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【GEEK通信】【月一企画】ショット別にラケットを考える第六回『フラットストローク&スライス』
2019/10/24
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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【月一企画】ショット別にラケットを考える第六回『フラットストローク&スライス』
久しぶりの【月一企画】です。
※「全然月一じゃない」と思われている皆様のお顔が浮かびます。。
ということで不定期開催のショット別にラケットを考える「フラットストローク&スライス」をお送りします。
近年のラケットはパワーがあり、トップスピンをかけないとバックアウトしてしまうものがほとんどで、ラケットのキャッチコピーも「スピンが凄い」は必ず入るワードです。
ただアマチュアのベテランはトップスピンを苦手にしている方も多いのです。
私もそうなのですが、テニスを始めたときのラケットがウッドラケットでした。
現在のカーボン製のラケットとは違い、ボールが飛ばないので、ベースライン深く威力のあるボールを打つには、フェース面をフラットに当て、インパクトから打ち出し方向へ真っ直ぐ30cmくらい押し出すように打ったものです。
グリップは、コンチネンタルからイースタンで握り、クローズドスタンスからスクエアスタンス(ベースラインに対して90°)です。
この打ち方でテニスを覚えてしまうとトップスピンを打つのが大変です。
ということで、50代以上の方はまだまだフラットで打つことが多いのです。
グリップ、フットワーク、スイングフォームを直すことが一番良いのはわかっています。
ただ体力も段々と衰えていく中で、スイングスピードも落ちていきます。フラットからスライスが身体に負担が少なくて、楽で良いのです。
今回は、現代テニスに逆行するフラット、スライステニスに合うラケットを探していきましょう。
ベテランプレーヤーが初めて手にしたウッドラケットとは、どんな特徴があったのでしょうか。
素材が木や竹などの木材ですので、柔らかく非常にしなりがありました。
フェース面積は80平方インチより小さく、重量が350g前後はありました。
しなりがあって、フェース面積も大きすぎず、ウエイトも軽すぎず重すぎないラケットが候補になります。
私の独断で選んだフラット、スライスが打ちやすいモデルは以下の5機種です。
ブリヂストンXブレードBX 290
ウイルソンブレード98 S
ウイルソンクラッシュ100
ヨネックスEゾーン98 LG
ダンロップCX400 ブリヂストンXブレードBXは、305と290がしなりがあり、300と280が少し硬めで弾くタイプです。
流石に、305はベテランには難しいので290がベストチョイスになります。
ボールのノリがよく、インパクトから少し押す感覚があります。
フラットは当然良い感じで打てるのですが、さらに良いのがスライスです。スライスが浮かずに伸びるボールが打てるので、バックは片手でスライスを多用する方におすすめの一本です。
高音の打球音が心地よく、気持ちよくプレーできます。 ウイルソンブレードSは、ストリングパターンに18×16を採用した本来ならスピンに特化したモデルなのですが、実際に打ってみると、フラットのコントロールがよく、深く打ったり、左右の打ち分けが楽でした。
本来なら98平方インチ、21mmのスペックはベテランには難しいのですが、18×16のストリングパターンのおかげで、食いついてからの復元力で飛ばしてくれるので、スナップバックはスピンだけでなくフラットショットにもメリットがあります。スライスはバックスピンですから当然打ちやすく、ネットの下から浮き上がる弾道を楽しむことができます。 ウイルソンクラッシュ100は、フレームのしなりでは右に出るラケットは無いくらいで、ウッドのようなしなりと謳っているのはウソではありません。
ウッドラケット育ちの方には、押すように打つ感覚が蘇ることでしょう。 ウッドラケットとクラッシュ100の違いは捻れれるか捻れないかで、一般的にしなりと捻れは同時に起き、パワーロスや打ち出し方向のズレが起こってしまいますが、クラッシュ100は捻れないために方向のズレが無くコントロール性能を失わないのです。 ヨネックスEゾーン98(LG)は、大坂なおみ選手やキリオス選手のイメージからハードヒッター向きの硬いラケットのように思われがちですが、実は非常にノリのあるしなりを感じるモデルなのです。
ただ、Eゾーン100に比べて飛びを抑えているので、スピンをかけると浅くなることがあるのです。
フラットストロークの一番難しいところは、打ち出し角度が上過ぎるとバックアウトしてしまうことです。
少し飛ばないくらいの方が安心して打ち込めるので、Eゾーン98はバックアウトが少なく安定感があるのです。 ダンロップCX400は、しなるというよりフェース面にめり込んでいるような感覚のホールド感があるラケットです。
パワーもあるので、ベテランや女性にも反響があり、振動吸収性の高さから腕の負担を気にする方にも支持されています。
ボレーのしやすいラケットなので、フラット、スライスのアプローチからネットで勝負する方にオススメの一本です。 以上独断と偏見で選びましたので合わない方もいらっしゃると思いますが、
ストリングに関してはマルチフィラメントのウレタンコーティングで間違いはないでしょう。
推奨ストリングは、バボラエクセル、テクニファイバーTGV、ウイルソンNXTなどです。 スピン系の方には若干切れてしまいやすいストリングですが、フラット・スライス主体の方には切れる心配もなく、食いつきの良さを堪能できるはずです。 力に自信が無い方や、ネットプレー中心の方は細めの1.25mm、ストロークで粘るプレーの方は1.30mmがオススメです。
【GEEK通信】【プリンス】「プリンス ファントム3年ぶりの新作が良い味を出しています」
2019/10/10
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「プリンス ファントム3年ぶりの新作が良い味を出しています。」
前作から3年経ち、ファントムシリーズの新作が11月に発売されます。 前作のファントム100XR-Jは「ファントムO3 100」、ファントムプロ100XRは「ファントム100」となり、わかりやすいネーミングに変わります。
ただし、モールドやスペックの変更をすることなく、最新のテクノロジーを取り込んだモデルに進化しています。
ファントムO3 100のフレーム厚16.5mmは、薄ラケの名品プロスタッフ85の17mmより薄く、現在発売されているラケットの中で恐らく一番薄いラケットです。
フレーム厚イコール、ラケットのパワーと言ってもいいでしょう。
