オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。

新着記事
アーカイブ

店舗情報

【GEEK通信】「ピュアストライク5機種をダブルスでテストしてみました」
2019/07/18
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「ピュアストライク5機種をダブルスでテストしてみました」
バボラピュアストライク5機種を持って、とあるテニスコートでプレーをしました。
この日は4人でダブルスのオフなのですが、集まってみたら皆様凄い方達でした。
主催の方は、ポリエステルを数日で切ってしまう超ハードヒッターで、残りの二人は全国大会常連のベテランとインカレサークルの大学生です。
試打をしているどころではないメンバーが集まりましたが、翌日に控えていた "ミスターバボラ" 大塚氏とのプロモーションビデオ撮影があり、打つしかないのです。
それに、ラケットはピュアストライクしか持参していません。
個人的に扱いやすいスペックから順番で打つことにしました。
①ピュアストライク100チーム(280g)→②ピュアストライク100(300g)→③ピュアストライク16×19(305g、98インチ)→④ピュアストライク18×20(305g、98インチ)→⑤ピュアストライクツアー(320g、98インチ) ピュアストライクチーム(100)でスタートしたのですが、案の定ミスを連発してしまい1-5のピンチです。
ピュアストライク100に持ち替えてから、良いショットが入り出し、なんとかタイブレークでハードヒッターと学生のペアに勝ちました。
ピュアストライク16×19で全国ベテランと学生ペアに勝ち、ピュアストライク18×20でハードヒッターと全国ベテランペアに勝ちました。
ピュアストライクツアーでハードヒッターと学生ペアと2度目の対戦をした時のことです。
私はアドバンテージサイドを守っていたのですが、相手のアプローチショットがベースラインギリギリのアレーに入っていきました。
ロブかスライスでの返球と全員思っている場面で、ドミニク・ティエム選手のようにバックバンドをクロスに振り抜きました。
鋭角に飛んでいき相手側のアレーに入るノータッチエースとなりました。
また私が前衛で全国ベテラン出場者のアドコートからのサービスの時、ロブで自分の頭上を抜かれてそれを追いかけ振り向きざまにバックバンドで振り抜くと、逆クロスにエースとなりました。
重さ(320g)で振り遅れたのがアウトサイドにスピンがかかり良い結果となりました。今回の試合ではなんと強敵相手に全勝。(これもすべてラケットのおかげではないでしょうか。)
扱いやすい→難しいの順番で打ったのですが、段々と打ちやすくなっていったのが不思議でした。
試合の翌日 、"ミスターバボラ"大塚氏にその質問【段々と打ちやすくなっていった】をしましたが、、、この回答についてはいずれ動画として掲載しますのでチェックしてみてください。 NEWモデルのピュアストライクシリーズは全体的に前作よりも、マイルドな打球感になっており、難しいラケットを扱い易くしてくれています。
ピュアストライク(18×20)や320gのピュアストライクツアーは決して簡単なラケットでは無いのですが、 芯に当たっている限りでは他の機種に無いヘビーなボールが飛んでくれます。
正面から見たラケットの厚みは恐らくこれ以上薄いラケットは無いであろうと思われます。
メリットとして振り抜きが良くなりスイングスピードが向上し、攻撃的なプレーが可能になります。
「ピュアストライクチーム」※8月発売予定
決して楽なラケットではありません。
しっかりとしたスイングができている方で、
体力があまりない、女性、ジュニアにオススメです。 「ピュアストライク100」※8月発売予定
オールラウンドなプレーを目指しながらも、ストロークでは攻めたい方にオススメです。
ピュアドライブでは飛びすぎてしまうという方にオススメです。 「ピュアストライク16×19」※10月発売予定
とにかく振り抜く方にオススメです。
ストロークの威力、サービスの切れで勝負できるラケットです。
攻撃は最大の防御なり。 「ピュアストライク18×20」※10月発売予定
コントロールを重視している方にオススメです。
どこで捉えているか敏感に伝わっていきます。
ストリングがすぐに切れてしまうが、ポリエステルではなくナイロン系を張りたい方も安心と思います。 「ピュアストライクツアー」※10月発売予定
面ブレが少なく、リターンが安定します。
体力に自信のある方、重さを活かしながら省エネテニスをする方など思っていたよりも幅広く使えるモデルです。 振動止めを付けずに試打したのですが、不快な振動はなく気持ち良い音、打球感でした。デザインも斬新でカッコイイラケットです。
発売が今から待ち遠しいですね。
【GEEK通信】「テニスベア」ご存知ですか?
2019/07/11
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「テニスベア」ご存知ですか?
唐突ですがみなさん、東京都内のテニスコート(都営、区営、市営、民間レンタルコート)は何面あるか知っていますか。
なんと約1500面あります。
約1500面のコートを全部合わせると、驚くなかれ、なんとなんと台東区の広さ分くらいあるのです。
なのに、いざテニスをプレーしたい時に、コートが空いていないなんてこと多くないですか。
実はコートは空いているところもあるのですが簡単に空きコート検索ができるサービスが無いんですよね。
そのようなテニスプレーヤーの「困った」を解決してくれそうなサイトを見つけました。
「テニスベア」というサイトです。
https://www.tennisbear.net/ サイトではコートの空き状況が大量に出ています。
かなりありますね。空きコート。
公営のコートだと在勤在住者の使用を基本としているところが殆どですが、区外、市外の人でも申し込める公営コートもありますので、調べる価値がありそうです。
サイトを運営している人に会って話を伺いたいと思い、サイトにあるイベントコーナーからテニスベアの人が主催しているらしいイベントに申し込んでみました。
朝7時から9時の2時間、スポル品川大井町で朝練です。当日はテニスベアの ” マッシ― ” こと、増原(ましはら)さんという方とお会いしました。
年齢が若く、そしてプレーが上手で特に打球が早い!私はついて行くのに精一杯でした。
練習会後に増原さんに話を伺いました。
私「テニスベア見ました。便利なサイトですね。こういう形の空きコート検索サービスって今までなかったですよね。」
マッシ―「そうなんです。私自身テニスをしようと思った時にテニスコートが中々見つからなくて困った経験が多々あり、恐らくそういったテニス愛好家の方がたくさんいらっしゃるんじゃないかなと思いまして、テニスベアを仲間たちと作りました。こういったサービスは日本で初めてだと思います。」
私「これ、どうなっているんですか?」
マッシ―「テニスコートの空き状況を5分ごとに更新する仕組みになっています。」
私「5分ごとに更新!面白いですね。空きコートって結構あるものなんですね。」
マッシ―「そうなんです。私たちもサービス開発をしてみてわかったのですが、空きコート自体は結構あるんです。ただ、公営のコートは登録から申込、抽選などを経て初めて予約ができる仕組みのところがほとんどなので、例えば『明日テニスやりたい!』と思っても申し込めないところがほとんどじゃないでしょうか。
そのような場合は民間のテニスコートを探して頂ければと思います。テニスベアでは、公営も民営も両方ともコート検索ができるようになっています。また、ウェブサイトだけでなく、iOS(iPhone)とAndroidアプリもあるので、アプリを利用してスマートフォンで何時でも・どこからでも空き状況がわかりますよ。」

