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【GEEK通信】「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
2020/05/21
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
今回は、「歴代最強プレーヤーは誰か」をデータを元にピックアップしてみましょう。
(※)現役プレーヤー
世界ランキング1位に在位した期間は、
1.フェデラー 310週(※)
2.サンプラス 286週
3.ジョコビッチ 282週(※)
4.レンドル 270週
5.コナーズ 268週
6.ナダル 209週(※)
7.マッケンロー 170週
8.ボルグ 109週
9.アガシ 101週
10.ヒューイット 80週
世界1位だった期間が長いということは、最強を決める上で非常に参考になります。
ビッグ3が上位にいますね。

続いてグランドスラムを取った回数は、
1.フェデラー 20回(※)
2.ナダル 19回(※)
3.ジョコビッチ 17回(※)
4.サンプラス 14回
5.エマーソン 12回
6.レーバー 11回
6.ボルグ 11回
8.チルデン 10回
9.フレッドペリー 8回
9.ローズウォール 8回
9.コナーズ 8回
9.レンドル 8回
9.アガシ 8回
ビッグマッチに、勝てるかどうかも大事ですよね。
現役プレーヤーがトップ3を独占していますが、次はレジェンドプレーヤーにも焦点を当ててみましょう。
年間グランドスラムを2回達成しているロッド・レーバーも史上最強説のある選手です。
レーバーはグランドスラムを11回取っているのですが、年間グランドスラムを2回達成しているのにトータルで11回は少ないと思いませんか。
実は、テニスのオープン化が関係しているのです。
レーバーが最初に年間グランドスラムを達成したのは、1962年で24歳のアマチュアの時です。
翌年プロに転向します。
この当時はグランドスラムはアマチュアしか出場できなかったのです。
1968年にオープン化し、グランドスラムにプロも出場できるようになった翌年の1969年に2度目の年間グランドスラムを達成したのです
一番油の乗り切った25歳から29歳の5年間はグランドスラムに出場していませんので、もし出場していれば何回取っていたかわかりません。
当然その間は、プロで勝利を数々と上げていて、プロのメジャータイトルを8個取っています。
(全仏プロテニス選手権、全米プロテニス選手権、ウェンブリー選手権の3つがメジャー大会)
その頃、レーバーと実力を2分していた選手が、ケン・ローズウォールでレーバーより4つ年上で、21歳から33歳まではプロツアーに出場しており、グランドスラムにはその期間出ていないのに、グランドスラムを8回優勝しており、37歳で全豪オープンを優勝した最年長記録は未だに破られていない息の長い選手でした。
ちなみにプロのメジャータイトルを15個取っており、最多記録になっています。
最強を比較する上で参考になるのが、年間最高勝率です。
1.マッケンロー 1984年 82勝3敗(96.47%)
2.フェデラー 2005年 81勝4敗(95.29%)
3.ジョコビッチ 2015年 82勝6敗(93.18%)
4.コナーズ 1973年 87勝7敗(92.55%)
5.ボルグ 1979年 74勝6敗(92.50%)
5.レンドル 1986年 74勝6敗(92.50%)
7.ナダル 2018年 45勝4敗(91.84%)
8.ビラス 1977年 132勝13敗(91.03%)
9.マレー 2016年 78勝9敗(89.66%)
10.レーバー 1970年 51勝6敗(89.47%)

29.錦織圭 2014年 54勝14敗(79.41%)
もし、年間勝率1位だった年の選手(1984年のマッケンロー対2005年のフェデラーのように)同士が試合をしたらどんな試合になるのでしょうか。
想像するだけで楽しくなります。 ほとんどのデータで上位に来るのは、やはりフェデラーです。
最強プレーヤーはフェデラーで決定してよろしいでしょうか。
「ちょっと待ったー」の声がしました。
ジョコビッチ対フェデラーの対戦成績、ジョコビッチの26勝23敗はどうします。 ナダル対フェデラーの対戦成績、ナダルの24勝16敗はどうします。
歴代史上最強の選手が、負け越していてはなにかおかしいですよね。
問題は、歴代最強を争う選手が今もなお、現役で戦っているのでまだ最強を決められないことです。
ちなみに、ジョコビッチ対ナダルの対戦成績、ジョコビッチの29勝26敗とほぼ互角です。
現在のビッグ3の戦いは、レーバーとマッケンローとフェデラーが同じ時代で戦っているようなものでもあります。今はこの贅沢な時間を楽しみましょう。
ローズウォールは43歳でツアー優勝しています。
フェデラー、ジョコビッチ、ナダルも40歳過ぎてまだ戦っているかもしれません。
最強を決めるのは10年後にしましょう。
と言うことで、中居個人が選ぶマイフェバリットプレーヤーベスト5を発表しましょう。 第5位:ステファン・エドバーグ(1983年デビュー1996年引退)
サービスandボレーがカッコ良かったです。バックハンドのダウンザラインはお手本でした。
第4位:ジョン・マッケンロー(1976~1992)
1980年、1981年のウィンブルドンでのボルグとの死闘は伝説。ボレーの天才。ナイキのウエアを初めて着用した選手です。
第3位:ダスティン・ブラウン(2002年デビューの35歳)
ツアー優勝なし、最高位64位。
ドイツ国籍のジャマイカン。運動神経はモンフィスと同等。
サービスはトップクラス、ボレーのセンストップクラス、ストロークが淡白で、すぐドロップショットを打ってしまうのですが、負けてもスカッとします。
第2位:ロジャー・フェデラー(1998年デビューの38歳)
2001年ウィンブルドン4連覇中のサンプラスに勝ったのは衝撃でした。
サンプラスの7度優勝を更新する8度のウィンブルドン優勝。
10勝23敗だったナダルに、ラケットフェースを90平方インチから97平方インチにして、5連勝しました。
第1位:錦織圭(2007年デビューの30歳)
18歳の時、ツアー初優勝、全米オープンでフェレールに勝ち、AIGオープンで日本に凱旋。
その時にうちの子供がサインをもらい、それ以降ずっと応援しています。
2014年全米オープン準優勝の時に加入したWOWOWは今でも継続しています。
まだまだピークはこれから来ると注目しています。
おまけのマイフェバリットマッチ3選をお届けします。 第3位:ラファエル・ナダルvsダスティン・ブラウン
2014年ATPワールドツアー500ハレ(芝) 6ー4、6ー1でブラウンが勝った試合。
翌年のウィンブルドンでもブラウンが勝ち、ナダルが芝ではブラウンとやりたくないと言ったとか言わなかったとか。
全仏優勝後の初戦で、最強と思われていたナダルがボコボコにやられてしまい騒然となりました。
第2位:錦織圭vsロジャー・フェデラー
2014年マスターズ1000マイアミ 3-6、7-5、6-4で錦織が勝った試合。
最後のマッチポイントをジャックナイフでノータッチエースで決めたのがクール。
前年のマドリード1000でも勝っておりフェデラー戦2連勝を飾りましたが、この年、後2回対戦しており、しっかりフェデラーが2連勝してお返ししています。
第1位:錦織圭vsノバク・ジョコビッチ
2014年全米オープン準決勝
6-4、1-6、7-6、6-3で錦織圭が勝った試合。
ラオニッチ、ワウリンカと2試合連続で4時間越えの試合を乗り越え迎えたジョコビッチ戦、熱狂したのが昨日のようです。
勝てば決勝でフェデラーと対戦と思っていたら、チリッチが勝ってしまい、錦織圭vsフェデラーが幻になり残念な気持ちと、勝率が良いチリッチとの対戦にワクワクした気持ちで、決勝の前は眠れなかったことを思い出します。
いかがでしたでしょうか。
史上最強決定戦を生で観られるなんて幸せですね。
ビッグ3に挑んでいく錦織圭にもエールを送りましょう。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2020/05/16
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
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テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