インパクトの瞬間ボールとストリングの接触時間は1000分の4秒と言われており、ラケットが最もしなっているあたりでボールは飛んでいってしまうので、しなりが大きいラケット(薄いフレーム)はパワーロスが大きくなります。フレーム厚の厚い(30mm前後)ラケットは、しなりが小さくなり、パワーロスも少なくなり、飛びがよくなります。
1980年代後半、20mm以下がスタンダードとされている時代に、厚ラケを最初に広めたウイルソンのプロファイルは36mmの厚さを持ち、その爆発的な反発力に度肝を抜かれました。
すぐに大ヒットし、各メーカーから同様の厚さのラケットが発売され、厚ラケブームが起こったのですが、それほど長くは続きませんでした。
その理由は、限られた距離にボールを収める競技の特性からハードヒッターほどバックアウトしてしまいエースも取れるがミスも出るというジレンマに陥ったからでした。
現在は中間の厚さの26mmがフォーカスされ、パワーとコントロールが両立したモデルが各メーカーの主力商品となっています。
では、薄いラケットを使用するメリットはなんなのか考えていきましょう。
飛ばないことで得られるメリットは、バックアウトを気にしなくて良いので、加減なくフルスイングできることです。
スイングを速くすることで、回転量が増え、鋭角に入ったり、バウンド後の跳ね上がりが大きくなり、相手に取りづらいボールを打つことが可能になります。
【ファントムO3 100】は16.5mmという薄いフレームのためしなりが大きく(RA値60 ギーク調べ)飛びを抑えた設計で、自身のフルスイングを基準にボールコントロールができるラケットです。
ただ、実際に打ってみると、確かに飛び過ぎはないのですが、ボールのスピードは思ったより速いのが不思議でした。
その理由はO3(穴の大きく空いたストリングホール)によるものと、テキストリーム×トワロン(最新の素材)によるものです。
O3はストリングの可動域を大きくし、ボールとストリングの接触時間を長くしたり、スポットを外れたボールのスピードダウンを軽減する機能があります。
1000分の4秒を長くできれば、フレームはしなり戻りを使え、ボールを押し出す効果があります。 テキストリーム×トワロンについてですが、まずラケットの材質はどのラケットもカーボンを使用しており、繊維状のカーボンを樹脂で固めて製品にします。その樹脂(接着剤みたいなもの)には、反発力もなければ、振動吸収を高める効果もありません。
テキストリームはその樹脂を少なくすることに成功した最先端カーボンなのです。 **イメージ**
カーボン150g +樹脂150g=300g(ノーマル)
カーボン200g +樹脂100g=300g(テキストリーム)
※数値は例えとして表現しています。
カーボンの量が多ければ、反発力、衝撃吸収が高まるのです。
さらに、今作には防弾チョッキにも使用されているトワロンを追加し、衝撃吸収をこれでもかと言わんばかりに高めているのです。
しなるラケットの欠点と言われていた、捻れ問題もフェースの2時10時にテキストリーム×トワロンを採用しトップ方向で打つことが多い上級者もぶれを気にせずハードヒットできる仕様になっているのです。
薄くてしなるのに、スピードが出るのはこういった工夫があるからなのです。
スピンサービス、スライスサービスを打つとビックリするくらい回転がかかってキレのあるボールが打てるので試してみてください。 【ファントム100】は、20mm-22mmのフレーム厚、クラシックグロメットでRA値62(ギーク調べ)のアベレージモデルです。
ファントムO3 100に比べ、打球音が静かで、しっとりとした柔らかいフィーリングでありながらパワーもあり、許容範囲の広いラケットです。
スピン、スライス、フラット系どれも良い感じに飛んでいき、ハードヒットしなくても相手コートへ深く入ってくれます。
ボレーに関してはファントムO3 100より行いやすいのは間違いないでしょう。 また、試打をする直前にグリップのビニールをはがしたのですが、天然レザーに近いフィーリングの元グリップを採用していて、8角形の角がはっきりしていてトワロンを使ったことによる衝撃吸収効果が高すぎて打球感がぼやけるマイナス要因は相殺されています。
今回の改良は、上級者がフェース上部で打った場合に起きていた捻れや打ち負けが軽減されていることで、最も望まれていた改良点ではないでしょうか。
デザインも一段とプリンスらしく洗練されており、店頭に並ぶのが待ち遠しいラケットです。
【GEEK通信】【プリンス】「ストリングはツルツルしている方がスピンがかかることをご存知でしょうか」
2019/10/04
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「ストリングはツルツルしている方がスピンがかかることをご存知でしょうか」
かなり昔から、シリコンスプレーをストリングに噴射してプレーしている友人Tさんがいます。
やっと最近になってストリングは滑る方が良いという考えが言われ始めています。
テニスマガジン10月号でもストリング研究の第一人者の川副氏が色々な研究結果を発表していて、シリコンスプレーをした場合のボールの回転量の増加があることを実証しています。
現在でもストリングに凹凸や多角形にしたスピンを謳うものはありますが、
川副氏は
「ストリングは交互に交差しており、すでに1.3mm程度の高低差があり、ストリングに少しの突起があったとしてもさほどの効果はないでしょう」 「2005年の論文で、ストリングに潤滑剤を塗布した実験を行い、表面がツルツルしている方がよりスピンがかかることを実証しています」 と語っています。
友人Tさんは実体験でシリコンスプレーがスピンに効果があることを体感していたのですね。 私も「ミラフィット」というストリング潤滑剤のヘビーユーザーで、数年前に発売中止になったときは、開発者のサンアイの沖本氏に直接電話したほどでした。
その後、テニックが後継商品としてストリンググライドを発売し、現在は必ずプレー前に塗布するのが私にとっては当たり前のルーティーンになっています。
ストリンググライドが発売されるまでの間は、世の中のツルツル滑るものは大体試しました。
ロウソク、車の窓ガラスに塗るもの、556、シリコンスプレーなどどれも効果はあるのですが、効果の持続時間が短いものが多いのと、ストリングに悪影響を及ぼす可能性もあり、不安との戦いでした。
張りたてのポリエステルにストリンググライドをたっぷり塗布して打ったときの、「シャッキーン」というスナップバックする音はたまらなく気持ちのいいものです。
※ちなみに「シャッ」は縦糸が横にずれた音で、「キーン」はスライドした縦糸が元に戻る時の音です。
私個人の見解ですが、ナイロンストリングだと表面のツルツル感が少なく、使ううちにノッチング(摩擦によってできる表面の溝)が起こりスナップバックしなくなります。
ナチュラルガットもナイロンストリングと同様な現象が起きると思っていたのですが、実際にはストリンググライドを塗布すると効果の持続が長く、毛羽立ちが起きてからでもスナップバックは起こりました。
考えられるのは、ナチュラルは摩擦によってノッチングが起きることはなく、糸がほつれてくるのでそれがスナップバックを妨げることになっていないのではないでしょうか。