私「今は東京・神奈川のコートだけが対象なんですね。」
マッシ―「そうなんです。現在は東京都と神奈川県のコートはほぼ網羅されています。今後はエリアを広げていき、いずれは日本にある全てのテニスコートの空き状況データを載せたいと思っています。」
私「壮大ですね!」
マッシ―「ですね(笑)テニスベアではまだ網羅できていないのですが、表には出ていない情報として、会員制のテニスクラブやテニススクール、あとは学校のコートなど、テニスコート自体はまだまだあると思っています。 それらのコートは事業者様や管理者様の考えやご事情で、現時点ではレンタルをしていないところが多々ありますが、もし借りたいという人がいることがわかれば貸し出しても良いよ、という事もあるのではないかと思います。それと、中小規模なテニスクラブでは、ネットで予約するシステムが無いケースも多々あります。ですので、テニスベアでは、コートの予約システムも作りました https://reserve.tennisbear.net/
私「プレーしやすい環境になりますね。」
マッシ―「はい。テニスプレーヤーにとってはテニスをやりたい時に簡単にテニスコートが見つかり、テニスコートの事業者様にとっては今まで空いていたコートが売上を創出しくれる、というようなみんながハッピーになるサイクルができれば良いなと考えています。」
取材が終わった後日のこと。社内で「テニスベア」の話をしていたところ、なんと既に使っている同僚がいました・・・。
実は「テニスベア」の取材に行ったタイミングより少々前に、テニスの大会が行われたのですが、残念なことに当日、雨天中止になってしまったのです。
雨雲の動きが不安定で、中止が決定したのが開始1時間前でした。テニスの用意をして電車に乗っていましたので、気分は完全にテニスモードになっており、雨でもできるコートは無いかなと、「テニスベア」で検索してみると、大井町のインドアコートスポル品川大井町が3面空いていました。
有志を募ってテニスをしようかと迷いましたが・・・、その日はおとなしく帰ることにしました・・・。
※その後知ったのですが、有志でテニスをしたそうです。
その有志も「テニスベア」を活用していたみたいです。 さてさて、まだスタートしたばかりの「テニスベア」ですが、今後の展開に目が離せません。
【GEEK通信】「テクニファイバー アイスコードはポリエステル嫌いの人でも納得の一品です」
2019/06/27
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「テクニファイバー アイスコードはポリエステル嫌いの人でも納得の一品です」
夏にぴったりのストリングが発売しました。
テクニファイバーの「アイスコード」です。 まずカラーが真っ白で新鮮です。
ポリエステルで真っ白ってあまり無いですよね。
ブリヂストンの営業担当がアイスコードの説明をしてくれたのですが、それを偶然聞いていらした中学生のお客様が興味を持って声をかけてくれました。
お客様「それってそんなに良いんですか、ちょっと見ても良いですか。」
と言ってパッケージの裏を見ています。
お客様「HCD PROCESSは分子構造の配列を変化させていると書いてありますね」
私「えっ、わかるのですか」
オーストラリアに住んでいたらしく、英語が堪能だったのです。一通り翻訳してもらいました。 シーンは変わり・・・
いつも激しい戦いになるY田さんとの4時間シングルスです。
早速レヴォCS10.0に縦55/横50で張り上げたアイスコードを手にゲーム開始です。
リターンのボールのスピードがいつも以上に出て、いきなりブレイクスタートです。
食いついてからストリンクが復元する「グッ、ポン」という音を初めて聞きました。
ストロークの威力、安定感が抜群で、6-0、6-0のダブルベーグルを初体験しました。
その後も6-2、6-2、6-1、6-1、6-0と7セットも行いました。
Y田さん「いつもより、ボールのスピードがあり対応できませんでした」
通常パワーがある場合コントロールがしづらくなるのですが、食いついた後に弾くのでミスの少ないテニスができました。
またラケットとの相性も良かったようです。 レヴォCS10.0は非常によく飛ぶラケットですので、ナイロンマルチフィラメントを張っている時はスピンをかけないと大きく飛んでしまいますが、アイスコードは飛距離は抑えられますので、フラット系のボールもアウトしません。
スピンを抑えたボールを打てたことも、相手の時間を奪う効果を得られたのではないでしょうか。
ボレーもしやすく、ローボレー、ハーフボレーもミス無く打て、ポリエステルのマイナスポイントは今のところ見当たりません。
(7セット目あたりで肘が痛くなってきたのは、ストリングによるものなのか、プレーのし過ぎなのか微妙なところです。。。)
一ヶ月後の性能維持がどうなのかはまだわかりませんが、
新製法の「H.C.D PROCESS」採用の意味は、パワー、食いつき、テンション維持ですので期待しています。
今までのポリエステルはカラフルなカラーで主張しているものが多く、個人的にラケットとコーディネイトがしづらいことがありました。
アイスコードの真っ白は、ナイロン系の白より綺麗な純白ですので、どんなラケットにも映えるカラーです。また、ラケットのデザインを損なうこともないでしょう。
今までポリエステルは苦手なストリングと思い込んでいたのですが、今回自身のラケットに張ってみて、ポリエステルの良さを改めて実感することができました。
(食わず嫌いはいけません。私もこれから苦手な、抹茶、ココナッツ、パクチーも食べてみます。)
【GEEK通信】「初めてポリウレタンのマルチフィラメントを打ったときは感動でした。」
2019/06/13
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
-------------------------------
「初めてポリウレタンのマルチフィラメントを打ったときは感動でした。」
1980年代後半にフランスのテクニファイバーから発売されたのですが、この頃はゴーセンのハイシープ(1.42mmのナイロンモノフィラメント)か、こだわりのある方でシープ(羊の腸でしたが、すぐに牛腸に変わりナチュラルガットと呼ぶようになりました)を使っていました。
マルチフィラメントはアッシャウェイくらいしかまだ無い時代に、ポリウレタンを浸透させたマルチフィラメントには驚かされました。
とにかく柔らかい打球感で、ボールが食いついている時間が長く感じました。
世界ナンバーワンだったモニカセレス氏がナチュラルガットではなくテクニファイバーのポリウレタンマルチフィラメントを80ポンド以上で張っていて、このストリングの性能の高さを広めるのに時間はかかりませんでした。
今回テストしたマルチフィラメントはそれ以来の感動でした。
ウイルソンから「#1000分の3秒を5秒にする」プロジェクトの参画の依頼とともに、2つのストリングが同封されていました。
①プロトタイプ#1 
②プロトタイプ#3
ウイルソンはストリングマーケットの中で最もソフトなフィーリングを目指しているとのことです。
そのため、届いたパッケージにはマーケットで「最も柔らかいと言われる某モデル」に対抗すべくと記してありました。(あくまで推測ですが某モデルはテクニファイバーのTGVかバボラのエクセルあたりだと思います。)
商品化するにあたり絞り込まれた2タイプのストリングを、最後は外部の人にテストしてもらい一つに絞り込む方策のようです。
それが本当だとすると責任重大ですので、いい加減に試打するわけにはいきません。
そもそもストリングの試打は難しいのです。
同じ条件に設定しないと、どうしてもラケットの性能が前面に出てしまいストリングの微妙な違いが見えてきません。
同じラケットに同テンションで張り、じっくり打つことが必要です。
そこで、自分のラケット(スリクソンレヴォCS10.0)に、いつものテンションで2本張り上げました。 20時間(シングルス8時間、ダブルス12時間)くらい打ち、ナンバーワンは圧倒的大差でTYPE1に決定しました。
ストリングを試した印象は下記の画像のようなイメージです。 私が使用しているレヴォCS10.0は、フェース面積115平方インチで縦糸の長さが規定を超える40cm(デュアルブリッジが付いているのでルール上は問題ありません)もあり、ストリングのたわみを利用した設計のラケットで、ストリングの種類やテンションの影響を大きく受けます。
軽く打ってもよく飛ぶラケットをハードヒットしていますので、食いつき時間の長さやスピンのかかり具合で、エース級の凄いボールと思いっきりアウトボールが表裏一体なんです。
TYPE1とTYPE3を軽いラリーで試打した時は、まったく違いが分からず、ストリングの試打の難しさを感じていましたが、いざ試合が始まるとTYPE1では結果が良くTYPE3では負け続きでした。
TYPE1で打ったボールは、ベースライン付近でぐぐっと落ちたり、スライスのバウンド後に滑るのか相手が振り遅れることがありました。
一方TYPE3で打ったときは、決まったかなという軌道のボールがバックアウトすることが多かったように思えます。
同じように使ったのですが、使用後のストリングの乱れ具合はTYPE3の方が多く、TYPE1はヨレが少なく、スナップバックの戻りが良かったようです。
TYPE1が商品化された際には使ってみたいストリングであると断言できます。
「#1000分の3秒を5秒にする」プロジェクトの結果が楽しみです。
今回はストリングのテスター体験を取り上げてみました。
【GEEK通信】「ウイルソンクラッシュ98は、こんなラケット欲しかった!と思える逸品」
2019/06/07
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「ウイルソンクラッシュ98は、こんなラケット欲しかった!と思える逸品」
膝の怪我(打撲)もだいぶ癒えてきましたので、6月からシングルスを再開しました。 ダブルスばかりプレーしていると、リターンやベースラインからのストロークを強く打つことが癖になります。
「何言ってんの!?逆でしょ?」と仰る方もいると思いますが、私の場合は、ダブルスは強打でシングルスはゆっくりスローボールなのです。
ダブルスの場合前衛がいますので、ポーチされないようにクロスに強打とストレートアタックの強打なのです。 かたやシングルスはミスをしないようにゆっくりと深いボールを打つことを心がけています。
ベテランシングルスは、エースはほとんど無くどちらかのミスを引き出した方がポイントを奪うのです。
そのようなベテランシングルスの戦い方を参考にさせていただいたのが、テニスライズ代表の河合氏です。
河合氏とは、彼がテニスコーチになる前からの知り合いで過去100戦以上対戦していますが、一度も勝ったことがありません。
今回8年ぶりにシングルスの試合を行いました。河合氏は実は8年前に足を複雑骨折しており、以前のように試合に出るのは無理なのではと思われていました。
それから奇跡的に回復し、今年からベテラン大会に復帰したとのことです。
当時の怪我があったこともあり、サービスはスピードを落としてファーストを確実に入れてくる、ストロークはフォアハンドはスピンで確実に入れてくる、バックハンドはすべてスライス。
一進一退で5-5になり、河合氏のサービスゲームです。
ここでギアを入れたのかワイドにサービスエースがきました。
5-6になり私のサービスで、積極的ににアプーチを打ちネットに出ました。すると河合氏からバックハンドでキレッキレのパッシングをされました。
5-7でファーストセットを落としましたが、河合氏は50%くらいの体力消耗に対し、私は100%全開でしたのでセカンドセットでは2-6とあっけなく取られてしまいました。
試合後、河合氏に聞いてみました。
私「昔みたいにガンガン打ってこないけど、足の具合はいかがですか。」
河合氏「足はもう大丈夫です。ベテランの試合は打っても返ってくるから、深いボールでミスなく粘ることだね。」
私「確かに、スライスは深く入ってきてやりづらかったですね。」
ここぞの場面のために体力を温存しているようでした。私も次からは、この戦略をやってみたいと思います。 大好評のウイルソンクラッシュに、クラッシュ98、クラッシュ100L、クラッシュ108の3モデルが追加になるので、早速打ってみました。 クラッシュの卓越したしなりは、フェース面が小さめでフレーム厚が薄めのラケットと相性が良さそうだということを常々思っていましたが、、、ついに出ました。
クラッシュ100ツアーとクラッシュ98はウエイト、バランスがまったく同じ、310g、306mmですが、打球感がまるで違いました。
クラッシュ100ツアーはしなるのに、あまり柔らかさを感じませんでした。
それはなぜなのか、クラッシュ98を打ってやっとわかりました。
言葉として表現するのは難しいですが、表現でするならば、[しっとりしている]か[カラッとしているか]の違いと感じました。 ■クラッシュ98は、中身が詰まった感覚があり、しなりと相まって、ひと昔前のラケットの打球感に感じました。
古いと言うわけではなく、安心感があり、自分の思っている範囲内でボールが飛んでいってくれます。
手に伝わる柔らかさがイメージ通りで心地良い打球感です。 ■クラッシュ100ツアーは、中空系の打球感でありながらしなりの大きいラケットで、慣れないと力の入れ具合が難しいところがあります。
錦織圭選手も動画で「ポーンと飛んでいく、タイミングが合わないくらい柔らかい」というような内容を語っていました。
今まで数多くのラケットを打ってきた中で、見た目である程度どんなラケットかイメージすることがあります。
クラッシュ100ツアーはいい意味で裏切られます。クラッシュ98は、イメージした通りの弾道で飛んでくれます。
ボールを押すように打つベテランプレーヤーには是非打ってもらいたいラケットです。 ■クラッシュ100は、フェース100平方インチ、フレーム厚24mm、ウエイト295g、バランス310mmのクラッシュシリーズ5アイテムのど真ん中のモデル。
男女、プレーレベル、プレースタイルを問わないユーティリティモデル。迷ったらこちらのモデルです。 ■クラッシュ100Lは、是非女性に使っていただきたいラケットです。
280gですのでまさに女性の平均的ウエイトで、しなることでスイングスピードが速くない方でも、コントロールがつけやすくスピンをかけるのが苦手な方でも自然とかかってしまいます。 ■クラッシュ108の特徴はバランスが335mmということで、クラッシュ100Lは、同じ280gで315mmですから、20mmも違います。
その20mmの違いはストロークやサービスのパワーとなって現れます。
クラッシュシリーズ最大の特徴はしなりですが、しなりによりパワーを奪われるのも事実です。
そこでクラッシュ108は、トップヘビーバランスと0.25インチロングでパワーアップしているのでしょう。 一見ダブルス向きかと思いますが、ストロークの安定感からベテランのシングルスにも良い結果が出そうな気がします。
【GEEK通信】「ラケット選びはスイングウエイトが大事です。もっと大事なのは自分の感覚です。」
2019/05/23
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「ラケット選びはスイングウエイトが大事です。もっと大事なのは自分の感覚です。」
皆様は、ラケットを選ぶときに何を意識して選んでいますか。
ウエイト、バランス、スイングウエイト、グリップ形状、塗装の仕上げetc。
もちろん気にしないという方もいらっしゃると思いますが、グリップを握ってみたり、軽く振ってみると1本1本違うことが分かると思います。
始めに申し上げますが、自分の感覚が一番大事です。
人間の持っている感覚はどんな精密機械よりも敏感で正確です。
グリップを握って振ってみるだけで、
グリップの太い細い、グリップの八角系の形状の違い、重い軽い、トップヘビー、トップライト、もしかしたら空気抵抗もわかるかもしれません。
スイングした時の音の違いもわかるかもしれません。
人間は五感を使って総合的に判断できるのです。