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「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。
相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。
以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。
中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。  
【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
2020/05/15
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
初めてガットを張ったのは36年前の22歳のときでした。
テニスブーム真っ只中で、明日までに仕上げなくていけないラケットが100本以上というのは日常茶飯事でした。
でもいきなりガット張りができるほど簡単な作業ではありません。
まずは、張り上がったラケットの仕上げをしないといけないのですが、これがまた中々大変です。
○ポンドシール貼り
○飾り糸装着
○ステンシルマーク入れ
○グリップテープ巻き
などの作業があるのですが、この当時飾り糸は必須でした。 緩まないように、引っ張りながら行うのですが、これだけずっと毎日もやっていると、人差し指の第一関節から出血してくるのです。
これはガット張りをするスタッフ全員が経験していく登竜門でした。
ちなみに何のためにやっていたかというと、ハッキリとした理由はわからないのですが、スムース、ラフが飾り糸の編み方でわかるようになっているとか、ガットが切れたときに飾り糸が切れたガットを掴むことで、しばらく打ち続けられるとか、ホントかウソかハッキリわかりません。(切れたガットでプレーするのは違反です。切れたときのワンプレーは問題なし。)
ただのカザリという説が有力でしたので、いつしかその風習はなくなりました。
飾り職人を数ヶ月続けたときに、先輩からラケットのガット張りを教えてもらえたのですが、お客様のラケットが張れるまでに、100本くらい練習しました。
それだけ、ガット張りは難しいのです。
また、当時のストリングマシーンは手動の2点固定のドラム式というモノで、張り方によって変形が頻繁に起こってしまうので、張り師の技術が重要でした。
縦糸に対して横糸は何パーセント落とすかの乱数表みたいのがあったり、プリストレッチを何パーセントかけるとか、変形させないように、緩みづらいように、色々と儀式がありました。
現在は電動式6点固定ですので、昔ほどストリンガーの上手い下手は無くなりましたが、それでも技術の差はあります。
日本では、分銅式→ドラム式、油圧式→電動式と進化していますが、海外ではコラム式(ぜんまい式)というシステムがあり電動式の手巻き版というものです。
1991年のUSオープンにストリンガーとして参加することになりました。 このときのオフィシャルストリングがテクニファイバーで、コラム式のマシーンだったのです。
初めて見た形式で、ドラム式だとハンドルを時計回りに半回転くらいするだけなのですが、コラム式は時計の逆回りに3回転半くらい回してぜんまいを巻ききるのですが、ぜんまい式のおもちゃでもネジを回すのに最後の方は力がいりますよね。
あの何倍もの力でぜんまいを巻き切ります。
※ボタンを押すと指定したポンドでぜんまいが戻り止まります。電動式の引っ張りに似ています。
ハンドルがクルクル勢いよく回るので初めのうちはよく手をぶつけました。
1日20本を1週間続けたのですが、時計と逆回りに力を入れるのに慣れてないので、途中からテニスエルボーみたいに、肘が痛くなって大変でした。
ストリンガーは9人で、3列に3台ずつの並びで、そのど真ん中が自分の場所で、前後、左右、斜め前、斜め後ろすべて外国人に囲まれてポツンと日本人一人だけでした。 日本では、ほぼ2本張りで張っていたのですがここ(USオープン)では1本張りがスタンダードでした。
ガット張りのためのツールは自前のものを用意するのですが、当時まだ日本ではあまり使われていなかったのでスターティングクランプを持っていっていませんでした。 回りの8人と同じ張り方にしないといけないわけではありませんが、[郷に入っては郷に従え]の通り、USA張りにしたのですが、この張りには必ずスターティングクランプが必要で毎回隣のストリンガー(マイクさん)に借りていました。
USA張りは、ショートサイド、ロングサイドが無くストリングの左右を同じ長さにして、センターにセットし張り始めます。
長さの取り間違えをしないので合理的です。
縦糸を最後まで張り、横糸はど真ん中から上と下に半分ずつ張ります。このときにスターティングクランプを使います。
ただし、この張り方(USA張り)はメジャーにはなりませんでした。
縦糸から横糸に移るところが10センチくらいあり、見た目もあまりよくないし、無駄にストリングの長さを使ってしまいます。 (もしかしたら、ゴーセン「張り人」張りの元になったのかもしれませんね。)
当時の経験で、ガット張りは選手の勝ち負けに直結するくらい大事なことを学びました。
選手のガット張りは必ず同じストリンガーが行い、試合時間の直前に張るので、第一試合からのときは、早出で会場に入ったりしました。 自分が張っている選手が日毎に減っていくのが、寂しい気持ちにもなりました。 日本に帰ってきて、二つ欲しいものがありました。
英語力とストリングマシーンです。
英会話教室は長く続きませんでしたが、ガット張りは奥深く今でも勉強は続いています。
選手がこだわっていたように、張りたてが一番気持ち良いのです。気持ち良いということは、良いボールが打てるということです。
もし、ホームストリンガーを目指す方がいらっしゃいましたら、少し高くても電動式のストリングマシーンをおすすめします。
今でも、分銅式やドラム式のマシーンはありますが、思った通り張り上げるまでに数百本は張らないとダメだと感じます。
6点固定の電動式なら変形も少なく、毎回の張りの誤差も少なく済むでしょう。
問題は元が取れるかどうかです。
大事に使えば何千本も張れるはずです。
お子様がテニスの選手を目指していて、ご自身もテニスをしている場合、間違いなく元が取れます
例えばストリングマシーンが20万円として、ロールガット約2万円、張り代約2000円とすると、63回で元が取れます。
月1回の張り替えペースで、5年ちょっとです。
社会人で週2回くらいテニスをしている方なら、2ヶ月から3ヶ月で張り替えるはずです。元が取れるのは10年後くらいになります。

ただ、経済的なことよりも
○張りたてで使えること。
○自分に合ったストリング、テンションを見つけやすくなること
の方が大きいと思います。
ただ、以下の方は宝の持ち腐れになることもあるのでご注意ください。
○日々忙しくて時間のない方。
○家にスペースのない方。(畳1畳分)
○作業があまり好きではない方。
○集中力が持続しない方。(30分から60分)
私の知り合いで、ストリングマシーンを持っているのにお店に張りに来る方がいらっしゃいます。
2人の息子さんと本人の3人がテニスをやっており、息子さん達は数日でガットを切ってしまい、2週間くらい放っておくと、4、5本切れたラケットが溜まってしまい、全部張るのに半日かかります。
自分のテニスができなくなってしまうので、お店に張りに持ってくるという具合です。
ガット張りの作業が好きな人でないと、、、ということです。
私はナイロン、ポリエステルは1ヶ月、ナチュラルは3ヶ月を目安に張り替えていますが、少し前に縦ナチュラル、横ポリエステルのハイブリッドで張ったのですが、雨上がりに一度使ってしまったところ、凄い振動が出るようになってしまいました。
面圧を測ってみると10ポンド落ちていました。
振動の原因は、縦糸のナチュラルが水分を吸ってしまい縦糸だけ緩み、横糸のポリエステルとのバランスが崩れてしまったのです。 こうなるともう張り替えるしか手立てはありません。雨の季節にはポリエステルだけを用意した方がいいですね。
もし、ホームストリンガーを目指そうと思っている方は、ウインザーオリジナルストリングマシーンを販売しております。(※2020年5月15日(金)時点) 6点固定の電動式で、20万円を切ります。スターティングクランプ(1万円相当)プレゼントなどの特典をお付けしております。
何年も使うものなので、故障したり、クランプの摩耗があったりします。
購入後のメンテナンスがしっかりしていますので、安心してお使いいただけます。
ホームストリンガーに憧れているあなた!