やはりポリエステルが最もスナップバックが起こるのですが、ラフ加工や表面に凹凸があるもの、多角形(3角形、5角形、6角形)ものはスナップバックが少し減少します。円形か、四角形が最もスナップバックが大きくなります。
縦横円形同士の方が接点の面積が小さくなり、摩擦も少なくスナップバックも大きくなるのですが、ノッチングができるスピードも早くなってしまい持続性は短くなります。
四角形の場合は捻らないことが条件になりますが、縦横のストリングが円形同士で擦れ合うより、四角形同士で擦れ合う方が凹みができにくいのは明らかです。
よって持続力が長くなり、スナップバック効果も寿命がくる後半まで続くのです。
ちなみに四角形のポリエステルは、テクニファイバーのブラックコード4Sです。 30年以上テニスをしていますが、試打をすることはあっても、最近までポリエステルを自分のラケットに張ることはほとんどありませんでした。
それは、ポリエステルが「テンション維持が悪い」「衝撃が大きく腕によくない」「柔らかいタッチが出しづらくボレーがし難い」などと言われていたからです。
しかしながら、実際に自分のラケットに張ってみると、気になるほど衝撃は大きくなく、ボレーも何の問題もなくできるのです。
テンション維持に関しては、今のところすぐ張り替えてしまっているので、検証はできていませんがナイロンの緩みとさほど変わらないようです。
ナイロンストリングはほぼ全て張ってしまったのですが、ポリエステルについてはまだ手をつけ始めたばかりなので楽しくて楽しくて毎回のテニスで張り替えているような状態です。
テクニファイバーの内部ハイブリッド「HDMX」を打った時に感じたのは、この柔らかさで表面が全てポリエステルなら最高じゃないだろうかと思いました。 そこで、プリンスのハリアーレスポンスに着目しました。 こちらのストリングはポリエステルの内部にエラストマーを挿入している構造です。ストローの中にジェルが入っているみたいなイメージです。
若手プロの田島尚輝選手が使用しているストリングです。 ポリエステルの中では、かなりソフトなフィーリングで、スライスやボレーなどの柔らかいタッチもあり、第一印象は良い感じです。
ストリング表面のツルツル感も最高で、思った通りのスナップバックが実現しており、スピン系のストローク、サービスともに良い感じです。
個人的には隠れた名品だと感じます。 ちなみに何故このカラーなのかプリンスに伺ってみたところ、実はポリエステルは無色透明で、中のエラストマーがブルーで透けるとこちらのカラーになるそうです。
「ポリエステルは硬そうで、、」と、まだ張ったことがない方は、ぜひハリアーレスポンスを試してみてください。その際にストリンググライドを塗布することもオススメします。
【GEEK通信】【ヨネックス】「Vコアプロは不思議と伸びるボールが打てるラケットです」
2019/09/26
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「Vコアプロは不思議と伸びるボールが打てるラケットです」
全米オープンで、ワウリンカ選手がジョコビッチ選手に勝つとある人と予想をし合っていました。 結果はワウリンカ選手が2セットを先取して、3セット目の途中で、リタイアしワウリンカ選手の勝利となりました。
ジョコビッチ選手が左肩を痛めているのは知っていましたが、ワウリンカ選手の調子が上がってきていることに期待していました。 調子の良い時のワウリンカ選手は誰にも負けません。
でないと、グランドスラムで3回も優勝してません。
個人的にもバックハンドとリターンは真似したいショットです。
ストレートにも、クロスにもノータッチエースが取れるキレのあるシングルバックハンドはフェデラー選手以上だと思います。
リターンはフォアもバックもスライスのブロックリターンをよく使います。
男子の選手では珍しいと思いますが、アマチュアには非常に参考になるショットです。
ブロックリターンのメリットは、ラケットを大きく振りませんのでミスヒットが減少します。
ボールが浅くなると相手にチャンスボールが行ってしまいますので深く返すことが重要です。
また全てブロックリターンにしてしまうと、サービス&ボレーを仕掛けられるので通常のリターンも混ぜることが重要です。
錦織選手はワウリンカ戦の時に頻繁にサービス&ボレーを仕掛けています。
そのようなワウリンカ選手の手に握られていたラケットは新しいVコアプロ97でした。
モスグリーンの渋めで強そうなデザインのラケットです。 2年前に、VコアデュエルGから大幅に改良されて発売された「初代Vコアプロ」を打った際、完成度の高さに驚かされました。
私中居は、VコアデュエルGのさらにひとつ前のVコアツアーG(オレンジ色)をマイラケットとして使用していて、しなりがあって、食いつく打球感が好きでした。
VコアデュエルGにチェンジした時は硬く感じたのと、ストリングパターンが完全にストローカー向きになっていたので移行することができませんでした。
そのようなジレンマがある中で発売された初代Vコアプロは、VコアツアーGの良さも取り込まれており、良いラケットだなと思い真剣にまたマイラケットとして使おうと考えていたのですが、すでに楽なラケットに慣れてしまっていて断念するしかありませんでした。
そして今回の2代目Vコアプロはどのように改良がなされたのか非常に楽しみでした。 今回は小手指のダブルスオフで、
Vコアプロ97 Gタイプ310g
Vコアプロ97 LGタイプ290g
Vコアプロ100 Gタイプ300g
Vコアプロ100 LGタイプ280g
を順番に試打してみました。
**以下は中居の個人の見解です** まずは、Vコアプロ97Gタイプから使用しました。
サービスとストロークは破壊力があって何本かエースを取ることができました。
試合後、主催者Aさんが言いました。
主催者Aさん「中居さんのボール伸びてくるね」
打ってる側からは、伸びてるのはわかりませんがしっかりと押してる感覚はありました。 ネットプレーはミスが出ていて、重さとフェースサイズに対応できていませんでした。
次に、Vコアプロ97LGタイプを使用しました。
軽くなってボレーはしやすくなったのですが、ストロークの威力がなくなってしまい、逆につらい展開になってしまいました。
Vコアプロ97は頑張ってGタイプを使った方が、良い結果が得られるようです。
続いて、Vコアプロ100GタイプとLGタイプを使用しました。
100のタイプはフレーム厚も1mm厚くなってLGタイプでも打ち負けはあまり感じませんでした。
ボレーやスマッシュはLGの方が打ちやすくて、気持ち良くプレーできました。
主催者Aさん「中居さんは、いくつなの」
私「58歳です」
主催者Aさん「やっぱり若いよね、スマッシュを打つ時ちゃんと背筋使っているから、若いと思ったんだよね」
私「仕事ではベテランですけど、ここでは若手ですね」
平日の昼間にテニスをやっているグループは、定年を迎えた方が中心なので今回も最年少だったみたいです。 ただ自分より速いボールを打つ人は沢山いらっしいました。
