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店舗情報
GEEK通信【2021ピュアドライブ6機種比べてみました】
2021/04/22

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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2021ピュアドライブ6機種比べてみました
2021年モデルのピュアドライブ6機種をチェックしていきましょう。
いつものように、ダブルスの1試合ごとにラケットを替えながら、試打していきます。
楽なラケットから順番に打った結果がこちら
ピュアドライブ110(255g)負け
ピュアドライブ107(285g)勝ち
ピュアドライブライト(270g)負け
ピュアドライブチーム(285g)勝ち
ピュアドライブ(300g)勝ち
ピュアドライブツアー(315g)負け
※負けた試合はほとんど自分の、イージーミスが原因です。

ピュアドライブ110
とにかく軽い!
現在使用中のプリンスエンブレム110とスペックはほぼ同じ(フェース面積110平方インチ、ウエイト255g)なのですが、バランスがまったく違います。
エンブレム110は、350mmに対して、ピュアドライブ110は330mmなのです。
スイングウエイトはエンブレムが280に対して、ピュアドライブはなんと見たことがない248と計測されました。
スイングウエイトは慣性モーメントですから、数字が大きい方がボールを飛ばす力も大きくなります。
小さくなると、飛ばす力も小さくなりますが、操作性能はよくなります。
シンガット16を50ポンドで、張ったのですが、「飛ばない」「弾かれる」「面がぶれる」などを感じ、ほとんどいいところがありませんでした。
ストリングのテンションが強すぎでした。
当然のことながら、ミス連発で負けてしまいました。
よかったところは、スマッシュでした。
バック寄りに上がったロブを逆クロスに決めることが意外に簡単にでき、操作性能の良さのメリットを感じました。
このラケットのターゲットは、女性で力に自信が無いけど、ラケットはしっかりスイングする方です。
エクセル125を45ポンド以下で張ることをおすすめします。
本来軽量で、スイングウエイトも軽いラケットはジュニア向きですが、フェース面積110平方インチはこれから基礎を覚えるジュニアには向いていません。
ジュニアの方は、フェース面積100平方インチ255g 330mmのピュアドライブスーパーライトがおすすめです。

ピュアドライブ107 285gの107平方インチのモデルです。
ピュアドライブ110と姉妹品のような印象ですが、まったく違いました。
ノーマルのピュアドライブを大きくしたら、ピュアドライブ107になった感じです。
当然パワーがあり、ストロークの威力が凄いのですが、スピンもよくかかるので、深いボールを簡単にコントロールできるのです。
ストローク以上に際立っていたのが、ボレーです。
キレッキレッとはこのことです。
107平方インチある安心感から、スライス回転を多めにしてボレーを打つと、バウンド後に地面を這うようなボールになり、相手は取りづらそうでした。
107平方インチあると、リターンが楽ですね。前に出ながらリターンしてそのままネットについてボレーで決めるパターンが何度も決まりました。

ピュアドライブライト 270g、バランス330mmの軽量モデルです。
フェース100平方インチで、この重さだとやや打ち負けることが多くなります。
サービスゲームは、すぐにネットに出て行くので、軽さのメリットを感じてプレーでき、ボレー対ボレーでは反応がよく、スマッシュも簡単でした。
ただ、リターンになると芯に当たったときと、芯を外したときの差が大きく、簡単なミスが出てしまいました。
初中級の方で、力がなくスイングが安定していない方は、まず振り遅れがなく気持ちよく振れるラケットを選ぶことをおすすめします。
ただし、フェース面積を大きくしてしまうと、誤魔化しが効いてしまうので、ピュアドライブライトの100平方インチ、270gが丁度いいのです。

ピュアドライブチーム(100平方インチ、285g)は、全てにおいて丁度いいスペックで何も文句の付ける所がありません。
15gの違いがラケットの性能を大きく変えるのです。
一般男子の標準が300gと言われていますが、ラケットの性能の進化として、30年で30gくらい軽くなっています。
男子の標準が285gになる日も近いのではないでしょうか。
ピュアドライブチームを打ってみてそれを強く感じました。
打ち負け感はまったくなく、逆にスイングスピードが速くなってボールスピードが増し、スピンの跳ね方も大きくなりました。

ピュアドライブ(100平方インチ、300g)は、正にモンスターラケットです。
私は285gのチームの方が速く振れたので、チームが合っていたのですが、300gと 285gを同じスピードでスイングできるなら、素直に300gを使うべきです。スイングスピードが同じならば、重さが、重たい方が威力が出るからです。スイングスピードを上げられない場面でも十分威力のあるボールが打てました。
あえてスイングスピードを上げずにコントロールしていく方は300gがいいかもしれません。

ピュアドライブツアー(100平方インチ、315g)はさすがに重た過ぎで、ラケットの持っているパワーをコントロールすることができず、ミスを連発してしまいました。
特にネットプレーでのミスが多く、、、目を覆いました。
トッププロを見ても、ツアーを使っている人はいないようですし、ピュアドライブで十分なのですね。

今回ピュアドライブシリーズ6機種を比べてみてわかったことは、それぞれに良いところ悪いところがあり、テニスの経験年数や自分のプレースタイルに合う、合わないがあるということです。
ピュアドライブ(300g)を基準に、非力な方は軽く、大きくしていくことがベストなモデルに出会う方法です。
300g→285g→270g→255g
100平方インチ→107平方インチ→110平方インチ
きっといい出会いがあるはずです。
【テニス365×ウインザーラケットショップ】池袋店中居のラケット選びの極意Part2
2021/04/17
【テニス365×ウインザーラケットショップ】
テニス365でおなじみのワッキーさんに池袋店にお越しいただきました!
前回に引き続きラケット選びについてお送りします!
GEEK通信を担当しているGEEK中居が登場♪
スイングウエイトの意味などを知ることや、メーカー別の特徴を捉えたり、自分に合ったラケット選びを極めることで、テニスのプレーに変化が現れることも♪

