。
世界トッププロのほとんどが、規定ギリギリの460CCを使っているそうです。
要するにパワーがあって飛ぶ道具は有利になるので、規定されていく傾向にある様子です。 当然、飛べば曲がりやすくなるので、プレーヤーの技術も使いこなすために努力して向上させていかないといけません。
2010年にスイムウエアでも規制がありました。
SPEED社で開発されたレーザーレーサーは、ポリウレタン素材で縫い目のない水着で、素肌より抵抗が少なく、これを着用した選手が世界記録を連発しました。 その後規制され、上半身を覆ってはいけない、素材は布でなくてはならないというルールになりました。
陸上ではナイキのマラソンシューズのヴェイパーフライが規制するかどうか議論されています。 厚底シューズを履いた選手達がどんどん記録を出しているからです。
このように、道具を使うスポーツは、道具の進化で、もっと飛ぶ、もっと速く、もっとスピードが出る方向に進んでいるのです。
もし、今後テニスラケットで規定されるラケットが出るとしたらどんなラケットでしょうか。
「もっとスピードが出る」「もっとスピンがかかる」「もっとコントロールがよくなる」
やっぱり「もっとスピードが出る」ではないでしょうか。
スピンとコントロールはプレーヤーの技術の方が比重が高くなるからだと思います。
「もっとスピードが出る」ことをもう少し掘り下げていきましょう。
ゴルフ、水泳、陸上は協会が規定する方向に向かってますが、テニスではプレーヤー自らがスピードアップすることをためらっているのではないかと考えます。
テニスラケットについては、フェース面積はルール上135平方インチまで許されるのに、100平方インチを使っていたりフレーム厚を薄くして飛びを抑えたりしています。
長さは29インチまでOKなのですが、27インチがほとんどです。
野球のバットは、高校野球では金属バットでプロ野球では木製バットです。
金属バットは、反発力が強く芯を外しても飛んでくれるデカラケのようなものです。
木製バットは、きちんと芯に当てて振り抜かないと飛びません、ミッドサイズの薄ラケのようなものです。
プロ野球選手は、規定されているので木製バットを使っていますが、金属バットがOKならこぞって使うはずです。 テニスでは規制されていないのに、金属バット(デカラケ)を使わず、自ら木製バット(ミッドサイズの薄ラケ)を使っているようなものです。
テニスでもパワーがあった方が有利なはずです。
フェース面積を大きくし、フレーム厚を厚くし、1インチ長くする方向に向かっていくはずです。
ではなぜ、テニスではデカラケを使っている選手が少ないのでしょうか。
それは、コントロールを重視しているからだと思います。
私中居個人の考えですが、コントロールを良くしてくれるラケットは無いと思っています。
コントロールは自分自身で行うものです。
飛びの良いラケットは、アウトしないように、回転をかけ、ネット上の通過位置を下げます。
飛びの良くないラケットは、深くボールが行くように、回転はほどほどでネット上の通過位置を高くします。
ラケットが勝手にやってくれるはずはないので、すべて自分自身の選択でコントロールしているのです。
セリーナ・ウイリアムズ選手のラケットは、フェース104 平方インチ、長さ28 インチで、自らのパワーとラケットのパワーを掛け合わせている未来型の選手です。 彼女は10代のころからフェース110平方インチを使用しており、パワーをコントロールすることに慣れているのです。
単純に慣れているかいないかが大きな問題なのです。
1990年代に活躍し、4大大会を9回優勝しているモニカ・セレス氏は、130平方インチ、28 .5インチのルール上許されるほぼギリギリのラケットを使用していたことがあります。
90ポンドで張って、フォアバック両手から繰り出すショットはものすごい威力でした。
100平方インチ、300g、フレーム厚26mmの黄金スペックを使っている方が多いのは、当然なのですが、60代、70代の方もこぞって使っているに疑問を持ちました。
先日、参加したダブルスオフで私中居が最年少だったのですが、見事なまでに私以外の方は黄金スペックを使っていました。
やっと届いたボールはネットを越さない、サービスゲームは苦しそう、リターンは振り遅れ気味といった光景を目にすると、もっと大きくて軽量のラケットにしたら良いのにと仕事柄感じてしまいました。
パワーを上げるとどういうことが起こるか考えていきましょう。
①ボールの飛距離が出る。
②ボールのスピードが上がる。
③やっと届いたボールが返りやすい。

①のメリットは、深くボールを打つのに、フルパワーは必要なく、余力を残しながらプレーできます。
デメリットは、打ち出し角度のミス、回転のかけ損ないはアウトしてしまうことです。
②のメリットは、相手のコートカバーリングが遅れることです。
デメリットは、打つコースを間違えると、逆に速く返ってくる場合があります。
③のメリットは、言うまでもありません。
デメリットもありません。
①と②のデメリットは、すべて自分のコントロールミスです。
コントロールは自分でするものと、先に述べましたがコントロールする上で大事なファクターがあります。
それは「打球感」です。
芯に当たっているか外れているか、スイング軌道の何処で当たって、何処で離れたか、フェース面がどのくらいの角度でインパクトしているかなどを知る上で打球感は大切です。
ボールが当たっている時間は1000分の4秒と言われていますが、人間の感覚は優れており、1000分の4秒の中でいろんな作業をしているのです。
軽量デカラケの場合、カーボンの厚みも薄く軽い打球感になってしまい、コントロールに必要な繊細なフィーリングが伝わってこないのです。
でももし、フェース面積が115平方インチで、260gの軽量デカラケで、100 平方インチ、300gのラケットのような打球感のラケットがあったならどうしますか。
パワーがありながら、スピンがかかり、狙ったところにコントロールするのがたやすいラケットがあったとしたら、上級者は手に取るのではないでしょうか。
(もしかすると、言い過ぎかもしれませんが上級者より先にプロの選手たちが使うかもしれません。)
20年前にピュアドライブが出てきた頃に、上級者たちは「そんな簡単なラケットじゃ上手くならないよ。」と初中級たちにコメントしている光景を見ました。
その後プロたちがピュアドライブをこぞって使い始めどんどん活躍していき、常識を塗り替えていきました。
スノワートのビタス115は、フェース115平方インチ、260gでありながら、中身の詰まった打球感を実現しており、未来のラケットのヒントになる可能性があるのかなと思いました。
4種類の断面を用いたフレーム形状に日本製のこだわりカーボン素材などの工夫が見られます。ここのところラケットメーカー各社の軽量デカラケのカテゴリーは低迷しているように感じます。 --------------------------------
【ウインザー価格:¥30,800(税込)】
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もちろん各メーカーのラケットも浸透されていますが、このようなラケットもユーザーにとって選択肢の一つでもあるのかと思いました。

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