今回はダブルスのゲームでテストしたこともあり、Vコアプロ100LGタイプが最も打ちやすいラケットでした。 打球感はVコアプロ97Gタイプが気持ちよく、シングルスならこちらで決まりと思いました。
今回、VDMという振動減衰する機能をグリップ内部に搭載した効果は十分に体感することができ、本来難しいラケットのはずが、簡単に感じることができました。 ごまかしがきかないラケットとも思いましたが、100%のエネルギーをマイナスすることなく、ボールに伝えてくれるラケットです。
(伸びるボールは簡単によく飛ぶラケットでは不思議と打てないものなのですね。ふと感じた中居でした。)
【GEEK通信】【ウイルソン】「7代目ブレード全機種インプレ」
2019/09/18
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「7代目ブレード全機種インプレ」
ブレード V7が発売されました。
初めて店頭にサンプルが届いたときに、
スタッフA「ブイセブンってどういう意味でしょうか」
スタッフB「ブレードのイニシャルのVじゃないの」
スタッフC「ブレードはBだろ、バージョン7だよ」
そうです、今回の登場で7代目になります。
2006年に初代「n BLADE」が発売されジョコビッチ選手が使用しました。
初代から7代目まで共通するのが「XLOOPテクノロジー」です。 D型をしたシャフトが特徴で、ラケットのしなり、ねじれをパワーに転化するテクノロジーが詰まっています。
ただパワーを向上させるには、フレームを厚くすればいいのですが、球離れが早くなってしまい、コントロールやスピン性能が落ちてしまいます。
ブレードが目指したパワーは、プレーヤーが出した出力をそのまま減速なしでボールに伝えることです。
普通は、しなりやねじれにより100%で打ったボールが80%や70%に減速してしまうのですが、XLOOPテクノロジーによってしなり戻り、ねじれ戻りを利用しパワーロスを防いでいます。
さらにしなりによるメリットを享受できます。しなりによりボールを長くインパクトすることができ、フラットに当たれば重たいボールが相手コートに行き、スピンをかければより回転数が上がってくれるし、スライスをかければ押しの効いた伸びるボールを打つことが可能です。 そこで今回のブレードV7の改良点を見てみましょう。
前モデルのV6(6代目)に採用された「カウンターヴェール(CV)」を見送り、「バサルトファイバー」を大量に投入しました。
元々、振動吸収、打球感に定評のあるカーボンですので、FEEL FLEXという新しいカーボンの編み方と相性が良いのでしょう。
前作のRATEST値が68で今作が63というところからも、かなりしなりが大きくなっています。(GEEK調べ)
縦しなり(天地に対してしなる)は計測できませんが、V7(7代目)は縦しなりも大きいのが特徴です。 では、実際に試打したので、一本一本チェックしていきましょう。 **以下は中居の個人の見解です**
「ブレード98 18×20 v7.0」
ボレーボレーの練習から使い始めたのですが、軽く打っているのにしなりが凄い!
相手のボールもゆっくりなのにしなっているのがよく分かります。
ここまでしなるとボレーは少し難しかったですが、ストロークで一変しました。
私の持ち球はフラット系なので、インパクトから打球方向に向けて少し押すのですが、手のひらに押してる感覚がビシビシ伝わってきます。
直線的に飛んでいき空中でひと伸びしているように深く入ります。 「ブレード98 16×19 v7.0」
18×20と同じように、フラットドライブで押すように打ったのですが、弾道が少し上に上がります。
バランスが320mmと前作よりも5mmトップライトになったおかげで気持ちよく振り抜けました。 「ブレード98 S v7.0」
こちらは前出の2機種とは別物です。
18×16のスピンエフェクトストリングパターンに10g軽い295gの設計のため、否が応でもスイングが速くなり、スピンのかかりには打った本人がびっくりするほどです。回り込んでの逆クロスはかなり鋭角に入ります。 「ブレード100L v7.0」
ブレード史上初の100平方インチ誕生です。ブレードのイメージの難しさはまったくありません。
100平方インチでフレーム厚が薄くて軽いのは全メーカーでもあまり無いスペックで、パワーは抑えめですので、ミスの少ないテニスが可能です。 「ブレード104 v7.0」
104平方インチの大きなフェース面積でここまでしなると、ハードヒット時の面ブレが気になることも。
バックハンドのスライスやボレーは打ちやすかったので、足元に沈めたり、ロブを上げたりするテクニック系のダブルスを目指す方にオススメ。 「ブレード104 SW CV v7.0」※発売は2019年9月末を予定
セリーナ・ウィリアムズ選手のこだわりが詰まった本物のプロモデルです。
こだわり1:こちらのモデルだけカウンターヴェイルが採用されている
こだわり2:ラケットの長さが1インチロング
こだわり3:パワーホールがある
こだわり4:18×19のストリングパターン
こだわり5:306gなのにバランスが330mmとトップヘビー
こちらのラケットをフルスイングできるプレーヤーはあまりいないと思いますが、もし使いこなすことができたなら、破壊力はとてつも無いことになります。
ぜひセリーナ選手になりきってチャレンジしてみませんか。 今回のブレードは、クラッシュと共通する部分は多いですが、クラッシュはしなることで予想以上にボールが飛ぶイメージですが、ブレードはしなることでご自身のイメージ通りの飛びを実現しているようです。
7代目ブレードは完成度が高く、ウイルソン契約選手の使用率がナンバー1のラケットです。
デザインついては非常にカッコよく、こちらのラケットを持っていたら相手に「この人デキるな。」と思われるラケットと感じます。
ラケットに負けないプレーをしましょう。
【GEEK通信】【プリンス】「10年後まで記憶の残る傑作!赤いビースト誕生」
2019/09/06
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「10年後まで記憶の残る傑作!赤いビースト誕生」 ウインザーではトラックマンを使って数値に基づいたラケット診断を行なっていますが、人間と違って社交辞令もなければ、遠慮もありません。
ただ正確に真実のみをデータで訴えかけてきます。 今回はプリンスの新製品を10本まとめて試打をしてトラックマンでデータ取りを行いました。
【データ取りをしたラケット】
「X97ツアー」/「X100ツアー」
「ファントムO3 100」/「ファントム100」
「ビースト100(300g)」/「ビーストO3 100(300g)」
「ビースト100(280g)」/「ビーストO3 100(280g)」
「ビーストO3 104」/「ビーストライト 100」
※ファントムO3 100・ファントム100・ビーストライトは2019年11月発売予定