*【テニス】ラケット選びの極意Part2 メーカー別の特徴とは、秘密兵器でスイングウエイトを測定<ウインザー池袋店】 Tennis Racket
 
part3もお楽しみに!
【関連記事】
>>>GEEK通信
【GEEK通信】「ダンロップストリング 8アイテム いきなりの登場。」
2021/04/16

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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「ダンロップストリング 8アイテム いきなりの登場。」

1888年に英国人のJ.B.ダンロップが、息子のために自転車に空気を入れたタイヤを発明したのがダンロップタイヤの始まりです。
1909年(明治42年)に住友が英国ダンロップの工場を日本に誘致します。
1930年(昭和5年)に硬式テニスボールを開発。
1983年(昭和58年)にMAX200Gを発売し、マッケンロー、グラフが使用して、大ヒットします。
その後、英国ダンロップでは、エアロジェルシリーズが、日本ダンロップではRIMシリーズがヒットします。
2009年から日本ではスリクソンブランドがスタートし、英国ではダンロップ、日本ではスリクソンと別々な道を歩みます。
2017年に英国ダンロップを住友ゴムが吸収合併し、
2018年に「DUNLOP powerd by srixon」と名打ち、ダンロップブランドを日本でも復活させたのです。
同時に、英国の優秀なエンジニアもいっしょに移籍したのでした。

日本では、住友ゴムがバボラの輸入販売を20年以上続けてきたのですが、2020年にバボラVSジャパンが発足し、独立しました。
20年間ストリングは世界ナンバーワンのバボラの輸入販売という体制だったので、困ったことになりました。
ラケットメーカーとしては、ストリングも扱っていないと、、、となりそうですが、英国ダンロップと合併したことが吉と出ます。
英国では20年前からダンロップブランドのストリングを販売しており、そのノウハウと優秀なエンジニアのおかげで、ポリエステル4アイテム、ナイロン4アイテムを日本で発売することができたのです。
すべて試打したのですが、完成度の高さに驚きました。

ポリエステルは、
『エクスプロッシブツアー』『エクスプロッシブスピード』『エクスプロッシブスピン』『エクスプロッシブバイト』
の4アイテムで、エクスプロッシブとは「爆発的な」と言う意味です。
ナイロンは、
『アイコニックオール』『アイコニックスピード』『アイコニックタッチ』『シンセティックタフ』
の4アイテムで、アイコニックとは「象徴的な」と言う意味です。

エクスプロッシブツアーは、ソフトな打球感でありながら、空中での推進力があり、パッシングショットが抜けなさそうな狭いところを抜けていきました。
エクスプロッシブバイトは、ストリングとボールが削り合うような感覚で、おろし金で大根をおろすようでした。
ただ、思ったより弾道が上方向に行ってしまい、相手にポーチされまくりました。
シングルス向きのストリングではないでしょうか。
エクスプロッシブスピードは、ストロークもボレーも平均点で、オールラウンドなプレーによさそうです。エクスプロッシブスピンは、多角形で有名な他社ストリングに似ていました。
似ているだけでもレベルが高い証拠です。

アイコニックタッチは、マルチフィラメントの王道の柔らかくてまったりした打球感のストリングです。
それに比べ、アイコニックスピードは歯切れのいい打球感で、食いついてからの戻りがよく、リターンエース2連続という滅多にないショットが飛び出しました。
今回の試打に使用したFX500との相性は、アイコニックスピードが一番でした。
アイコニックオールも、FX500のオールラウンドな良さを引き出してくれるクセのないストリングで、スピードも柔らかさもちょうど中間でした。
シンセティックタフは唯一のモノフィラメントで、これからテニスを始める方にオススメです。
このストリングを基準にして、飛び過ぎてしまったり、ストリングが切れてしまったりする方はポリエステル(エクスプロッシブシリーズ)に移行してみるといいでしょう。
もっとコントロールを上げたい方やボレーのフィーリングをよくしたい方はナイロンマルチフィラメント(アイコニックシリーズ)に移行するといいでしょう。

いきなり8アイテムも発売して、少し不安でしたが、取り越し苦労に終わりました。
生産国が3カ国になっていたり、弾道の高さでアイテムの特徴を表現したりとこだわりを感じました。
実際に試打してみて、アイコニックスピードとエクスプロッシブツアーは完成度の高い仕上がりで、マイラケットにも張ってみたくなりました。

今回の試打に当たり、ラケット選定(FX500)、ストリングのゲージ(1.25mm)、張り上げテンション(48ポンド)の指定とわがままを聞いてくださったダンロップさん本当にありがとうございました。
おかげさまで楽しい試打ができました。

『関連動画』【ダンロップ】ナイロンガット4種類打ち比べてみた!
 
