オンラインショップでは3,980円以上ご購入で「送料無料」です。

新着記事

店舗情報
【GEEK通信】【バボラ】「2021ピュアドライブは第一印象で判断してはダメ。」
2020/09/23

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「2021ピュアドライブは第一印象で判断してはダメ。」
2021ピュアドライブの300g、27インチだけ2020年9月に先行発売されます。
--------------------------
>>>シリーズスペック情報はこちらへ(※バボラ×ウインザー ピュアドライブ特設サイト)
--------------------------

その他のモデルは2021年1月発売予定です。
ピュアドライブは黄金スペックの先駆けとして、20年以上テニスラケットのトップを維持してきました。

他メーカーもほぼ同等の黄金スペックのラケットを対抗して発売してきましたが、ある一点が真似出来ず、後塵を拝してきました。
その一点とはウーファーグロメットシステムです。
半円状の膨らみがピストン運動と滑車の働きをすることで、インパクトした部分が凹み、スイートスポットを外れていてもスイートスポットに当たったような感触になり、また凹んだことによりボールとストリングの接触時間が長くなり、スピンのかかりがよくなるのでした。

前作からウーファーグロメットはさらに進化し空気抵抗を少なくする観点から、半円状の出っ張りをなくし内部に取り込んだインナーウーファーシステムを採用したのです。
他メーカーに追いつかれないようにどんどん先を行っています。

今回もダブルスのオフでゲームをしながら、インプレッションしていきます。 ところが、この日は途中から雨が降ってしまい2試合しかできませんでした。
その時の個人的な印象は
「硬くて、食い付きが物足りず、バックアウトが多いな。遂にピュアドライブも他メーカーに抜かれる時が来てしまったのかな。」 でした。
他メーカーもあの手この手でウーファーシステムに負けない、ホールド感を実現できるようになってきています。 20年間守ってきたナンバー1の座を遂に明け渡す時が来てしまったのかな。
しかし、本当にそうなのか。
モンスターラケットと呼ばれるピュアドライブがそんな単純なただ硬いだけのラケットをバボラが造るでしょうか。
数日後、もう一度試すことにしました。 この日は快晴で、4時間じっくり打つことができました。
確かに硬さは前作より、硬くなっているようですが、その分パワーが格段に上がっていました。
前回の試打で、バックアウトばかりしていたのはラケットのパワーをコントロールできなかったのが原因でした。
雨の中、十分なフットワークも出来ずに、手打ちになってしまい、パワーを持て余してしまったようでした。
今回は8試合くらいできたので、十分にラケットの特徴を掴みとることができました。
徐々に体の動きが良くなってくると、食いつく感じになり、フルスイングしてもバックアウトはいっさいなく、スピンがかかって深いところに入るので相手のミスを誘うことが度々ありました。
特にパワーアップが簡単にわかるのがサービスです。
いつもは、8試合してもノータッチエースは1本あるかどうかですが、この日は5本も取ることができました。
ジュースコートからワイドに切れていくサービスは、いつもなら、曲がりはするけれどノータッチにはならずにラケットに触られてしまうのですが、この日は違いました。
ある試合の第1ゲーム、自分のサービスから始まりました。 最初のサービスをワイドに打ったのですが、いつものように曲がるところは同じなのですが、スピードがいつもより速く、ノータッチエースになりました。 第5ゲームに回ってきたサービスでも、最初のサービスをワイドに打ったところ、再びノータッチエースに。 観戦者「おー!さっきとまったく同じだ」と少しだけどよめきました。
いつも参加しているテニスオフですが、過去に色々な発売前の新作を持って試打しているのですが、ほとんどラケットに反応する方はいませんでした。
「これ新しいピュアドライブですよね。」「触っても良いですか。」「これ予約しました。」 など、参加者全員が反応してくれました。
今回は、凄かった。
やはり、モンスターラケットですね。

ミスターバボラの大塚さんに電話取材しました。
中居「第一印象が硬くて、徐々に良くなってきたんですが、何故でしょうか。」
大塚氏「ちょこちょこ打ちでは大体の方は硬いと言いますね。杉田祐一選手とか綿貫陽介選手は、強く打ったときは食いつくし、戻りが速くてパワーがあると言っていました。」
中居「確かにパワーは格段に上がってますね。」
大塚氏「スイングスピードがある程度ないと、その良さは引き出せないと思いますね。」
中居「何故なんでしょうか。」
大塚氏「強いインパクトの瞬間、捻れが起きるのですが、その捻れの復元が速いのが今回のピュアドライブの特徴なんです。ゆっくりのスイングですとしなりや捻れが起きないので、一般の人より特に選手クラスの人達に評判が良いんです。」
中居「ありがとうございました。」
2021ピュアドライブは、誰でも使いこなせる楽々ラケットから、しっかりしたスイングにはさらに上乗せした特上のパワーが与えられる進化したラケットに生まれ変わっています。
初めは硬いと感じても、使い続けると変化してくるはずです。
食いつくと感じればレベルが上がった証拠です。

デザインで気になるところがありました。
「PURE」の文字がフレームの正面に入っていて 裏返すと「ERUP」と逆向きにプリントされていて、 スムースとラフが分かるようになっていました。 大塚氏に聞くと、それは初めて聞きましたと言っていたので、偶然かもしれません。

個人的には歴代の8モデルの中で一番デザインはカッコいいと思います。
皆さんはどうですか。
--------------------------
>>>シリーズスペック情報はこちらへ(※バボラ×ウインザー ピュアドライブ特設サイト)
-------------------------- 
【GEEK通信】「キュッパーマルゴーのリキラケってなに?」
2020/09/10

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

いきなりクイズです。
FX500ツアー、グラフィン360+エクストリームツアー、Vコア98、Eゾーン98、ピュアストライク16×19、ピュアアエロVS、ブレード98 16×19 、エレベート98、CX200、ビースト98(黒黄色の旧タイプ)、XブレードBX305



上記のラケットの共通点はなんでしょうか?
答えは、すべてフェース面積98平方インチでウエイトが305gのラケットでした。
皆さんご存知の黄金スペックは、フェース面積100平方インチ、ウエイト300g、フレーム厚26mmのラケットのことですが、最近発売されたラケットに違う特徴があることに気が付きました。
ダンロップFX500ツアー、ヘッドグラフィン 360+エクストリームツアー、バボラピュアアエロVSのスペックは、フェース面積98平方インチ、ウエイト305g、フレーム厚23mmとまったく同じスペックなのです。 黄金スペックより-2平方インチ、+5g、-3mmなので、±0になり新しい黄金スペックとなる可能性があります。


以前の記事「騙されたと思って打ってみて、ラクラケはプラスが色々」で300g以上、100平方インチ以下のラケットを「リキラケ」と呼びましたが、まさにこのグループのラケットは「リキラケ」です
**************
>>>GEEK通信「騙されたと思って打ってみて!ラクラケはプラスが色々」
**************

他社のラケットを調べてみると、
ヨネックスEゾーン98:98、305、22
ヨネックスVコア98:98、305、22
ウイルソン ブレード98:98、305、21
ダイアデムエレベート:98、305、21.5
バボラピュアストライク16×19:98、305、23

ダンロップCX200:98、305、21.5
プリンスビースト98(旧モデル):98、305、25
ブリヂストンXブレードBX305:98、305、21

ほぼ同様のスペックが存在しているのです。
黄金スペックより、小さくて、重たくて、薄いラケットですので、間違いなく簡単を目指しているのではないことがわかります。
小さくすることで、スイートスポットの位置とスポットを外した感触がよくわかるようになります。
上級者になると、わざとスポットを外して打つことがあります。 スポットの先で打つことで、アングルショットが鋭角に入ったり、スポットの横で打つことでスライスサービスの切れが増したりすることを意識してプレーしているのです。
重たいメリットは、打ち負けなくなり、こちらからのショットの威力が増します。
ただし体力が無いと逆効果になります。
薄いラケットのメリットは、しなることと打球感にあります。 筆箱に定規とボールペンが入っている方は試してみてください。
フレーム厚の薄いラケットはボックス形状が多いので定規に見立て、フレーム厚の厚いラケットはラウンド形状が多いのでボールペンに見立てます。
定規はたわむけど、ボールペンはたわみません。

打球感の違いはペットボトルの飲み物で体感してみましょう。
中身が入ったものを用意し、蓋をグリップと見立て軽く何かを叩きます。軽くですよ。
中身が空っぽのもので、同じように行うと違いが分かると思います。
中身が入っている方が、低音でずしっと来るけど柔らかく感じませんか。 空っぽの方は、高音で軽い感じだけれど、手に振動が伝わりやすいように感じませんか。
ラケットの構造は薄いフレームも中身は中空(ダイアデムエレベートは中身にファームコアが詰まってます)になってますが、薄くて重たいものと、厚くて軽いものだと中空の度合いが大分違ってくるので、打球感に現れてくるのです。

上記の小さい、重たい、薄いをテーマにしたラケットを実際に試打していきましょう。
※CX200、ビースト98、XブレードBX305は旧モデルのため、試打はしていません。
※尚、ビースト98(黒赤)のニューモデルはウエイトが300gに変更になっているため、このグループに入れていません。


4ゲーム先取のダブルスを8試合行い1ラケット1試合で使いやすさを試してみました。
・FX500ツアー ・Eゾーン98
・グラフィン360+エクストリームツアー
・ピュアアエロVS ・ブレード98 16×19
・エレベート98 ・Vコア98
・ピュアストライク16×19
ダブルスをより快適に楽しくプレーできた印象が強かった順番を列挙しました。
※あくまでも中居個人の見解です。
元々こちらのグループのラケット(リキラケ)は、楽しくより試合に勝てるをテーマにした中上級者をターゲットにしたアスリートモデルですので、ダブルスを快適に楽しくプレーできたからといって、そのラケットの性能を100%理解できたわけではありませんが、マイナスになることはないので参考にしていただければと思います。
FX500ツアーは、パワーがあり、サービス、ボレーの威力がとても良かったです。 衝撃吸収がよく、パワー系ラケットとは思えないソフトな打球感でした。

>>>オンラインショップページ(FX500ツアー)はこちらへ
-----------------------
Eゾーン98は、なんでもこなせる完成されたラケットですが、今回の試打でもその良さを実感しました。リターン時の、沈める、ロブ、ストレートアタックどれもミスなく打てました。

>>>オンラインショップページ(Eゾーン98)はこちらへ
-----------------------
グラフィン360+エクストリームツアーは、回転の切れはナンバー1です。特に、サービスのスライスはスピードが落ちずに曲がります。

>>>オンラインショップページ(グラフィン360+エクストリームツアー)はこちらへ
-----------------------
ピュアアエロVSは、私のように遅いスイングでは太刀打ちできません。ポテンシャルの高いラケットですので、スイングスピードが速い攻撃的なプレーヤー向きです。(フラット系のサービスの威力はあったのですが、私には小技ができませんでした。)

>>>オンラインショップページ(ピュアアエロVS)はこちらへ 
-----------------------
ブレード98 16×19 は、一番重量を感じました。バランス320mm(エレベート、ピュアストライクも320mm、その他は315mm)と、今回試打した中ではトップヘビーで、私のプレーでは振り遅れが目立ちました。ですがフレームのしなりがあるので、ストロークの打ちやすさを感じました。

>>>オンラインショップページ(ブレード98 16×19)はこちらへ
----------------------
エレベート98は、まったく他とは違う打球感で、芯に当たった気持ち良さはナンバー1でした。ただ、ダブルスよりもシングルス向きのモデルのように感じました。ナチュラルガットを張ったら最高の打球感になる予感がしました。

>>>オンラインショップページ(エレベート98)はこちらへ
-----------------------
Vコア98は、想像していたよりも打球感を少し硬く感じ、Eゾーンとは対照的なラケットでした。ですがスピン系のボールに威力があるので、ストロークに自信のある方は、雁行陣でプレーすると良いと思います。

>>>オンラインショップページ(Vコア98)はこちらへ※ブラックカラーもございます
-----------------------
ピュアストライク16×19は、振り抜きが良く、切れのあるボールが打てる良いラケットです。(ボレーの柔らかいタッチが少し出しづらく、私のプレースタイルには合いませんでした。シングルスで使ってみたいラケットです。)

>>>オンラインショップページ(ピュアストライク16×19)はこちらへ
-----------------------
98平方インチ、305gのリキラケを使ってみて感じたのは
00平方インチ、300gの黄金スペックのようなパワーアシストはないものの、狙って打ったボールの方向、距離、回転のズレがなく、ここぞという場面での一発が裏切らずに入ってくれます。 ただし、十分な態勢を作らないとそれはかないませんので、体力、技力は必要になります。 黄金スペックだと、バックアウトが気になる方、自分のスイングでボールをコントロールしたい方、気持ち良い打球感を望む方はこの「キュッパーマルゴー(98インチ 305g)」のリキラケを使ってみてはいかがでしょうか。
 
【GEEK通信】【ダンロップ】「歯切れが良くてパワーがある大好物なラケットFXシリーズ誕生」
2020/08/28
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「歯切れが良くてパワーがある大好物なラケットFXシリーズ誕生」 
ダンロップから新しいラケットが発売されました。 
その名はFX500シリーズとFX700です。 
すでにダンロップからはCXシリーズとSXシリーズが発売しています。 
CXのCはコントロール、SXのSはスピン、そしてFXのFはフォースです。
 
フォース=チカラ=パワーがテーマです。 
スリクソンのレヴォCX3.0Fの後継機種にあたります。
 
今更ですが、3.0FのFはフォースだったんでしょうか。
(※調べてみたら「F」の意味は、「Fast(速い)」「Force(強さ)」からきているとのことででした) 
実はレヴォCX3.0Fを短い期間でしたが、マイラケットとして使ってました。

私中居は歯切れがよくてパワーがあるラケットは大好物なんです。 
そして今回発売したFXシリーズを観察してみると、前2シリーズ(CXとSX)にはフェース内側に「SRIXON」の文字がありましたが、今作ではそれはなくなり、シャフト内側に小さく入ってました。


住友ゴムが「SRIXON」テニスラケットを誕生させたのが2009年、それから約10年続いてきたのですが、100年以上続く「DUNLOP」ブランドの知名度には勝てません。

今作からダンロップを全面に打ち出したFXシリーズをチェックしていきましょう。
ラケット正面から見るとヨーク部分の逆三角形が大きくなっているのが目立ちます。
面のブレが少なくなり芯を外したボールも進行方向へ飛んでくれそうです。
グロメットの下のフレームに溝を掘る事で、食いつきを良くする「パワーブーストグループ」は大変手間のかかる作業です。
嘘ではないと思うのですが、グロメットが外せないようになっているので、目視による確認はできませんでした。
どのくらいの深さなのか気になります。
 