トラックマンの測定方法は、フォアハンドを10球、7~8割の力でコーンを目掛けて打ちます。
ボールスピード、回転数、打ち出し角度、着弾地点などを計測し、総合的にどのラケットが良いのかを判断します。 データの判断ポイントは、ボールスピード、回転数、着弾地点10球を円で囲んだ面積です。
またなぜフォアハンドかというと、統計的に70%はフォアハンドを打っているからです。 【補足】 着弾地点の円の大きさが小さければ小さい程安定してコントロールできていることになります。
上記画像の【18.5㎡】【36.6㎡】~【11.7㎡】の中で円の面積が小さいものが最もコントロールできたラケットという事になります。
その他、ボールスピードや、回転数の数値を比較して総合的にどのモデルが合っているのかを決定します。
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「ビーストライト100」は、ジュニア高学年向きのラケットでグリップサイズも0番で、とりあえず打ってみよう程度の参加でしたが、なんとボールスピードの項目でトップだったのが「ビーストライト100」でした。
確かに、「ビーストライト100」を打っているときに感じたのが振り抜きの良さと、程よい食いつき感で、グリップ2だったら良いのになと思いながら打っていました。
まさか、スピードが一番出ていたとは信じられませんでした。
そもそも私にとっては、フォアハンドが苦手なショットということもあり、260gと軽量だったのが良かったのかもしれませんが、面ブレもなくしっかり押せる感覚がありジュニアラケットも本気で作っているプリンスと感じました。
前回に「X100ツアー」「X97ツアー」のレポートをしましたが、今回試打したビースト4機種にも共通するものがありました。
打球感が似ていて、しっかりとした手応えの中に、包み込むような柔らかさがあり、余韻の振動が非常に少なく、胸のすく気持ちいい爽快感が残ります。
同じシリーズを続けることで完成度が高くなっているようです。 トラックマンのデータを細かく見てみると、
「ビーストライト 100」
ボールスピード105km、回転数829回転、打ち出し角度8.2度、着弾地点の面積13.1㎡
「ビーストO3 100(280g)」
ボールスピード101km、回転数1358回転、打ち出し角度8.6度、着弾地点の面積13.3㎡
「ビースト 100(280g)」
ボールスピード104.5km、回転数1109回転、打ち出し角度8.9度、着弾地点の面積26.2㎡
「ビーストO3 100(300g)」
ボールスピード100.7km、回転数1006回転、打ち出し角度9.1度、着弾地点の面積4.4㎡
「ビースト 100(300g)」
ボールスピード97.6km、回転数776回転、打ち出し角度10.1度、着弾地点の面積11.7㎡
「ビーストO3 104」
ボールスピード101.2km、回転数748回転、打ち出し角度8.4度、着弾地点の面積9.9㎡ **以下は中居の個人の見解です**
「ビーストライト 100」
ボールスピードは1番でしたが、回転数が低く、打ち出し角度も最も低いので、ネットする確率が高くなりそうです。
前述の通り、ジュニアラケットから大人のラケットの入門モデルを本気でつくったプリンスの意気込みをとても感じました。
「ビーストO3 100(280g)」
回転数はダントツで一番でした。
その割に、スピードも落ちることなく維持していて、着弾地点の面積も平均的なので、試合になると安心して使えそうです。
「ビースト100(280g)」
ボールスピード2位、回転数2位、打ち出し角度も悪くないのですが、着弾地点の面積がワースト2位で、安定感が出ていません。
試合ではミスが出そうな気がします。
「ビーストO3 100(300g)」
スピードは平均的、回転数は3位、打ち出し角度平均的、着弾地点の面積はダントツの1位でした。
今回試打した10機種でナンバー1はこのラケットに決まりです。
「ビースト100(300g)」
ボールスピード、回転数ともに低い結果になりました。 ビーストは280gにするか300gにするか、O3グロメットにするか、トラディショナルグロメットにするか選ぶことができます。
重さに関しては、今まで使ってきたウエイトが何グラムなのか、プレースタイルはネットプレーヤーなのか、ストローカーなのか、体力はあるのか無いのか等様々なファクター(要因)があります。
基本的には、振れるかぎりは重たい方が良いのですが、【後半疲れてくる】【サービスゲームが辛い】などがあれば軽くした方が良いでしょう。
O3グロメットかトラディショナルグロメットかは打球感の好みになります。
O3グロメットのメリットはストリングの可動域が大きくなることで、スイートスポットが広くなり、スピン・スライスの回転量が増えます。
トラディショナルグロメットのメリットは打球情報がダイレクトなので、コントロールがつけやすく、どこで捉えているか把握しやすくなります。
今回、ナンバー1になった「ビーストO3 100(300g)」は当然良いラケットなのですが、
私が選んだのは「ビーストO3 100(280g)」の方です。
理由としては、回転数がダントツに高かったことと、やはり20g軽いことです。
構えているところに飛んでくる10球を打つのと、走りながら100球以上打つのでは、結果も当然違っていきます。 今作のビーストは、軽量ラケットの欠点である打ち負け感がなく、
中身が詰まった濃厚な打球感からくるコントロールのつけやすさを感じました。
無理して300gの重さにして、後半辛くなるより280gで軽快にプレーするのもベテランのテニスだと思います。
ドロップショットを拾うのが辛い、ロブを抜かれたら追えなくなってきたという方は、少し軽いラケットに変えても良い頃です。
10年後20年後に「あのプリンスの赤いラケットって、良いラケットだったね。」と言われる可能性のあるラケットに仕上がっていると感じました。
【GEEK通信「伸びる、止まる、曲がるバックハンドスライスが自由自在のX100ツアーはおもしろい。」
2019/08/22
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「伸びる、止まる、曲がるバックハンドスライスが自由自在のプリンスX100ツアーはおもしろい。」
ベテランテニスのJOP大会のシングルスを見ると、バックバンドのスライスを使う選手が非常に多いです。
その理由として年齢が上に行けば行くほど、シングルバックハンドが増えていると思います。
オムニコートを使用するので球足は遅くなり、ノータッチエースは少なくなり、無理にドライブで打ってミスをすることを避けるようになります。
3セットマッチの試合もあるので、体力の温存として省エネのスライスを多用します。
ベテランの試合ではドロップショットが重要で、スライスショットのフォームからドロップショットは打ちやすく相手に読まれにくくなるなど、、、
色々な理由でバックハンドスライスを使う選手が多く、重要なショットなのです。