【GEEK通信】「プリンスエンブレム110に色々なストリングを張ってみました」
2021/04/08


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【GEEK通信】「プリンスエンブレム110に色々なストリングを張ってみました」

ここ最近は、プリンスエンブレム110が気に入っておりほかのラケットに目移りしていません。
ラケットが決まると今度はストリングをどうするかが悩みどころです。



現在までに試したストリングは、プリンスエンブレムタッチSF16、ルキシロン アルパワー、ハイブリッドで縦バボラタッチトニック<135横テクニファイバーアイスコード125です。

最近のプリンスのラケットには、オススメのストリングがラケットにプリントされていて、エンブレム110にはエンブレムタッチSFが記載されています。
ハッキリ言ってストリングは個人の好みだと思います。
プレースタイルも違うし、それまでの使用遍歴も違うので、誰でも同じストリングが合うわけがないのです。
ただ何を張ったら良いのかわからない時は、まずはオススメを張ってみたら良いのではないでしょうか。
実際にエンブレムタッチSF16は、嫌いじゃないストリングでした。

なぜ素直に好きと言わないのかと言うと、ナイロンマルチフィラメントがあまり好みではないからです。
ストリングの性能は、打球感(食いつく、弾く)、反発、耐久性、スピンなどがありますが、私中居が最も重視するのが、目ズレが起こらないことです。
(目ズレとは、ボールを打つごとに縦糸が横にズレて、元に戻らないことです)

1ポイントごとに指で直す作業をするのは、気分が乗りません。
かと言って、ズレたまま打つとボールの方向性やスピン性能に影響が出ると感じています。

ナイロンマルチフィラメント、ナイロンモノフィラメント、ポリエステルを比べた場合、ナイロンマルチフィラメントが一番目ズレが起こるので、これまであまり使用してこなかったのです。
以前はナイロンでも、テフロンコーティングされたストリングがあってよく使用していましたが、廃盤になってからは、ポリエステルを使用するようになりました。

エンブレムタッチSFの良いところは、表面にシリコンコーティングされており、張りたてはほとんど目ズレが起こらず、ポリエステルに近いスナップバックが起こることです。
私が普段ポリエステルを好んで使っていたので、マルチとポリエステルの耐久性を比べるなかでは意外と早く表面のコーティングが削れてしまい、その効果は無くなってしまいました。

ストリングに塗布するプリンスのスピンプラスかテニックのストリンググライドを使えば、スナップバック効果は復活するので、ナイロンストリングの場合には是非試してみていただきたい優れものです。
私は、ストリンググライドの前身のミラフィットアクセルから10数年使い続けています。



エンブレム110は、255gと軽量で、フレーム厚28mmのデカラケ、厚ラケですので、ポリエステルとの相性はあまり良くないように思います。(※中居個人的には、、、)

特にアルパワーのような、打ちごたえのあるポリエステルだと、芯を外した時や柔らかいタッチが必要なボレーの時に急激に飛びにくくなります。

縦ナチュラル、横ポリエステルのハイブリッドは、芯を外してもしっかり反応してくれ、柔らかいタッチも出しやすく、半分ポリエステルでも十分スナップバックしてくれます。
やはり、ナチュラルとポリエステルは凹み方が似ているので、相性は良いようです。


ナチュラルはボールが当たった部分が凹みます、ポリエステルはボールが当たった部分がズレて凹みます、
ナイロンはボールが当たった部分を中心に「くの字型」に凹みます。
(※あくまで、ギーク中居の感覚です)

エンブレムタッチSFは横方向へのスライドがあるので、恐らくポリエステルとの相性は良いので、今度ハイブリッドを試してみたいと思います。(後日レビューいたします)
ナチュラルは雨や湿気に弱いのと、新型コロナウイルスの影響で、原産国のフランスからの入荷が不安定になっているので、代替えを探してみます。


プリンスのX105に255gが昨年末に発売され、私中居ずっと気になっておりました。
そこでエンブレム110とX105を比較してみました。(※GEEK調べ)



飛び:エンブレム110>X105

スピン:エンブレム110>X105

コントロール:エンブレム110>X105

という結果でした。
同じ重さとは思えないくらい軽く感じました。

軽過ぎて、スマッシュを空振りしてしまいました、空振りは実力かもしれませんが、、、。
良い意味でソフトな打球感で飛びが良いのですが、私にとってはボールを捉えた時も物足りなさを感じました。
本来、255gのラケットはジュニアやシニア向けですので、これで正しいのかもしれません。


X105は同じモールドで290g、270g、255gとあり、重さを軽くする場合、フレーム厚を厚くするかフェイス面積を大きくするかが必要ではないでしょうか?
今後の展開に期待しております。
【テニス365×ウインザーラケットショップ】池袋店中居のラケット選びの極意Part1
2021/04/06

【テニス365×ウインザーラケットショップ】
テニス365でおなじみのワッキーさんに池袋店にお越しいただきました!
今回はラケット選びについてお送りします!
GEEK通信を担当しているGEEK中居が登場♪
面の大きさ・フレーム厚・重さ・形状から、自分に合ったラケット選びを極めることで、テニスのプレーに変化が現れることも♪
*【テニス】ラケット選びの極意Part1、面の大きさ・フレーム厚・重さ・形状から選定<ウインザー池袋店>

Part2の配信もお楽しみに♪
【関連記事】
>>>GEEK通信
【GEEK通信】「ウイルソンのプロラボを計測。ラケットフィッティングとは。」
2021/03/25

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■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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【GEEK通信】「ウイルソンのプロラボを計測。ラケットフィッティングとは。」
憧れる選手の真似をすることは、決して悪いことではないですが、ウエアやシューズを同じものにするのは良いとしても、ラケットやストリング、テンションなど真似するととんでもないことになることもあります。
そもそもプロになるために天文学的な数のボールを打ち、フィジカルトレーニングを毎日しているからこそ使えるラケットを週一プレーヤーが使えるはずもないのです。そのようなことはわかっているけど気になりますよね。でも実際にプロが使っているラケットは市販のモノと同じなのでしょうか。
①市販のモノをそのまま使用している
②市販のモノをチューンナップして使用している
③デザインだけでまったく違うモノを使用している