それでは、FX700、FX500LS、FX500の順番で試打していきましょう。
試打と言っても、自分の場合、ダブルスゲームをプレーしながらテストしていきます。
FX700は、107平方インチ、265gのラケットとは思えないしっかりとした打球感です。
サービスもボレーもパワーがあってよかったのですが、一番良かったのがリターンでした。

サウスポーの逃げるスライスサービスがスピードはないものの、かなり浅い位置に入ってコートの外に切れていきます。
ラケットの先端でやっと届いたボールをポール回しぽく、打ちました。
ネットかなと自分は思ったのですが、ギリギリネットを超えてエースになりました。
芯を外しても面ブレがなく、パワーアシストが効いたお陰です。
デカラケの部類に入るスペックですが、スポットを外してもボールは暴れることがなく、安心してハードヒットできました。
ダブルスを極めたい男子ベテラン選手や女性のアベレージプレーヤーには心強いラケットになるでしょう。
  


>>>オンラインショップページはこちらへ(FX 700)
----------------------
FX500LSは、FX500を軽量化したモデルですが、285gだからといって打ち負けることはほとんどありません。
逆に軽いメリットを随所に感じました。
相手前衛のポーチを近距離でボレーで返球できたり、バック側に上がったロブをバックのハイボレーでアングルに打てたり、重かったらきっとミスが出ていたと思います。



>>>オンラインショップページはこちらへ(FX 500 LS)
----------------------
FX500は、黄金スペックの王道をいっているラケットでした。
パワーがありながら、スピンがかかるのでボールの深さは調整が自在で、深く跳ねるスピンでネットに出ることも、スピンで沈めて相手にローボレーをさせることも簡単にこなせます。
パワーがあって、歯切れの良い打球感で、嫌な振動がなく、大好物のラケットでした。



>>>オンラインショップページはこちらへ(FX 500)
----------------------
ダンロップのストリングについても以前試打をしていてインプレのメモが残っていたので、報告します。

アイコニックオール(ベトナム製)は、ナイロンマルチフィラメントで、食い付きいが程よくありながら反発力もあり、バボラのアディクションに似た性能を感じました。


エクスプロッシブスピン(ドイツ製)は、6角形のポリエステルで、当然スピンはよくかかるのですが、ホールド感があり、スピン以外のコントロールショットも打ちやすく、テクニファイバーのブラックコードに似た性能を感じました。

エクスプロッシブスピード(ドイツ製)は、スナップバックのバックの威力があるのか、バウンド後の伸びを感じました。

エクスプロッシブツアー(日本製)は、これぞポリエステルというガッチリとした打球感で、芯をしっかり捉えた時はホールド感があり、攻撃的なストローカー向きのストリングに仕上がっています。 

今回試打出来なかった、FX500ツアーは次の機会にインプレします。
 
【GEEK通信】「地球環境、テニス環境、お財布環境すべてを保護するボールレスキューとは。」
2020/08/21

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。

ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 

テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「地球環境、テニス環境、お財布環境すべてを保護するボールレスキューとは。」
 
ケビン・アンダーソン選手、マルティン・デルポトロ選手、アンディ・マレー選手の現在のランキングを足すといくつでしょうか。
※新型コロナウイルス(COVID-19)の影響で一時的に凍結されています
 
ヒント、ランキングの下一桁がそれぞれ3、8、9です。

答え、380です。

なんと、123位、128位、129位、とグランドスラム予選レベルで競いあっているのです。

アンダーソン選手はグランドスラム準優勝2回、最高ランキング5位、膝の怪我で離脱中。
デルポトロ選手は全米オープン優勝、最高ランキング3位、膝の怪我で離脱中。
マレー選手は、グランドスラム優勝3回、最高ランキング1位、股関節の怪我から復帰中。
 
怪我は突然やってきます。
私中居も膝の怪我で2ヶ月離脱しましたが、徐々に復帰しています。
まだまだ満足に走ることができないので、一緒にプレーする方に迷惑をかけてしまいます。

そこで今気になっているアイテムが二つあります。

一つは自動球出し機の「スリンガーバッグ」で、

もう一つはプレッシャーボール復元器の「ボールレスキュー」です。

スリンガーバッグがあれば、一人で練習することができ、誰にも迷惑をかけずにリハビリテニスができるのです。

その際に使用するボールも空気の抜けたものではなく、新品と同じバウンドをするボールを使いたいのです。

今回は「ボールレスキュー」について掘り下げてみたいと思います。


まだフェルトが綺麗なのに、エアが抜けてしまって使えないことってあると思います。

プレッシャーボールは1.8~1.9気圧がボールの内部に圧縮されていて、封を切ると、徐々に抜けてしまい、数週間で弾みが悪くなってしまいます。

フェルトがツルツルになるまで、使ったのなら廃棄しても元を取った感がありますが、一度使っただけでも、数週間経ってしまうともう使えません。

テニスボールの原料は、ゴムと化学繊維と羊毛でできています。

再利用はできないので、ゴミになるしかないのです。

学校の椅子の足にはめて、音がしないようにしているところもあるみたいですが、ほんのわずかな数にしかなりません。
 
そこで、テニスボールのエアを抜けなくするか、抜けたエアを入れ直すことができれば、ゴミになるボールの量を減らすことができます。

※エアを抜けなくするには、使用後に「ボールセイバー」に入れる方法がありますが今回は割愛させていただきます。
 
今回ご紹介するアイテムは、一度抜けてしまったエアを元通りに戻すことができる優れもの「ボールレスキュー」です。
このアイテムを輸入販売している松田コーチとは以前にシングルスの試合をしたことがあり、それ以来知り合いです。

※過去に対戦したプレーヤー数百人の中で、自己ランキング1位です。

松田コーチに自己紹介とボールレスキューを販売するきっかけを伺いました。
----------------------------
*松田コーチ 経歴
学生時代より本格的にテニスを始め、一度は就職するも海外のトーナメントに出る夢を諦められず、オーストラリアへ長期留学。 試合に出ながら外国人コーチに指導を受ける中、日本とは大きく異なる指導方法に衝撃をうけ、様々な指導法、プレースタイルがあることを知る。 後に、ジュニア選手育成に携わりながら、日本テニス協会公認コーチの資格を取得。 理論と実践を融合させたレッスンを目指し、上達をレッスンとグッズでサポートすることを目標としている。
----------------------------

中居「 ボールレスキューを取り扱う経緯は?」

松田コーチ「人工芝等のコートで練習していて、フェルトは綺麗なのにボールの空気が抜けてしまっていてもう使えない。それってもったいないな。簡単に復活させる方法は無いものか?そう思っていた時に出会ったのがこのボールレスキューです。」

松田コーチ「さらに詳しく調べると、年間何億個ものテニスボールが廃棄されていて、まだ使えそうと思いながら廃棄するボールの量を減らすことにより、環境への負担を少しでも少なくできる。そんな取り組みに少しでも貢献したいと思い、取り扱うことを決めました。」



1年間で世界中で廃棄されるボールの個数は約4億個で、ボールのボトルは1億2500万個がゴミになっているそうです。

もし、週一回テニスをする方がボールレスキューを使用した場合、5年間で1200個のボールと300個の容器が無駄にならないそうです。
 
それでは、ボールレスキューの実力を試してみましょう。


コロナ自粛前に使用して3ヶ月経ったセントジェームスがあるのですが、フェルトは綺麗な状態なので、バウンドが正常であればまだまだ使えます。

1個(A)はボールレスキューに入れ専用のポンプで圧力を加えます。

もう1個(B)はそのまま放置しておき、2週間後にバウンド実験をしてみました。

わずかですが、バウンドに差が出ています。

正常なバウンドに戻すには、放置した時間と同じ時間、密閉しておかないといけないので、3ヶ月間放置したボールに対して2週間のレスキュー期間後に実験を行うと、効果はあるものの、正常なバウンドに戻すにはレスキュー期間が短かったようです。※3ヶ月ほど保管すれば正常なバウンドに戻るのでしょう
 
それはそうですよね、ペット缶から開けた段階からボール内部の1.8気圧のエアーが約1気圧の空気中に抜け出していて、3ヶ月経ったらボール内部はほぼ1気圧になっています。

そのボールの内部に気圧を戻すとして、ソフトテニスのボールの様に空気入れで送り込むわけじゃなく、2-3気圧の中にボールを閉じ込めて、ゴムの表面から空気を通過させてボール内部に気圧を戻さないといけないのです。時間はかかってしまいます。

コツとしては、使用したボールはすぐにボールレスキューに入れ、2気圧くらいで保存することです。

そうすれば、次のテニスの日程にかかわらず、開ければ新品のボールと同じ弾みになるはずです。


地球の環境のことは真剣に考えなければいけませんが、このボールレスキューは地球にも優しくお財布の環境にも優しい画期的なアイテムです。

ボールレスキューを1個販売するごとに100円を環境保護団体に寄付する仕組みになっています。

是非皆さんも環境保護にご協力ください。
>>>オンラインショップページ(ボールレスキュー)はこちらへ

※現在「オンラインショップ」と池袋店でのみ取り扱っております。その他店舗でご購入をご希望の際は直接店舗までお問い合わせ頂くか、オンラインショップで「店舗受取(支払)」をお選びください。
 
【GEEK通信】【ブリヂストン】「ブリヂストンさん、36年間ありがとうございました。」
2020/08/06
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「ブリヂストンさん、36年間ありがとうございました。」 
ブリヂストンが年内(2020年)をもってテニス事業から撤退することを発表しましたが、私がテニス関係の仕事についたのが1983年でブリヂストンがテニス事業をスタートさせたのが1984年でほぼほぼ同じ時間を共有してきたのと、個人的にもブリヂストンのIさんとダブルスのペアを組んでいたことがあったりと、ラケット、シューズ、ボールをヘビーに使わせていただいたので、思い出を振り返ってみようと思います。

ブリヂストンは創業者の石橋さんの名前を逆さまに英語にしたのは、知っている方も多いと思いますが、創業時は「ブリッヂストンタイヤ」という名称でした。
文字変換の間違いで「ブリジストン」となっていることがありますが、キーボード上では「J I」ではなく「D I」と打ち込んでください。
1984年にテニス事業に参入し、テニスラケットのB9とテニスボールのXT-8が発売されました。翌年に発売したB10/01は福井烈さんが使用し、大ヒットしグッドデザイン賞も受賞しました。
B10/01、B10/02、B10/03、B10MID、B10RなどB10シリーズでブリヂストンのテニスラケットはどんどん市場を広げて行き、硬派なテニスプレーヤーから支持される様になっていきました。
厚ラケ全盛の中発売したフラットフレーム設計のRV-1は、薄いフレームでも厚ラケに負けないパワーが出る画期的なラケットでした。
フラットフレームとは、普通のラケットにあるグロメットがはまる凹型の溝がなく、フラットな状態のフレームに全周繋がったバンパーグロメットを装着するもので、溝がないために内側に撓む動きが大きくなり、包み込んでから弾き出す画期的な構造でした。
新しいブランドながら、安易に厚ラケをコピーするのではなく、独創的な発想で勝負できるラケットメーカーになったのです。

アンチ厚ラケの方も多く、ブリヂストンの知名度は上がっていきました。 
現役時代の福井さんは、日本ランキング1位を9年間続けた無敵の選手で、引退した後にユーザーイベントなどで大変お世話になりました。
引退して10年くらい経った時に、あまりにも動きが良いので、聞いたことがあります。
中居「今でも現役に復帰したら、日本のトップを取れるんじゃないですか」
福井さん「誰も見たいと思わないでしょう」

きっと自信はあったと思います。 
ブリヂストンラケットを使用する選手も増えてきて、橘清孝プロ、小泉幸枝プロ、神尾米プロなどを輩出しました。
橘プロは1987年にデビスカップ代表になっており、長きに渡って活躍される選手でした。
小泉プロは、元日本ランキング4位で、全日本ベテランの40歳以上5連覇、45歳以上5連覇、50歳以上5連覇、55歳以上5連覇、60歳以上2連覇と22連覇を継続中で、それだけでも大変な記録なのですが、22年間、1セットも落としてないのが凄いことです。
もはや、同年代のライバルはナブラチロワぐらいではないでしょうか。

神尾プロは、世界ランキング24位と輝かしい成績を残した選手ですが、同時期に伊達公子さん、沢松奈生子さんが活躍していたので3番手の選手となっていました。怪我などもあり25歳の若さで引退しました。
引退後もブリヂストンと関わりを持ち、メディアの仕事や後進の育成に努めています。
 
大御所の田村伸也さんにも大変お世話になりました。
教え魔と言う言葉がよく似合う方で、いつもいつも熱いレッスンをしてくださいまして、終了時間が過ぎても話が終わらないのは日常茶飯事でした。
こんな逸話があります、レッスン終了後に飛行機で移動しないといけなかったのですが、その日はいつも以上に熱くなってしまい、結局、飛行機に間に合わなくなってしまったというのです。
それくらい熱いレッスンをされていたということです。

フラットフレーム設定の続編として、RZプロ、RZ、ZD-V、ZD-R、RV110R、RV100Tなどが発売され、自分も大好きだったBX、BXプロと続き、1994年に発売したプロビームはブリヂストン史上一番記憶に残るラケットとして今でも語り継がれています。
スロートに1本横バーを入れ、I型断面構造を採用し、電車の線路の様なH型にする事で、ねじれに対して非常に強い構造になり、ボールヒット時のブレを極限まで抑えることに成功しました。
伝説となったプロビームの魂を受け継いで2005年に発売されたXブレードは2020年まで続き、XブレードBX、XブレードRZで終焉を迎えます。


2012年に発売された4代目Xブレードに採用されたセプトングリップは画期的なアイデアでした。
通常のラケットのグリップは、、ラケット本体のカーボンの上にウレタンを八角形に成型しエンドキャップで蓋をする様に被せるのですが、セプトングリップは、特殊なゴムとプラスチックでエンドキャップを一体成型し、カーボンの上から差し込みます。
エンドキャップのぐらつきは一切ありません。

「BX」「RZ」と過去にヒットしたラケットのネーミングを持ってきたのはブリヂストンファンへのオマージュだったのかもしれませんね。
36年間、ラケット造りに一貫していたことは、ブームに左右されずに、ユーザー目線の打ちやすいラケットを妥協せずに造っていたことです。
ミーハーなラケットは造らず、硬派な印象があります。
 