プリンスから発売された画期的なラケット「X」は、ツイストパワーテクノロジーを搭載したフォアとバックが違う性能のラケットで、バックバンドのしなりがフォアより11%柔らかくなるものでした。 当初は、テニス経験の浅いバックバンドが苦手なプレーヤー向けに発売したのですが、
上級者からの評価も高く、今回100平方インチで300gの黄金スペックのものと97平方インチで310gの上級者向けモデルの2機種を追加発売したのです。 ベテランテニスのランキング上位の選手は「待っていました!」と言わんばかりに、次々とこちらのラケットにチェンジしているという噂を耳にしました。
先日発売元のグローブライドの本社にお邪魔し、徹底的に試打をして参りました。
ヒッティングの相手が、ラケット開発責任者のSさんで関東オープンベテラン優勝の実績があります。 奥様は現役時代は全国大会で活躍した有名人で、息子は現役Jリーガーのスポーツ一家です。
まずは、97平方インチで310gの【X 97 ツアー】から打ってみたのですが、テニスラケットとしての完成度が高く、ボールを包み込むような打球感が気持ちよく、余計な雑味の無い本格派なラケットに仕上がっています。
スイートスポットは決して広くはありませんが、芯に当たった気持ち良さを楽しみながら、ストロークでフラット・スピン・スライスを自在に操ることができます。
プリンス契約プロも使っていてもおかしくないくらいのラケットと感じました。 次に試打したのが、100平方インチで300gのモデル【X 100 ツアー】で、打球感は【X 97 ツアー】と同じで包み込むような打球感があり、気持ち良いのですが、【X 97 ツアー】に比べてパワーがあり、ボールの伸びがよく7掛けのスイングで十分でした。
バックバンドはびっくりするくらい上手に打つことができました。
Sさんは【X 97 ツアー】で私は【X 100 ツアー】でバックバンドのスライスだけ選手権のように、すべてスライスで打ち合いましたが私の完全勝利でした。※譲っていただいたのもあると思いますが
インパクトが長いので、十分に回転をかける時間的余裕が持てます。
直線的に飛んでいるのですが、滞空時間が長くベースライン付近で着弾し、バウンド後に伸びがあります。
このスライスが打てれば試合中に守ることもできますし、相手からの攻撃も受けなくて済みます。
私はフォアハンドが苦手であまり強打ができないのでスライスをよく使います。
【X 100 ツアー】を使うと、バックバンドは伸びあるスライスと切れのあるドライブが打てますが、フォアハンドでスライスを打つとボールが持ち上がらずネットすることもありました。
フォアサイドとバックサイドの剛性の違いがよくわかった瞬間でした。
当然、フォアハンドを強打する方は剛性の高い方が面ブレが起きずパワーロスもなく安定しているのですが私はレアケースです。 ただ、フォアサイド側もバックサイドと同じ硬さにすれば良いのかというと、また違う感じがします。
捻ってあるからこそ生まれる「しなり」と「捻れ」の融合みたいなことがあるのだと思います。
イメージとしては、インパクトの瞬間、地面に対して垂直に当たり、フェース面の地面側はしならず、空側だけしなる(フェースが開いて閉じる)ような感覚です。 【X 97 ツアー】より【X 100 ツアー】が個人的に良かった理由がもう一つあります。
ストリングパターンが【X 97 ツアー】は16×19に対し、【X 100 ツアー】は16×18で少し粗い設計となっています。
現在使用中のレヴォCS10.0も16×18なので、もともと相性が良かったのかもしれません。 ストリングパターンは細かいとボールを潰しやすく、粗いと食いつきがよくスナップバックが起こりやすくなります。
ボールを潰せるスイングスピードの方は、ヘビースピンがかかり、エッグボールで攻撃できる16×19で、 スイングスピードがそれほど速くない方は、ストリングのスナップバックを利用して、スピンとパワーをアシストしてくれる16×18がおすすめです。
今回はストロークとボレーのみの試打でしたので、試合形式でどのような感触なのか、次回試してみます。
その結果次第では購入もあると思います。 *こちらのモデルは左利き用もラインナップ
【GEEK通信】「ハイブリッドの欠点解消!インナーハイブリッドHDMX誕生」
2019/08/16
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「ハイブリッドの欠点解消!インナーハイブリッドHDMX誕生」
※2019年8月下旬発売商品
ハイブリッドストリングに注目が集まっています。
R・フェデラー選手、N・ジョコビッチ選手を筆頭にナチュラルとポリエステルを組み合わせたハイブリッドにしている選手が非常に多くなっています。
ウイルソン、ゴーセン、バボラなどのメーカーからハーフガットを組み合わせたハイブリッドストリングが発売されています。 では、ハイブリッドは何がいいのでしょうか。
縦糸と横糸の役割が違うので、それぞれの特徴を生かして、欠点をカバーすることができるのがハイブリッドの良さです。
縦糸の役割は、反発、耐久性、スピン、コントロール、打球感などです。
横糸の役割は、打球感、スピンアシスト、コントロールなどで、70%は縦糸の性能に左右されると言われています。

シンセティックストリングの欠点は、耐久性が無いこととスナップバックがほとんど起こらずスピンとパワーがややマイナスなことです。
長所は打球感が柔らかく、コントロールがしやすく腕への負担が少なくなります。

ポリエステルストリングの欠点は、打球感が硬く、柔らかいタッチが出しづらいことです。また、テンション維持が短いこともマイナスなことです。
長所は、耐久性があり、スナップバックが起こることで、スピンとパワーが得られます。

ナチュラルガットの欠点は、雨に弱いことと、飛びすぎることです。
長所は、打球感が柔らかく、スイートスポットが広いことです。またテンション維持がながいこともナチュラルの特徴です。

ポリエステルとシンセティック、ポリエステルとナチュラルをハイブリッドした場合、スナップバックによるスピンとパワーが得られ、柔らかいタッチもあり、欠点を補うことができます。
ただし、ポリエステルはテンション維持が短く、ナチュラルはながいところに盲点があります。
縦をポリエステルにした場合、ポリエステルの寿命とともに性能は劣化します。
横をポリエステルにした場合もポリエステルが劣化しますが、縦のナチュラルがテンション維持しているので、意外とポリエステルの寿命が気になりません。
それでも段々とフィーリングは変わってきてしまいます。
トッププロは数ゲーム、ランキングの低い選手でも1日しか使用しませんので、縦横のテンションのばらつきはさほど関係無いのです。
しかし、私たちアマチュアは3ヶ月は気持ちよく使いたいところです。
ポリエステルのテンション維持は1ヶ月と言われていますので、ハイブリッドで気持ちよく打てるのは1ヶ月ということになります。
そのような問題を抱えているハイブリッドストリングを発売していないストリングメーカーがあります。