今がチャンスです。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
2020/05/07
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「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
ストリングのテンションが緩い方が飛ぶ、とかテンションが強い方がスピンがかかるとか、ストリングは凸凹している方がスピンがかかるとか言われることがありますが、本当はどうなのでしょうか。 ストリングのテンションが強い、弱い、硬い、柔らかい、55ポンド、35ポンドなど色々表現方法がありますが、ラケットのフェース面積、ストリングパターン、ストリングの種類によっても違いがあります。 例えば、フェース面積115平方インチで16×18のストリングパターンのラケットに55ポンドで張ったときと、フェース面積95平方インチで16×20のストリングパターンのラケットに35ポンドで張ったときの仕上がり具合(面圧)はほぼ同じです。 ガット張りの強さの表現は【張力】と【面圧】があるので、今回の「強い」「弱い」は面圧を、基準に話をしていきます。
ひとつ目の疑問、
「ストリングは硬い、柔らかいで飛びがどう変わるか?」 についてですが、一般的に柔らかい方が飛びが良くなります。
トランポリンで飛び跳ねるのと、地面の上で飛び跳ねるのとでは、当然トランポリンの方が楽に高く跳ねることができます。 ガットも柔らかく張り上げた状態の方が、凹みが大きくなり、ボールがストリングに当たり、くの字型にたわんだ後に元に復元する力が働きボールを飛ばしてくれます。
ストリングを硬くすればするほど、地面のような状態になり、ストリングが凹んで元に戻る一連の動きは無くなってきます。
よって、ストリングは柔らかい方が楽に良く飛ぶが正解です。
ただし、柔らか過ぎると、ストリングが凹み過ぎてしまい、元に復元する力が弱くなってしまうので、30ポンド以下の場合、ラケットやストリングパターンによっては飛ばない感覚が生まれます。
また、硬く張った方が飛びが良いと言う方も結構いらっしゃいます。
硬く張った方が、球離れが良くスピード感が出るのと、ボール自体の反発力が硬く張ってある方が、「潰れて復元する」現象がより顕著になり、良く飛ぶと感じることもあります。
力に自信が無い方はそもそもボールはあまり潰れませんので、ストリングの硬さの強弱の影響が大きいようです。
二つ目の疑問
「ストリングの硬さ、柔らかさでスピンのかかりやすさは変わるのか?」 答えは、プレーヤーによって変わるが正解です。
科学的に実験した結果では、ほとんど変わらないが正解のようですが、スピンのかかり具合とそれをコントロールするのはセットで考えたいので、データだけではなくプレーヤーの感覚も重要になっていきます。
スピンボールを思ったところにコントロールできるかどうかは、ストリングの硬い、柔らかいで差がでてきます。
スイングスピードが速い方は、インパクトの瞬間、ボールがせんべい状になり、ストリングとボールの接触面積が増え、スピンがかかります。
ストリングが硬い方がボールが潰れやすく、プレーヤーの力加減で変化するので、コントロールしやすくなります。スイングスピードが遅い方は、インパクトの瞬間、ボールはほぼ丸いままストリングと接触するので、ストリングのたわみが大きい方が、球離れが遅くなり、スピンがかかりやすくなりますし、球持ちが良いことでコントロールしやすくなります。
言い方を変えてまとめますと、一般的には、
スイングスピードが速い方は、ストリングの面圧が高い方がスピンがかかるように感じ、飛距離のコントロールもしやすくなります。
スイングスピードが遅い方は、ストリングの面圧が低い方が長く捉えることができ、スピンをかける時間を確保できるようになります。 三つ目の疑問
「ストリングは凸凹している方がスピンがかかるのか?」 ナイロンでもポリエステルでも、スピンを謳っているストリングは、ネジってあったり表面が凸凹しています。
これは、何十年も前から凸凹している方が、摩擦係数が上がりスピンがかかると思われていたからです。
15年前くらいに、スピンがかかる原理が解明されて、実際には縦糸が横にスライドし、元に復元するスナップバックの効果が大きい方がスピンがかかることがわかったのです。
それでも凸凹したストリングが無くならないのは、プロの選手が使っていたり、独特のまったりした打球感が好きな方が多いのです。
プロの選手がスピンのかかりが良いから、スピンガットを使うということはまずありません。スピンをかける技術がなければ、プロにはなれませんので。
R・フェデラー選手は横糸にアルパワーラフを使用していますが、ラフ加工しているストリングは大体において打球感が柔らかくなり、食い付きを感じます。 アングルショットがサイドアウトしづらくなると聞いたことがあります。
もし、アマチュアの方で、スピンの回転量を上げたい一心でナイロンの凸凹スピンガットを使っていたら、逆に表面がツルツルしたポリエステルを使ってみてください。
約20%回転量が上がると言われています。
ただし、ナイロン凸凹スピンガットのフィーリングが好きな方は変える必要はありません。 スピンの回転量アップより、ミスをしないことが大事だからです。
どんなにハイテクノロジーのラケットでも、ボールと唯一接触できるのはストリングですので、色々試してベストマッチストリングを探してみてください。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識」
2020/05/03
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「いまさら聞けないテニスの常識、非常識」
テニスを始めて数年が経ち、みんな普通に言ってるけど、意味がわからないとか深く理解していないとか間違って覚えていたとか色々あると思うのですが、 いまさら恥ずかしくて聞けないことってありませんか?