ボールに関しても「XT-8」「ツアープロ」「NX1」はファンが多く、これじゃないと困ると思っている方も多いと思います。
XT-8の思い出は、やはり「毎トー」です。学生の頃からから、夏の大会と言えば毎トーで、毎トーと言えばXT-8でした。 
大変レベルが高く、早稲田の学生に当たったり、その後にプロになるジュニアに当たったり、ベテランになって出た大会では1回戦でシード選手に当たったり、負けてる記憶しかありませんが、良い思い出です。
真夏の大会で3セットマッチなので、ファイナルセットで記憶がなくなることもありました。
また、大会使用球のXT-8を持参する草トーがあったりして、テニスバッグに必ず1缶入れていたのが「XT-8」でした。
 
最後に、記念モデルラケットとして、形状はプロビーム、中身はXブレードBX、デザインは30周年記念で発売したBLACK×GOLDのXブレード310リミテッドで是非発売してください。
絶対買います。
 
36年間ありがとうございました。
【GEEK通信】【ヨネックス】「ラクラケ、アストレル3モデルで手強いベテランプレーヤーになろう」
2020/07/30

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

【ヨネックス】「ラクラケ、アストレル3モデルで手強いベテランプレーヤーになろう」


ヨネックスアストレルの3モデル(100、105、115)を試打してみました。

伊達公子さんは20代の頃からフレーム厚の厚いモデルを使用しており、ラケットのパワーを上手く利用したテニスを極めていました。
ライジングショットが持ち味で、体格の大きい外国人のパワーボールを速いタイミングで返球し、守っているようで攻撃していたのです。
大変高度な技術が必要なショットで、ラケットがそれを支えていたことは間違いない事実です。
1度目の引退から12年後に現役復帰し、それから10年間プレーを続けたのですが、ラケットのフェースサイズも大きくなり、フレーム厚も厚くなり、最後はアストレル105を手にしていました。 
そして、引退から3年、伊達さんとヨネックスが共同開発したラケットが完成したのです。


ターゲットは30代以上のテニス愛好者で、「テニスを楽しみ、好きになってもらえるラケット」をテーマに作り上げました。
ヨネックスと言えばアイソメトリックシェイプの四角いフェース形状ですが、一般的な円形フェースの場合、16本の縦糸のセンター2本が最も長く、一番ボールが飛ぶ場所です。サイドに向けて1本ずつ短くなっていきますので、徐々に飛びが落ちていきます。


アイソメトリックシェイプは、センター10本のストリングの長さがほぼ均一ですので、ど真ん中を外しても飛びがあまり変わらないのです。
また、リアクトレジン複合カーボンを使用し、粘りのある打球感を実現しています。
通常、軽量化するためにはカーボン繊維を強度化する必要があり、軽くなればなるぼど硬い打球感になってしまいます。
しかし、アストレルはカーボンを固める樹脂に着目し、高強度でありながら柔らかさを実現したのです。
接着剤に機能を求める発想が素晴らしいと思いました。
グリップには二つの機能を持たせています。
振動吸収素材のVDMとテーパーがかかったエルゴパワーグリップです。
VDMとは特殊なメッシュ素材をグリップ内部に装着し快適な打球感を実現するシステムで、VCOREプロとEゾーンに採用され高評価を得ています。
エルゴパワーグリップは、伊達さんの現役時代のコーチの提案で、力の伝達が良くなるテーパー形状を試して気に入ってからは、このグリップ以外ではプレーできないくらいになってしまったそうです。
握力の弱い方でも力が入り易くなります。


アストレル115、105、100の順に試打してみました。
【アストレル115】
普段使っているビタス115も柔らかい打球感なのですが、アストレル115はそれ以上にマイルドな打感でした。
手にした瞬間はラケットが短く(26.5インチ)ジュニアラケットのような感覚ですが、実際に打ってみるとパワーがあり、短いといえども打ち負けることはありませんでした。
ボレーやスライスなどの体の近くで打つショットは非常に安定していました。
16×17の粗いストリングパターンのおかげで、スイングスピードがなくても、スピンがかかり、苦しい体勢でも打ち負けません。

>>>オンラインショップページ(アストレル115)はこちらへ
-----------------------
【アストレル105】
次に打った105は、ストローク、ボレー、サービスどれを取っても打ち易く、まとまっている感じでした。
振動がここまでないと少し物足りなく感じてしまうくらいでした。
なんと言っても軽さのデメリットである、打ち負け感がなく265gでも十分にマジな男子ダブルスで使用できると思います。


>>>オンラインショップページ(アストレル105)はこちらへ
-----------------------
【アストレル100】
最後に今回のモデルから新設した100平方インチを打ちました。
100平方インチで280gの激戦区に敢えて挑んできたのには、理由がありました。
ほとんどの100平方インチ、280gのラケットは300gがメインモデルの軽量版です。
要するに、男性向けモデルのやや簡単仕様なのですが、アストレル100は逆で、105平方インチ、265gがメインモデルのしっかりタイプです。
しっかりタイプといえども、原型が「ラクラケ」ですから、振動がこない、良く飛ぶ、スピンがかけやすいなど簡単なのです。
27.5mmの厚めのフレームに16×18のスナップバックを狙った粗めのストリングパターンがそれを可能にしています。


>>>オンラインショップページ(アストレル100)はこちらへ
-----------------------
黄金スペックを使ってきた40代、50代の方にもっと肩の力を抜いてプレーすることを提案するモデルです。
決して初心者用ではありません。
厚ラケのパワーをコントロールする技術を持った人が使うラケットです。
デカラケ、厚ラケを上手く使いこなしているベテランプレーヤーって手強くないですか。
そのようなベテランプレーヤーになりたいあなたに使っていただきたいモデルです。

 
【GEEK通信】【ヘッド】「予想の遥か上を通過していくエクストリームデビュー」
2020/07/23

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

【ヘッド】「予想の遥か上を通過していくエクストリームデビュー」
ヘッド黒塗りラケットの正体は、グラフィン 360+エクストリームツアーでした。
エクストリームと言えば、フェース面積100平方インチでフレーム厚26mmと決まっていましたが、なんと、フェース面積98平方インチ、フレーム厚は上から22mm-23mm-21mmのまったく新しいモールドです。

2019年大躍進したイタリアのベレッティーニ選手が使用していて、より攻撃的にプレーできるモデルに変貌を遂げています。
従来のエクストリームファンの方も安心してください。エクストリームMPはまったくスペックの変更は無く、テクノロジーの改良のみになります。
追加されるモデルがエクストリームMPライトで、エクストリームSは大幅にスペック変更されます。
テクノロジーの改良は、5時7時の位置をしなるようにした 360+とスナップバック効果を容易にするスピングロメットとスナップバック効果を狙ったオープンストリングパターンの採用です。

グラフィン 360+エクストリーム全5機種を持って、いつものテニスオフに行きました。
エクストリームPWR → S → MPライト → MP → TOURの順でゲーム中に使ってみました。
「PWR」はいつも使っているビタス115とレヴォCS10.0と同じ、115平方インチなのでなんの違和感もなくゲームができました。上方向に広がるFANストリングパターンを採用しているので、上で打ったときにボールの食いつきが良く、スライスサービスはよく曲がり数本エースが取れました。

>>>オンラインショップページはこちらへ(エクストリームPWR)
----------------------
「S」は、2020モデルから105平方インチ、275gに変更になっています。打ってみると非常にボレーがしやすく、ハーフボレーやバックハンドハイボレーなどの難易度の高いボレーも難なく打てました。普段はやらないのですが、ハーフボレー時にドライブをかけてノータッチエースが取れました。あまりにもボレーが簡単なので思わず出てしまいました。

※エクストリームSについてはウインザーでは取り扱いがございません。あらかじめご了承ください。
----------------------
「MPライト」は、2020モデルから追加された285g、バランス325mmの「MP」の軽量版です。300gを使いこなせる方は「MP」でいいのですが、300gでスイングスピードが上がらない方は無理せずこの「MPライト」を使いましょう。このシリーズの最大の特徴はスピンですので、重たいものをゆっくり振るよりも軽いものを速く振る方がラケットの長所を生かすことができるのです。

>>>オンラインショップページはこちらへ(エクストリームMP LITE)
----------------------
「MP」は、エクストリームシリーズのやっぱり中心的存在で、パワーがありながら、スピンもよくかかり、攻撃的なプレーに自然となります。バックハンドのリターンの時に思い切りストレートに打ったら、前衛のすぐ横を通過してベースラインギリギリに入りました。相手はウォッチしたようでボールが入ったことにびっくりしていました。

>>>オンラインショップページはこちらへ(エクストリームMP)
----------------------
「TOUR」は、黒塗りで打った印象と大分違っていました。黒塗りの時はナイロンで今回はポリエステルで張ってあり、いきなり第一球目のリターンがネットのかなり下にいってしまいました。

>>>オンラインショップページはこちらへ(エクストリームTOUR)
----------------------
「PWR」「S」「「MPライト」「MP」は基本、従来のエクストリームのパワーがあり、簡単に打てる易しさもありました。「TOUR」には簡単に打てる易しさはありません。気を抜くとネットのかなり下にいってしまうのです。
プレステージMPやラジカルプロと同等なレベルだと思って打たないと、その性能は引き出せません。
ただし、その向こう側には、プレステージMPよりパワーがあり、ラジカルプロよりスピンがかかるとんでもないポテンシャルが隠されているのです。
  今回初めてエクストリームのデザインを見たのですが、グリップが黄色に唖然として、その黄色にペンキのようなグレーを合わせており、2度びっくりさせられました。
でも不思議なことにテニスが終わる頃には、カッコイイと素直に思う自分がいるのです。
性能もデザインも予想の遥か上を通過していきましたが、皆さんの評価が気になるところです。
【GEEK通信】【トアルソン 】「バイオロジックXX 128のサラサラ表面はXX(チョメチョメ)のためです。」
2020/07/17

-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

【トアルソン 】「バイオロジックXX 128のサラサラ表面はXX(チョメチョメ)のためです。」 
トアルソンのナイロンマルチフィラメント「バイオロジックXX128」が6月の売り上げベスト5に名を連ねていました。 
まだ試していなかったので、レヴォCS10.0に53ポンドで張り上げ打つことにしました。
■バイオロジックXX128
中央に細いフィラメントを組む構造で、反発力と耐久性、ウレタンにより柔らかさを兼ね備える。さらに糸の滑りを良くするコーティングを施しスピン性能を引き出した。ひと呼んで「上達マルチ」。
------------------
実は、ナイロンマルチフィラメントを打つことはあまりないのです。
私の中でのストリングのこだわりはスナップバックです。
ナイロン系は、縦糸と横糸の摩擦でノッチングができると途端にスナップバックが起こらなくなります。
厳密にはスナップはすれどもバックがなくなるのです。
ボールに回転をかけた時に、縦糸は横にスライドし、瞬時に元に復元する動作がスナップバックで、スピンのかかり、ボールスピードに大きく影響を与えます。
ポリエステルは表面がツルツルで素材が硬質のため、スナップバックが起こり易いのです。
ストリングには長所と短所があり、ナイロンマルチフィラメントとポリエステルにはそれぞれ違った良さがあります。
ナイロンマルチフィラメントは、なんと言っても柔らかい打球感でボールを潰さず丸いまま包み込むようなフィーリングがあります。
狙ったところに、ボールを運ぶようなコントロール性があり、深いボール浅いボールの出し入れがしやすく、ボレーのタッチも良いのでレベルを問わず使われているオールラウンドなストリングです。
ポリエステルは、インパクトの衝撃の大きさで反応の仕方が変わります。
強く当たると、ボールとストリングの接触した部分が凹むような感覚があり、食い付いた後にボールを押し返す動作が素早く起こります。
実際には、縦糸が横にスライドし、元に戻る動きで弾いているのですが、1000分の4秒で起こっている現象なので、凹んでいるように感じます。
ただし、インパクトの衝撃が弱いとストリングのスライドする動きは起こらず、硬いものにぶつかったようなフィーリングになり、コントロールもしづらく、手に残る衝撃も大きく感じます。

トアルソンのバイオロジックXX128は、2000年に発売したバイオロジック128の改良モデルです。
真ん中にモノフィラメントの束があり、その周りをマルチフィラメントで囲った構造で、しっかりとした打球感で、食いついてから弾き出すモノフィラメントとマルチフィラメントの良いとこ取りなストリングで、人気アイテムのゴーセンAKプロと張り合うアイテムです。 

今回の改良されたところは、スナップバックを起きやすくしていることです。フォーカスするポイントとして表面が「さらさら」しています。
ポリエステルは「ツルツル」、ストリング塗布剤は「ヌルヌル」でスナップバックを実現しています。
本当に「サラサラ」でスナップバックが実現するのでしょうか。
営業マンが熱く語ってくれましたが、ストリングの表面の摩擦を少なくする方法として、ツルツルより、サラサラしている方がスナップバックが起こりやすくなることを研究者が発見したそうです。
要はストリングの表面にサラサラになるパウダーをかけたみたいなイメージです。
ストリングの表面がツルツルしていると、密着してしまい動きが悪くなるそうです。
想像してみてください、2枚のピカピカのガラスを重ねると、くっついて動かなくなります。
2枚のすりガラスを同じように重ねて動かすと、動きます。
営業マンはきっとこのようなことを言いたかったのでしょう。
スナップバックへのこだわりが強く、マルチフィラメントを日頃あまり使用しない中居が試打をさせていただいて「サラサラ」の効果を判定したいと思います。 
バイオロジック128XXを張ったラケットで、目直しを一切やらずに4時間のダブルスをプレーした場合、ストリングの乱れはどうなるかチェックしたいと思います。