ですが、直感で選べなかった場合に悩み出すことがあります。
この時はウエイト(静止重量)、バランス、スイングウエイト(動的重量)を計測してみましょう。
ラケットに刻印されているウエイト、バランス(プリンスはスイングウエイトも刻印されています)はあくまでも平均を記載しており、プラスマイナス5くらいの誤差があることを認識いただければと思います。
ウエイトはボールの威力に直結する非常に重要なファクターです。
スイングスピードが一定ならば重たければ重たいほど威力が出ます。
相手のボールの威力を利用してコンパクトに振るプレーヤーは重い方が良く、
相手のボールに関係なく自分自身のスイングを速くして打つプレーヤーは、重た過ぎない方が良いということになります。
引退した伊達公子氏のラケットが数量限定で発売されましたが、なんとウエイトは355gでした。
バランス302mmから予想できるスイングウエイトは320前後でしょうか。
伊達公子氏の打ち方は、相手のボールの威力を利用して小さなテイクバックからライジングで打つ打法でした。
スイングを速くすることよりも、ラケットの重量で威力を出す選手と感じました。
実際には、人間のスイングスピードは一定ではなく、ショットによって異なりますし、前半のプレーと後半のプレーでも変わっていきます。
ちなみに「ウエイト×スイングスピードの二乗」にボールの威力は比例していきますので、 スイングスピードに影響を与えるほど重たくしてしまっては元も子もありません。
気持ちよく振れるギリギリ重たいものがベストウエイトになります。
私は現在255gのラケットを使っていますが、それまでに使っていた285gより、サービスが10km速くなりました。 これはラケットを軽くしたことによりスイングスピードが速くなったためです。
ラケット選びで重要な要素は
スイングウエイト > ウエイト > バランス
になります。

テニスのスイングはほとんどがグリップを支点に動いています。
静止重量(ウエイト)より動的重量(スイングウエイト)が重要なのです。
先日オーストラリア在住のSさん(日本人女性)がラケットを2本持って来店されました。
調子の良い1本は折れてしまっていて、同じラケットを使っているのですが、残りの1本はなぜか調子が良くなく、 「きっとスイングウエイトが異なるのでは?」
と、わざわざ日本に持参したのでした。
オーストラリアではスイングウエイトを測る機械を見たことが無いそうです。
計測の結果は、ウエイトはほぼ同じでしたが、スイングウエイトが10以上違っていてまるで別物でした。
折れている方に近いスペックをスイングウエイト重視で計量し、見つけたときは大喜びでした。

スイングウエイトは280~290が平均的で、290以上は体力のあるプレーヤーに向いています。 280以下は操作性重視のプレーヤーに向いています。
また、2本同じラケットを揃える時は、なるべく近いスイングウエイトを選びましょう。

下記の画像は、スイングウエイト、ウエイト、バランスを計測できる機器です。
※ウインザーラケットショップ各店に常設しております。
もし、ご来店時に近いスペックが見つからなかった時は、
ウインザー11店舗の在庫の中から探すことも可能ですので、ご遠慮なくお声をお掛けください。
あなたは現在使っている自分のラケットのスペックをご存知ですか。
ガットが無い状態でお持ちいただければ、簡単に計測することができます。
張り替え時に計測することもできますので、是非ご用命ください。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2019/05/16
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている  中居が担当いたします。
-------------------------------
「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。 相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。 以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。 中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。
上から下に叩きつける動作が入るとネットミスになります。
そこで、バランスがトップヘビーのものはヘッドが被りやすくなるので除外します。
また、重量の重たいものも振り遅れにつながるので除外します。
ウエイトが280g-285gでバランス320mmのものと、
ウエイトが300g前後でバランス315mm以下のトップライトのものをチョイスしました。

【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「正体不明なポリエステル『賢いストリング』を試し打ちしてみました」
2019/05/09
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「正体不明なポリエステル『賢いストリング』を試し打ちしてみました」
40年近くテニスをやっていますが、初めての経験です。
長年のライバルであるKさんとのシングルスマッチで起こりました。
サービスゲーム30-30、トスを上げようとした瞬間「バンッ」とかなり大きな音がしました。
ベースライン後方のベンチに立てかけておいた予備のラケットのストリングが切れました。
プレー中に切れることはありますが、置いてあったストリングが切れたのは初めての経験です。
それも、もの凄い音がしました。リターンをする対戦相手にまで聞こえていました。
縦糸にバボラVSタッチ130横糸にブラックヴェノムを57ポンドで張っていて、切れたのは縦糸のトップ部分のところでした。
(ショックでそのサービスゲームを落としてしまいました。)
ここでルキシロンから発売予定の「賢いストリング」を試しました。 初めてポリエステルを打ったのが、20年程前のことでルキシロンのアルパワーでした。
それまではポリエステルを張ったことしかなく、硬いイメージでしたが、実際に打ってみるとボールが当たったところだけ「ボコッ」と凹む感じがして柔らかく包み込むようでした。
ただし強いインパクトがないと凹むことはなく、ボレーのタッチショットやスライスショットなど低速スイングのショットにはノリがなく、難しい一面もありました。
先日行われていたバルセロナオープンで、引退を表明しているフェレール選手とナダル選手の対戦がありました。
思い返してみると、スペイン人選手のクレーコートの戦い方からポリエステルは生まれたような気がします。
ブルゲラ氏(優勝2回)モヤ氏(1回)フェレーロ氏(1回)フェレール選手(準優勝1回)ナダル選手(11回)と続く全仏での活躍は、絶対に諦めない粘りのストローカーの歴史でもあります。
彼らに必要だったのは、スピンがかかって切れないストリングのポリエステルだったのです。
フェレール選手をリスペクトするナダル選手がフェレール選手と同じストリング(ルキシロン オリジナル)を試したことがあり、話題になったことがありました。 バルセロナオープンは、6-3.6-3でナダル選手が勝ち、インタビュアーがコートに入ってきました。勝利者インタビューのはずが、インタビュアーはフェレール選手の元に行ったのです。ナダル選手はフェレール選手をリスペクトしていますので、嫌な顔を一つもせずにずっと拍手を送ってました。
テレビを観戦していた私もグッときてさらにテレビにかじりついていました。
拍手が鳴りやまないスタンドに手を挙げ答えてましたが、スッと赤いバンダナを外すとサービスラインのTのところにそっと置いて、退場していきました。スマートです。
フェレール選手の全盛期はプリンスのO3モデルを使い、バボラのピュアドライブ、ウイルソンのバーン、ウイルソンブレードと移り変わりましたが、ストリングは一貫してルキシロンのオリジナルを使い続けていました。
オリジナルは1.30mmしか規格がなく、完全にストローカー向きのストリングでした。
ナダル選手が使うRPMブラストは規格外の1.40mmと言われていましたが、現在は少し細くしているかもしれません。RPMブラストのように、1.20、1.25、1.30、1.35mmとゲージが選べる場合、細くしていくと反発が増し、本来ならストローク向きのポリエステルですが、ボレーもしやすくなっていきます。 中には1.05mmの超極細ゲージを作っているソリンコのツアーバイトのように、ナイロンストリングでは不可能な細さまで作れるようになっています。
そんな進化を続けるポリエステルですが、ルキシロン から発売予定の「賢いストリング」(仮)を張ってみました。
何も情報が無い中でストリングを張っていてわかったことは、1.25mmくらいであること。
2色づかいになっており、違う素材をミックスしている可能性があること。
張り上がった後にストリングを凝視すると、ピントが合わないこと。(違う素材のためか?)
打ってみますと、ボレーのフィーリングの良さに驚きました。
私のボレーの打ち方は、かなりカットするためストリングにボールが乗ってくれないとコントロールができません。
なので今までポリエステルを縦に張ったことは一度もありません。
ポリエステルの欠点だった低速スイングの食いつきの悪さは感じられません。
ゲームに使ってみたのですが、リターンがアングルに決まってエースになりました。
スピンがかかるのは当然として、スピードが落ちないのが不思議でした。
スピンがかかるとスピードが落ち、スピードが出るとスピンがかかりづらいというのが当たり前ですが、「賢いストリング」はグググとストリングに食い込みその後タイムラグがあるかのように飛び出す感覚です。