今回はそんなお悩みに答えていきたいと思います。
「ボックスフレームとラウンドフレームの違いがわからない」 まずは、ラケットのボックスフレーム、ラウンドフレームについてです。 フレームの断面に対して、ボックスフレームとラウンドフレームと区別しています。 ボックスと言えば、電話ボックスとかティッシュボックスとかの長方形を思い浮かべると思います。
ラケットのボックス形状も角が90度の四角形のことで、1980年代1990年代はほぼボックス形状が中心でした。
以前からラウンド形状はありましたが、ラウンド形状が流行り出したのは、バボラピュアドライブからなので、ここ20年というところです。
ウッドラケットからカーボンラケットに変わっていったのですが、ウッドの流れから「しなり」「食い付き」「ホールド感」というのは重要視されていましたので、柔らかさが出るボックス形状が主流だったのです。
ラウンド形状は、フレームの剛性を硬くでき、空気抵抗を抑えることができたので、パワーを生かしながら、スピンを増やせたので、エッグボールという新しい弾道が生まれ、アウトしそうな軌道から急激に落下しベースラインギリギリで着弾し、大きく跳ね上がりました。
このエッグボールを操ってクレーコートで暴れていたのがスペインのR・ナダル選手です。 ボックス形状とラウンド形状を比較するのにわかりやすいので、スクール消しゴムとスーパーボールを用意してみてください。 親指と人差し指で挟んで力を入れると、消しゴムはグニャッと変形しやすく、スーパーボールは変形しづらいと思います。
ラケットのしなりはカーボンの編み方で硬くも柔らかくもできますが、ラケットのフェース面が内側に引っ張られる変形は素材ではなく、形状で起こります。
ボックス形状は内側に少し小さくなるような変形が起き、ホールド感、手のひら感が起こります。 ラウンド形状はほとんど変形しませんので、パワーロスなく弾き出します。
どちらが良いのではなく、好みの打球感になります。
ボールを乗せて少し運ぶようにコントロールする方はボックスフレーム向きで、ヘッドスピードを上げてスピンで攻めていく方はラウンド向きです。
「ウエイト、バランス、スイングウエイトって何?」 ラケットのウエイトはわかるけど、バランス、スイングウエイトは何?と言う方は結構いらっしゃいます。
ウエイトは単純に全体の重量です。
バランスは、重心の位置のことで、釣り合うところから、グリップエンドまでの距離を測ります。
320mmをイーブンバランスと言って、数字が大きくなるとヘッドが重たいので、トップヘビー、数字が小さいとヘッドが軽いのでトップライトと言います。
ハカリを二つ用意し、ひとつはラケットのトップ部分を乗せ、もう一つのハカリにグリップエンドを乗せるとそれぞれにウエイトが表示されるのですが、トップヘビーのラケットはヘッドを乗せたハカリの数字が大きくなり、トップライトはグリップエンドを乗せたハカリの数字が大きくなります。
当然、二つのハカリの合計はラケットのウエイトと同じになります。
要するにバランスはラケットのどの部分が重たくなっているかです。
スイングウエイトは、動いている状態の動的ウエイトのことです。
もし、ラケットの真ん中辺りを握って振る競技ならスイングウエイトを測る必要はありません。ウエイトとバランスだけで十分です。
ラケットの一番端のグリップを握って動かすと、慣性モーメントが働きますので、スイングウエイトを測ることでプレー時の状態に近い感覚のウエイトがわかってきます。
ウエイトとバランスが同じラケットでも、スイングウエイトが違うことがあります。
ウエイトが300gでバランスが320mmのラケットが2本あります。
わかりやすくするために大袈裟に表現します。
①ラケットトップ部が125gでグリップ部が125gでバランスポイントが320mmのラケット
と、
②バランスポイント320mm付近に250gの重さが集中しているラケット があると仮定します。 ウエイト、バランスはまったく同じですが、スイングウエイトは、①の方が重たくなります。
ラケット内部の素材の密度や、樹脂の量の偏りは外見からはわからないのです。
スイングウエイトが大きい方が威力も大きくなりますが、操作性能は悪くなります。
同じスイングスピードで振ることができるならば、スイングウエイトが大きい方がパワーが上がりますが、もし、スイングスウエイトが小さいことで、スイングスピードが速くなる場合は逆転することもあります。
「ボールの威力=ウエイト×スイングスピード2乗」
ですので、ウエイトよりもスイングスピードの方が2乗で比例するので、ウエイトを軽くしてスイングを速くするのも簡単に威力を上げる方法です。
下記のように、ウインザー店頭ではスイングウエイトを計測する機械がございます。 「パワー=ウエイト×移動距離」の公式がありますので、軽いものより重たいものの方が威力が出るのです。
ラケットA:320g、バランス310mm、スイングウエイト285
ラケットB:280g、バランス330mm、スイングウエイト285 ラケットAとラケットBはスイングウエイトが285と同じですが、同じスイングスピードで振った場合ラケットAの方が威力が大きくなります。
ただしラケットBは40g軽いので、疲労が出る後半にスイングスピードが落ちにくいメリットがあります。
店頭でスイングウエイトを計測する最大のメリットは、同じラケットを2本そろえるときに、振った感覚が近いものを正確に選べることです。 同時に2本購入しなくても、1本目のウエイト、バランス、スイングウエイトがわかっていれば、2本目を購入するときに近いものを選んだり、1本目よりも軽いもの、重いものなど注文をつけることができるのです。
参考になったでしょうか、今回は以上です。
【GEEK通信】【検証:ダイアデム&ポリファイバー】「ストリングのカラーで変わるのか、ポリエステルとポリエチレンの違いは?」
2020/04/17
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【検証:ダイアデム&ポリファイバー】
「ストリングのカラーで変わるのか、ポリエステルとポリエチレンの違いは?」
※緊急事態宣言以前のインプレッションとなります。
次回以降は特別編でお届け致しますのでお楽しみにください!