実際にプレーに使用したラケットは下記画像です。

画像の通り、ストリングの乱れはほとんどなく、「サラサラ」の効果が実証されました。
プレーの途中では、結構乱れがあり、「あれっサラサラ効果ないのかな」と思ったのですが、不思議なことに打っているうちに、元に戻ったのです。
過去の経験上、一度乱れたストリングが打っているうちに、元に戻る現象を見たことはありません。
「サラサラ」効果は本当でした。
通常のナイロンマルチフィラメントは、柔らかい打球感のため、歯切れの良さが失われますが、今回取り上げた【バイオロジックXX128】は、適度な柔らかさと歯切れの良さを併せ持っています。
 特に感じたのが、ボレーの時に食い付いた後の弾き出す感じがあり、綺麗なスライス回転がかかり、バウンド後に滑ってくれて相手は取りづらそうでした。
膝の怪我のため、久しぶりのテニスで強打ができない中、フォアスライスやロブを多用したのですが、ポリエステルではきっとミスをしているであろうボールがネットを越したり、前衛の上を抜くボールになったりしたのは、ストリングとボールの接触時間の長さがあったからです。
また、当てるだけでも弾いてくれるので、下半身の踏ん張りが効かない状態でもそこそこのボールが打つことができました。
バックハンドスライスの切れをよくしたい方やネットプレーで優位に立ちたい方にオススメです。また、体力があって、スイングの速い方ばかりではないと思うので、女性やベテランプレーヤーで少ない力でも切れを出したい方にはアシストしてくるでしょう。
 
タイトルのXXの答えは「スナップバック」でした。
スナップバックにこだわるプレーヤーも納得のストリングでした。 
今ならお試し価格で張れるキャンペーンをやっていますので、ぜひお試しください。
【GEEK通信】【ヘッド】「ヘッド黒塗り謎ラケを打ってみた。トラックマンによる数値計測も行なってみた。#全身スピン」
2020/07/10
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「ヘッド黒塗り謎ラケを打ってみた。トラックマンによる数値計測も行なってみた。#全身スピン」
黒塗りラケット、ダズル柄ラケットは、開発中のモデルを秘密にするものですが、ダズル迷彩が初めて世の中に登場したのが、第一次世界大戦のイギリス軍の艦船でした。
そもそも迷彩柄は、カモフラージュして発見されないようにするものですが、艦船のような大きなものは、すぐに発見されてしまいます。
そこで、ダズル迷彩にすることにより、前に進んでいるのか、後に行っているのか、船尾の向きはどこを向いているのかを迷わす効果があるのです。
ウイルソンが2018年ダズル柄のラケットに挑戦しましたが、テニスラケットではほとんどが黒塗りを採用しています。 私が初めて黒塗りラケットを目撃したのは、1983年にジミーコナーズが開発中の新しいラケットを試合で使っていた時です。
コナーズはスチール製のT-2000を使い続けており、時代はすでにカーボン素材でフェース面積も少し大きいものをほとんどの選手が使っていました。
コナーズも30歳を越え、ベテランとなっていましたので、いつまでも石器時代の武器では戦えない状況になっていました。
黒塗りラケットの正体は、プロスタッフミッドで、当時6万円と非常に高額でしたが、ダブルブレイド製法を用いた魅力的なラケットでした。
その後、開発途中のラケットを試合で使う場合に黒塗りが使われるようになりました。
以前、某メーカーのラケット開発に協力して試打をすることがあったのですが、1本のラケットを決めるのに、10数本の黒塗りラケットを打ってラケットの評価をするのですが、これが中々難しいのです。
すでに発売されているラケットの評価をする場合は、デザインからくるイメージや固定観念があり、それに対して味付けをするような作業になります。
それが、まったく先入観の無い状態で試打をするのは、目隠しをして料理の味見をするようなもので、大変難しいことなのです。
舌の肥えた料理人なら目隠しをしても正しい判定をすると思うのですが、難しいことです。
黒塗りラケットの評価も大変難しいものなのです。
今回黒塗りのラケットをテストする機会がありましたのでGEEK通信でお知らせしたいと思います。 先にも述べましたが、何も先入観がないとまったく的外れな評価をしてしまう可能性があるので、最低限わかることはギーク調べをしてみました。
ブランドはヘッド、ストリングはポリエステルで面圧50、張り上がりの状態で、フレームの硬さ(RA値)65、フェース面積98か100平方インチ。※その他部分も調査しました ヘッドのラケットで、モデルチェンジをする可能性が高いのは、グラフィン 360+の新素材を使っていない、エクストリームシリーズ、インスティンクトシリーズ、ラジカルシリーズですが、エクストリームとインスティンクトはフレーム厚が26mmで発売してきましたので、22mmだと大分違っていきます。
ラジカルシリーズか、それともまったく新しいシリーズか、、、謎の多いままテストをすることになりました。 トラックマンのデータは嘘をつかないと思い、ヘッドの代表的なモデルのデータを取り、比較してみることにしました。
実はこの日は、膝の怪我からの復帰第一戦で、ちゃんとデータが、取れるのか不安でした。
案の定、フォアハンドストロークは、まともに当たらず、スピードは100km出ないし、飛んで行く方向もめちゃくちゃでした。
怪我の間、1ヶ月半、苦手なバックハンドの素振りをやってきました。
その甲斐あって、フォアハンドに比べ安定したボールが打てるようになっていたので、バックハンドストロークですべての試打を行うことにしました。
-----------------------
【試打ラケット】
①黒塗りラケット
②グラフィン 360+スピードMP
③グラフィン 360 エクストリームMP
④グラフィン 360+グラビティMP
⑤グラフィン 360 ラジカルMP
⑥グラフィン 360 インスティンクトMP
-----------------------

を10球打ってスピードとスピンレートで、比較してみました。
※画像も掲載します 黒塗りラケットの結果は、スピードではエクストリームMPに次いで第2位、スピンレートでは第1位でした。
打球感は硬くなく、球のりの良さを感じ、中味の詰まった感触でした。
ダイアデムエレベート、バボラピュアアエロVS、ヨネックスVコア98などのラケットに親近感を抱くラケットでした。
インパクトからフォロースルーにかけて、厚い当たりで一押しできる感覚で、回転を掛けながらもスピードが落ちない感じがしました。
今回比較したグラビティMPとボールスピードはまったく同じで、(107.7km)スピンレートもかなり近い数字でした。(1373と1315)
ただしレングス(着弾地点)がグラビティMPが18.8mに対して、黒塗りラケットは21.3mでした。
ベースラインまでの距離は23.77mですので、黒塗りラケットの方が深くて良いボールになっています。
その理由として、グラビティMPの方が球離れが早く、打ち出し角度が低く(5.9度)、黒塗りの方は一押しできる分、打ち出し角度が高く(7.2度)なっているからです。

その差が2.5mの距離に出ているのです。
黒塗りラケットは、ウエイト、フレーム厚、打球感から上級者向けであることは間違いないでしょう。
ただ病み上がりの自分でも、十分にその性能の良さを感じ取ることができたので、決してプロ専用みたいな難しいラケットではなく、高性能ながらも意外と優しさも併せ持ったラケットに仕上がっているのではないでしょうか。
早く完成品のデザインが見たくなってきました。
【GEEK通信】「騙されたと思って打ってみて!ラクラケはプラスが色々」
2020/07/03
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
 -----------------------

「騙されたと思って打ってみて!ラクラケはプラスが色々」
ラケットのカテゴリーは大きく分けて、3つに分類されます。
プレーヤーの体力、経験、プレースタイルは人それぞれ違います。
体力に関しては、0~100までとして自己判断で判定します。
0~50は、あまり体力がある方ではなく、ハードヒットはほとんどしない方。
51~80は、平均的な体力の持ち主で、余裕があればハードヒットしていく方。
81~100は、体力には自信があり、左右に振られても安定してハードヒットできるフットワークを持っている方。
経験に関しては、テニス歴や中級、上級とは少し違っていて、こういうボールに対してこういう風に打てばこうなるというのがわかっていること。
例えば、左ききのサービスをフォアハンドでリターンすると、思ったより右方向に飛んでいくといった経験値がどれくらいあるかがラケット選びには重要です。
プレースタイルに関しては、ストローカー、ネットプレーヤーだけでなく、ストローカーの中でも、後ろに下がってスピンで粘るのか、ベースラインより中に入ってライジングで攻撃するのかとか色々なスタイルがあると思います。ネットプレーヤーも威力で押す方もいれば、アングルやドロップなどのテクニックを使う方もいて、軸になるショットによってラケット選びも変わってきます。
プレースタイルは蓄積された経験で変わっていくもので、自分で変えていくことができるファクターです。
体力は、努力次第で向上させることはできるかもしれませんが、何もしないとマイナス方向に進んでいきます。 テニスのためにトレーニングをするストイックな方もいらっしゃいますが、健康維持のためや趣味としてテニスをしている方の方が圧倒的に多いと思います。
私中居も体力の衰えは、経験と道具でカバーしていきたいと常日頃思っており、合法的であれば、飲むし、身体に装着するし、ラケットもころころ替えています。
第一に体力、第二に経験、第三にプレースタイルを念頭に入れラケット選びをしましょう。 ------------------------
体力0~50に適したラケットは、「ラクラケ」(楽ラケ) →軽量、デカラケ、厚ラケのグループです。 体力51~80に適したラケットは、「ミンラケ」(皆ラケ) →300g、100平方インチ、中厚の黄金スペックのグループです。 体力81~100に適したラケットは、「リキラケ」(力ラケ) →300g以上、100平方インチ以下、中厚以下のグループです。 ------------------------
今回掘り下げるのは、体力0~50に適したラケット、軽量、デカラケ、厚ラケの「ラクラケ(楽ラケ)」です。 このカテゴリーに入る方は、電車で真っ先に座る人や遠回りしても、階段を使わず、エレベーターやエスカレーターを使う人です。
私もこのカテゴリーに入ります。
テニスにおいては、飛びが良く、相手に負けない安定感があり、軽量でありながらパワーのあるラケットが向いています。
相手のボールに負けない条件は、ラケットの重量を重たくするかフェース面積を大きくするかのいずれかです。重たくする選択肢はないので、フェース面積を大きくする一択です。
フェース面積110平方インチ~125平方インチ
ウエイト240g~265g
フェース厚26mm~30mm

の条件を満たすラケットがオススメのスペックなのですが、経験値が低い方はこのカテゴリーのラケットにいってしまうと、「パワー」をコントロールできずに バックアウトを連発してしまいます。
相手のボールの威力を利用する経験を積んでいないとコントロールできませんが、一旦そのコツを掴んでしまうと、ボレーやリターンはグリップを握るだけで、エース級のボールを打つことができます。
サービス、スマッシュは相手のボールの威力を利用できませんが、軽量でフェース面積が大きいので、力がなくても振り切れて、良いサービスが打て、スマッシュにおいても、スイートスポットを外しても返ってしまうことが多くなります。
ストロークは、コンパクトなスイングでもよく飛びますので、無駄な体力は必要ありません。
フェース面積が大きいので、スピン、スライスをかけやすいのですが、スイングスピードはゆっくりで、対角線上を転がすように打てるスライスは特に打ちやすいショットです。
もし、体力が50以上の方でも使ってみたいと思うのなら、ストリングをポリエステルにすると良いでしょう。
テンションを上げて飛びを落とすようなことはしないでください。テニスエルボーになる危険があるからです。軽量であることで、大きく芯を外した場合にラケットがぶれたり、押し戻されるような衝撃が生まれます。
適性テンションでポリエステルにすることで、スピンがかけやすくなるので距離のコントロールがしやすくなります。
私中居が黄金スペックから、「ラクラケ」に替えてよかったことは、
①サービスのスピードが10キロ速くなった。
②スピンのかかりがよくなった。
③苦しい態勢から勢いのあるボールが打てるようになった。
④リターンの位置が1m前になった。
⑤安心感からポーチに出ることが増えた。
⑥ボレーボレーで負けなくなった。
⑦ロブのミスが減った。
⑧一度も勝てなかった相手に勝てた。(シングルス)
⑨ダブルフォルトが減った。
⑩ドライブボレーが打てるようになった。
⑪スマッシュのバリエーションが増えた。(コース、球種)
パッと思いつくだけでこのくらいあるので、もっともっとあると思います。
ここからは「ラクラケ」のオススメラケットをご紹介します。
まずはスリクソンレヴォCS10.0
黄金スペックを使い続けていた自分に「ラクラケ」の良さを気づかせてくれた偉大なラケットです。
使いやすいことは知っていましたが、真剣に打ったことはありませんでした。
トラックマンのデータを取ると、スピード、スピン、コントロール全ての数字が黄金スペックを凌駕していました。 特にサービスは10km速くなりました。
ダブルスに必要なショットは全てグレードアップしました。
魔法がかかったようでした。

次に、スノワートビタス115
「ラクラケ」のデメリットは、フレーム内部の中空からくる打球感のものたりなさです。ビタス115は不思議と小さいラケットで打ったような芯がある打球感なんです。その理由は、こだわりのカーボン素材と違う4つのフレーム断面形状の採用からくるものです。フェースのどこで捉えたかがわかることで、どんなボールが飛んでいくか伝わってきます。原因不明のぶっ飛びを防ぐことができるのです。シングルスにも十分使えるラクラケです。