スイングが終わった後にボールが飛んでいくイメージです。
まだまだ正体不明なストリングですが、セカンドサービスの威力もいつもより増していました。
また詳しいことがわかりましたら報告します。
【GEEK通信】「シングルス向きラケット、ダブルス向きラケットを検証してみました」
2019/05/02
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「シングルス向きラケット、ダブルス向きラケットを検証してみました」
モンテカルロマスターズダブルス男子決勝を見ていると、4人全員ヘッドのラケットバッグで入場してきました。
ラケットバッグからラケットを取り出す選手たち。
プレステージ、プレステージ、プレステージ、まさか4人目もプレステージ!
スピードでもなく、ラジカルでもなく、インスティンクトでもなく、エクストリームでもなく、なんと全員プレステージ使用していました。
マスターズ1000の決勝ですから、ラケットの宣伝効果はかなりあるはずですが、観客席は少し少ないような状態でした。
観戦するスポーツとしては、シングルスの方が人気で、プレーするスポーツとしてはダブルスが人気ということでしょうか。
テニスにはシングルスとダブルスがあります。
私は両方ともプレーしますが、中にはシングルスのみの方、ダブルスのみの方もいらっしゃいます。
プロを見ても、ダブルスのみプレーをするスペシャリストも沢山います。
有名なところでは、ブライアン兄弟やジェイミー・マレー選手(アンディ・マレー選手の兄)はダブルスのスペシャリストです。
昔はジョン・マッケンロー氏やマルチナ・ナブラチロワ氏が両種目でナンバーワンになったこともありますが、最近では両種目で健闘しているのはジャック・ソック選手が思い浮かびます。
現在【2019年4月29(月)】、ダブルスが2位でシングルスが149位ですので、やはり両立は難しいのでしょうか。
シングルスとダブルスの一番の違いはリターンではないでしょうか。
シングルスの場合はなるべく深くリターンするのに対して、ダブルスは浮いたリターンはポーチされてしまいますので、低い弾道でローボレーをさせるように浅く打ちます。
シングルスはまずミスをしないように確実に返します。エースを狙うことはたまにしかないと思います。
ダブルスはリターンから勝負をかけていきますので、強くセンターに、鋭角にトップスピン、ストレートアタック、ロブ、ネットに出ない相手にはドロップショットも。
ボレーの重要度にも違いがあります。
アマチュアの場合、人によってはシングルスで一度もボレーしないままゲームセットを迎えることもあります。
ダブルスでは、ありえないことです。
ダブルスでは前衛の動きや平行陣でのボレー、スマッシュが重要になります。 シングルスでは先に決めるよりも、先にミスをしないことが勝利に近づきます。
ダブルスでは逆で先に仕掛ける方が有利に展開していくことの方がよく見受けられます。
以上を踏まえた上で、シングルスに向いたラケット、ダブルスに向いたラケットを検証していきましょう。
シングルスに適したラケットは、ストロークが安定してミスが出にくいモデルです。
「バボラ ピュアアエロ」
攻撃的なスピンを可能にするパワー系モデルで、スピンでワイドに振り相手を走らせ、甘くなったところを回り込んでのフォアハンドで決めるプレースタイルに向いています。(R・ナダル選手使用モデル)
「ウイルソンウルトラツアー95CV」
フラットドライブで早い展開で勝負するモデルで、ベースラインの内側からライジングで打ち相手に余裕を与えないプレーに向いています。(錦織選手使用モデル)
「ヘッドグラフィン360スピードプロ」
フラットからスピンまで多彩なショットを可能にするオールラウンドモデル。(N・ジョコビッチ選手使用モデル)
「ヨネックスVCOREプロ97」
厚い当たりで押せる本格ボックスタイプ。アウトを気にせずフラットな当たりで打て、またアングルショットがよく沈みます。(S・ワウリンカ選手使用モデル)
「ダンロップCX200」
マイルドな打球感でありながら、ベビーなボールが生まれるモデル。現代風の横振りスイングに合っており、フォロースルーは背中にという方にオススメ。(使用選手多数。)
「プリンスツアー100」
攻めのストローカーは310g、繋いで粘るストローカーは290gがオススメです。 また、スピン系の方はツアーO3 100の方が振り抜きが良くスポットも広いのでよりいいでしょう。
「プリヂストンXブレードBX305」
とにかくプレースメントがしやすいラケットです。
ラケット全体がしなるので、スピンでもスライスでも最後の一押しが効き重たいボールが操れます。
ダブルスに適したラケットは、操作性が良く、ボレー・スマッシュが打ちやすいモデルです。
「バボラピュアドライブチーム」
285gだとトップヘビーに設計するのが普通ですが、あえてバランスを320mmとイーブンバランスにすることで操作性能を重視しています。 それでも打ち負けないパワーを備えています。
「ウイルソンウルトラ100L」
277g、325mmの軽量設計。
力のない女性でも打ち負けないパワーがあり、ボレー時の食いつきの良さがミスのない手堅いプレーを可能にしてくれます。
「ヘッドインスティンクトS」
285g、320mm設計。
柔らかい打球感から受ける印象を裏切るパワフルなボールが飛び出します。
「ヨネックスEゾーン100(LG)」
285g、325mm設計。
広いスイートスポット、マイルドな打球感、球乗りがよく自分からミスするイメージの湧かない安定感のあるモデル。
「ダンロップCX400」
285g、330mm設計。
フレーム内部にインサートされたソニックコアの効果で、衝撃を吸収し、まったりとした打球感を実現しています。コントロール派の方にオススメ。
「プリンスビーストO3 100(280)」
280g、330mm設計。
テキストリーム×トワロン、O3グロメットシステム採用で、パワー、スピン、コントロールの両立が可能に。楽々なのに凄いボールが打てます。
「スリクソンレヴォCS10.0」
255g、360mm設計。
魔法のラケットと形容される平成の名品。
メインストリングが40cmあり、ボレー、スマッシュが楽々。クロスストリングの間隔を広げ、スピン、スライスが自由自在です。
これぞダブルススペシャルモデル。(ギーク中居使用中モデル)
今回は代表的なモデルを挙げましたが、ストリングの種類やテンションの設定を変えることで、シングルス向きをダブルス向きに、ダブルス向きをシングルス向きにすることも可能です。
【GEEK通信】「平成ヒットアイテム=ラケット編=」
2019/04/26
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「平成ヒットアイテム=ラケット編=」
平成ヒットアイテムを振り返ってみましょう。
平成元年は西暦1989年です。
この年に発売された代表的なラケットは、ウイルソン「プロファイルハンマー」、ヘッド「プレステージプロ」ですが、 この2機種は現在に続く流れを作った大事なモデルでした。
軽量厚ラケは現在もベテランや力に自信が無い女性になくてはならない存在です。
この2年前に世界初の厚ラケ「プロファイル」が登場し、その爆発的な反発力にテニスに関わる全ての人が衝撃を受けました。
プリンス「サンダースティック」※中居も使用していました ダンロップ「インピーダンス」など厚ラケブームが到来したのですが、重量が330gくらいはありましたので、パワーをコントロールすることができず、薄いラケットに戻す方も多かったのは事実です。 テニスコートの奥行きは23.77mで、約1m(センター0.914m、両サイド1.07m)のネットの上を通過してベースラインの内側に入れないといけないので、ただ遠くへ飛べばいいわけではありません。
厚ラケは球離れが速いためにスピンをかける時間が短い上に重量も重かったために、パワーをコントロールするのが難しく上級者にあまり支持されませんでした。
上級者が支持したのは、ヘッドプレステージプロを筆頭にフレーム厚の薄いボックス型ラケットでした。
フレーム厚の薄いボックス型ラケットは、ラケットのしなりとフェース面のたわみで長くボールを打つことができ、スピンのかかりもよくなり、ハードヒットしてもコートに収まりやすく、またプレーヤーの力加減で飛距離を出しやすいのです。
厚ラケはその後、軽量トップヘビーのハンマー理論が生まれ、軽くても打ち負けないラケットが続々と発売されます。
厚ラケでも軽量であればスピンやスライスなど回転がかけやすくなり、パワーをコントロールできるようになりベテランや女性に大ヒットしたのでした。
平成元年と言えば、マイケル・チャン氏が17歳でフレンチオープンを優勝したのですが、レンドル戦で見せたアンダーサーブは話題になりました。
数年後に発売された「マイケルチャングラファイト」は1インチロングで大ヒットし、各メーカーが1インチロングモデルを次々と発売し、長ラケブームが起きました。 プリンスは熱可塑性樹脂を使ったボルテックス(58,000円)やフレームを二つ貼り合わせたモアシリーズを発売しラケット業界を賑わせていました。
モアシリーズはその後O3システムを生み現在に至っています。 平成の名品は、平成10年に日本デビューを果たしたバボラ「ピュアドライブ」でしょう。 バボラと言えば、ナチュラルガットかガードテープのメーカーというイメージが当時私にありました。
フレンチオープンで優勝したカルロス・モヤ氏がピュアドライブを使用しており、「あれは?」と話題になりました。
一見すると普通の中厚ラケットでしたが、ストリングメーカーの発想からグロメットに画期的な機能「ウーファーシステム」を搭載したのです。
グロメットに半円の膨らみを付け、ピストン運動とローリング運動を起こすことで、インパクトしたボールの箇所が沈み込み、オフセンターでもコントロールを可能にし、スピン性能を大幅に向上させたのです。
あれから20年、進化を続けながら現在も人気を博しテニスコートに行くと1面に2、3人が歴代の青いラケットを使用していることはよくある風景で、「モンスターラケット」と形容されるのもうなずけます。
平成ヒットラケットで忘れてはいけないのが、チタン軽量モデルです。
その先駆けとなったのが、ヘッド「TI.S6」でなんと225gだったのです。(復刻モデルが発売されています) その後、プリンス「サンダーウルトラライトチタン」や ヨネックス「SRQ ti800」など超軽量を売りにするラケットが大流行したのですが、軽量にすると手に来る衝撃が大きくなる問題も起こりました。 ウイルソンはその問題に取り組み、ローラーシステムやトライアド機能で衝撃緩和し現在もトライアド機能を搭載したラケットを発売しています。
チタンではありませんが、軽量デカラケの名品として、忘れてならないのが、平成14年に発売されたダンロップ「スペースフィールプライム」です。 現代のスリクソン「レヴォCS10.0」が10代目で15年続いている「魔法のラケット」です。 私も魔法にはまってしまい未だに魔法が解けていません。
平成30年間、ラケットは大きく変化し、フェース面積がルール上ギリギリの135平方インチが発売されたり、長さもルール上ギリギリの29インチ(長ラケブームが起こる前は32インチまでOKでした)が発売されました。
あなたにとって平成の思い出となるラケットはなんでしょうか。
もうすぐ始まる令和の時代に一体どんなラケットが誕生するのか、今から非常に楽しみです。
【GEEK通信】「ヘッドグラフィン360ラジカル4機種を旧モデルと比べて試打しました」
2019/04/18
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------------- 「ヘッドグラフィン360ラジカル4機種を旧モデルと比べて試打しました」
初代ラジカルが発売されたのは1993年なのですが、今でもはっきりと覚えています。
逆に忘れてしまったら、私の家内に叱られます。(私的なことで申し訳ありませんが結婚した年です。)
当時人気絶頂だったアンドレ・アガシ氏がドネーのプロワンからヘッドに電撃移籍してアガシ氏のために開発したラケットが初代ラジカルだったのです。
あれから26年経ちラケットもかなり進化しています。
フェース面積、フレーム厚、フレーム形状、ストリングパターン、材質が変わり、今回遂に26年間変えなかったグリップ形状を変更したのです。
31年続いているプレステージとこれまでのラジカルは偏平グリップを採用していてヘッドの特徴でもあったのですが、ラケットの進化とともに打ち方も変わってきており、ストロークの握りはセミウエスタンかウエスタングリップ(厚い握り)になっています。
30年前はイースタン(薄い握り)が普通でしたので、偏平グリップ(長方形に近い)がボールを押すように打てて良かったのですが、現在ではボールを潰すように引っ叩きますので、正八角形に近い形状の方が力が伝わりやすいのです。
新しいグリップは、スピードシリーズと同じ形状で馴染みのある方も多いと思います。
もし、昔の形状が良いという方はパレット交換で形を変えることもできますので、店舗でご相談ください。
------------------------------
■グリップの一辺の長さをノギスで測りました
今までのラジカルのグリップ2
→27.5mm、33.3mm
グラフィン360ラジカルのグリップ2
→29.0mm、31.5mm
※中居調べ
------------------------------
実際に写真でNEWモデルと旧モデルのグリップを写真撮影しましたが、なかなか伝わりにくものとなりましたので、ぜひお店に来られた際は、グリップの違いを体感してみてください。 前置きはこのくらいにして、「グラフィン360ラジカル」の4機種「PRO」「MP」「MPライト」「S」を早速試打していきましょう。 ストリングはヘッドのベロシティマルチ130を48ポンドで張り上げました。
スピードシリーズやインスティンクトシリーズは縦糸の間隔を均一化していますが、ラジカルシリーズはセンターフォーカスのため、張り上がりの面圧 は「58」と高めになっています。
比較対象として用意した前作グラフィンタッチラジカルMPと新作グラフィン360ラジカルMPの違いから見ていきましょう。
振動止めを付けずに打ってみると打球音が全然違いました。
前作のグラフィンタッチラジカルMPは高音で「パンパン」という打球音に対してグラフィン360ラジカルMPは「ボムッボムッ」と余韻が響かないような音になってます。
比べて打ってみると、グリップの違いが明らかでした。
やっぱり新しく採用した形状は正解だと思います。
フォアハンドのストロークの時に手のひらとの一体感があり、スピンをかけるときの力が伝わりやすく感じました。
打球音の通り前作は弾く感じで、新作は食いつく感じがしました。
食いつきの良さからストロークの安定感、安心感があります。
ボレーでものりの良さがローボレーの難しいショットもしっかり深くコントロールできました。
マイルドな打球感のせいで、簡単なラケットのイメージが先行しますが、ハードヒット時の破壊力はやはりプロモデルらしいボールの伸びを感じました。
次にグラフィン360ラジカルPROにチェンジしました。 打球感、打球音はそのままにストロークの威力が増し、リターンでストレートを狙うと相手のラケットを弾くシーンがありました。
流石に私には重た過ぎてサービスゲームが長くなると辛くなりました。
グラフィン360ラジカルMPライトにチェンジしました。 今度は軽過ぎたのかフレームショットが増えました。
慣れてくるとスピンがかかり、リターンは沈み、トップスピンロブは決まり中々良かったのですが、この日は風速10メートルの風が吹いており向かい風の時は押し戻されるようなボールになってしまい、負けないように力むとコントロールを失ってしまい軽量ラケットの難しさも感じました。
最後にグラフィン360ラジカルSにスイッチしました。 同じ軽量ラケットでも全く性能は異なり、1球目のリターンはバックネットまで飛ばしてしまいました。
フェース102平方インチ、フレーム厚25mmとパワーの出る設計ですので、ハードヒットしなくも十分に威力は出ました。
それでも、ラジカルシリーズ共通の打球感で25mmある中厚ラケットとは思えないしっとりした感触でした。
女性の中上級のプレーヤーにはパワーもあり、マイルドな打球感でもあり人気が出そうと感じました。
今回の改良点である、グリップ形状の変更、食いつき感のアップはストロークを主体に試合を組み立てるプレーヤーには良い方向に受け止めてくれると思います。
アンドレ・アガシ氏からアンディ・マレー氏に受け継がれたラジカル伝説を継承するのは誰なのか、ラケットの発売とともに楽しみになりました。
※発売4月下旬を予定しています
【GEEK通信】「ヨネックスレグナは至高か究極か試打の結果は?」
2019/04/11
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「ヨネックスレグナは至高か究極か試打の結果は?」
ラケットの材質の進化は、竹、木材、金属、グラスファイバー、カーボンと半世紀の間に劇的に進化しています。カーボンが使用されるようになってから30年以上になりますが、カーボン自体の進化も見張るものがあります。
カーボン(グラファイト)は炭素繊維をシート状にしてレジン(エポキシ樹脂)で固めて固形化します。
糸状にして編み込むブレードとかスリーブと言われるものやナノチューブなど様々なカーボン繊維が開発されています。
そう言った手の込んだカーボン繊維は非常に高額で、F1のボディや10万円以上するゴルフのドライバーなどに使用され、テニスラケットには部分的にしか使われないのが常でした。
カーボン繊維には【高反発】【振動吸収】【耐久性向上】などの役割があり、高品質なカーボンをふんだんに使用できれば相当良いラケットが出来上がるはずです。
ヨネックスレグナは、高品質な「namd」をフレームトップ、フレームサイド、シャフトとふんだんに使用した贅沢設計なのです。
トリフとフォアグラを使った贅沢料理のように濃厚な美味さを味わえることを期待して、いざ試打してみようと思います。 いつものダブルスオフに来ています。まずはレグナ98でゲームです。
思ったような濃厚な打球感ではなく、硬くて飛ばない印象です。あっけなく負けてしまい、次はレグナ100でチャレンジです。
10g軽くなり、フレーム厚も1mm厚くなり、フェースも2平方インチ大きくなり、楽になるはずが、やっぱり硬くて飛ばないのは大差なく、あえなく敗退しました。
準備運動をほとんどしていなかったので、待機している時にずっと素振りをして体を温め次のゲームではまたレグナ98に戻し、再チャレンジしました。
素振りのイメージのまましっかりと振り抜いた時に、ボールがラケットの真ん中にめり込む感じがして「この感触だ」と実感してからはインパクトに集中してプレーしました。このゲームは勝ち、レグナ100でも勝ち、2連敗の後は5連勝でフィニッシュです。
レグナと言うラケットは決して簡単なラケットではありませんが、良いラケットであることは間違いありません。
ただ良さを引き出すために打つ方も正しい打ち方をしないといけません。
ある程度のスイングスピードがないとラケットがしなりません。
一旦しなったラケットは元の形状に戻ろうとしますが、その復元力が非常に強いと感じました。
体のひねりを使ってしっかりとスイングできたときは、回転のかかった威力のあるボールがベースライン深く入ります。その証拠となるシーンがありました。
アドコートでリターンの場面で、左利きの逃げるサービスがサイドラインギリギリに入り、外に逃げていきます。 あらかじめケアしていたので、何とか届きましたが、完全にコートの外に追い出されてますので打てる場所はアレーを狙ってストレートに打つしかありません。
一か八かで思いっきり叩きますと、相手前衛の横を抜けアウトする軌道からベースライン際で鋭角に落ちて入ったのです。 サイドアウトかバックアウトしてしまうケースですが、一直線にアレーに突き刺さりました。
後で、左利きのサーバーからもこのショットを褒めていただきました。レグナの良さを引き出せた瞬間でした。
レグナ98とレグナ100は、Vコア98とVコア100との位置関係とは大分違います。 Vコアはしっかり打つ98に対して、楽できる100の位置関係ですが、レグナは98もしっかり、100もしっかりの同列の関係です。
しなり戻りの早いカーボン「namd」をふんだんに使っているという先入観から柔らかいイメージを持ってしまいましたが、それは間違いでした。
しなって良い部分としなってはいけない部分があるようで、フェースの真ん中で捉えた時の、しなるというかボールが引っ付くような感覚があり、その後爆発的に飛び出していきますが芯を外すとさっぱりです。
ストリングからボールが飛び出す1000分の4秒とフレームのしなり戻りがシンクロするように作られているのでしょうか。
しなりが大き過ぎるラケットは、しなっている間にストリングからボールが離れてしまうのでスピードがロスしてしまったり、方向が定まらなくなったりしてしまいます。
レグナはしなり過ぎによる弊害が起きないように設計されているようです。 プロや上級者はきっとレグナは柔らかいと感じると思います。
それは飛んでくるボールのスピードと打つ側の速いスイングで起こるボールとラケットの衝突でしなりを感じるからです。
一般のアマチュアでは、たまにしかその条件(速いボールと速いスイング)に出会いません。
結論として、レグナ98とレグナ100の差は自分のレベルでは、見分けがつけられませんでした。
ただ至福の時は「プロのラケットはこんな感じなのかな」と思わせる瞬間がたまに来ることです。
【GEEK通信】「ピュアドライブVSはパワーをコントロールできる優れものでした。」
2019/04/04
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------------- 「ピュアドライブVSはパワーをコントロールできる優れものでした。」
日本に初めて入ってきたピュアドライブに私はすぐに飛びつき、使い始めたのは20年以上前のことです。
弾きが良いのに、スピンがよくかかる、当時には無い新しい機能を搭載したラケットでした。
※ピュアドライブとピュアドライブプラスを使い分ける荒業をやっていました。
この頃の私のプレースタイルは、がむしゃらにネットに出ていました。
サーブ&ボレーは当然のことで、リターンからのボレーも隙あらば仕掛けていました。
ボレーの打ち方は「切り過ぎ」とよく言われるくらい逆回転をかけていましたし、バックハンドはほぼスライスでした。
ピュアドライブはスピンをかけないとバックアウトする程パワーがありましたし、ボレーは素直に面を作るだけで良いボールが打てるので、打ち方が個人的に合ってなかったようで、半年程で薄いフレームのラケットに替えてしまいました。
ピュアドライブは20年以上、形状、ウエイト、バランス、フェース面積を変えずに今でも売れ続けている名器ですが、下記のような要望もありました。
「もう少し飛びを抑えたい」
「芯に当たった打球感を味わいたい」
「フラット系の当たりを安定させたい」