前回の記事では、ダイアデムのラケットの発祥のことやお客様のインプレッションをお伝えしましたが、ストリングに関してはまだお伝えできず、今週はその続きを書いていきます。 ダイアデムのポリエステル「ソルティスパワー」と「ソルティスブラック」の違いを探るのが今回のテーマですが、もう一つ気になっているストリングがあります。
ポリファイバーの「ファイヤーレイジリブド」です。 ストリングの表面が歯車状になっていて、ソルティスパワーの星形断面形状と似ているのです。
ファイヤーレイジリブドの素材は、ポリエチレンを使用し、ポリエステルに比べ柔らかい打球感になり、テンション維持が向上します。
歯車状にすることで、ボールをしっかりとホールドし、スピンのかかりを向上させます。
ソルティスパワーの星形断面形状もインパクト時に、突起部分が変形し、ボールとの接触面積が増え、スピンが向上するので考え方はかなり近いと思います。
スリクソンレヴォCS10.0を3本用意し、すべて50ポンドで張り上げました。
まずは、「ソルティスパワー」と「ソルティスブラック」の違いについてチェックしていきましょう。 取っ替え引っ替え打ち比べて微かな違いがわかってまいりました。
「ソルティスパワー」の方が「ソルティスブラック」より若干柔らかいということです。
どちらもポリエステルの中では、柔らかい方に入ると思いますが、星形断面形状がインパクトで潰れてホールド感を生み、スピンもよくかかりますが、フォアスライスのリターンが伸びてくれてリターンダッシュにつながりました。
星形が潰れた後に瞬時に、尖った状態に戻りますので、スナップバックのバックが速いのか、ボールの弾き出しもよく、ボレーも切れがありました。
※ちなみに中居個人の好みの硬さは「ソルティスブラック」の方ですべてが丁度よく感じました。
次の比較は「ソルティス(パワー/ブラック)」と「ファイヤーレイジリブド」の違いです。 はっきり言ってまったく異なるストリングでした。
考え方は同じでも、素材が違う、表面構造が違うとくれば結果は違って当たり前です。
「ファイヤーレイジリブド」は、ポリエチレンならではのまったり感があり、「ソルティス」より柔らかく感じます。
また、歯車状の表面がガリッとボールに食いつき、スピンがかかり、ネットを超えてから急激に落ちます。
ただし、スライスとボレーに関しては個人的に物足りない部分もありました。 歯車状の凹凸が縦糸横糸で、絡んでしまってスナップバックが思ったほど起こらないのです。
ストリンググライドを塗布してみたのですが、効果はあまり見られませんでした。恐らく、凹の溝にストリンググライドの液が入ってしまい、凸の表面に液が行き渡らない状態だったのではないでしょうか。
ベースラインプレーヤーでスピンで粘るシコラーにとっては、ネットの高いところを通過したボールが急激に落下し、バックアウトを激減させてくれることが大いに期待できるストリングでしょう。
スナップバックが少なめなので、バウンド後の跳ね上がりが小さく、一球でも多く打ち返す粘り強さが必要になるでしょう。 今回はすべて、1.25mmを張って約4時間均等に使用しました。
翌日、面圧を測定してみるとソルティスパワー、ソルティスブラックは張り上げた時に面圧47だったのがともに面圧45になっていました。 2~3落ちるのは普通のことです。
ファイヤーレイジリブドは張り上げ時に面圧49で、翌日計った時もまったく変わらず49でした。
ナイロンでもポリエステルでも面圧が落ちることが当たり前ですが、ポリエチレンを素材にしたファイヤーレイジリブドのテンション維持の良さには脱帽です。
またカラーによって硬さが変わってしまうのは、良くあることです。
ストリンガーの人はわかっていると思うのですが、ナイロンでナチュラルカラーとブラックがあると、だいたいブラックの方が柔らかく感じると思います。ソルティスは逆に感じたのですが、もし両方試したことがある方がいらっしゃいましたらご意見を伺いたいです。
自分の感覚が間違っていることも良くございますので。ぜひシェアいただけたらと存じます。
どちらにしても、今回取り上げましたストリングは、特徴のある面白いストリングであることには間違ってないでしょう。
【GEEK通信】【ダイアデム】「NOVA100 大ヒットの予感」
2020/04/13
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ダイアデム】「NOVA100 大ヒットの予感」
2020年に3月に発売されたダイアデム「NOVA」が、3月度のウインザー全店舗の人気ランキングにランクインしました。
※ウインザーでは横浜店・渋谷店・梅田店・オンラインショップのみの取り扱い。
当GEEK通信のコアな読者の方で、20年来のテニス仲間であるTさんは、バボラのピュアドライブの発売以来すべて揃えているピュアドライバーです。
そのバボラ以外使用しない契約選手のようなTさんが、GEEK通信を見てダイアデムに興味を持ち、いてもたってもいられず店内で試打ができる横浜店で一通り試打し、NOVAを購入。
何故購入に至ったのか等、Tさんの感想をいただきました。
以下はTさんのコメントです。
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Tさん 「tennis365ニュースにもギーク通信のダイアデム記事が、載っていたので更に話題となるのでしょうか。ダイアデムの公式Twitterを見ると、実際に試打をして惚れて買う人が多いそうで。ピュアドライブVSと同じフレーム厚なのにあのパワーは凄いと感じました。
NOVAを使用してテニスをプレーした際に相手をしてくださった方に感想を聞いたら、『差し込んでくる』『着弾してからのボールの伸びが凄い』とのことでした。
打感は柔らかいにも関わらず個人的に申し分ないほどの剛性感があって、スイングスピードが早ければしっかりホールド感も感じることができ、尚且つボールの射出スピードが速いといった《二律相反》している感覚で、これがいわゆるプロストックラケットという感想を抱きました。
試打室で打つよりもコートで生きたボールを打つと尚更、NOVAの良さを体感しました。
自由自在でラケットのキャッチコピーの爆発的パワーというのを感じました。
※個人的な印象ですが、元々ガットメーカーだったバボラとヒストリーが似ているようにも感じました
このようにコメントをさせていただきましたが、既存メーカーのラケットを選ぶという選択肢だって勿論ありますし、好きなプロプレーヤーが使ってるメーカーを選ぶのも全然OKだと思います。
本質を求めるプレーヤーや本気で勝ちたいプレーヤーが、ダイアデムを試打すると選択肢に入るかなと思いましたのでぜひ機会ができた際に試してみて下さい。」
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まだまだ認知度は高くはないですし有名プロが使っているわけでもなく、とにかく知らないことが多いので、正規代理店のK氏にダイアデムについてインタビューをしましたので参考にしてみてください。
中居「ラケットの開発のきっかけはあったのでしょうか」