ウレタンを使用したナイロンマルチフィラメントとソフトな打球感のポリエステルが評判のテクニファイバーです。
テクニファイバーは縦糸と横糸の寿命の違いを問題視しており、ハイブリッドストリングを発売していません。
そこで、ストリング単体として内部構造でハイブリッドさせることにしました。(ハイブリッド3D構造) ****************
「HDMX」は8月下旬に発売を予定です。
カラー:イエロー
取扱いゲージ:1.25mm/1.30mm
ウインザー価格:¥2,419(税込)
****************
HDMXというネーミングのポリエステルとシンセティックの複合構造で、
いったいどんなストリングなのか打つまでまったく想像がつきませんでしたが、
本当に、ポリエステルの良さとシンセティックの良さを併せ持ったストリングでした。 10年前にプリンスから発売していたリコイルを思い出しました。
シンセティックでありながら、表面をテフロン加工していて、摩擦がなくスナップバックが凄かったのですが、打球感が硬く単体で張るよりもハイブリッドの片側にする方が多かったストリングです。
ゴアテックスで有名なゴア社が加工していたのですが、シンセティックでは最も高額だったと思います。私も縦ナチュラルに横リコイルで張っていました。
HDMXは、100%ポリエステルに比べるとスナップバックがやや劣りますが、シンセティックよりスナップバックは起こります。打球感はポリエステルより柔らかくなり、手に来る衝撃も少なくなります。 そこで浮かんだのが、HDMXとポリエステルをハイブリッドしたら面白そうでした。
早速、レヴォCS10.0に縦HDMX130、横アイスコード125を張ってみました。 アイスコード単体より、食いつきがよくなり、スライスの打ちやすさと、ボレーのしやすさが増しました。
思った通り、スナップバックもポリエステル単体と変わらなくなり、スピンとパワーもHDMX単体より向上しています。

個人的にかなり気に入りました。
もちろん【HDMX+ポリエステル】でも【ナイロン+ポリエステル】でも同様にテンションロスに違いがおきます。
HDMXにするとハイブリッドの耐久力を持ちつつ、縦横で同じストリングを張れるので、縦横テンションのアンバランスが無くなるということです。
ポリエステルが好きな方で、柔らかいシンセティックとハイブリッドすると、スナップバックが減少したり、シンセティックがすぐ切れてしまったりすることに不満があったと思います。
HDMXとポリエステルのハイブリッドなら、ポリエステルの性能を生かしながら、少しだけ柔らかくなるのでこのような組み合わせもありだと思います。
当然、初めはHDMX単体で張ってみて、こちらのストリングの特徴を知ってから、ハイブリッドにチャレンジしてみてくださいね。
【GEEK通信】「発見!クラッシュ108は打っても打ってもアウトしない不思議なラケット」
2019/08/09
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「発見!クラッシュ108は打っても打ってもアウトしない不思議なラケット」
先日、Y田さんとシングルス7セットやった話しの後日談です。
月曜日に4時間シングルスをやり、その週の木曜日にまたY田さんと4時間シングルスをプレーをしました。
Y田さん「実はまだ疲れが取れてないんです。」
私「そうなんですか、自分は昨日も4時間テニスしましたよ。でも全然大丈夫です。」
Y田さん「自分より3つも年上なのに、凄い体力ですね。」
私「体力じゃないんです。疲労をためないようにしているんです。」
Y田さん「どうしているんですか。」
私「重炭酸イオンのお風呂に入っています。これが効果あるんです。」
Y田さん「それ欲しいです。」
重炭酸イオンを発生する入浴剤「アスリートリラックス」こちらがオススメです。
※使用感には個人差がございます
きっかけは、炭酸ガスの温泉に入ったときに気持ちよく、温泉を出た後も血流が良くなっているのか冬なのにずっと暖かさが続きました。
翌日にはテニスの疲れがなくなっていました。
炭酸ガスを調べてみると、重炭酸イオンがもっと効果があることがわかり、それ以来、自宅のお風呂で使用しています。
38度前後のお湯に15分浸かると、重炭酸イオンの効果があらわれます。
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・血液中の酸素量が増え、ミトコンドリアの働きが活性化。酸素を使うエネルギー生成が行われ、体温が上がる。
・血流が上がると副交感神経のスイッチが入り、リラクゼーション状態となって快眠、疲労回復が促進
・血管拡張によって血液中のリンパ球の動員が容易になって、リンパ球が増加し免疫機能が向上する。
よってシングルス4時間やっても、翌日に疲労が残り辛くなるのです。
その日の疲れはその日のうちに。
蓄積されるといつも疲れている状態が続いてしまいます。
痛い肘、膝をマッサージしていると15分はあっと言う間に経ってしまいます。
一回300円で、家族からも感謝されること間違いなし。
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10粒入り
ウインザー価格:¥1,080(税込)
30粒入り
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*********** テニスコートでクラッシュを使用しているプレーヤーをよく目にします。
今回のダブルスの対戦相手が2人ともクラッシュだったのですが、ネットに出てウォッチしたボールがストンと落ちて入ること多数。
スピードはあまり出ていないのですが、確実に入っていきます。
アマチュアにはスピードより、コントロールが大事ですよね。
プロはスピードが出るラケットでコントロールする技術がありますが、アマチュアはスピードが出るとミスが出やすい傾向にあります。
クラッシュのしなりはミスショットの許容範囲を広げてくれているようです。
ということで、クラッシュをいちから打ち直してみました。 ある発見がありました。
クラッシュ108が程々にパワーがありながら、打っても打ってもバックアウトしないのです。
※個人差によります
私にとっては、100ツアー、100、100L、98の4機種はパワー不足で必要以上に強打しないと深く飛ばないことが多いです。
ところが、108は軽く打つと深いボールが行き、ハードヒットすると浅いボールになるのです。
不思議な現象はなぜおこるのでしょうか。
まずはスペックを確認してみましょう。 ***********
クラッシュ108:ウエイト280g、バランス335mm
クラッシュ100:ウエイト295g、バランス310mm
クラッシュ100L:ウエイト280g、バランス315mm
***********
まず気がつくのはバランスの違いです。
280gで335mmというのは、かなりトップヘビーです。
バーン100LS:ウエイト280g、バランス325mm
ウルトラ100L:ウエイト277g、バランス325mm