そして、ウイルソンクラッシュ108
100平方インチからいきなり115平方インチにすることへの不安は誰でもあることです。また300gからいきなり255gにすることへの不安もあるでしょう。そこで、108平方インチ280gでワンクッション置いてみるのも良いと思います。
特にクラッシュ108は、フレームのしなりがあり、「ラクラケ」特有のぶっ飛ぶ感じがあまりありません。やや広くて、やや軽いメリットを感じて、慣れてきたら本格的なラクラケにチャレンジすれば移行もスムーズです。
最近サービスのキレがなくなった。
やっと届いたボールがネットを越えなくなった。
スイートスポットを外すことが増えた。
後半になるとミスが出てしまう。
4人でのボレーボレーになると自分が先にミスしてしまう。
バウンド後の威力がなく攻撃されることが多い。
ファーストボレーが浅くなる。
バックのハイボレーが辛い。
スマッシュが遅れる。
ダブルフォルトが多い。
積極的にポーチに出れない。
などのお悩みがある方は「ラクラケ」を検討してみてください。
飛び過ぎる、打球感がぼやけるなどのマイナスポイントも当然ありますが、プラスポイントがマイナスポイントを上回れば替えてみる価値はあると思いますよ。
【GEEK通信】「適当に選んでいませんか?オーバーグリップテープでプレーが変わるかも」
2020/06/25
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「適当に選んでいませんか?オーバーグリップテープでプレーが変わるかも」
その昔、ラケットのグリップは天然のレザーでした。
まだオーバーグリップが無い時でしたので、レザーを直に握ってプレーをするのですが、やはり汗で滑ります。
しっとりした仔牛の牛革が注目されていたのですが、高級品なので、革磨き専用の油でお手入れしたものです。
私の記憶では、ビタス・ゲルレイティスさんが包帯のようなものを巻いて使っていたのが、オーバーグリップテープのはしりではないかと思います。
その後、粘着剤を染み込ませたガーゼを巻くようになり、ついに現在でもドライタイプの定番アイテムであるトーナグリップが発売されます。
今ではドライタイプ、ウェットタイプ、穴あきタイプ、凸凹タイプなど色々な種類がありますが、トーナグリップが発売されたときは、ウェットタイプはまだ発売されておらず、汗っかきのプレーヤーはオーバーグリップを巻き、そうじゃないプレーヤーはレザーのまま使うという図式でした。
恐らく初めてのウェットタイプは、バボラのグリプシーだったと記憶しているのですが、極薄タイプでオーバーグリップを巻いても太くならないという画期的なものでした。
この頃は、グリップサイズ3、4が男性の普通でしたので、テープを巻くことで太くなってしまうのを嫌う方も多かったのです。
現在のように「必ず巻くから、ワンサイズ小さいグリップにしておこう。」という発想はありませんでした。
その後各メーカーからウェットタイプのオーバーグリップが発売され、汗の吸収に優れたものや、フィット感に優れたものや、耐久性にこだわったものなど多種多様に進化していきました。
現在では90%以上(ギーク調べ)の方がオーバーグリップを使用しています。
大きく分類すると、ウェットタイプ、ドライタイプ、凸凹タイプの3つになります。
それぞれの特徴を知り自分に合ったものを見つけるのもテニス上達に必要なことです。 ウェットタイプは、最も使用率が高く、手のひらにピタッとくっつくようなフィーリングで滑り止めの効果抜群です。0.4mm以下の極薄タイプ、1.0mmの倍厚タイプ、汗の吸収を早めた穴あきタイプなどの種類があり、0.5mmから0.7mmが通常の厚さになります。
ドライタイプは、表面が乾いてサラッとしており、手のひらの汗を素早く吸収してくれます。汗っかきの方や気温が高くなる季節にはドライタイプが良いでしょう。ドライタイプは摩耗が早く、交換時期が早いので、大量パックがお得です。
凸凹タイプは、握力の弱い方や握りをしっかりさせたい方向きです。ラケットをクルクル回す方には、凸凹が引っかかってやりづらいかもしれません。
ここからは、個人的に好きなオーバーグリップを紹介していきます。 ウェットタイプは、柔らかくてクッションがあるものが好きなのでボウブランドのBOW001をよく使います。0.7mmと少し厚めでテープの伸縮性があり、巻くのが苦手な人でもシワがよらずに巻けます。
イギリスのブランドなのに日本製というのが不思議なところです。(インドネシア製もあります) ヨネックスのモイストグリップも甲乙つけがたいフィーリングです。0.65mmで、ウェット感、吸水性に優れています。
展開カラーがホワイト、パウダーピンク、ラベンダー、ウォーターグリーンと淡い色のみなのですが、恐らくこのフィット感を出すためには、このカラーしかなかったのかもしれません。
塗料の違いで同一アイテムでもフィーリングが変わってしまうからなのです。 一般的に白はウェット感が強く、黒はややサラッとしています。
ウェットタイプを使用しているほとんどの選手が白いグリップを巻いているのは、ウェット感重視のためなのですね。
ちなみにドライタイプはほとんど青系になるのは、ドライの定番のトーナグリップの使用率が異常に高いせいではないでしょうか。
ウェット感が最も強いのは、プリンスEXSPEEDⅡです。お買い得な6本入りもあります。 ウイルソンのプロオーバーグリップは、両サイドが斜めにカットしており、ハサミがなくても綺麗に巻くことができます。
錦織選手、フェデラー選手も愛用しています。 ウインザーオリジナルのWinzack A-W1Lも手前味噌ですがおすすめです。
リピーターが多く、フィット感の良さ、耐久性の良さ、コストパフォーマンスの良さで人気です。 ドライタイプは、色々使ってみましたが、あまり手に汗をかかないせいかグリップとの密着感が生まれず、自分には合わなかったようです。
ただ、トーナグリップだけは少し汗をかいた時に、不思議とフィット感が増し、グリップが安定しました。 ただ4時間でボロボロになってしまったので、耐久性は低めです。
30本入りがよく売れるのもうなずけます。
巻き始めが斜めにカットしていないので、そのまま巻く、ハサミで斜めにカットして巻く、斜めに折り返して巻くなどの工夫が必要です。 凸凹タイプは、ヨネックスツインウェーブがおすすめです。
穴あきのウェットタイプをベースにコブを2重に入れており、手のひらにの引っかかり方が絶妙です。
巻く時のコツは、重ねを少な目にすることです。
重ねを厚めにしてしまうと、凸凹と凸凹の距離が近くなってしまい指の収まるスペースがなくなってしまうからです。 Winzackオリジナルも4種類ありオススメです。
特に、A-W4Lはカラー展開が7色とあり、ホワイトとブラックには2本入りもご用意しております。 たかがオーバーグリップテープですが、されどオーバーグリップテープです。
ラケットと身体が唯一接している非常に大切な場所がグリップですから、プレーへの影響も大きいです。
当然、フィット感の劣化や汗の吸収も悪くなってきます。
色々試してみると好みの一品に出会えるかもしれめせんよ。
【GEEK通信】「ラケットの中身は詰まっている?それとも空洞?」
2020/06/18
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「ラケットの中身は詰まっている?それとも空洞?」
あるラケットメーカーのカスタマーサービスで長年クレームラケットの検査をしている方に話を伺いました。
中居「最近、中折れしているというクレームラケットが増えていると聞いてますが、実際はどうなのでしょうか。」 担当者Aさん「中折れすることはありません。もし、腰が抜けてることを中折れと言っているのであれば、そもそもクレーム対象ではなく使用過多による劣化です。」
昔の人は「腰が抜ける」と表現し、最近の人は「中折れしてる」と表現することがありますが、どちらもラケットの『ヘタリ』を表現しています。 ラケットの内部構造は、髪の毛より細いカーボン繊維を何万本も樹脂で固めて作られています。
真ん中は中空になってますので、中が折れることはありません。
ほとんどのラケットは中身が空洞なのです。

カーボン繊維は長繊維と言ってグリップから一周繋がっており、プロのレベルのスイングだと1球打つだけで1本位は切れているそうです。 何千球も打てば何千本も繊維は切れて、へたってしまいます。
プロは数ヶ月で交換する時期が来るそうです。
錦織圭選手は年間300本は必要と聞きました。
カーボン繊維は繋がっていることで、強度を保っているので、繊維が切れることで徐々にフレームがしなったり、捻れたりするようになります。
週一テニスで3年くらい使うと、新品との差が出てくると言われています。
ヘタリが出てくると、「飛ばない」「方向性が悪い」「振動が出る」「異音がする」等の症状が現れます。