の3つのパターンがあります。
①の場合、ランキングの低い選手はメーカーの提供を受けられなかったり、提供されていても、市販のモノを年間数本ということで、強くなるまではフェデラー選手でも、ジョコビッチ選手でも同じだったと思います。
ランキングが上がっても、そのまま市販のモノを使用している選手はメーカーとの契約問題がやがてやってきます。
2年から3年周期でラケットのモデルチェンジは行われているのですが、ほとんどの場合最新のモデルを使用してプレーをしないといけない契約になっています。
最新モデルに移行する選手と移行できない選手が出てきてしまうのは当然のことです。
私達アマチュアでも、新しいラケットに移行するのは大変です。
新しくすることによって、プラスも有ればマイナスもあるからです。
プロにとっては体の一部のようになってしまったラケットを2年ごとに変えるのは大変なことなのです。
そこでメーカーは苦肉の策で、旧モデルに最新の塗装を施したラケットを選手に提供するのです。
ペイントジョブと呼ばれています。
まだ塗装技術が低かった頃は、新しいラケットに移行する期間は黒塗りにして使用していたり、ランキング下位の選手は2世代前のラケットを平気で使用していたりといったこともよくありました。
ただどんなに塗装技術が進化しても、フレーム表面の凹凸だったり、グロメットの形状だったり、ストリングパターンの違いなどはどうしようもないこともあります。
いつしか、プロが使用しているラケットは別物とか、特別に作られている物とか言われるようになったのです。
しかし、すべてのユーザーがそう思っているわけではなく、ユーザーとメーカーの間で訴訟問題に発展したことがありました。
海外では、「実際には別物を使用しているのに、あたかもプロが使用していると宣伝し、販売したことは違法」という内容で集団訴訟が起こり、メーカー側が敗訴したのです。
それ以降、○○プロ使用モデルから「契約選手はカスタマイズされたラケットや写真とはことなるラケットを使用している場合がございます」などの注意書きがつくようになったのです。
それでも、メーカーもショップもグレーゾーンとして多くを語ることはありませんでした。
自分もそわそわしながらこちらの記事を書いています。
というのは、ウソで、なんとウイルソンから、プロだけに提供していたプロストックが発売されるのです。
プロストックとは、先程お話しした古いモデルをペイントジョブでプロに提供するラケットのことで、「古いモデルをプロのためにストック」しておくことです。
ウイルソンではこれをプロラボと呼び、一人一人に対してペイントジョブをするのは大変なので、あらかじめ人気の機種のモールドを作成しています。

今回発売される機種は、
・プロスタッフSIXONE95
・ブレードPRO 16×19
・ブレードPRO 18×20
・ウルトラPRO 16×19
・ウルトラPRO 18×20

の5機種です。

いつものようにダブルスのゲームで使ったのですが、プロスタッフSIXONE95 18×20が一番打ちやすく、ブレードPROもウルトラPROも 18×20の方が打ちやすく感じました。ブレードPRO 16×19もウルトラPRO 16×19も、18×20に比べパワーがなく、スピンもかからないように感じたのです。
・プロスタッフ SIXONE 95

・ブレードPRO 16×19

・ブレードPRO 98 18×20


・ウルトラPRO 98 16×19

・ウルトラPRO 97 18×20

打球感は全ての機種に共通なのが、柔らかく、しなっているように感じ、変な振動はなくて心地良いことです。
全機種フォームコアがフレーム内部に充填されているからでしょう。
エンドキャップを開けてみると、プロスタッフSIXONE95だけシリコンみたいな透明な物体を確認できました。
全機種のRA値(フレームの硬さ)とスイングウエイトは
・プロスタッフSIXONE95 RA値65、SW304
・ブレードPRO 98 16×19 RA値59、SW316
・ブレードPRO 98 18×20 RA値63、SW301
・ウルトラPRO 97 16×19 RA値60、SW279
・ウルトラPRO 97 18×20RA値64、SW302

(ギーク調べ)
意外とRA値が低く、しなっているように感じたのは間違いではありませんでした。
ブレードPROとウルトラPROは、共に 16×19より 18×20の方がRA値が4ポイント高くなっており、パワーが出たのはこのためかもしれません。
スピンに関しては、疑問が残ります。
通常、ストリングパターンは粗い方がスナップバックが大きくなり、スピンがかかりやすくなるので、今回の結果はゲーム中のことなので、正確な情報ではありません。
そこで、トラックマンでデータを取ることにしました。
上記5機種に、現行モデルのバージョン7のブレード98 16×19 と 18×20を比較対象として打ってみました。