今回発売された「ピュアドライブVS」はそのような要望に応えてくれるモデルになっているはずです。早速確かめてみましょう。 打つ前に期待することはありますが、これ程までにドキドキ・ワクワクすることは滅多にありませんでした。
結果から申し上げると、期待を上回るほどに良いラケットでした。
打球感は打ち応えがありながら、決して硬くは無く、食いつき感の残るといった程良いフィーリングです。
ストロークの飛びはピュアドライブに比べ抑えられていますが、スピンをかけ過ぎる必要が無いので、着弾地点までの時間は速いように感じました。 最も感動したのが、バックハンドスライスを打ったときでした。
直線的な低い弾道で、ベースラインまで失速せずに突き抜けたのです。
偶然かなと思って次もスライスを打ったのですが、同じように伸びるように飛んでいきます。
風の強い日でしたが、押し戻されずにバウンド後も滑るように伸びていき、相手は取り辛そうでした。
ボレーの時も同じようなことが起こりました。
軽く打っているボールがバウンド後、「グッ」とひと伸びがあるのです。
インパクトの瞬間、フェース面に食いつき、その後弾く感触があり、掴んで放つようなのです。
サービスもスライスサービスの曲がりが良かったり、スピンサービスのキックもいつも以上でした。
振り抜きが良いことと、掴んで放つフィーリングがサービスでも生きていて気持ちよく打つことができました。 この日はダブルスのオフに参加していたのですが、主催の方がピュアドライブとプロスタッフ97CVを使用していました。
主催者「中居さん、そのラケットはピュアドライブVSですよね。もう手に入れたんですか。」
中居「お店から試打用を借りてきました。」
主催者「ピュアドライブだと飛び過ぎてしまい、プロスタッフを買ったんですが、そのラケット気になりますね。」
ということで、主催の方にも打ってもらいました。
主催者「ピュアドライブ並みにパワーがあるのに飛び過ぎ無いのは良いですね。」
主催の方は購入を検討しますとコメントしていました。
3月発売分は予約で完売するほどのラケットです。5月発売分もすでに予約で残り僅かという段階まできております。気になる方は是非お早めにご検討ください。
※ウインザー各店に試打用ラケットを用意しておりますので、実際にお試しいただくことも可能です。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第四回『シングルバックハンド』」
2019/03/29
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第四回『シングルバックハンド』」
まず初めにこの写真をご覧ください。 シングルバックハンドならではのダイナミックで気持ち良いフィニッシュです。
相手からの回り込んでの逆クロスや、ダブルバックハンドのクロスボールに負けないためには、これほど力強いフォロースルーが必要なのです。
ですが、中々アマチュアでここまで振り抜くのは難しいですよね。
では何故ここまで大きなフォロースルーが可能なのか考えてみましょう。
フォロースルーを大きくしようと思ってスイングしているわけではありません。
強いインパクトを意識してスイングした結果、大きなフォロースルーになったのです。
右腕は体の右端にあります。(左利きの方は左端)
フォアハンドの場合クローズスタンスとオープンスタンスで若干違いますが、右端から左端までの体の幅の間でインパクトをすれば良いので約50cm程の融通性があるかと思います。
バックハンドは右肩を支点としてスイングするのでクローズスタンスが向いています。
もしオープンスタンスで打った場合、テイクバックから打点までの距離が近く、スイングスピードを上げるための助走が短すぎます。
これではどうしても威力のあるボールが打てません。
打点はクローズに踏み込んだ右足から少し前が最も力を出しやすい位置になり、フォアハンドに比べると打点の幅が狭く融通がききません。
バックハンドが苦手な人はスタンスがオープンになってしまったり、打点が遅れて体の横になってしまったりすることでミスしてしまうのです。
フォアハンドでは大丈夫なことがバックハンドではミスになってしまうのです。
しかしながら、バックハンドは打点の幅が狭く打点が定まりやすい事もあり、一度コツを掴んでしまうと再現性が高いのもバックハンドの特徴です。
一方、フォアハンドは、コンチネンタル、イースタン、セミウエスタン、ウエスタンどの握りでも打てます。
打点の位置も自由です。調子が良いときは何も考えなくて良いのですが、
不調に陥ったときに、原因の追求が難しく、立ち直りに時間がかかってしまうことが多いのです。
現に、自分もフォアハンド病にかかってしまい、グリップの握りや打点の位置を色々試すうちに、肘を痛めてしまいました。 スピンをかけると痛みが走るので、フォアハンドはもっぱらスライスです。
バックハンドはまったく痛みはないので、頼みの綱はバックハンドとなり、ほとんどスライスは使用せず、決め球はバックハンドで打つようになり、回り込んでのバックハンドを打っていました。
その結果、苦手だったバックハンドがいつしか自信を持てるショットになり、自分のテニスの中心になってきたのです。
参考になるかは分かりませんが、しばらくフォアハンドはスライスにして、バックハンドのみで勝負するテニスをやってみるのも良いかもしれません。
新しい境地を見つけることができるかもしれませんよ。
さて話を戻しますが、バックハンドが打ちやすいラケットとはいったいどんなラケットでしょうか。
フォアハンドに比べ、シングルバックハンドは、力が入り辛い上に、居合抜きのように一気に振り抜きます。
そのため、操作性能が良く、トップヘビーよりトップライトの方が良いと思われます。
また、フェース面積も小さ過ぎると打点が遠くなってしまい難しくなり、大き過ぎてもシャープに振り抜けません。 フェース面積は100平方インチで、300g以下でバランス320mmが以下が理想です。
さらに、バックハンドはフォアハンドに比べ振り遅れのごまかしがききませんので、球乗りの良い少ししなるラケットが合うと思います。
候補のラケットは、
バボラピュアドライブチーム、バボラピュアアエロチーム(共に285g、320mm) ウイルソンクラッシュ100(295g、310mm) プリンスX100(300g、320mm) ヘッドグラフィン360インスティンクトS(285g、320mm) ヘッドグラフィン360スピードMPライト(275g、330mm) ブリヂストンXブレードBX290(290g、325mm) 個人的にはまったのがヘッドグラフィン360スピードMPライトでした。
振り抜きがとにかく良くてインパクトからフォロースルーまでが一瞬でフィニッシュする感覚です。
フレーム厚が22mmですので振り抜かないと飛ばないというのもアウトを気にせず、迷いなく100%のパワーを出し切れます。
あくまでもシングルバックハンドでフラットドライブだけのショット限定ですのでお間違いなく。
みなさんもシングルバックハンドを磨いてみませんか。
【GEEK通信】ブリヂストン 『X-BLADE BX』 は五感で楽しめます
2019/03/19
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
------------------------------- 「ブリヂストンXブレードBXは五感で楽しめます」
ブリヂストンのBXと聞くと20年以上前に、大変気に入って使っていたBXを思い出します。
高級なカーボンを使った初代BX、2台目BXⅡ、バンパーなし深緑色の3台目BXを使っていました。
当時からブリヂストンはノリのいいラケットを作るのに長けていました。
今回のXブレードBXもしなりと食いつきをテーマに、パワーも両立した完成度の高いモデルを4機種発売しました。
* XブレードBX305 (フェイス:98inch2 ウエイト:305g  バランス:315mm フレーム厚:21mm
* XブレードBX300 (フェイス:98inch2 ウエイト:300g  バランス:320mm フレーム厚:22mm)
* XブレードBX290 (フェイス:100inch2 ウエイト:290g  バランス:325mm フレーム厚:22-23-22mm) * XブレードBX280 (フェイス:100inch2 ウエイト:280g  バランス:330mm フレーム厚:23-24-22mm) まずは305を試打してみました。
「おお、すごいしなる!」
しなった後に、フレームが震える感じがして昔懐かしい感触がしました。
シャフトに添える左手の指先の触覚が心地よい、本格的なボックスフレームです。
最近のボックスフレームは微妙にラウンドが入っていたり、正面の厚みが大きかったり、伝統的な形ではなくなっていました。
ただ、昔のラケットとの違いは、ボールの勢いとサポート力です。
やはり、ちゃんと芯に当たらないといいボールは打てませんが、しっかりとインパクトできた時は、狙った方向に真っ直ぐ伸びていきます。
この日は結構風が吹いていましたが、風に煽られることなく重たいボールが飛んでくれました。
次に300を打ちました。
305と全然違いました!
カタログの表記上としては、ウエイトが5g軽く、バランスが5mmトップへ、フレーム厚も1mmしか変わりませんが、305とは全く違いました!
しなることはしなるのですが、305に比べると弾きがよく、スイートスポットも広いようです。
スピンもよくかかり、ベースライン付近にきっちり収まっていました。
ボレーの歯切れの良さに加え、スマッシュの振り抜きの良さを感じました。
305と同じ面積(98平方インチ)とは思えないほど、楽々でした。
次に290を打つと305に近い柔らかさを感じました。
しなっていると言うより、フェース面に包み込まれていると言う方が近い感覚かもしれません。
無理なくスイングできる重さなので、サイドに振られたバックハンドもスライスではなくドライブで返球することができます。
しかしながら、一番びっくりしたのが、実はスライスを打ったときでした。
糸を引くようにネットすれすれを通過したボールがベースライン手前でバウンドした後、低く滑って伸びたのです。
クロスコートにスライスを打つと、今度はサイドに曲がって、バウンド後外に逃げるように滑ったのです。
フェースに食いついている時間が長いので、いつも以上にフォロースルーが長くなり、しっかりとスライス回転がかかり、受け手側は非常に取りづらそうでした。
最後に280を打ったのですが、これが一番楽々でした。
このフレーム厚(24mm)でこの柔らかさを出すのは大変だったろうなと、勝手に開発者の気持ちになりました。
ラウンド形状とは違ったまったり感が出ていて、パワーだけじゃなく、微妙なタッチショット(ドロップショットやロブなど)も打ちやすく、ダブルスを主体にプレーするベテランや女性におススメのラケットです。
個人的にはまったのは、290です。
ストローク、ボレー、サービスすべてにおいて、コントロールとパワーがいい感じで融合していました。
ボックスフレーム独特の中身が詰まった、しっとりとした打球感とフレームのしなり、フェース面のたわみが相まり、さらに打球音がいいので気持ちよくテニスができました。
XR3が張ってあったのですが、TGVやXONEバイフェイズを張ったらさらに良さが引き出させるだろうと推測されます。
ブリヂストンに以前から敬意を払っているのが、セプトングリップです。
通常のグリップは、カーボンの上にウレタンで8角形に形成し、エンドキャップを被せビスで止めてあります。
使っていくうちに、ビス止めが緩み、エンドキャップがグキグキと動いてしまうことがあります。
これが非常に気になり、さらにビスで止めるのですが、ウレタンに穴を開け過ぎると割れてしまうことがあるので注意が必要でした。
セプトングリップは特殊なゴムで、エンドキャップまで一体成型し、カーボンの上から被せてあります。
これは、ゴルフのグリップを参考にした構造(方法)で、ゴルフクラブも製造するブリヂストンならではの発想だったのです。
エンドキャップを使ってませんので、緩むということは起きないのです。
また、セプトングリップのいいところは、重さ、長さ、太さの調整がグリップの交換でできるところです。 **********
そして先日、ブリヂストン本社へお邪魔し、ラケット開発担当 上坂氏に試打した感想や気づいた点などを投げかけてみました。