ストリングが古くなると、同じような症状が出ますので、ストリングを張り替えても改善しない時は、ラケット本体のヘタリの可能性が高くなります。
気が付かずに使用していると、飛ばないものを飛ばそうと力んだり、まっすぐ飛ばそうと変にスナップを使ったり、振動で腕を痛めたりすることもありますので、気を付けましょう。
「振動が出る」「異音がする」場合は、ラケットのヘタリ以外のこともあるので簡単に直る場合もあるのでいくつかの疑いをチェックしてみましょう。 「グリップエンドの蓋が緩んでいる場合」
フェース面の上方にボールが当たると振動や異音がしたり、トスなどでラケットが倒れた時に「ビンビン」と音がする時はグリップエンドの蓋の緩みの可能性があります。
チェック方法は、蓋を外すための穴があるので、先の尖った針などで外します。
その蓋が無い状態で振動が出た時と同様の動作をして、振動が出なくなれば、蓋の影響ですので両面テープで再度蓋をはめ直します。
蓋がない状態でも振動が出る場合は、他のことを疑いましょう。
「ストリングの劣化によって振動が出る場合」
ストリングは使用頻度や時間の経過で劣化してきます。
振動が出る原因としては、ノッチング(摩擦でできるストリングの溝)によって縦糸と横糸が共鳴するように微振動を出してしまうことがあります。
チェック方法は、ノッチングをすべて外して手でストリングを叩いてみましょう。
外す方法は、横糸を上か下にずらすようにして溝から外します。
この状態で振動が無くなれば、ノッチングが原因ですので、張り替えをすれば直るでしょう。 
横糸をずらしても振動が出る場合は、ラケット本体に原因がありそうなので、外見にヒビなどが無ければヘタリの可能性が高くなります。 ラケットの構造は、基本的に中空になっています。
フェース面積110平方インチ以上でフレーム厚26mm以上のデカラケ、厚ラケはパッと見では大きくて厚いのでウエイトも重そうなのですが、中身を大きくくり抜いているので250g前後と軽量になっています。
逆に、フェース面積が98平方インチ以下で、フレーム厚も22mm以下の薄ラケは、パッと見は小さくて薄いのでウエイトも軽そうですが、実は重たく作っています。
よく薄ラケは中身が詰まった打球感という表現を使いますが、本当は中は中空で何も詰まっていないのですが、カーボンの層が厚く、デカラケに比べて中空の度合いが低いのです。
また、デカラケがラウンドフレームに対して、フェースの小さいモデルはボックスフレームを採用していることが多く、ボックスフレームは食いつきが増しますので、中身が詰まったような打球感により近づけているのです。 トッププロが使うラケットは、中空の内部に発泡ウレタンを詰めているケースがあります。 理由としては、腕に伝わってくる打球感がよくなったり、振動の余韻が減少したりすることと、ウエイト調整の意味合いもあります。
打球感に関してはプレーヤーの好みですので、中空のままの選手も多いようです。 トッププロのラケットのウエイトは、市販されているものよりも重たいものがほとんどで、選手の指定通りの重さ、バランスで作られています。
2017年伊達公子さんが引退される時に、記念モデルとして、実際に使っていたウエイト、バランス、グリップで発売されたものを見てびっくりしました。
アストレル105を使っていたのですが、市販品はウエイト270gでバランス330mmだったのですが、実際に使っていたのはウエイト355g、バランス302mmと85gも重たかったのです。 またジョコビッチ選手のように鉛を貼って調整する選手もいます。
希望の重さで作れるのだから、鉛を貼らなくても良いのではと思ったのですが、カーボンの量が増えてしまうとラケットの剛性が上がってしまい自分の好みの硬さにならないみたいです。
もし、選手のラケットに興味があればダイアデムのラケットを打ってみると良いと思います。 ボックスフレームのエレベートとラウンドフレームのNOVAには、中身にウレタンを詰めて作っているこだわりの選手モデルになります。 ウインザーでは横浜店、渋谷店、聖蹟桜ケ丘店、梅田店に試打ラケットを用意してありますので、お試しになってください。
もし、ラケット、ストリングに異常を感じた時は、お近くのウインザーまでお越しください。 専門のスタッフが対応しますので、お待ちしております。 メーカー検査になることもありますので、保証書も忘れずにお持ちください。
【GEEK通信】【ウイルソン】「Sラケの魅力再発見!クラッシュ、ブレード、ウルトラ三つ巴試打」
2020/06/11
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------
「Sラケの魅力再発見!クラッシュ、ブレード、ウルトラ三つ巴試打」
ここ最近気に入って使っているラケットの共通点は、ストリングパターンが16×18なんです。
スリクソンレヴォCS10.0しかり、スノワートビタス115しかり。 16×19が平均的なパターンですので、横糸が1本少ないのが好みなんです。
ジョコビッチ選手も市販モデルから横糸1本少なくしています。
ディミトロフ選手は18×17のオリジナルストリングパターンにしています。
横糸が少ないメリットは、スナップバックが大きくなることです。 スナップバックとは、縦糸が横方向にズレて元の位置に戻ってくる現象で、スピンのかかりと、飛びに影響を与えます。
縦糸が横方向にズレる時に、横糸との摩擦が発生し、摩擦が大きいとスナップバックが小さくなり、戻りも遅くなります。
スナップバックを活性化する方法は、
---------------------------
①ポリエステルを張る
②ストリングに潤滑剤を塗布する
③ハイブリッドで横糸を、細くする
(縦糸を細くすることでも、スナップバック効果は同じですが、縦糸の役割の飛びのコントロールに影響が出てしまうので、横糸を細くする方が賢明)
④横糸の本数を少なくする
---------------------------
ざっとこんなところです。
①から③は現在使用しているラケットに、手を加えるだけですので、すぐにでもできるのですが、④は今使用中のラケットの横糸を抜いて張るのではなく、元々18×16や16×15のストリングパターンのラケットを使うことです。
スナップバック効果がスピンに影響を与えるという内容の論文が発表されたのが2005年頃で、ウイルソンはいち早く縦糸より横糸が少ないストリングパターンのラケットにパテントを取得したのです。そしてSラケットと呼ばれるようになりました。
こうして発売されたラケットがスティーム99Sとスティーム105Sです。
初めて打った時は、大変驚きました。
いつもより上方向に飛び出し、「あっ、バックアウトか」と思った瞬間に急激にドロップし、ベースラインギリギリに着弾したのです。
スライスを打てば、ネットの下からホップするように伸びていきます。
スライスサービスを打てば、曲がり過ぎてフォルトの連続でした。
早速スティーム105Sを買ったのですが、良いこともいっぱいあったのですが、自身にとって使いこなせなかった部分もあり、半年使用して諦めてしまいました。
使いこなせなかったのは、飛び出し角度が思ったより上方向に出てしまい、相手前衛にポーチされてしまうのです。
また、当時はナイロンマルチフィラメントを張っていたので、数回使うと切れてしまったことです。
この原因は、ストリングパターンが16×15とかなり粗かったことです。
Sラケの第一弾だったので、「スピンエフェクト」の効果を広く周知させるために、あえてスカスカの16×15にしたのではないでしょうか。
その後はSラケと言えば18×16が当たり前のストリングパターンになりました。
縦糸を18本にしたことで、問題だった、飛び出し角度も打ち手の思った角度になり、ストリングの耐久性もかなり向上しました。
横糸16本も縦糸に対して2本少なく、十分スナップバック効果がありました。
このストリングパターン「18×16」で現在発売されているSラケ3機種を改めて比較してみました。
クラッシュ100S、ブレード98S、ウルトラ100Sにシンセティックガットパワー16(ナイロンモノフィラメント)を縦48ポンド横52ポンドで張り上げました。
Sラケは横糸を3ポンドから5ポンド上げることで、変形を防いでいます。
通常、縦糸を張った時にラケットフェースは少し横に広がります。横糸を張って元の形状に戻していきます。
しかしながら、Sラケの場合横糸が少ないので、元の形状に完全に戻らないので、横糸を強く張ることで横糸の少なさを補っているのです。
通常、縦糸18本のラケットは横糸が20本ですので、Sラケの18×16だと4本少ないので1本1ポンドとみなし4ポンド上げています。
クラッシュ100Sは、最もラケットのしなりが大きく、ストリングに食いついている時間も長くなります。ストロークでは、振り遅れてもクロスに持って行けそうです。ボレーでは、ミスはしませんが、なんとなく決まらないジレンマを感じます。体力があって足の速いシングルスプレーヤーで、相手より1球でも多く打ち返すタイプのシコラーには使って欲しくないラケットです。自分の苦手にするタイプなので、想像するだけでイヤになります。 ブレード98Sは、スピンも良いのですが、スライスがさらに良いのです。伸びるスライス、曲がるスライス、止まるスライスなどフレームの縦しなりが幅を広げてくれます。打球感が素直で、良いショットも悪いショットも包み隠さず伝わってきます。Sラケの中では、最もコントロールしやすいラケットです。スピン一辺倒ではなく、フラット、スライスを織り混ぜて試合を作るテクニシャン向けモデルです。
ウルトラ100Sは、反発力がありスピードボールで勝負できるラケットですが、スピンをかけないとバックアウトも気になります。ただし、スピンをかけた時の落ち方はものすごく、スティーム105Sを初めて打ったときの驚きを思い出しました。爆発的な反発力をスピンに転化すると、バウンド後の跳ね上がりが大きくなり、相手をベースライン後方に下げることができます。自分のフォームに合うのか、ボレーのしやすさは秀逸です。スライス回転を多めにかける打ち方なんですが、ボレーでもスナップバックが起こるみたいで、吸い付いてから弾き出す感覚です。
今回は、ナイロンモノフィラメントを張りましたが、スナップバック効果と切断耐久性を考えるとポリエステルを張るのがベストではないでしょうか。
当然プレースタイルや好みに合わせて、ナイロンマルチフィラメントもナチュラルガットもラケットの性能を妨げることはありませんのであくまでも中居個人の感想です。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識 その2」
2020/06/05
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは
テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 
テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------
「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識 その2」
お客様より反響をいただいている「いまさら聞けないシリーズ」をお届けしたいと思います。 今回の最初のギモンはこちら。
『コントロールしやすいのは、硬いラケットそれとも柔らかいラケット?』
昔から硬くてしならない方がコントロールしやすい、やれ柔らかくてしなる方がコントロールしやすいと意見が分かれておりました。 でも、実際のところはどうなのでしょうか。
現在の柔らかいと言われているラケットでも、ウッドラケットの柔らかさに比べれば、さすがに硬くなっています。
柔らかい方がコントロールがしやすいとした場合、ウッドラケットの方が現在のラケットよりコントロールしやすいことになります。
でも、実際のところほとんどの人は現在のラケットの方がコントロールしやすいと思うでしょう。 ウッド→金属→カーボンとラケットの材質は変貌しましたが、硬く変形の起きない方向に進化しています。
インパクトを考えてみましょう。
ボールがストリングに当たってから離れるまでの時間は約1000分の4秒と言われています。
そのわずかな時間にラケットはどのような動きをしているかというと、打球が当たった方向と逆側にしなり、しなりの頂点辺りでボールは飛び出しています。
その後にしなったフレームは元に戻ります。 しなりが大きければ大きいほど、パワーを吸収していることになります。
しならなければ、入射角と反射角が近くなり、パワーロスが少なくなります。
しならなければ、パワーロスが少なく飛びがよくなり、スピードが出やすくなります。
厚ラケが生まれたのも、しならない(硬い)ラケットを開発する過程で生まれたものだと思います。
パワーに関しては、硬い>柔らかいで間違いないところですが、コントロールはどうでしょうか。
コントロールとは、狙った飛距離、方向(上下左右)が自分の意思の通り飛ぶかどうかです。 ※そもそもコントロールはラケットがするのではなく、プレーヤーがするものですが、プレーヤーの意思がラケットに伝達することでコントロールしやすい、しづらいが起こります。
柔らかいラケットは、しなることでパワーが下がりバックアウトが減ります。
バックアウトを気にしなくてよくなれば、サイドアウトとネットミスだけの問題です。
ネットミスに関しては、飛ばなくなってネットするというよりは、アウトを気にしてネットギリギリを狙うことでより起こると考えられます。
サイドアウトのミスは、ラケットの硬さによっての差はあまり大きくはないでしょう。
スイングスピードが非常に速い方が、ダウンザラインに打った時に、しなりが大きいラケットだと、しなった方向にボールが飛び出してしまい、サイドアウトしてしまうことはあると思います。
一般的にはスイングスピードが遅い方は、柔らかくしなるラケットの方が、飛びを抑えられバックアウトを気にせずフルスイングできるので、コントロールしやすくなるのではないでしょうか。
硬くてしならないラケットは、パワーは出ますが、バックアウトを気にして、スイングスピードを加減しなくてはいけないので、距離のコントロールは難しくなるでしょう。
スイングスピードを加減してコントロールするのは難しいのです。
無理なく続けられるフルスイングが9割りの力加減だとして、そこから8割りの力加減で打ったり、6割りの力加減で打ったりすることは9割りの力加減よりも不安定になります。
ただし、例外として、ラケットフェースの芯を外し、サイドに当たった場合は捻れが起きます。
柔らかい方がより捻れを起こしますので、ミスをすることが多いでしょう。
硬いラケットは捻れも少ないので、ミスヒットの場合も進行方向へ飛びやすいく、なんとか返る確率は高くなるでしょう。
(中居の見解) スイングスピードが遅い方は柔らかいしなるラケットの方がコントロールしやすく、スイングスピードが速い方は、硬くしならないラケットの方がコントロールしやすくなります。
-------------------------
続いてのギモンはこちら。
『フェースの大きいラケット、小さいラケットどちらがよりスピンがかかるでしようか?』
現在発売されているラケットのフェース面積は93平方インチから98平方インチが小さめで、105平方インチから120平方インチが大きめです。
平均は100平方インチになります。
「小さいフェース面積のメリット、デメリット」と「大きいフェース面積のメリット、デメリット」を考察していけば答えが見つかるかもしれません。
以上のメリット、デメリットから分かってくることは、人によってメリットはデメリットになることもあり、デメリットがメリットになることもあるということです。
では、スピンをかけるときに必要な要素を当てはめてみましょう。
①スイングスピードを速くする
②ストリングに食いついている時間を長くする
ひとつ目のスイングスピードを速くするは、小さいフェース面積のメリットの「振り抜きが良い」「体から遠い打点で打てる」が当てはまります。
グリップを支点に扇状にスイングするので、体から一番遠い方がスピードが速くなるので、遠い打点で打てることでスピンがよりかかりやすくなります。
二つ目のストリングに食いついている時間を長くするには、ストリングの長い方がよく、当然大きいフェース面積が当てはまります。
ストリングが長い方がスピンをかけるときに起こる「スナップバック」が大きくなり、よりスピンがかかることになります。
この二つの要素を合わせると、小さいフェース面積で縦糸が長いといいということになりますが、スピンをかけるときのボールが当たる軌道を考えるとそうとも言えません。
スピンをかける打ち方をすると、ラケットを下から上に振り上げますので、フェース面を横に使うことになるので、幅の狭いラケットフェースだとスポットを外した瞬間にミスヒットしてしまうのです。
逆三角形やホームベース型が、打点を遠くにでき、縦糸を長くでき、横幅も広くなるスピンに特化した形状になります。
(中居の見解)
スイングスピードが速い方で、遠くで打てる技術のある方は小さいフェース面積のラケットがよりスピンがかかり、スイングスピードが遅く打点が安定しない方は大きいフェース面積の方がよりスピンがかかるでしょう。
今回は、フェース面積に焦点を当てましたので、重さのことは考慮していません。
一般的に小さいフェース面積はウエイトが重たく、大きいフェース面積はウエイトが軽くなるので、大きいフェース面積のデメリットの「振り抜きがよくない」はウエイトによっては当てはまらないことがあります。
-----------------
おまけ、、、、
「小さいフェース面積と大きいフェース面積はどちらがボレーがしやすい?」もよく議論されます。
ボレーがストロークと違う点は、ノーバウンドで打つので、相手との距離が近く、準備の時間が短くなることです。
ストロークに比べ、スイートスポットを外すことが多くなるので、大きいフェース面積がボレーには有利になります。
ただし、ドロップボレーやアングルボレーは距離が長くなることが多いので、小さいフェース面積の方が打ちやすい方もいるでしょう。
メリットの裏返しがデメリットですので、自分に合ったラケットを決める際は総合的に判断してください。
 
【GEEK通信】「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(女子編)」
2020/05/28
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(女子編)」
男子選手に比べて、女子選手の最強って色々と考えてみました。
女子選手はプレーヤーとしての寿命の長さであったり、レジェンドになる前に引退してしまうことが多いことなどに気がつきました。
特にここ最近は、ケルバー、プリスコバ、ムグルサ、ハレプ、ウォズニアッキ、大坂なおみ、バーティと1位選手がコロコロと変わっています。
1968年のオープン化以降の1位の選手を確認していくと、強い選手にある特徴が見えてきました。
1位になった在位期間以外に、1位になった回数が多い選手は強いということです。
何度も何度もライバルが現れ、その度ごとにライバルを倒して1位になる、そんな選手は活躍する期間も永くなるし、当然1位の在位期間も永くなるのです。
1位になった回数の上位5名は、 1.クリス・エバート 9回
1.マルチナ・ナブラチロワ 9回
3.リンゼイ・ダベンポート 8回
3.セレナ・ウイリアムズ 8回※
5.シュテフィ・グラフ 7回
(※)現役プレーヤー

1位在位通算週間は、 1.シュテフィ・グラフ 377週
2.マルチナ・ナブラチロワ 332週
3.セレナ・ウイリアムズ 319週※
4.クリス・エバート 260週
5.マルチナ・ヒンギス 209週
(※)現役プレーヤー