上記の結果になりました。
やはり、わずかですが、 16×19より 18×20の方がスピンのかかりがよくなっています。
ストリングが細かい方がボールとストリングの接触本数が多くなり、ボールを潰す効果があったか、摩擦抵抗が大きくなってスピンがかかったか、スナップバックする縦糸の本数が多くなってスピンがかかったかなどが考えられます。
ゲーム中に感じたのは、トップスピンロブやアングルショットでは 18×20ではストリングの引っかかりが少なくミスショットになることが多く、セカンドサービスのリターンやつき球では 18×20の方が威力が出ていました。
十分な体勢から厚い当たりで振り切れる場合は、 18×20の方がパワー、スピンともに威力が増し、小手先で打つようなショットはミスになりやすいようです。
ブレードPROとブレード98(v7)との比較では、トラックマンのデータからわかるように、ほとんど違いはありませんでした。
実際の打球感ではブレードPROはホールド感が強く、ブレード98(v7)は素直に弾く感じがしました。
もはやこの差は好きか嫌いかで、どちらが良い悪いではありません。
もし、今ブレード98(v7)を使用している15歳のジュニアが将来トッププロになったとします。
ブレード98のv9かv10が発売されている7.8年後に、中身がv7のプロストックを使用している可能性があります。
人気があった2013年のブレード98を今でも使い続けている方、K SIX ONE95が好きで、ストリングパターンが 18×20が好みの方はプロラボは大変価値のあるラケットだと思います。
ただし、ハレプ選手が好き、デミノー選手が好きとの理由で今回のプロラボは購入されないでください。
※なぜかと言うとストリングパターンが 16×18で、本来ブレードにはないパターンを使用しているからです。
昔からある定番モデルを現代のデザインにしたのがプロラボです。
個人的な考えですが、自分はプロラボを選んで使おうとは思いません。なぜならラケットは日々進化しており、その進化した武器に体を合わせるように変化していきたいからです。
選手が簡単に新しいラケットに変えられないのは、ジュニアからプロになる数年間に最も多くのボールを打ちます。
その時期に使っていたラケットは本当に体の一部になったようなものです。
ラケットを変えると言うことは、変化しないといけないので、また、多くのボールを打たないといけないのです。
フェデラー選手や錦織選手のようなこだわりが強いトップ選手は、パーソナルモデルと言って、プロラボで準備しているモデルではなく、1から選手専用に作られています。
もし、アマチュアの人でもパーソナルモデルが作ることができるなら理想的なラケットになるのでしょうか。
30年以上前ですが、プリンスから「サバラン」というラケットがあり、フレームの硬さやウエイト、バランスなどオーダーしてから作られて、木箱に入って出来上がってくるパーソナルモデルがありました。
気になる価格は26万円でした。




試打してから作られるわけではないので「こんなはずじゃ」ということもあったのです。
トップ選手のラケットフィッティングには、トラックマンを使って、フレームの硬さ、フレーム厚、フェース面積、ストリングパターン、ウエイト、バランス、スイングウエイトなど様々な角度から検証し色々なラケットからベストなものを選んでいきます。
ウイルソン、ヘッド、ヨネックス、バボラ、プリンス、ダンロップ、スノワート、ダイアデム、テクニファイバーなど、色々なブランドから色々なラケットが発売されています。
私達アマチュアは全てのラケットから好きなラケットを選ぶことができます。
プロは1社からしか選ぶことができません。
さらに、トラックマンを使ってパーソナルラケットを作ることができるのはほんのひと握りの選手だけなのです。
私達はトラックマンも使えるし、好きなブランドも自由に選択できるじゃないですか、パーソナルモデルを作るようなものなのです。
今回プロラボを打って感じたのは、一人一人に合うラケットというのは違いがあって、プロ仕様の特別なモデルと言ってもが全ての人に合うわけではなく、合う方は限定的だということです。
合いそうな方は
○週3回以上テニスをしている
○300gだと軽すぎる
○100平方インチではデカすぎる
○26mm厚では厚すぎる
○体力には自信がある
○プロを目指している

5つ以上にチェックが入った方は是非チャレンジしてみてください。
*プロラボシリーズは渋谷店限定取り扱いモデルです。※3/26(金)発売
興味のある方は実際に手に取ってみてください。
■関連レビュー動画

【関連記事】
>>>【ウイルソン(レビュー動画公開)】プロラボシリーズが登場!ツアー選手を身近に感じられる特別なモデル!※3/26(金)発売
【GEEK通信】「95平方インチ、310g、310mmのラケットは何が良いのかわかったかも。」
2021/02/25

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「95平方インチ、310g、310mmのラケットは何が良いのかわかったかも。」
ダンロップCX200ツアーを打ったときのスライスの切れが凄かったり、プリンスツアー95でダブルスのゲームをした時にサービスが良くて勝ってしまったり、意外と95平方インチが良いことに気が付きました。
そしてヨネックスVコア95も好評で大変人気のあるラケットです。
この3モデルの共通点は、フェース面積95平方インチ、ウエイト310g、バランス310mmとまったく同じスペックなのです。
今回はこちらの95平方インチ、310gの3モデルを打ち比べてみたいと思います。
(ちなみに、ウイルソンウルトラツアー95も95平方インチ、309gなのですが、バランスが325mmとトップヘビーで、0.25インチロングの錦織選手モデルですが、今回の試打には入れておりません。)

3本の共通していることは、簡単にパワーが出るラケットではないことです。
ストロークでも、ボレーでも当てて終わりでは「ボットン」です。ボールが浅くなってしまい、相手にチャンスボールを与えてしまいます。インパクトをしっかり芯で捉え進行方向にフォロースルーしながら最後まで振り抜くことが必要になるのです。
何球か打っているうちに、ボールが浅くならないようにインパクトが、強くなっていくのが自然のなりゆきです。
また、95平方インチのモデルは同モデルの98平方インチや100平方インチのモデルより、フレーム厚が薄くなっていることが多く、今回試打したCX200ツアーのフレーム厚20.5mmに対してCX200は21.5mm、ツアー95の22mmに対して、ツアー100は23mm、Vコア95の22mmに対して、Vコア98は23mmと言う具合です。
フレーム厚を薄くすることによって、ラケットのしなりを大きくしており、インパクトからフォロースルーの時間が長くなり、押しの効いたボール、バウンド後に伸びるボールが出やすくなっています。
実際にダブルスのゲームで使用したので、インプレしていきます。
CX200ツアーは、スライスサービスの威力が凄く、横回転がかかりながも、スピードが出てくれて少しコースが甘く入っても相手がリターンミスをしてくれることがありました。やっぱり、スライスのリターンが効果的で、バックハンドはもちろんフォアハンドもスライスを多用しました。