K氏「社長のAJバートレット氏がカレッジプレーヤーだった2009年にロジャー・フェデラー選手のヒッティングパートナーを務めたことがありました。彼はメーカーから与えられている市販製品とロジャー・フェデラー選手を始めとするトップが使用するプロスペックモデルとの違いに愕然としたと言っていました。怪我もありプロの道を断念したとのことでしたが、テニスメーカー、しかもプロスペックを皆が使えるものを提供したいという夢があったとのことでした。」
中居「ダイアデムの名前の由来は何でしょうか」
K氏「ダイアデムとは王冠のことで、覚えやすく高貴な意味があります。ロジャー・フェデラー選手とヒッティングした意味合いも少しだけ入れたいと思ったことや、テニスブランドとして高みにいきたいと言う願望があったと言っていました。」
中居「代理店になったきっかけはあったのでしょうか」
K氏「私との出会いは2018年秋です。日本市場でこのブランドを広めたい、コンサルタントをしてくれないか?私は貴方のことを調べたし、良く知っている米国のWやPからも貴方の名前が必ず出てくる。だから逢いに来た。と言うオファーが来たことがきっかけでした。(オファーをもらった当時は扱いブランドの『スノワート』に集中をしていました)
K氏2019年にダイアデムのラケットがアメリカでスタートしましたが、スタート当時私は『並行輸入という形で日本に沢山流れてくるので、正規代理店を決めてお店に卸してください。ネットのみではなく実店舗があるショップから支持が受けられないブランドは終わってしまいます。』と伝えました。」
K氏「同時にラケットの完成度ですが、ウレタンフォームを詰め込むまでのアイデアは良かったのですが、個人的にはもう少しバージョンアップできる余地があると感じていました。それからはフレーム内にFSと言う壁を2枚入れ3層にしたり、PUフォームを2種類の極め細かいものにしたり、素材を全て世界一の国内最大手素材ブランドに変えました。
K氏「2019春ごろには2020モデルを完成させ、この2020モデルから日本での販売をスタートするというアドバイス提案をし、日本市場への準備を整えて参りました。
これ以降は、ダイアデムに『日本の正規代理店を決めて下さい。』と伝え、コンサルタントとしての契約を終えたのです。
ですが、正規代理店を決めるコンペが中々決まらないことなど様々なストーリーがあり、最後には私自身の会社もコンペに入れてもらい、、、、結果的に日本における販売権を私の会社が獲得することになりました。」

中居「会社の規模ではなく、ラケットにかける熱量の違いだったのではないでしょうか。Kさん熱い人ですから。お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。」
ダイアデムはストリングメーカーとして2015年にスタートし、選手やコーチ、ストリンガーに評価をもらい、ダイアデムというブランドが認知されラケット開発に至ったと聞いています。
そこで星形断面形状の「ソルティスパワー」を自分のラケットに張ることにしました。
カラーがティール(エメラルドグリーン)とブラックがあり、悩んでいるとパッケージの名前が違っていることに気が付きました。
ティールはエメラルドグリーンのパッケージで「SOLSTICE POWER(ソルティスパワー)」となっています。
ブラックは、黒いパッケージで「SOLSTICE BLAC(ソルティスブラック)」となっています。
そもそもカラー違いでパッケージの色が違うことはないので、この時点で変だなと思ってました。
【なぜ名前が違うのか】をK氏に尋ねました。
K氏「中居さん、よく気付きましたね。実はアメリカでは違うアイテムとして販売しているのです。カラーを変えると打球感が違ってくるのです。」
中居「グリップテープもカラーによってフィット感が変わりますが、ストリングも変わるんですね」
K氏「ただ本当に、違いがわかるのは選手クラスの限られた人達だけなのですが、アメリカでのダイアデムのターゲットが選手層なので、別々のアイテムにしているのです。」
次回はこの二つのストリングの違いを試打をして解明していこうと思います。
【GEEK通信】【ヨネックス】「完成度の高さが売りのVコアプロ100 JP※Vコアプロシリーズインプレッション」
2020/04/04
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【ヨネックス】「完成度の高さが売りのVコアプロ100 JP 」
意外と知られていないのが、ヨネックスのラケットカスタムオーダーシステム「カスタムフィット(CUSTOM FIT)」です。
国産ラケットメーカーの強みは、1本1本のラケットのウエイト、バランス、スイングウエイトが比較的均一なことです。
ラケットはほとんどが海外生産で、意外とばらつきが多いのです。カタログに表示されているウエイト、バランスは平均を記載しており、プラスマイナス5~7のずれは許容範囲なのです。
逆に言うと自分の好みのウエイト、バランス、スイングウエイトをばらつきの中から選ぶことが可能なのです。
そこにいくとヨネックスはばらつきが少ないので、ウエイト軽め、バランストップヘビー等を選ぶのが難しいのです。
そこでカスタムフィットです。
ウエイトを5g、バランスを5mm上げ下げすることが可能なのです。
また、0.5インチロングにすることも可能です。(その場合はウエイト、バランス指定はできません)
費用は¥2,000+税で、10日から1ヶ月程で出来上がります。
※上記金額は2020年2月時点のもの
さらにラケットにネームプリントもできます。(費用は¥1,000+税)
※上記金額は2020年2月時点のもの 国内に工場を持つヨネックスだからできる、きめ細かなサービスです。
Vコアプロ97をカスタムフィットしたY田さんと、今回発売された「Vコアプロ100 JP」をはじめ、Vコアプロシリーズを試打したのでインプレッションをお送りしたいと思います。
今回中居が用意した試打ラケットは、【Vコアプロ100 JP】と【Vコアプロ100(300g)】にヨネックスのダイナワイヤー130を50ポンドで張ったものです。
また、Y田さんが305g、305mmにカスタムフィットした【Vコアプロ97】にルキシロンのスマート125を39/36で張ったものも参考に打ってみました。
試打の前に補足させていただきますが、Vコアプロ100 JPは日本人のために開発されたモデルで、フレーム厚を厚くしてウエイトを軽量にし、力に自信が無い方でもパワーが出せる設計です。
Vコアプロ100 JPは、スペック的にすでに発売しているVコアプロ100と別シリーズのVコア100の間に位置するようなラケットと感じましたが、シリーズが異なるうえで両ラケットの間に位置する狭い部分に焦点を当てたラケットだからこそ完成度が高いと感じます。
(そもそもVコアプロ100 JPは必要なのかの論議が起きそうですが、試打でその論議を食い止めることができるかも注目です。)
今回の試打で中居にとって最も気持ち良く打てたのはVコアプロ97でした。
まったく硬くなく、むしろ柔らかい打球感で球乗りがよく、インパクトから中々離れない印象を受けました。ただし、不利な態勢になると100%からいきなり50%以下になってしまったようなパワーしか出せず、まったくごまかしがききません。※中居個人の意見です