グランドスラムシングルスタイトル獲得回数は、 1.マーガレット・スミス・コート 24個
2.セレナ・ウイリアムズ 23個※
3.シュテフィ・グラフ 22個
4.ヘレン・ウィルス・ムーディ 19個
5.クリス・エバート 18個
5.マルチナ・ナブラチロワ 18個
(※)現役プレーヤー
クリス・エバートとマルチナ・ナブラチロワの二人について語らないわけにはいきませんね。
ちょうどこの頃男子では、ボルグ対マッケンローのライバル対決で非常に盛り上がっていたのですが、その理由の一つとしてストローカー対ボレーヤー、右利き対左利き、紳士対悪童といった対照的なふたりだったことが応援する側が盛り上がる要因でした。
エバートはアイスドールと言われており、冷静沈着、正確無比なストローカーで、ナブラチロワはガッツ溢れるボレーヤーで、右利き対左利きというところもボルグ対マッケンローに似ており、見ていて楽しい対戦でした。
エバートはグランドスラムタイトル18個取っており、全仏オープン7回は未だ破られていない記録です。
また、グランドスラム決勝進出「34」も1位の記録です。
ナブラチロワも同じく18個のタイトルホルダーで、1983年には86勝1敗(勝率98.9%)の成績を収めています。
ナブラチロワの凄いところは、ダブルスでも活躍しグランドスラムで31回も優勝しています。
シングルス74連勝、ダブルス109連勝は共に破られていない記録です。
二人の対戦成績はナブラチロワの43勝37敗で、なんと80回も対戦しています。
12年間続いた2強時代を終わらせたのが、シュテフィ・グラフです。 シュテフィ・グラフは1987年に1位になると、翌年1988年にはゴールデングランドスラム(すべての4大大会とソウルオリンピック優勝)を達成し、1989年は86勝2敗とこの年は12セットしか落としませんでした。
破壊力のあるフォアハンドとぴょんぴょん飛び跳ねる躍動感のあるフットワークはほとんどスライスしか打たないバックハンドの弱点をカバーして余りあるものでした。
あと何回グランドスラムを達成するのかと言われていましたが、1990年全仏オープンで彗星の如く現れた少女に決勝で破れます。
この少女とはモニカ・セレスで16歳6ヶ月の最年少記録を打ち立て、翌年には186週続いていたグラフの1位の座を奪ったのです。 セレスは1991年の全豪オープンから1993年の全豪オープンまでの9大会で優勝7回、準優勝1回、欠場1回と絶好調でした。
あの無敵だったグラフがダブルバックハンドの練習をしていたくらいです。
セレスのプレースタイルは、フォア、バックともに両手打ちで、片手打ちのグラフとは対照的でした。
軽量、デカラケ、厚ラケにハイテンションで張り、高い打点からフラット系のボールをライジングで叩き込むまったく新しいスタイルを構築した選手でした。
絶頂期の1993年に試合中のチェンジコートの際に、熱狂的なグラフのファンにナイフで刺され、2年半の欠場を余儀なくされます。
怪我は数ヶ月で完治したのですが、精神的な回復に時間がかかり、過食症になってしまったのです。
その間に1位に返り咲いたグラフは、セレス欠場中に7回のグランドスラム優勝を遂げました。
2年半後、ややふっくらしたセレスの復帰時に特別措置で、怪我する前のランキング1位と現在のランキング1位が存在するということが起こりました。
1995年の復帰戦でブランクを感じさせず優勝し、その勢いのまま、全米オープンの決勝でグラフと激闘を演じ、6-7.6-0.3-6と苦敗したものの見事に復活しました。
あの怪我がなかったら、セレスの記録とグラフの記録は違うものになっていたのではないでしょうか。
グラフとセレスは、エバートとナブラチロワに劣らない2強時代だったことには変わりないですね。
そして、セレスの最年少記録を更新する天才少女が現れます。
16歳3ヶ月で全豪オープンを優勝し、16歳6ヶ月で世界ナンバー1になったのは、スイスのマルチナヒンギスです。 マルチナはナブラチロワの名前にあやかって付けたそうです。
早熟の天才は、10代でグランドスラム5勝した後はシングルスでのタイトルはありません。
何故かというと、リンゼイ・ダベンポート、ウイリアムズ姉妹らのパワーテニス全盛となり、テクニックだけでは勝てなくなってしまったのです。
しかし、そこは天才と呼ばれる程、テクニック、センスはずば抜けていましたので、ダブルスで活躍していきます。 引退、復帰を繰り返しながら、2017年に3度目の引退をしました。
ただ、この引退の年に女子ダブルスとミックスで3度のグランドスラム優勝をしていますので、まだまだ復帰する可能性は0ではありません。(2020年現在40歳)
ヒンギスの後にナンバー1になったのは、リンゼイ・ダベンポートです。 バレーボール選手を両親に持ち、189cmと恵まれた体格からサービス、フォアハンドストロークから攻撃するパワーテニスの申し子でした。
1996年のアトランタ五輪で金メダルを取り、1998年全米オープンでヒンギスに勝ち、初のグランドスラムタイトルを取り、そしてナンバー1になったのですが、ここから波乱万丈が始まります。
トータル8回1位になるのですが、1998年から2006年の間に、カプリアティ、ビーナス、セレナ、クライシュテルス、エナン、モーレスモ、シャラポワがその期間に1位になっているのです。
ダベンポートの凄いところは、セレナが台頭しても、エナンが台頭しても、シャラポワ台頭しても、めげずに再度ナンバー1になっていることです。
ダブルスでも活躍したのですが、1998年ダブルスで年間グランドスラムを達成したヒンギスの影に隠れていますが、4つとも準優勝しているのはダベンポートなのです。
1999年のウィンブルドンでグラフを破って優勝を果たすと、グラフは引退を決め、その1か月後に1度目の現役引退。
再度復帰し2004年のウィンブルドンでシャラポワに負けると引退を匂わせますが、その後の大会でビーナス、セレナに勝ち連続優勝すると、引退を撤回。
2006年出産のため、休養に入り、復帰後もシングルス4大会で優勝し、2009年に第二子出産し、復帰後ダブルスで優勝し、ジェットコースターのような現役生活に終止符を打ったのです。
1995年の東レパンパシフィックの決勝で、伊達公子さんとダベンポートが対戦し、6-1.6-2で伊達公子さんが完勝したのを今でも思い出します。
(1996年伊達公子さんの1度目の引退の際の最後の相手は、当時16歳で翌年にナンバー1になるヒンギス。伊達公子さんの引退時のランキングは8位でした。)
セレナ・ウイリアムズは2002年にナンバー1になったのですが、その後勝てない時期があったり、怪我などで100位以下になることもありました。 31歳の時に1位に返り咲き、その後186週(3年半)その地位を守りました。
1位獲得回数8回、1位在位期間319週の記録は、未だ現役で、ランキング9位ですので、まだまだ伸びる可能性があります。
グランドスラムタイトルは23個でマーガレット・スミス・コートの24個についで2位の記録です。
セレナは男女合わせても達成者のいない「シングルス、ダブルスキャリアグランドスラム」を持っています。
オリンピック金メダル4個獲得もしていて間違いなく、史上最強女子プレーヤーです。
ちなみに、マーガレット・スミス・コートは1960年から1975年に活躍した選手で、グランドスラムタイトルはシングルス24、ダブルス19、ミックス21でトータル64個の記録を持っていますが、1968年のオープン化(1967年まではアマチュアしか参加資格がなく、オープン化以降にプロに転向)以降に限っての記録は、シングルス11、ダブルス10、ミックス7になります。
個人的な見解も大きく含まれてしまっているかもしれませんが、セレナ・ウイリアムズとシュテフィ・グラフが史上最強プレーヤーといったところでしょうか?
と言うことで、中居個人が選ぶ史上最強プレーヤーを発表しましょう。
史上最強ということは選手として最高であって欲しいし、若い選手の見本とならなければいけないと部分もあるのではないかなと個人的に思いました。
セレナ・ウイリアムズは、2009年全米オープンや、2011年全米オープン、2018年全米オープンなどで妨害行為やコートバイオレーションをとられています。
よって現時点での中居個人が選ぶ史上最強女子プレーヤーはシュテフィ・グラフにさせていただければと思います。 今後セレナウイリアムズがナンバー1になるとランキング1位回数9回でトップになります。
また、グランドスラムタイトルを取るとトータル24個でトップになります。
その場合、グラフを抜いて史上最強女子プレーヤーはセレナ・ウイリアムズにさせていただければと思います。
かなり独断と偏見がありましたが、いかがでしたでしょうか。
現在9位のセレナ・ウイリアムズの巻き返し、10位の大坂なおみの成長、1位のアシュリー・バーティはどうなっていくのか、 今後の女子プレーヤーの活躍に注目です。
【GEEK通信】「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
2020/05/21
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「歴代史上最強プレーヤーは、、、?(男子編)」
今回は、「歴代最強プレーヤーは誰か」をデータを元にピックアップしてみましょう。
(※)現役プレーヤー
世界ランキング1位に在位した期間は、
1.フェデラー 310週(※)
2.サンプラス 286週
3.ジョコビッチ 282週(※)
4.レンドル 270週
5.コナーズ 268週
6.ナダル 209週(※)
7.マッケンロー 170週
8.ボルグ 109週
9.アガシ 101週
10.ヒューイット 80週
世界1位だった期間が長いということは、最強を決める上で非常に参考になります。
ビッグ3が上位にいますね。

続いてグランドスラムを取った回数は、
1.フェデラー 20回(※)
2.ナダル 19回(※)
3.ジョコビッチ 17回(※)
4.サンプラス 14回
5.エマーソン 12回
6.レーバー 11回
6.ボルグ 11回
8.チルデン 10回
9.フレッドペリー 8回
9.ローズウォール 8回
9.コナーズ 8回
9.レンドル 8回
9.アガシ 8回
ビッグマッチに、勝てるかどうかも大事ですよね。
現役プレーヤーがトップ3を独占していますが、次はレジェンドプレーヤーにも焦点を当ててみましょう。
年間グランドスラムを2回達成しているロッド・レーバーも史上最強説のある選手です。
レーバーはグランドスラムを11回取っているのですが、年間グランドスラムを2回達成しているのにトータルで11回は少ないと思いませんか。
実は、テニスのオープン化が関係しているのです。
レーバーが最初に年間グランドスラムを達成したのは、1962年で24歳のアマチュアの時です。
翌年プロに転向します。
この当時はグランドスラムはアマチュアしか出場できなかったのです。
1968年にオープン化し、グランドスラムにプロも出場できるようになった翌年の1969年に2度目の年間グランドスラムを達成したのです
一番油の乗り切った25歳から29歳の5年間はグランドスラムに出場していませんので、もし出場していれば何回取っていたかわかりません。
当然その間は、プロで勝利を数々と上げていて、プロのメジャータイトルを8個取っています。
(全仏プロテニス選手権、全米プロテニス選手権、ウェンブリー選手権の3つがメジャー大会)
その頃、レーバーと実力を2分していた選手が、ケン・ローズウォールでレーバーより4つ年上で、21歳から33歳まではプロツアーに出場しており、グランドスラムにはその期間出ていないのに、グランドスラムを8回優勝しており、37歳で全豪オープンを優勝した最年長記録は未だに破られていない息の長い選手でした。
ちなみにプロのメジャータイトルを15個取っており、最多記録になっています。
最強を比較する上で参考になるのが、年間最高勝率です。
1.マッケンロー 1984年 82勝3敗(96.47%)
2.フェデラー 2005年 81勝4敗(95.29%)
3.ジョコビッチ 2015年 82勝6敗(93.18%)
4.コナーズ 1973年 87勝7敗(92.55%)
5.ボルグ 1979年 74勝6敗(92.50%)
5.レンドル 1986年 74勝6敗(92.50%)
7.ナダル 2018年 45勝4敗(91.84%)
8.ビラス 1977年 132勝13敗(91.03%)
9.マレー 2016年 78勝9敗(89.66%)
10.レーバー 1970年 51勝6敗(89.47%)

29.錦織圭 2014年 54勝14敗(79.41%)
もし、年間勝率1位だった年の選手(1984年のマッケンロー対2005年のフェデラーのように)同士が試合をしたらどんな試合になるのでしょうか。
想像するだけで楽しくなります。 ほとんどのデータで上位に来るのは、やはりフェデラーです。
最強プレーヤーはフェデラーで決定してよろしいでしょうか。
「ちょっと待ったー」の声がしました。
ジョコビッチ対フェデラーの対戦成績、ジョコビッチの26勝23敗はどうします。 ナダル対フェデラーの対戦成績、ナダルの24勝16敗はどうします。
歴代史上最強の選手が、負け越していてはなにかおかしいですよね。
問題は、歴代最強を争う選手が今もなお、現役で戦っているのでまだ最強を決められないことです。
ちなみに、ジョコビッチ対ナダルの対戦成績、ジョコビッチの29勝26敗とほぼ互角です。
現在のビッグ3の戦いは、レーバーとマッケンローとフェデラーが同じ時代で戦っているようなものでもあります。今はこの贅沢な時間を楽しみましょう。
ローズウォールは43歳でツアー優勝しています。
フェデラー、ジョコビッチ、ナダルも40歳過ぎてまだ戦っているかもしれません。
最強を決めるのは10年後にしましょう。
と言うことで、中居個人が選ぶマイフェバリットプレーヤーベスト5を発表しましょう。 第5位:ステファン・エドバーグ(1983年デビュー1996年引退)
サービスandボレーがカッコ良かったです。バックハンドのダウンザラインはお手本でした。
第4位:ジョン・マッケンロー(1976~1992)
1980年、1981年のウィンブルドンでのボルグとの死闘は伝説。ボレーの天才。ナイキのウエアを初めて着用した選手です。
第3位:ダスティン・ブラウン(2002年デビューの35歳)
ツアー優勝なし、最高位64位。
ドイツ国籍のジャマイカン。運動神経はモンフィスと同等。
サービスはトップクラス、ボレーのセンストップクラス、ストロークが淡白で、すぐドロップショットを打ってしまうのですが、負けてもスカッとします。
第2位:ロジャー・フェデラー(1998年デビューの38歳)
2001年ウィンブルドン4連覇中のサンプラスに勝ったのは衝撃でした。
サンプラスの7度優勝を更新する8度のウィンブルドン優勝。
10勝23敗だったナダルに、ラケットフェースを90平方インチから97平方インチにして、5連勝しました。
第1位:錦織圭(2007年デビューの30歳)
18歳の時、ツアー初優勝、全米オープンでフェレールに勝ち、AIGオープンで日本に凱旋。
その時にうちの子供がサインをもらい、それ以降ずっと応援しています。
2014年全米オープン準優勝の時に加入したWOWOWは今でも継続しています。
まだまだピークはこれから来ると注目しています。
おまけのマイフェバリットマッチ3選をお届けします。 第3位:ラファエル・ナダルvsダスティン・ブラウン
2014年ATPワールドツアー500ハレ(芝) 6ー4、6ー1でブラウンが勝った試合。
翌年のウィンブルドンでもブラウンが勝ち、ナダルが芝ではブラウンとやりたくないと言ったとか言わなかったとか。
全仏優勝後の初戦で、最強と思われていたナダルがボコボコにやられてしまい騒然となりました。
第2位:錦織圭vsロジャー・フェデラー
2014年マスターズ1000マイアミ 3-6、7-5、6-4で錦織が勝った試合。
最後のマッチポイントをジャックナイフでノータッチエースで決めたのがクール。
前年のマドリード1000でも勝っておりフェデラー戦2連勝を飾りましたが、この年、後2回対戦しており、しっかりフェデラーが2連勝してお返ししています。
第1位:錦織圭vsノバク・ジョコビッチ
2014年全米オープン準決勝
6-4、1-6、7-6、6-3で錦織圭が勝った試合。
ラオニッチ、ワウリンカと2試合連続で4時間越えの試合を乗り越え迎えたジョコビッチ戦、熱狂したのが昨日のようです。
勝てば決勝でフェデラーと対戦と思っていたら、チリッチが勝ってしまい、錦織圭vsフェデラーが幻になり残念な気持ちと、勝率が良いチリッチとの対戦にワクワクした気持ちで、決勝の前は眠れなかったことを思い出します。
いかがでしたでしょうか。
史上最強決定戦を生で観られるなんて幸せですね。
ビッグ3に挑んでいく錦織圭にもエールを送りましょう。
【GEEK通信】「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
2020/05/16
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。
-----------------------