『とてもしなりを感じるラケットだが、しなることによるデメリットである、ねじれ、パワーロスをあまり感じなかったのはなぜか?』
上坂氏
「柔らかい=ねじれが出てくる不安定さを、新フレーム構造【レジツイストBフレーム】によってねじれを抑えることができました。」
「また中厚モデルのRSシリーズでも採用しているバランス設計【パワースタビリティシステム】の効果で、スイング自体の安定度をあげることで、さらにねじれを抑えることが出来ました。」
「フレーム厚についてですが、305g、300gはフラット、290g、280gはフレームの中央あたりがトップ、シャフト部分にくらべて、1mm厚くなっている形状に分けているのはなぜか?」
上坂氏
「305g、300gより、もう少しパワーを求める方が使うであろう290g、280gについては、フレームの3、9時部分を1mm厚くすることでパワーを求めつつ、シャフト部分は薄くしていることで、ラケットの特徴であるしなり感を生み出しています。」

『今回のラインナップで、ウエイトが280g、290g、300gと来て、310gと思ったら、305gという設定ですが、何か意図があるのですか?』
上坂氏
「まずはここ最近の流れとして、あまり重くしすぎないという傾向があります。そういった声を多くいただいたので、今回は310gではなく、305gに敢えて設定した。また、当社ラケットの特徴であるラケットカスタマイズサービスで、ウエイトパーツをつけたり、グリップチェンジでウエイトを重くすることが出来る環境があるので、ラケットのベースのウエイトは305gにしました。」 上坂氏
「また、今回4モデルを発売しましたが、305g ⇒ 300g ⇒ 290g ⇒ 280g と順に軽くしているラインナップではなく、【305gと290g】《300gと280g》というふうにグループ分けをしてラインナップをみていただきたい。」
「【305gと290g】は、スロートの部分を柔らかくしていることでしっかりとしなりコントロールできるモデル 《300gと280g》フェイスの部分のたわみを大きくさせ、スロート部分はしっかりとさせることで、 速いスイングでもしっかりとコントロールしやすくしています。」 体の一部になれるようなラケットを目指してつくりました!とのことでした。
**************************
X BLADE-BXは、久々の本格派ボックスフレームラケットで、使っているルビーレッドが闘争心を掻き立ててくれます。
左手の触覚、打球音など五感で楽しめるラケットではないでしょうか。
【GEEK通信】「ラケットのカラーリングで結果が変わるかも?」
2019/03/13
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「ラケットのカラーリングで結果が変わるかも?」
ラケットのカラーについて考えていこうと思います。
テニス用品に使われるカラーは大きく分類すると、
白、黒、赤、青、緑、黄、オレンジ、グレー、ネイビー、ピンクなどです。
色によってパワーが出たり出なかったりすることがあるのですが、ある研究によると、色によって筋肉の反応に違いがあり、平常時を23とすると、青は24、緑は28、黄は30、オレンジは35、赤は42となるそうです。
また、オリンピックの格闘技種目で赤のユニフォームと青のユニフォームの対戦成績は圧倒的に赤が勝っているそうです。
色によって好き嫌いはあると思いますが、色の好みによって性格が現れると言われています。
以下は一般的に言われている色別の性格です。 「赤」開放的、個性的、リーダーシップがある
「黒」威厳がある、孤独を好む、人を動かす能力にたける
「白」純粋、完璧主義者 「青」理性的、慎重、自信家
「黄」個性的、頭の回転が速い、自己中心的
「緑」穏やか、素直、堅実
「オレンジ」社交的、好奇心旺盛
「ピンク」愛情豊か、気配りが細かい、依存心強い
「紫」繊細、ロマンチスト、プライドが高い
どうでしょうか当たっている方も多いのではないでしょうか。
ウエアは機能性よりも、デザインや色を優先してしまうことが多いと思います。
シューズに関しても、機能性、履き心地が同じレベルであれば、好きな色を選んでいる方が多いようです。
ラケットも色の種類があれば、好きな色を選んだり、ウエアやシューズとトータルコーディネートができる等、より楽しいテニスライフを送ることができるのではないでしょうか。
そこで今回は、色が選べるラケットを特集していきましょう。
まず色やデザインを豊富に取り揃えているのはウイルソンです。
ウイルソンは2色使いのラケットが多く、メインカラーとサブカラーを逆転した「リバース」やカモ柄を使った「迷彩」などを発売しています。 次にカラーが豊富なのは、ヨネックスで、Eゾーンシリーズは、ブラック×グリーン、ブラック×ブルーがあり、100のみ限定でホワイトが発売されました。
また、赤が好評だったVコアシリーズにギャラクシーブラックカラーが追加されました。
これがまたカッコよくて、まったく別のラケットのように感じる程印象が変わります。 その他では、ブリヂストンXブレードの黒、赤、白と重さによって選べたり、バボラピュアドライブチームにホワイトが追加されたりします。 また、黒一色のプロスタッフRF97を使用しているフェデラー選手の人気もあって、ブレードシリーズ、バーンシリーズ、ウルトラシリーズにもブラックデザインを発売しました。 フェデラー選手のこだわりとして、回り込んでのフォアハンドが安定するようフェースをほんの少し柔らかくしたブラックアンドホワイトを昨年発売しましたが、数試合でブラックインブラックに戻してしまいました。 実は、元に戻したのではなくブラックアンドホワイトの少し柔らかいフレームでデザインだけブラックインブラックに変えていたのです。
ではなぜカラーだけ変えたかというと、光沢のあるホワイトがライトで光ってしまい、サービスの時にコースを読まれ易くなってしまったそうです。
フェデラー選手は繊細な選手と言えるのでしょう。
そのようにこだわりぬいたフェデラー選手のモデルが5月に発売することが決定しました。
赤いスイスマークがなくなって本当にブラックインブラックになるとのことです。 また、ウルトラシリーズにはホワイトインホワイトが追加されます。ホワイトにちなんでホワイトデーに発売するということも行います。 また、バボラは毎年、ピュアアエロにフレンチオープンカラーを発売しています。
ダンロップCX400もピンクをあしらった新色が登場します。
デザインも性能の一部だと考えて良いと思います。
それによってプレーに影響を与えることもあるし、何より気に入った道具じゃないと飽きてきてまた新しいラケットが欲しくなってしまいます。
【GEEK通信】「プリンスツアープロ Z Ⅳを試履きもせずに購入を決めました」
2019/03/06
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
-------------------------------
「プリンスツアープロ Z Ⅳを試履きもせずに購入を決めました」
先日ハムストリング(ふとももの裏側)の肉離れ起こしてしまいました。
整体の先生曰く「骨盤の歪みが原因」とのことでした。
先生に言われたストレッチを日々行い、テニスの時はふとももにバンテージを巻いてプレーしているのですが、不安感は付きまといます。
そんな時に気になるシューズが発売されました。
プリンスのツアープロ Z Ⅳです。