次に打ったVコアプロ100は、少し楽になりましたが、柔らかさはあまり感じなくなりました。
確かに、パワーアップし、スピンもかけやすいのですが、Vコアプロ97と比較し差はほんの僅かかも(?)と感じました。
自分なら、打球感を重視してVコアプロ97を選びます。
これには私個人の経験談による理由があるのですが、元々、VコアツアーG(オレンジ色のモデル)を使っていて、今でも名器だったなあと回想するほどで、20mm厚のボックスフレームは大好物なのです。
Vコアプロ100 JPは、23mm厚になるので20mmのVコアプロ97、21mmのVコアプロ100に比べて反発力が明らかに違いました。
Vコア100に比べると流石に飛びは落ちますが、ボックスフレームならではの、掴む打球感があり、ボールの押し具合は手のひらに伝わる感覚で調整がしやすく感じます。
ポリツアープロで張ったのも打ちましたが、食い付きが良くスピンもかかり、さらに音が良くて、気持ちが乗ってプレーすることができました。
個人的にはポリエステルが合っていると感じました。
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今回一緒に試打をしましたY田さんのVコアプロシリーズのインプレッションをご紹介します。※個人の意見です
■Vコアプロ 97
面の小ささ、フレームの細さからくる振り抜きやすさは抜群です。一定のしなりは感じますが、大きなしなりを感じることはないという印象です。面の安定性が高く、フラットドライブでボールをつぶして打ちやすいです。またサーブでもスイングスピードを上げやすいです。 もちろん使い慣れているという背景もありますが、スピード、回転、コントロールの制御は最もしやすいと感じました。しっかり振り切るスイングをするプレーヤーに合うと感じました。
■Vコアプロ 100
Vコアプロ 97に比べると飛びが良く、反発性も高いと感じます。打感は良いのですがVコアプロ100 JP同様にしなりは感じにくいかもしれません。Vコアプロ100 JPと同じような重さ、バランスのはずですが、試打をしたラケットの3本の中では、最もヘッドの重さを感じました。Vコアプロ97に比べ、ボールは飛びますが、重たく感じてしまった理由でコントロールはしにくかったです。中級以上でラケットヘッドの重さをご自身のスイングとうまくミックスして使える人に合うのではないかと感じます。
■Vコアプロ 100 JP
当然ですが、最も飛びが良く、弾道も高めになりました。試打用ラケットはヘッドの重みをあまり感じなく、操作性が良かったので、ボールは飛ぶ中で、コントロールを比較的しやすかったです。BOX形状の打感の良さも残り、しなりはあまり感じなかったです。オールラウンドに使いやすい印象で、マイルドな打感はすべてのプレーヤーに合うように感じました。
3本に共通して言えるのは、不快な振動が本当に少ないことだと思います。テニスエルボーになってしまった人などにも向くかもしれません。
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最後に、Vコアプロ100 JPは、BOX形状のノリの良い打球感が好きな方でパワーアシストも欲しいし、操作性も良くしたいと言うこだわりが強い方も満足させるラケットに仕上がっています。
そしてもう少し軽くしたい、トップライトにしたいなどの要望がある方は「カスタムフィット(CUSTOM FIT)」をお試しください。
【GEEK通信】【ダイアデム】「本物か偽物か、ダイアデム誕生」
2020/03/30
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「本物か偽物か、ダイアデム誕生」
昨年、ダイアデムという新しいラケットブランドを初めて聞いたとき、怪しいブランドが出て来たなと思いました。
まったく新しいブランドが出てきたり10年以上前にあったブランドが復活して、SNSで取り上げられたり、SNSに広告を入れたりして、画期的な機能性を謳っていることをよく目にします。
実際に打ってみると、まったく嘘ではないですが、個人的には広告が少し大げさかなと感じることがゼロではありません。
スノワートも25年ぶりに復活したものの、はじめはあまり興味は湧きませんでした。
ところが、実際に試打してみたら驚きました。
厚ラケなのに食い付きがよくて、パワーがありながらスピンのかかりが非常によく、後日、トラックマンでデータを測ってみたら、過去最高の数字を叩き出しました。
それから現在までスノワート ビタス115は手放せないラケットになっています。
そのスノワートの新作ラケットの試打会があり参加させてもらったのですが、その試打会になんと今回取り上げますダイアデムのラケットもあったのです。 スノワートジャパン社長のK氏は、大手ラケットメーカーを渡り歩いてきた人で、ラケットメーカーの裏の裏まで知り尽くした人なのです。
そのK氏が惚れ込んで、ダイアデムの日本での正式な代理店になったのです。
K氏「ダイアデムはアメリカの数100位の選手が、トップ選手のヒッティングパートナーをしたときに、その選手のラケットが自分と同じメーカーのものなのに、まったく違っていることに愕然とし、トップ選手と同じレベルのラケットを作りたいと思ったところから生まれたブランドなんです。」
市販のラケットと世界のトップ選手のラケットは、同じでないこともあります。
ただし、特別仕様は本当のトップ選手だけで、ほとんどの選手は市販のラケットを使っていて、そこから強くなっていくのです。
K氏「ダイアデムのこだわりは、ラケットの内部にびっしりとポリウレタンフォームコアが詰まっていて、カーボン繊維もかなりいいものを使っています。」
ウレタンフォームを詰めるとかなり重たいラケットになってしまうので、通常のラケットは空洞になっています。 よほどいいカーボンを使わないと内部にフォームコアを入れて300gには仕上がらないのです。
半信半疑で実際にボールを打ってみました。 1球で違いがわかりました。
まず甲高い音がキーンと響きます。
ラケットの剛性はかなり硬い感じはしますが、ホールド感があり、スピードボールがバンバン飛ぶのですが、自分の手の内でコントロールできてしまうのです。
うーん気持ちいい!
セントビンセント製のプロスタッフを思い出しました。
98平方インチ315gでフレーム厚21.5mmのエレベートツアーと305gのエレベートをまず打ち比べました。 さすがに自分の体力では、305gがギリギリ振り切れる重さでした。
ただ体力のある方なら、315gがより威力が出て、今回登場したメーカーの目指すトップ選手と同じラケットに近づくことになるでしょう。
100平方インチ300gでフレーム厚23.5mmのノヴァと285gのノヴァライトも打ってみました。
大和スペックはアメリカにも広がってきているようです。 軽くパワーが出て、スピンも楽にかかるのでノヴァの方が万人に向いた設計になっています。
トラックマンでデータを取ってみると、スピンのかかりが跳ね上がっています。
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エレベートツアー:スピード108km.  