Vコア95は、サービスとストロークに威力を感じましたが、ボレーのときにガシャることが何度かありました。スイートスポットが上方にあるので、体に近いショットは上手く体を逃がさないと良いところに当たりません。


ツアー95は、3本の中で1番パワーがあり、ストロークの安定感も抜群でした。難しさはほとんど感じることがなく、ボレーボレーの反応も良く、トップスピンロブも打て、ダブルスに向いているラケットでした。

95平方インチはなぜスライスが良いのか、疑問は解けなかったので、トラックマンを使って、CX200ツアーとマイラケのエンブレム110でパックハンドのスライスを打ってデータを取ってみました。

まずは普通にドライブで打ち、その後にスライスを打ちました。スライスのスピンレイトを計測するのは初めてで、マイナスとして出るのか、普通に出るのかわかりませんでしたが、順回転も逆回転も回転していることに変わりはないので、トップスピンと同じように計測されました。
まずエンブレム110では、バックハンドドライブの平均スピード110km、スピン2000回転、アングル(飛び出し角度)10度、クリアランス(ネット上の通過距離)80cm、レングス(着弾地点までの距離)23mと出ました。バックハンドスライスの平均スピード91.8km、スピンレイト1824回転(逆回転)、アングル8.7度、クリアランス55.1cm、レングス22.7mになりました。
当然ドライブよりスピードが落ち、回転数も若干落ちますが思ったより、スピンとあまり変わらない回転数です。飛び出し角度が1.3度低くなり、クリアランスは25cm低くなりますが、飛距離はほとんど変わりません。
次にCX200ツアーでバックハンドスライスを打ちました。結果はスピード94.6km、スピンレイト1427回転(逆回転)、アングル5.2度、クリアランス37.1cm、レングス23.0mとなりました。

エンブレム110に比べ、スピードは上がり、回転数は落ち、飛び出し角度が3.5度低くなり、約18cmクリアランスも低くなりながら、レングスは同じところに着弾しています。
エンブレム110で打つときは、5時から11時にボールが転がるようなイメージを持ってボールを擦るようにスイングします。
対して、CX200ツアーは体から遠いところで、ピンポイントで捉えるイメージで打ちます。
意識しているというより、面が小さいという感覚が、無意識の内にラケットの真ん中で当てようとしていて、自然と遠い打点になっているようです。
95平方インチのラケットでスライスを打つと回転数は少ないながらも、ネットすれすれのスピードのあるボールが打て、相手にしてみれば伸びてくるように感じたのではないでしょうか。
今回95平方インチの3モデルでゲームをしてみて感じたことは、意外とミスが少ないことでした。
110平方インチで普段プレーしていると、ロブ、ドロップショット、アングル、サイドスピンなど色々なことをやってしまいがちで、普通に打てば決まったものを余計なミスをすることがあります。
95平方インチを手にした途端、余計なことをしなくなります。
いかに、綺麗に芯に当てるかを第一優先にするので、余計なことをしなくなり、クリアな打球が増えていきます。
基本に忠実なショットが増えることで、イージーミスが減り、ゲームでの勝率も上がってきたのだと思われます。
中級者の方で、長い目で見て上達したい方は、95平方インチは良いかもしれません。
芯に当たった手応えと、芯を外した手応えが瞬時に手のひらに伝達するので、グッドショットの記憶とバッドショットの反省ができ、正しいスイングへ導いてくれることになるでしょう。
「急がば回れ」です。
GEEK通信「ダンロップCX200ツアーはスライスだけで勝てるかも」
2021/01/29

----------------------- ■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。 ----------------------
「ダンロップCX200ツアーはスライスだけで勝てるかも」
ダンロップCX200、CX200ツアー、CX400、CX400ツアーを試打してみました。

いつもなら、簡単な方から順番に打つのですが、今回は難しい方から順番に打つことにしました。
すると新しい発見があったのです。
まず始めは、CX200ツアー(16×19)で95平方インチ、310g、フレーム厚20.5mmのかなりシビアなスペックの鈴木貴男プロモデルです。

今回もダブルスのゲームで使用したのですが、バックハンドのスライスが凄いことになりました。
相手のセカンドサービスをスライスでリターンすると、レーザービームのようにボールが伸びていき相手は振り遅れて返球できませんでした。
相手の実力不足ではありません。
何十回と対戦している上手な方で、自分の球筋を知っている方です。
偶然出たまぐれ当たりかもしれないと思い、次のリターンもバックハンドスライスで打ったところ、またしても振り遅れてまともにラケットに当たってませんでした。
その後もサービスエースは出るし、ボレーも決まるし、鈴木貴男プロになったようでした。
鈴木貴男プロ直伝(YouTubeにて)のスライスサービスでは、スイートスポットの内側で打つとスライスサービスの切れが増す作戦を実行しました。


(Youtubeチャンネル:スターテニスアカデミーより引用)

ジュースコートから、ワイドにスライスサービスを打つとノータッチエースと思ったのですが、僅かにネットに触れレットになったのです。
相手はリターンのポジションを右に寄せてスライスを警戒しています。
普通はセンターにコースを変えるのですが、あえてワイドにスライスサービスを打つと、相手は一歩も動けず、「まいったっ。」の声がしました。
レットしたときより、さらに鋭角に決まりました。