こちらのシューズの謳い文句が、骨盤が立ちハムストリングを効率よく使えることでした。
最近足の怪我が多く、内反小趾(ないはんしょうし)の痛み、膝の打撲からくる慢性的な痛み、今回の肉離れと常にどこかが痛い状態でした。
そこで、幅広で軽量のプリンスのワイドライトを使用してみると痛みも和らぎ、シューズからくるストレスは無くなりました。
ただ、元気になり動きが良くなってくると、本来2E~3Eのウィズですので、シューズの中で足が遊んでしまうことが気になるようになってきました。
ツアープロ Z Ⅳの「屈曲ポイントを後ろにする事で、骨盤が立ち、ハムストリングのパフォーマンスをアップしてくれるシューズ」と言うセールスポイントを見た時に、これだと閃きました。
グローブライド(プリンス)の営業担当者や、開発担当者、テニス雑誌のライターに色々伺ってみると、良いシューズだということがわかるとともに、選手向けに作っているので、ある程度重さや、ガッシリとしたホールド感があるのもわかってきました。
「ハムストリングの肉離れが直るわけではない」
「若者向けなので、履きこなせないのではないか」
「幅がタイトなので、無理なのでは」
と言った懸案事項もありましたが、今回は自己責任で試履きもせずに購入しました。
箱を開けると、白いテニスシューズが。
早速、翌日のテニスに備えて足を入れてみました。
「おーっ、なんという絞め付け感!」
どこが絞め付けられたかと申しますと、甲から指の付け根辺りです。(あえて「締め」ではなく、「絞め」と表現したくなるくらい)
骨盤が立って、ハムストリングを活用できるようにするために、シューズの屈曲ポイントを後ろにスライドさせているのですが、アウトソールだけ溝を掘ってもダメなのです。
シューズが足と一体化しないと屈曲ポイントは変わらないのです。
そのために足裏の屈曲ポイントの対角線上を足裏に向けて押さえつけた構造になっているようです。(推測)
実際に、テニス仲間で4時間ダブルスの試合をしたのですが、数日前は2勝5敗だったのですが、この日はショットが好調で6勝1敗と大きく勝ち越しました。
ショットが好調な理由はシューズの影響もあると感じました。
1試合終わって気になった事がひとつありました。
普段なら気にならない程度のかかとの浮きが、あまりにもフィット感が良いのでほんのちょっとの浮きが気になりました。
そこで、下記画像のようにヒールロックと呼ばれる結び方をしてみたところ、素晴らしいフィット感になりました。 ヒールロックと呼ばれる結び方とは、上部2つのシューホールに紐を通して熊の耳みたいにし、最後にその間に紐を通すとかかとから足首にかけてしっかりとホールドされるのです。
足とシューズが一体化し、もはやシューズを履いていると言う感覚ではなく、体の一部になったように感じます。
過去経験したことが無い異次元のホールド感です。
私はこれまでオーダーメイドでシューズを作った経験は無いのですが、きっとこのような感触なのではないでしょうか。
プレーへの影響としては、体の重心がシューズのセンター付近になり、体幹が安定し、回転軸がぶれなくなります。
今まで履いてきたシューズは、母指球から前に体重が乗る感覚で前方向には行き易いのですが、その場で回転する動きには不安定なところがありました。
足とシューズが一体化したことで、一歩目の踏み出しが速くなり、横に振られてストップした際の体勢の乱れが少なくなりました。
また、サービスからのファーストボレー時の下半身の安定と下がりながらのスマッシュの打ち易さを実感することができました。