         スピン2,903rpm
エレベート   :スピード109.6km
         スピン2,944rpm
ノヴァ     :スピード107.3km   
         スピン3,130rpm
ノヴァライト  :スピード111.0km
         スピン3,508rpm ---------------------------
このデータからわかるようにスピンの回転数は3,000回転前後出ており、過去にデータを取ってきたラケットの中でもずば抜けています。
一番良かったのが、ノバライトでスピードとスピンが共にナンバーワンでした。
ただ気になるのが、レングス(飛距離)が24.3mでバックアウトしている点です。(ベースラインまでの距離は23.77m)
解決する方法がひとつあります。
スピンの回転量を増やすことです。
実はダイアデムはストリングメーカーで、ソルティスパワーという星型断面形状のポリエステルを発売していますが、トラックマンでデータを取ったときは、 ナイロンストリングのエボリューションが張ってあり、試打会で初めて打ったときは、ソルティスパワーが張ってありました。 ソルティスパワーで打ったときは、打球音が高く、食い付きがよく、スピンがかかっていながらボールの伸びを感じました。
通常ポリエステルはナイロンより20%程スピン量がアップすると言われています。
スピン量とボールの伸びは比例しなさそうですが、星型断面形状のおかげでそれが可能になっているようです。
スピン量の向上のためには、ストリングとボールの接触面積を上げ摩擦抵抗を上げなくてはなりません。
1.25mmより1.30mmのゲージの方が接触面積を増やせるので、パワーがあってボールを潰せる方は太ゲージの方が良いのですが、太くなると反発力が落ちます。
アメリカでは1.30mmが標準で日本では1.25mmが標準なのは、基礎体力の差からきていると思います。
ソルティスパワーは、形状を星型にすることで、表面面積が大きくなり、1.25mmでも1.30mmかそれ以上の効果があります。
また、インパクトの瞬間尖った先端が折れ曲がりボールとの接触面積を広げ、ボールが離れる寸前に元の星型に戻りスナップバックを助長します。
ノヴァライトにソルティスパワーを張れば、スピードとスピンを向上させながら、ベースラインに収まるボールを打てる可能性が高まります。
新しいものには慎重になることも必要ですが、食わず嫌いにならないようにしようと自分自身に言い聞かせるきっかけとなる、面白いブランドが誕生しました。
【GEEK通信】【ソリンコ】[考察]「5角形ポリエステル、ソリンコのコンフィデンシャルとハイパーGを比べてみました。」
2020/03/20
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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「5角形ポリエステル、ソリンコのコンフィデンシャルとハイパーGを比べてみました。」
グランドスラムタイトル、シングルス23、ダブルス20。
年間最終ランキング1位を8度を誇る選手は誰でしょうか?
今でも現役の日本人選手です。
もうお分かりですね、車いすテニスの国枝慎吾選手です。
一時、肘の怪我もあり、スランプになったこともありましたが、完全復活をしています。
海外の若手選手がどんどん出てきていますが、国枝慎吾選手の打ち方にそっくりな選手が結構現れています。
そんなレジェンド的な国枝慎吾選手が張っているストリングは縦バボラVSタッチ130、横ソリンコハイパーGです。
恐らく【こだわっていること】は、肘に優しく、試合に勝てる力強いボールが打てることだと思います。
間近で練習を見たことがあるのですが、ボールがとてつもなく速いと感じました。
2019年のマクラクラン勉選手は「ハイパーG」を使用していましたが、最近では黒っぽいストリングに変えています。
デルレイビーチのダブルス決勝では、惜しくもブライアン兄弟に負けて準優勝でしたが、ペアのバンブリッジ選手、対戦相手のブライアン兄弟の3人が、ソリンコのステンシルを入れており、3人とも「ハイパーG」を張っていました。
もしかしたら、当時マクラクラン選手もソリンコの最新モデルの「コンフィデンシャル」を張っていたかもしれません。
最近、学生さんの間で「ハイパーG」が流行っており個人的に気になったおりました。

その流行の秘密を探るべく、最新モデルの「コンフィデンシャル」と「ハイパーG」を試してみました。
お恥ずかしいことに、「ハイパーG」をまだ打ったことが無かったのです。
ソリンコの「ツアーバイト」は、2011年にソリンコがデビューしてすぐに試しました。
ソリンコ「ツアーバイト」
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当時、縦ナチュラル、横ティモ110のハイブリッドを張っていて、横糸は極細が良いと勝手に結論付けていました。
その理由は、縦糸がスナップバックするときに、横糸との摩擦抵抗を受けるわけですが、出来るだけ少なくする方法として、表面をツルツルさせて極力細くすることでした。
行き着いたのが最も細い1.10mmのルキシロンの「ティモ」だったのですが、「ツアーバイト」はさらに細い1.05mmという超極細ゲージがあり、早速、縦ナチュラル、横ツアーバイト1.05mmを張ってみました。
ところが、このハイブリッドは失敗に終わりました。
なぜならツアーバイトは5角形の断面を持つストリングで、スナップバックの時に、ナチュラルガットの表面を削り取り、張ってから数回のテニスで切れてしまったのです。
それ以来、5角形のストリングに苦手意識があり、各メーカーの5角形(ポリツアースピン、ブラックコード)を恐れていました。
食わず嫌いだったのですが、先日ブラックコードを打ってみて分かったので、
今回のストリング試打で「ハイパーG」
「コンフィデンシャル」の5角形対決は楽しみになりました。
レヴォCS10.0に縦50ポンド横47ポンドで張り、シングルスの試合を1セットずつプレーしました。
1セット目は「コンフィデンシャル」を使用し、6-1で取りました。
最近フォアハンドのスライスを多用するになり、7割くらいスライスを使いました。
「コンフィデンシャル」のホールド感が素晴らしく、スライスショットの空中でのひと伸びが効いていて、対戦相手のショットが浅くなることが多く見られました。
「スライスが伸びてきて、非常に返しづらかった」と相手選手は言っていました。
ソリンコ「コンフィデンシャル」
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2セット目は「ハイパーG」を使用しましたが、スライスの伸びが悪くなり、途中からフォア、バックともにスピンに変更し、かろうじて6-4で取ることができました。
「コンフィデンシャル」に比べ、「ハイパーG」は硬く、スライスのノリが悪く感じたので、スピンを強くかける打ち方に変えたのですが、今までとはまったく打球感が変わり、食い付きが良くなり、柔らかく感じるまでに豹変しました。
ソリンコ「ハイパーG」
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「ハイパーG」は、低速スイングではホールドしませんが、高速スイングになると途端にボールが噛みついてきます。
コンフィデンシャルは、どんなスイングでも食いついてくるホールド感の良さが特徴で、コントロール性に優れるポリエステルストリングです。
ちなみに「ハイパーG」は、攻撃的にスピンで攻めるストローカー向きのストリングですが、反発も強いのでスピンをかけないでハードヒットすると暴発することがあるので注意が必要です。
ソリンコ(SOLINCO)とは、SOL(太陽)in COSMO(宇宙)で「我々がいるコミュニティと世界全体に魅力ある輝かしい光を照らす」という意味をこめた造語です。
スピンにこだわった多角形ポリエステルがメインで、アメリカのカレッジチームをサポートしており、そこから育った選手がプロになり、ソリンコを広めています。
世界的なストリング評価のウェブサイトで、6年連続でスピン部門1位をソリンコで独占しています。
※ツアーバイトとスピンGで獲得
ナイロンストリングでは難しい多角形形状のポリエステルは今後益々進化していくでしょう。

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