次に使用したのが、CX200で98平方インチ、305g、フレーム厚21.5mmのタイプです。



CX200ツアーを打った後なので、凄く楽に打てて、易しいラケットのように感じました。

決して易しいラケットではないのですが、前作に比べ打ち応えがソフトになり、球持ちが長くなっているので簡単なラケットと錯覚したのです。

難しい方から打つとこういう効果があったんですね、新しい発見です。

CX200も前作は硬いラケットの印象がありましたが、今作は打球感がマイルドでスピン、スライス、フラットの打ち分けが無理なく行なえ、どのショットも思ったところにコントロールできました。

次に使用するのは、新しいラインナップのCX400ツアーです。100平方インチ、300gでCX400より1mm薄い23mm厚のフレームになります。



CXシリーズはコントロールを重視したシリーズですが、やはり100平方インチを求める声も多かったと思います。

従来はCX400一択だったため、少し軽く感じる、少しフレームが厚く感じるなどの声もあったので、CX400ツアーは待っていた人も多かったと思います。

一般的な黄金スペックとは違って、フレームのしなりがあり、飛びの距離感をラケット任せにすることなく、自分のスイングで調整できるところが良い点です。

最後に使用したのが、CX400で、100平方インチ、285g、フレーム厚24mmのスペックで、スリクソンのレヴォ4.0を使っていた者としては、安心のスペックです。


まったり感は懐かしい感じもしましたが、パワーは以前よりも増しており、スピードボールで早い展開に持っていけるように進化していました。

これで4本の試打は終わったので、マイラケのエンブレム110に持ち替えるところなのですが、どうしてもあのCX200ツアーのスライスが脳裏に残っており、もう一度使ってみました。

やっぱり、スライスは不思議なほど伸びていきます。
ボレーにも同じことが言えて、バウンド後の伸びがよく、リターンからの得点パターンが確立できました。
95平方インチ、310g頑張ればまだ使えそうです。
【関連動画:CXシリーズ(2021モデル)インプレッション】
【GEEK通信】「スピンがかかるとテニスが面白くなります。Vコア100、Vコア100Lどっちも良い。」
2021/01/18

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「スピンがかかるとテニスが面白くなります。Vコア100、Vコア100Lどっちも良い。」

いつものダブルスオフに、ヨネックスの新作、「Vコア100」「Vコア98」「Vコア100L」を持って行きました。

まずはVコア100を使ってゲーム開始です。

偶然ですが、相手ペアは二人とも前作のVコアを使っていました。

気持ちよく、プレーしていたら、相手の視線が自分の方に向いています。
プレーに対して凝視しているのではなく、新作Vコアに向けた眼差しでした。
ゲーム終了後、

相手ペアのAさん「そのラケット今度出るモデルですよね」
Bさん「なんで持ってるんですか」
中居「実は、ウインザーの店員なんです。今日は試打で持ってきています。よかったら打ってみてください。」
Aさん「今100を使っているんでこれ借りてもいいですか。」
中居「もちろんです。後で感想聞かせてくださいね。Bさんもよかったらどうぞ。」
Bさん「自分は98なんです」
中居「98もありますよ。使ってみてください。」

二人とも大喜びで、新作Vコアを手にして次のゲームに勤しんでいました。
結局Aさんは最後までVコア100を手離しませんでした。
すぐ返却してくれたBさんに質問しました。

中居「Vコア 98はいかがでしたか」
Bさん「よかったですね、勝手にスピンがかかってくれる感じがしました。」
中居「今使っているVコアと比べて何か違いはありますか。」
Bさん「振動が少なく、柔らかくなったような感じがしました。」

Bさんは、気に入られたようです。
私も打ってみましたが、前作との違いは明らかでした。

前作のVコア98は、私には硬く感じ、過去コラム《【GEEK通信】「キュッパーマルゴー(98インチ、305g)のリキラケってなに?」》で打った時も、Eゾーン98に比べて、硬くて難しいという印象がありました。

今作は、旧VコアとEゾーンの丁度中間になるような硬さで、難しさは無くなっていました。

Vコア98は、球持ちの良い打球感で、インパクトからフォロースルーが安定してくれて、回転がかかって伸びの良いボールが毎回飛び出します。
Bさんが勝手にスピンがかかってくれると言ったのも頷けます。
シングルスをメインにプレーする方におすすめの一本です。

Vコア100の試打ラケットを最後まで手放さずにプレーしていたAさんに聞きました。
中居「新しいVコア100はいかがでしたか」
Aさん「打ちやすいラケットですね。手に全然響かなくてくっついてくる感じがします。発売はいつですか。」
中居「1月中旬の予定です。」
Aさん「ヨネックスが大好きで、EゾーンとVコアプロも持ってます。」
と言ってバッグの中を見せてもらうと、ヨネックスのラケットだらけでした。おまけにシューズもヨネックスでした。
Aさん「実は名前もヨネ○○と言います」
中居「関係者の方ですか」
Aさん「まったく関係ありません。自主的に使っているだけです。」
Aさんは、Vコア100を気に入って購入することに決めました。

Vコア100は【とにかくスピンが凄い】に尽きます。
リターンが沈むし、トップスピンロブにアングルパスも決まりました。
また、セカンドサービスもフルスイングした方が安定していました。

いつもより力んで打ってしまうので、4ゲームのダブルスでへとへとになってしまい、Vコア100Lに持ち替えました。
20g軽くなるだけで、全然楽です。

グリップ内部の衝撃吸収機能VDMのおかげで、軽量タイプにありがちな微振動がなく、気持ち良い打球感を実現してくれました。

軽量、トップヘビーのVコア100Lの良いところは、ラケットを立てた状態でテイクバックすると軽く感じ、振り出し始めると、振り子の原理で、ヘッドが回転していき、加速していきます。