4時間のテニスが終わった後、そのままのテニスシューズで帰宅していることがあるのですが、ツアープロ Z Ⅳは紐を緩めても開放感が無く、ずっと絞め付けてくるので、辛くなってきました。
これがテニスライター松尾高司氏がコメントする『悪魔のZ』かとふと感じました。
***************
■プリンスマンスリーコラム(対戦相手がこれを履いていたらヤバいと思え。
白いハイエンドモデル【TOUR PRO Z IV】は「悪魔のZ」!)
https://princetennis.jp/archives/column/column_tourproz4
***************
普段はインソールを高機能なものに入れ替えるのですが、ツアープロ Z Ⅳの純正のインソールはシューズの機能を高めるために少し厚めで、適度な硬さに調整してあるので、個人的に純正のままで使用しました。
ここまで完璧に仕上げたシューズですから、メーカー希望小売価格が¥15,660(税込)と高額ですが、プレーパフォーマンスが上がるのであれば決して高くはないと思います。
もし、1万円を切って手に入れることができれば、オールコートとオムニクレーの2足を揃えることをオススメしたいと思います。
(※2/27(水)~5/6(月・祝)の期間プリンス体感キャンペーンで価格となっています)
************
■【プリンス】2/27(水)発売!ツアープロ Z Ⅳが登場!「体感」キャンペーンを開催♪
http://www.windsorracket.co.jp/news/?no=3024&c=02
************
最後に、テニスシューズは個々のプレーヤーのパフォーマンスによって性能差も異なることがもちろんございます。そこで必要な考えとして、ご自身のスタイルに適したパフォーマンスのシューズを選ぶことが大切です。
ぜひ皆さんも、ご自身に合ったシューズを探してみませんか。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第三回『スライスショット』」
2019/02/28
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第三回『スライスショット』」
ストロークのスライスショットでは、大半はバックハンドに使用しますが、フォアハンドでも有効なショットになります。
プロ選手でフォアスライスを使用するシーンをよく目にするのは鈴木貴男選手ですが、R・フェデラー選手はドロップショットに見せかけてフォアスライスでエースを取ったりもしています。
ATPトップ10の内ダブルバックハンド8名、WTAトップ10の内ダブルバックハンド10名というようにATPトップ選手でダブルバックハンドのプレーヤーが増えている中バックハンドスライスをよく使用する選手は、フェデラー選手、G・ディミトロフ選手がまず思い浮かびます。 アマチュアになると年代で異なるとは思いますが、50代のシングルバックハンド率は個人的な体感では8割くらいではないでしょうか。
特に社会人になって始めた方はシングルバックハンドが多いようです。
ではスライスショットのメリット、デメリットを考えてみましょう。
メリットとしては、体力を使わない、リーチが広くなる、打点が後ろでも打てる、ドロップショットがバレにくい等です。 逆にボールが遅くなる、スライスの種類によっては攻撃されやすい、パッシングしにくい等のデメリットもあるかと思います。
メリットの方が多いと思いますので、デメリットを克服したらメリットが多くなるショットです。 どうしたら、伸びのある攻撃的なスライスが打てるのか、スライスを武器にしているプレーヤーに尋ねてみました。
その方は、60歳前後の方でフォアもバックもスライスなのですが、切れ味が抜群で何度もポーチに出ようとするのですがネットスレスレで伸びてくるので中々出ることができません。一か八かポーチに出たのですが届きませんでした。普通のスライスより、速くて低くてバウンドしてから滑ってくるのです。
その方にとっての極意を尋ねてみました。
テイクバックは高く、インパクトは強く、フォロースルーは止める。 そして一番大事なのがラケットヘッドを立てて打つことだそうです。
ラケットを見せてもらうと、横糸が上方向にずれていました。
ラケットを立てている証拠です。
スライスの使用シーンは様々あると思います。
ここからはギアの目線で、
【守りだけでなく攻撃にも使えるスライスショット】→【スライスが打ちやすいラケット & ストリング & テンション】を探っていきましょう。
参考ですが、先程のスライスの達人が使用するラケットは10年程前のモデルで、軽量、オーバーサイズ(デカラケ)、フレームが厚く、ストリングはナチュラルガットで40ポンドで張っていました。オーバーサイズで40ポンドですからフィーリングはかなり柔らかいです。
個人的に考える「スライスが打ちやすいラケット」は、スリクソンレヴォCS8.0やCS10.0のような縦長フェイスでトップヘビーバランスが良いでしょう。 スライスの打点はやや手元から入って対角線上に上方向に抜けていきますので、縦長フェイスが良いと思います。
トップヘビーバランスが良い理由は、スライスは上から下に振るスイングですので、重さを利用できるからです。 重たいものを下から上に振り上げるのは疲れますので、スピンよりスライスが良いと思います。
フォアハンドに比べバックハンドはスイングスピードが遅くなります。
また、スライスショットの場合はゆったりとスイングをしますので、しなりのある球のりの良いラケットが相性のっ良いものと言えるでしょう。
まずオススメなのがプリンスの「X(エックス)」シリーズ。 まさにバックハンドが打ちやすくなる工夫があり、フォア面よりバック面が11%しなるように設計されています。
スイングスピードが遅くなるバックハンドでも球乗りが良くなり、伸びのあるスライスショットが可能になります。
次に、ヨネックスの「Eゾーン」シリーズもしなりに加え、対角線が長いフェース形状なのでスライスが打ちやすいラケットです。 また、ウイルソンの[Sラケ]もスライスショットが打ちやすいラケットです。
横糸を16本にすることで、縦糸のスナップバックを活発化し、ネットしそうで超えていくボールが可能になります。
[Sラケ]はバーン、ウルトラ、ブレードシリーズ内にそれぞれ存在し、特に「ウルトラ105S」は16×15のストリングパターンに加え、105平方インチのフェース面積からスライスショットは抜群に打ちやすいラケットです。 【ストリング】【テンション】ですが、ボールを潰すというより、ホールドして長く運ぶことが必要です。
 ストリングの種類は
ナチュラル > ナチュラル×ポリエステル > マルチフィラメント > モノフィラメント > ポリエステル
の順に適していると思います。
テンションは適正テンションの下(45-60ポンドの場合は45ポンド)を基準に、テンションを上げ下げしてベストを探すと良いでしょう。
スライスショットをマスターすると、同じフォームからドロップショットやロブも打てますので、テニスがもっと楽しくなると思います。
是非チャレンジしてみてください。
【GEEK通信】「しなるラケット、しならないラケットのメリットを考える」
2019/02/13
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、
そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「しなるラケット、しならないラケットのメリットを考える」
ラケットの硬い、柔らかい論争は昔からあります。
ある人の見解は、「ブレードは硬く」「プロスタッフ」は柔らかい。
私はまるで正反対です。
ヘッドのプレステージもお客様から「硬いですよね」の声をよく聞きます。
実際はよくしなるラケットです。
実際に「しなる」「しならない」と、打球感で感じる硬さはイコールにはならないようです。
様々な要因はあると思うのですが、どうやら飛ばないラケットは硬く感じることが多いようです。
スイートスポットに当たると、振動も無く気持ちよく飛んでいきます。その時に感じるのが[食いつく]や[柔らかい]という感触です。
スイートスポットを外した場合、振動も大きく飛んでいきません。その時に感じるのが[食いつかない]とか[硬い]という感触です。
芯を外すと途端に飛ばないラケットになってしまうので硬いと錯覚してしまうのです。
飛ばないのは、ラケットのねじれが原因なのです。
フレーム厚の薄いラケットはよくしなりますが、同時にねじれも起きているのです。
実際はしなっているのに、硬いと感じるのはねじれが原因で[飛ばない][振動がくる][面がぶれる]などの影響だと思われます。
芯で捉えることができる上級者や、ブレード・プレステージをマイラケットとして使用している方に聞くと、「柔らかい」という返答がほぼくることから、使いこなせる方には柔らかいと感じ、短時間の試打で芯にしっかり当たらないと硬く感じてしまうという結果になるのだと思います。
フレームが硬くてしならないラケットのメリットとフレームが柔らかくてしなるラケットのメリットを考察していきましょう。
硬さを表す基準としてRA値というものがあります。
RA TESTという計測機器を使いフレームに荷重してRA値を測ります。
RA値70以上は硬くてしならないラケットで、RA値65以下は柔らかくてしなるラケットです。
【プロスタッフRF97:RA値73】
【ブレード98CV:RA値68】
【グラフィンタッチプレステージMP:RA値64】
※GEEK中居調べ
硬くてしならない(RA値70以上)ラケットのメリットは、なんといってもパワーが出ることです。
ボールはインパクトから1000分の4秒で飛び出しますので、ラケットのしなりが頂点になった辺りですでにボールは面から離れてしまいます。
しなり幅が大きければ大きい程、パワーを吸収するようになってしまうのです。
よってフレームが硬くてしならないラケットは、入射角と反射角の差が小さくパワーロスが少なくなります。
柔らかくてしなる(RA値65以下)ラケットのメリットは、コントロールがしやすいことです。
スイングは体の回転、腕の振り、後ろから前への体重移動など様々なファクターがあります。
止まっているラケットにボールを当てる場合は、硬いラケットで良いのですが、スピン・スライスなどの回転やロブ・ドロップショットなどといったスピードを必要としないショットの場合は、しなることで打ちやすくなります。そして浅いボール、深いボールの飛距離のコントロールがしやすくなります。
では、パワーとコントロールは両立しないのでしょうか。
パワーとコントロールの融合をテーマに開発された【ウイルソンのクラッシュ】を試打しながらそのテーマを考えていきましょう。 ウイルソンのラケット「クラッシュ」の開発背景として、
【しなるラケットはねじれが起こり、それによってパワーを失う】という切り口からスタートし、
ねじれないシャフトの開発と、カーボン繊維の編み方で柔らかくなる独自の方法を編み出しました。
結果、RA値53(GEEK中居調べ)というかなり柔らかいラケットが完成しました。 店頭にあるラケットを隅々計測しましたところ、、、最もしなるラケットはプリンスファントム100XRJのRA値61でした。こちらのラケットはフレーム厚が16mmと薄いのでしなって当然なのです。
24mm厚のクラッシュが16mmのファントムよりも柔らかい数値が出たのは驚きました。
さらに店頭ディスプレイで飾っていたウッドラケット ウイルソン クリスエバートを計測するとRA値38でした。
もちろん新品ではないのでへたってしまっていることを差し引いたとしてもかなり低い数字です。
番外編としてウイルソントライアドXP125はRA値47と数字上は柔らかく出ますが、これはトライアド構造のためであり硬いシャフトと硬いフェース面をアイソゾーブというゴムでジョイントしているため、そのゴムの部分が伸縮しているのです。
ラケット全体がしなっているわけではないと思われます。 話を戻しますが、クラッシュを実際に打ってみると打球感はそんなに柔らかくは感じませんでした。
ねじれがないためと反発力があるためにそう感じたのかもしれません。
ストロークを打っている時に感じたのは、
スイートスポットが広く、芯を外してもミスが出ない使いやすいラケットという印象です。
ねじれが少ないことで本来ならミスをしたり、本来なら飛ばないボールがしっかりと深いボールで返るのです。

サービスを打つとまた、イメージが変わりました。
 凄く柔らかく感じるのです。 スピン・スライスはいつもよりキレが増しセカンドサービスでもコースを狙って打っていけます。
ただセンターを狙ったフラットサービスだけ、個人的にスピードが出し辛く感じました。恐らくサービスはストロークに比べ芯で捉える確率は上がるのとフラットですと90度に近い角度で当たるためだと思います。
冒頭に書いた1000分の4秒でボールは飛んでいくことを思い出してください。
「しなりが大きい程、しなりの頂点でボールが飛び出してしまうので威力が出ない。」
これが起こっているのでしょう。 (ただし、私はストロークで芯を外してしまうことが比較的あり、本来なら飛ばないはずのボールがねじれが起きないために十分に威力のあるボールが打てるのです。)
クラッシュ100ツアーはウエイト310gでバランス306mm、クラッシュ100はウエイト295gでバランス310mmです。 通常の設計より15mm程トップライトになっています。これはシャフトから手元にかけてねじれないようにカーボン量を凝縮しているからと思われます。
よって10gくらい軽いラケットのように操作できますので、迷ったらこの点について参考にしてみてください。
いくつものパテントを取っている革命的なラケットを32,000円(税抜き)で発売するウイルソンに脱帽です。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第二回『ドロップショット』」
2019/02/09
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている 中居が担当いたします。
-------------------------------
「【月一企画】ショット別にラケットを考える。第ニ回『ドロップショット』」
少し遅くなりましたが大坂なおみ選手全豪オープン優勝おめでとうございます。
左利きのクビトバ選手のスライスサービスを徐々に攻略したことが勝利に繋がったのではないでしょうか。
以前、GEEK通信で取り上げた左利きスライスサービスの対策が偶然にも決勝戦の2日前だったこともあり、反響をいただきました。
大坂なおみ選手が21歳で世界ナンバーワンに上り詰めたことはとても凄いことです。
そして、ドロップショットやスライスなどまだまだこれから取り入れていくようです。
まだまだ強くなる大坂なおみ選手をこれからも応援します。
今回の月一企画は、ドロップショットについて考えていこうと思います。
まず、個人的にドロップショットを打つ際は、ネットから3m以内の狙ったポイントにバックスピンかサイドスピンをかけて打つのですが、打つ前に相手にばれてしまわないように打つようにしています。
インパクトはスライス回転をかけ柔らかく打っていますが、フォロースルーは個々によって違います。
錦織選手は長めにフォロースルーをしていて、完璧にドロップショットが決まるタイミングで打っています。(相手のボールが力なく浅く入った時)
ジョコビッチ選手やナダル選手がよく試みるドロップショットは、ラリー中に突然打つドロップショットで、エースを取るよりドロップショットを返球した次のボールで決めるパターンです。
この場合はインパクトで止めるようなフォロースルーが小さい打ち方になります。
ジョコビッチ選手はバックハンドで、ナダル選手はフォアハンドでドロップショットを打っている姿をしばしばみます。
ドロップショットは【技術】と【タイミング】と【打つ勇気】が必要になってくると思います。
もちろん技術が無いとネットしたり、甘いボールになってしまいます。
ただ、完璧な技術で打ったとしてもタイミングが悪いと相手に逆襲をくらいます。
そして、ここぞというタイミングを逃さず打つ勇気も必要です。
ここまでは、個人的に考えているドロップショットの話をしましたが本題に入ります。
ラケットという視点で【ドロップショットを上手く打つこと】は可能なのでしょうか。
数年前にある実験をしたことがあります。
ネットから2mのところにラインを引き、球出ししてもらったボールを10球打ち何球ラインの中に入るかということを調べてみました。
10人くらいで行いデータを取ったのですが、厚いラケットで飛びの良いラケットは成功する回数が比較的少なかったです。
2mのラインに収まらず、飛びすぎていました。
ベースラインからネットを越して2mのライン以内に入れるためには、飛距離をコントロールしないといけないのですが縦糸の長さが40cmあるラケットでは想像以上に飛距離が出てしまうのです。
もちろん慣れもあると思います。実際に私は厚めのラケットを使用していますし、ドロップショットをしばしば打ちます。
この月一企画の結論として、特別にドロップショットが打ちやすいラケットを提案するのは難しいです。
ですが、ドロップショットが打ちやすいストリングテンションは個人的にあると思います。
ハイテンション(55ポンド以上)よりローテンション(45ポンド以下)の方が打ちやすいと思います。
ハイテンションはインパンクトでボールを潰してコントロールするもので、ドロップショットのようなボールを優しく包み込むようなタッチは難しく、ネットする可能性が高くなります。
ローテンションの場合ストリングとボールの接触時間が長くなり、バックスピンをかけながらフワッと置きにいくことがしやすいです。
フェイス面積が大きいラケット、フレームが厚めのラケット、飛びの良いラケットでドロップショットを打つのは比較的難しいのですが、ストリングテンション次第でもちろんカバーはできると思います。
どんなショットも練習が必要ですので、ドロップショットも普段の練習に組み込んでみてください。