ですのでウイルソンのラインナップの中でもトップヘビーで、ましてやクラッシュはトップライト設計のモデルです。
さらに、さらにクラッシュ108は0.25インチロングなのです。
これは間違いなく、パワーアップが狙いです。
力があまり無い女性でも楽々飛ぶように設計したのかもしれませんが、ハードヒットする男性でも使えることは想定外だったかもしれません。 なぜ、ハードヒットすると浅くなるのかというと、クラッシュ特有のウッド並みのしなりが原因と考えます。
軽く打つとあまりしならないので、フェース108平方インチ、バランス335mm、0.25インチロングのおかげでパワーが生まれ深くて威力のあるボールが飛んでくれます。
ところが、ハードヒットした途端にボールの軌道が変わるのです。
ネットを越してすぐに「グググ」とスピンで沈み込むのです。
打てば打つほど沈み込む感覚があり、アウトボールはほとんどありません。 ダブルスのゲームで使ってみたのですが、普通に打つだけでリターンがよく沈みます。
センターへの突き球も良いボールが打てるのですが、アレーを狙ったアングルショットがサイドアウトせずに入るので安心して角度をつけることができます。
球乗りが良いのでボレーもミスが少なく、元々、軽く打つと飛ぶラケットですので、ボレーの威力もあり、ネットプレーは軽快です。
私の中で最近チャレンジしていることがあるのですが、相手の前衛がネット際まで詰めている場合にトップスピンロブでストレートに抜くリターンを練習しています。
抜ければそのままエースになることが多いのですが、浅くなればスマッシュを決められ、スピンのかかりが悪いとバックアウトしてしまいます。
クラッシュ108でトライしてみたところ、面白いように見事に決まりました。
インパクトの時間がながいので、成功に結びついてくれたようです。 ダブルスでスピンを操りたい男性におススメの一本です。
対戦相手がクラッシュを使っていたら、要注意です。
際どいボールはウォッチせずに打ち返しましょう。
【GEEK通信】「ヘッドから10年ぶりの新シリーズ グラビティを試打」
2019/08/01
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
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「ヘッドから10年ぶりの新シリーズ グラビティを試打」
ヘッドから新しく発売されるラケット「グラビティ」の名前を聞いた時は、「ビクッ」としました。
なぜかというと、グラビティという名前のストリングが発売されており、張るのに苦労したことを思い出したからです。
グラビティというストリングは、縦糸が正三角形で横糸が円形のハイブリッドポリエステルです。 縦糸が1.25mmの表示なのですが、円形のストリングならば、直径1.25mmは普通のゲージですが、三角形の1.25mmは高さを表示しています。
三角形の一辺の長さを計算すると、1.44mmになるので相当太いストリングになります。
ラケットのストリングホールの大きさも色々あり、その時張ったラケットが小さなホールだったので、苦労した日がありました。
「グラビティ」という名前で一瞬ためらってしまったのはそういう過去があったのですが、ラケットを試打してみると別世界が待っていました。
初めて見たのは、パンフレットだったので、2色展開のラケットだと思っていました。 実物を見てびっくりしました。 ラケットのスムース面、ラフ面でカラーが異なっていたのです。
打つ面によって性能が違うわけではありませんが、フォアとバッグで違う面で打てたり、試合前のトスの時にわかりやすかったりするなど面白いデザインですね。 ビッグ3の牙城を崩すのは、ズべレフ選手(グラビティ)、ティーム選手(ストライク)、チチパス選手(ブレード)の3人と言われていますが、偶然にも3人のラケットの新作がこの夏に揃い踏みになります。
ヘッドは10年前にジョコビッチモデルとしてスピードシリーズを発売して以来の新シリーズの登場になり、ズべレフ選手に対しての期待の表れだと思います。
ラケットを正面から見ると、2時10時の幅が広くかなり丸くなっています。 また、5時7時の位置に新素材を採用し、食いつきをよくしています。 試打は軽い順に、
グラビティS(285g)→グラビティMP(295g)→グラビティツアー(305g)→グラビティプロ(315g)
の順番で打ちました。 グラビティSの第一印象は、楽によく飛んでスピンがかかるでした。 グラビティMPは、Sに比べて打ちごたえがあり、コントロール性能がより高くなっているようでした。少し飛びを抑えたラジカルMPのような感じです。 グラビティツアーは、このあとに打ちましたグラビティプロとセットで解説します。
ともに18×20の密なストリングパターンを採用し、打球感、コントロールを重視した設計になっています。
ウエイト以外の大きな違いはフレーム厚がツアーが22mmに対して、プロはさらに2mm薄い20mmになっています。
試打用はシンセティックガットPPSを46ポンドで張ったのですが、面圧が64も出てしまい硬すぎたかなと思ったのですが、いざ打ってみるとラケットの打球感がソフトなので、全く硬く感じませんでした。
グラビティツアーが弾く感触があるのに対して、グラビティプロはしっとり乗る感触です。
ともに18×20のストリングパターンですので、ストロークの飛び出し方向は低めに感じます。 今回試打をしたのは、2面12名4時間のダブルスオフでした。
4機種を順に使用しながら、テニスの調子も良くてここまで全勝です。 次のゲームで組む相手は、今回参加しているメンバーの中では最も初級に近いAさんです。
ただ一番早くコートに来て素振りをしているのを私は知っていました。
対戦ペアは今回の参加の中でも上手な二人が組んでいます。
かなり緊張しているのがわかったので、Aさんに近づいて耳元で囁きました。
「ここまで全勝なので、頼みます」
わざと緊張感が増すようなことを言ったので、初めはびっくりされてましたが、その後は笑ってくれました。
Aさんの緊張も解け、いつも以上の頑張りで勝利することができました。
このゲームにどうしても勝ちたかったので、安心してプレーできるラケットはどれかと考えて選んだのは、グラビティMPでした。
1球の威力はグラビティプロですが、確実にミスなくプレーをしたかったのとボレーは16×19のストリングパターンが行いやすいので、グラビティツアーと迷いましたがMPを選びました。 グラビティシリーズ全般に言えるのは、粘りのある柔らかい打球感から安心感を得られることです。
ストロークはスピンでもスライスでもしっかりと体重が乗り、見た目以上の威力が出ます。
ボレーは、グラビティSとグラビティMPは行いやすいですが、グラビティツアーとグラビティプロは踏み込みが必要です。
プレステージシリーズとスピードシリーズの間に位置するようなアスリート向けのグラビティと使用するズべレフ選手に注目です。

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