300gでフルスイングできる方は、280gにする必要はありませんが、振り遅れの多い方、後半ミスが増える方は、300gから280gにしてみることをオススメします。

あらっ不思議、280gでも300gと変わらないかそれ以上のボールだって打ててしまいます。

Vコアは95平方インチ、98平方インチ、100平方インチの3種類ありますが、フェースの大きさだけでなく、ウエイトも気にかけてみてください。

98平方インチは305gと285g、100平方インチは300gと280gがあります。

テニスのために体力アップのトレーニングをしている方は当然重たい方を選んでください。

テニスをプレーすることで健康維持になっている方は軽い方が良いと思いますので試してみてください。

【関連動画:21Vコアインプレッション】
GEEK通信「これぞラジカル!やっぱりラジカルはこうじゃなきゃ」
2020/12/25

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「これぞラジカル!やっぱりラジカルはこうじゃなきゃ」
ラジカルと言えば「アンドレアガシ」、アガシと言えば精密機械のようなストローカーの印象です。
プリンスグラファイト110でデビューし、ドネープロワンで強くなり、そしてヘッドのTIラジカルOSで全盛期を迎えました。
その間、一貫していたのは、粘りのある打球感とパワーとスピンが両立する107~110平方インチのデカラケです。
発売から27年、14代目が現在のグラフィン360ラジカルなのですが、ラケットのテクノロジーの進化と、フットワークや戦略の向上から、フェース面積は100 平方インチ前後で十分パワーが出てくれるので、107は必要のない大きさになってしまいました。
ラジカルが発売以来目指しているオールラウンドなプレーに必要な要素は時代とともに変化し、ラジカル自体も、ストリングパターンが18×20が16×19になり、ボックス型からラウンド型になり、フレーム厚も厚くなりました。
そして現行のグラフィン360ラジカルは、ヘッドのラインナップの中で最も硬いラケットになってしまったのです。(ギークの個人的な感想です)
15代目となるラジカル2021は、どのような変化を遂げたのでしょうか。 試打会にお邪魔したので、チェックしていきましょう。

スペックを見ると98平方インチで、フレーム厚も前作と同じで何も変わってないなと思う方もいるでしょうが、実はモールドを1から見直しガラリと変更しているのです。
ラケットを正面から見ると、薄くなっている部分と厚くなっている部分があり、逆三角形のシャフト部が長くなっていたり、色々と前作との違いを発見できます。このことから、ラジカルは1から作り直したのが垣間見えます。
また、ウエイトにも変更点があり、ラジカルプロが310gから315gにラジカルMPが295gから300gにそれぞれ5g増えています。 それでは実際に試打をしていきましょう。


まず目に付くのが、発光するくらいの眩いオレンジです。
ラケットをよくよく見てみると、マット仕上げになっているのにこの押しの強いオレンジはストリングも同調しているからでしょうか。


嫌いじゃないです。むしろ好きな方です。

ラジカルはプロ、MP、S、ライトの4アイテムで、MPライトとPWRは今回ありません。
いつものように、簡単な方から順番に打っていきます。

ラジカルライトは、フェース面積102平方インチで260gの女性、ベテラン向きモデルです。

打ち負けそうなイメージで試打を始めました。 なぜかというと、試打の相手がプロを筆頭に若いハードヒッターばかりだったからです。 ところが、打ち負けるどころか、よく飛びました。 いつも使っている重さなので、全然問題なく使えて、 気持ちよくフルスイングできました。102平方インチなので、ジュニアにもちょうど良いスペックです。 ラジカルSは、ライトと同じモールドでウエイトが280gでバランスが320mmとかなりトップライト設計です。

260gのライトよりもしかしたらスイングウエイトが軽いのか、こちらの方が軽く感じました。 スピン、スライスのかかりが自在にでき、ボレーもしやすくダブルスをする方に向けて作られたようなラケットです。 102平方インチの割に飛びは抑えられているので、ドロップショットやロブが打ちやすそうです。 (試打会なので、流石にドロップショットは打てませんでした) ラジカルMPは、前作とまったく違うラケットになっていました。

まず、打球感がソフトで食いつきが相当良くなっています。 パワーは前作の方がありそうですが、食いついている時間が長いので、スピンのバウンド後の伸びは最新の方がよくなっています。
ラジカルプロは、前作とはまったく別物になっています。
前作までのラジカルプロの立ち位置はラジカルMPの重たいバージョンでしたが、今作は最大フレーム厚を23.0mmから21.5mmと薄くして、ウエイトを310gから315gにしています。
ボールを掴む感覚はMP以上に感じましたが、スイートスポットとそれ以外の差が大きく、315gを自在に振れる体力がないと中々厳しいラケットです。 パワー重視の前作から、コントロール重視に変わった今作、オールラウンド目指していた初期の頃の思いが詰まっています。

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【プレステージ < グラビティ < ラジカル< スピード < エクストリーム < インスティンクト】
パワーだけを見ていくとこのような感じになるのではないでしょうか。(ギーク個人の見解)
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試打の相手をしてくださった川上倫平プロも相当ラジカルMPを気に入っていて、2021年の使用を検討しているようでした。でも、契約選手はある意味大変ですね。
自分たちアマチュアは、どのメーカーのラケットでも使えて、今日からでも新しいラケットに乗り換えることが可能です。プロは契約ブランド以外は使うのが難しく、勝手に機種を変えることもできません。
だからこそ、選手も契約ブランドで良いラケットに出会えるように試打も真剣です。
ラジカル2021は契約選手もざわつく本格派ラケットですので、皆さんも真剣に試打してくださいね。
【関連記事】 >>>【ヘッド】ラジカルのNEWモデルが登場!レビュー動画もチェック!!※2021年1月下旬発売

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