テニスに関する仕事をして、30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っている
中居が担当いたします。
-------------------------------
「【月一企画】ショット別にラケットを考える第五回『スマッシュ』」
今回はスマッシュ、グランドスマッシュ、ドライブボレーについて考えていこうと思います。
アマチュアのダブルスはロブを打つシーンをよく見かけます。なぜかと言うと、スマッシュをきっちり決める人が少なく、まずは高いロブを上げておけば、ミスをしてくれるか、返ってきても対応できるレベルのスマッシュが多いのが理由と考えます。
では、なぜスマッシュをきっちり決められないのでしょうか。
スマッシュの練習量の少なさもありますが、グリップの握り方に問題があると思います。
基本のグリップはコンチネンタルですが、セミウエスタンくらいの厚いグリップで握っている方をよく見かけます。
コンチネンタルはサービスと同じグリップですので、まずはサービスの練習をしましょう。
私もよくやるのですが、コースを鋭角に狙いすぎてサイドアウトしてしまうことがあります。
まずはセンターにしっかり打つことからスタートしましょう。
次にグランドスマッシュですが、浅ければ打ちやすいショットですが、深く入ったときは途端に難しくなります。
フラットで強く打つとバックアウトすることが多くなりますので、スライス回転で深く打つことを心がけるのが良いと思います。
相手の動きを見る余裕があれば、オープンコートにエースを狙うのも良いと思います。
スマッシュもグランドスマッシュも高い打点だからこそ可能になるショットですが、肩から頭くらいの高さの場合はスマッシュができません。
ハイボレーをしても、相手のボールが遅い場合は決めきれないことがあります。
以前シングルスの大会ですべて緩い中ロブを打ってくる選手に対して、0-6で負けたことがあります。
中ロブをグランドストロークでエースを狙うのは大変難しく、結局私のミスで負けてしまいました。
この敗戦が悔しくて、練習したのがドライブボレーでした。
中ロブをダイレクトでボレーしても相手は足が速く取られてしまいます。
決めるためには、ドライブボレーしかないと考えました。
練習したことが無いショットだったので始めの方はネットばかりでしたが、中途半端に入れようとするより、思い切って叩く方が決まることがわかってからは、試合でも使えるようになっていきました。
個人的に考えるコツは、早めにフォアハンドストロークの時のセミウエスタンにグリップチェンジし、下方向に打たずに上に持ち上げるように打つことです。
それでは以上を踏まえて、スマッシュが打ちやすいラケットを考察してみました。
アマチュアの方のスマッシュミスの多くは、実はネットするミスです。  
【ヘッドグラフィン360ラジカルS ウエイト280g、バランス320mm】
柔らかい打球感で操作性が良く、スマッシュのみならず、ボレーのフィーリングも良くダブルス向き。
また、食いつきが良いのでドライブボレーにもチャレンジしやすいラケットです。 【バボラピュアドライブチーム ウエイト285g、バランス320mm】
言わずと知れたピュアドライブの15g軽量タイプ。
ピュアドライブだとパワーが出過ぎてしまう方には丁度いい塩梅です。 【ウイルソンクラッシュ100 ウエイト295g、バランス310mm】
しなるけれどねじれないラケット。バランス310mmと抜群の操作性能の良さが光ります。
グランドスマッシュはスライスをかけないと、バックアウトしやすいので要注意です。 スマッシュが得意になると、ロブが上がるのが待ち遠しくなります。
「お願い」から「任せろ」に変わりますよ。
【GEEK通信】「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
2020/05/15
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「ホームストリンガーはそんなに甘くない。でもチャレンジしてみる価値はあります。」
初めてガットを張ったのは36年前の22歳のときでした。
テニスブーム真っ只中で、明日までに仕上げなくていけないラケットが100本以上というのは日常茶飯事でした。
でもいきなりガット張りができるほど簡単な作業ではありません。
まずは、張り上がったラケットの仕上げをしないといけないのですが、これがまた中々大変です。
○ポンドシール貼り
○飾り糸装着
○ステンシルマーク入れ
○グリップテープ巻き
などの作業があるのですが、この当時飾り糸は必須でした。 緩まないように、引っ張りながら行うのですが、これだけずっと毎日もやっていると、人差し指の第一関節から出血してくるのです。
これはガット張りをするスタッフ全員が経験していく登竜門でした。
ちなみに何のためにやっていたかというと、ハッキリとした理由はわからないのですが、スムース、ラフが飾り糸の編み方でわかるようになっているとか、ガットが切れたときに飾り糸が切れたガットを掴むことで、しばらく打ち続けられるとか、ホントかウソかハッキリわかりません。(切れたガットでプレーするのは違反です。切れたときのワンプレーは問題なし。)
ただのカザリという説が有力でしたので、いつしかその風習はなくなりました。
飾り職人を数ヶ月続けたときに、先輩からラケットのガット張りを教えてもらえたのですが、お客様のラケットが張れるまでに、100本くらい練習しました。
それだけ、ガット張りは難しいのです。
また、当時のストリングマシーンは手動の2点固定のドラム式というモノで、張り方によって変形が頻繁に起こってしまうので、張り師の技術が重要でした。
縦糸に対して横糸は何パーセント落とすかの乱数表みたいのがあったり、プリストレッチを何パーセントかけるとか、変形させないように、緩みづらいように、色々と儀式がありました。
現在は電動式6点固定ですので、昔ほどストリンガーの上手い下手は無くなりましたが、それでも技術の差はあります。
日本では、分銅式→ドラム式、油圧式→電動式と進化していますが、海外ではコラム式(ぜんまい式)というシステムがあり電動式の手巻き版というものです。
1991年のUSオープンにストリンガーとして参加することになりました。 このときのオフィシャルストリングがテクニファイバーで、コラム式のマシーンだったのです。
初めて見た形式で、ドラム式だとハンドルを時計回りに半回転くらいするだけなのですが、コラム式は時計の逆回りに3回転半くらい回してぜんまいを巻ききるのですが、ぜんまい式のおもちゃでもネジを回すのに最後の方は力がいりますよね。
あの何倍もの力でぜんまいを巻き切ります。
※ボタンを押すと指定したポンドでぜんまいが戻り止まります。電動式の引っ張りに似ています。
ハンドルがクルクル勢いよく回るので初めのうちはよく手をぶつけました。
1日20本を1週間続けたのですが、時計と逆回りに力を入れるのに慣れてないので、途中からテニスエルボーみたいに、肘が痛くなって大変でした。
ストリンガーは9人で、3列に3台ずつの並びで、そのど真ん中が自分の場所で、前後、左右、斜め前、斜め後ろすべて外国人に囲まれてポツンと日本人一人だけでした。 日本では、ほぼ2本張りで張っていたのですがここ(USオープン)では1本張りがスタンダードでした。
ガット張りのためのツールは自前のものを用意するのですが、当時まだ日本ではあまり使われていなかったのでスターティングクランプを持っていっていませんでした。 回りの8人と同じ張り方にしないといけないわけではありませんが、[郷に入っては郷に従え]の通り、USA張りにしたのですが、この張りには必ずスターティングクランプが必要で毎回隣のストリンガー(マイクさん)に借りていました。
USA張りは、ショートサイド、ロングサイドが無くストリングの左右を同じ長さにして、センターにセットし張り始めます。
長さの取り間違えをしないので合理的です。
縦糸を最後まで張り、横糸はど真ん中から上と下に半分ずつ張ります。このときにスターティングクランプを使います。
ただし、この張り方(USA張り)はメジャーにはなりませんでした。
縦糸から横糸に移るところが10センチくらいあり、見た目もあまりよくないし、無駄にストリングの長さを使ってしまいます。 (もしかしたら、ゴーセン「張り人」張りの元になったのかもしれませんね。)
当時の経験で、ガット張りは選手の勝ち負けに直結するくらい大事なことを学びました。
選手のガット張りは必ず同じストリンガーが行い、試合時間の直前に張るので、第一試合からのときは、早出で会場に入ったりしました。 自分が張っている選手が日毎に減っていくのが、寂しい気持ちにもなりました。 日本に帰ってきて、二つ欲しいものがありました。
英語力とストリングマシーンです。
英会話教室は長く続きませんでしたが、ガット張りは奥深く今でも勉強は続いています。
選手がこだわっていたように、張りたてが一番気持ち良いのです。気持ち良いということは、良いボールが打てるということです。
もし、ホームストリンガーを目指す方がいらっしゃいましたら、少し高くても電動式のストリングマシーンをおすすめします。
今でも、分銅式やドラム式のマシーンはありますが、思った通り張り上げるまでに数百本は張らないとダメだと感じます。
6点固定の電動式なら変形も少なく、毎回の張りの誤差も少なく済むでしょう。
問題は元が取れるかどうかです。
大事に使えば何千本も張れるはずです。
お子様がテニスの選手を目指していて、ご自身もテニスをしている場合、間違いなく元が取れます
例えばストリングマシーンが20万円として、ロールガット約2万円、張り代約2000円とすると、63回で元が取れます。
月1回の張り替えペースで、5年ちょっとです。
社会人で週2回くらいテニスをしている方なら、2ヶ月から3ヶ月で張り替えるはずです。元が取れるのは10年後くらいになります。

ただ、経済的なことよりも
○張りたてで使えること。
○自分に合ったストリング、テンションを見つけやすくなること
の方が大きいと思います。
ただ、以下の方は宝の持ち腐れになることもあるのでご注意ください。
○日々忙しくて時間のない方。
○家にスペースのない方。(畳1畳分)
○作業があまり好きではない方。
○集中力が持続しない方。(30分から60分)
私の知り合いで、ストリングマシーンを持っているのにお店に張りに来る方がいらっしゃいます。
2人の息子さんと本人の3人がテニスをやっており、息子さん達は数日でガットを切ってしまい、2週間くらい放っておくと、4、5本切れたラケットが溜まってしまい、全部張るのに半日かかります。
自分のテニスができなくなってしまうので、お店に張りに持ってくるという具合です。
ガット張りの作業が好きな人でないと、、、ということです。
私はナイロン、ポリエステルは1ヶ月、ナチュラルは3ヶ月を目安に張り替えていますが、少し前に縦ナチュラル、横ポリエステルのハイブリッドで張ったのですが、雨上がりに一度使ってしまったところ、凄い振動が出るようになってしまいました。
面圧を測ってみると10ポンド落ちていました。
振動の原因は、縦糸のナチュラルが水分を吸ってしまい縦糸だけ緩み、横糸のポリエステルとのバランスが崩れてしまったのです。 こうなるともう張り替えるしか手立てはありません。雨の季節にはポリエステルだけを用意した方がいいですね。
もし、ホームストリンガーを目指そうと思っている方は、ウインザーオリジナルストリングマシーンを販売しております。(※2020年5月15日(金)時点) 6点固定の電動式で、20万円を切ります。スターティングクランプ(1万円相当)プレゼントなどの特典をお付けしております。
何年も使うものなので、故障したり、クランプの摩耗があったりします。
購入後のメンテナンスがしっかりしていますので、安心してお使いいただけます。
ホームストリンガーに憧れているあなた!
今がチャンスです。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
2020/05/07
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「いまさら聞けないテニスストリングの常識、非常識」
ストリングのテンションが緩い方が飛ぶ、とかテンションが強い方がスピンがかかるとか、ストリングは凸凹している方がスピンがかかるとか言われることがありますが、本当はどうなのでしょうか。 ストリングのテンションが強い、弱い、硬い、柔らかい、55ポンド、35ポンドなど色々表現方法がありますが、ラケットのフェース面積、ストリングパターン、ストリングの種類によっても違いがあります。 例えば、フェース面積115平方インチで16×18のストリングパターンのラケットに55ポンドで張ったときと、フェース面積95平方インチで16×20のストリングパターンのラケットに35ポンドで張ったときの仕上がり具合(面圧)はほぼ同じです。 ガット張りの強さの表現は【張力】と【面圧】があるので、今回の「強い」「弱い」は面圧を、基準に話をしていきます。
ひとつ目の疑問、
「ストリングは硬い、柔らかいで飛びがどう変わるか?」 についてですが、一般的に柔らかい方が飛びが良くなります。
トランポリンで飛び跳ねるのと、地面の上で飛び跳ねるのとでは、当然トランポリンの方が楽に高く跳ねることができます。 ガットも柔らかく張り上げた状態の方が、凹みが大きくなり、ボールがストリングに当たり、くの字型にたわんだ後に元に復元する力が働きボールを飛ばしてくれます。
ストリングを硬くすればするほど、地面のような状態になり、ストリングが凹んで元に戻る一連の動きは無くなってきます。
よって、ストリングは柔らかい方が楽に良く飛ぶが正解です。
ただし、柔らか過ぎると、ストリングが凹み過ぎてしまい、元に復元する力が弱くなってしまうので、30ポンド以下の場合、ラケットやストリングパターンによっては飛ばない感覚が生まれます。
また、硬く張った方が飛びが良いと言う方も結構いらっしゃいます。
硬く張った方が、球離れが良くスピード感が出るのと、ボール自体の反発力が硬く張ってある方が、「潰れて復元する」現象がより顕著になり、良く飛ぶと感じることもあります。
力に自信が無い方はそもそもボールはあまり潰れませんので、ストリングの硬さの強弱の影響が大きいようです。
二つ目の疑問
「ストリングの硬さ、柔らかさでスピンのかかりやすさは変わるのか?」 答えは、プレーヤーによって変わるが正解です。
科学的に実験した結果では、ほとんど変わらないが正解のようですが、スピンのかかり具合とそれをコントロールするのはセットで考えたいので、データだけではなくプレーヤーの感覚も重要になっていきます。
スピンボールを思ったところにコントロールできるかどうかは、ストリングの硬い、柔らかいで差がでてきます。
スイングスピードが速い方は、インパクトの瞬間、ボールがせんべい状になり、ストリングとボールの接触面積が増え、スピンがかかります。
ストリングが硬い方がボールが潰れやすく、プレーヤーの力加減で変化するので、コントロールしやすくなります。スイングスピードが遅い方は、インパクトの瞬間、ボールはほぼ丸いままストリングと接触するので、ストリングのたわみが大きい方が、球離れが遅くなり、スピンがかかりやすくなりますし、球持ちが良いことでコントロールしやすくなります。
言い方を変えてまとめますと、一般的には、
スイングスピードが速い方は、ストリングの面圧が高い方がスピンがかかるように感じ、飛距離のコントロールもしやすくなります。
スイングスピードが遅い方は、ストリングの面圧が低い方が長く捉えることができ、スピンをかける時間を確保できるようになります。 三つ目の疑問
「ストリングは凸凹している方がスピンがかかるのか?」 ナイロンでもポリエステルでも、スピンを謳っているストリングは、ネジってあったり表面が凸凹しています。
これは、何十年も前から凸凹している方が、摩擦係数が上がりスピンがかかると思われていたからです。
15年前くらいに、スピンがかかる原理が解明されて、実際には縦糸が横にスライドし、元に復元するスナップバックの効果が大きい方がスピンがかかることがわかったのです。
それでも凸凹したストリングが無くならないのは、プロの選手が使っていたり、独特のまったりした打球感が好きな方が多いのです。
プロの選手がスピンのかかりが良いから、スピンガットを使うということはまずありません。スピンをかける技術がなければ、プロにはなれませんので。
R・フェデラー選手は横糸にアルパワーラフを使用していますが、ラフ加工しているストリングは大体において打球感が柔らかくなり、食い付きを感じます。 アングルショットがサイドアウトしづらくなると聞いたことがあります。
もし、アマチュアの方で、スピンの回転量を上げたい一心でナイロンの凸凹スピンガットを使っていたら、逆に表面がツルツルしたポリエステルを使ってみてください。
約20%回転量が上がると言われています。
ただし、ナイロン凸凹スピンガットのフィーリングが好きな方は変える必要はありません。 スピンの回転量アップより、ミスをしないことが大事だからです。
どんなにハイテクノロジーのラケットでも、ボールと唯一接触できるのはストリングですので、色々試してベストマッチストリングを探してみてください。
【GEEK通信】「いまさら聞けないテニスラケットの常識、非常識」
2020/05/03
-----------------------
■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
-----------------------

「いまさら聞けないテニスの常識、非常識」
テニスを始めて数年が経ち、みんな普通に言ってるけど、意味がわからないとか深く理解していないとか間違って覚えていたとか色々あると思うのですが、 いまさら恥ずかしくて聞けないことってありませんか?
今回はそんなお悩みに答えていきたいと思います。
「ボックスフレームとラウンドフレームの違いがわからない」 まずは、ラケットのボックスフレーム、ラウンドフレームについてです。 フレームの断面に対して、ボックスフレームとラウンドフレームと区別しています。 ボックスと言えば、電話ボックスとかティッシュボックスとかの長方形を思い浮かべると思います。
ラケットのボックス形状も角が90度の四角形のことで、1980年代1990年代はほぼボックス形状が中心でした。
以前からラウンド形状はありましたが、ラウンド形状が流行り出したのは、バボラピュアドライブからなので、ここ20年というところです。
ウッドラケットからカーボンラケットに変わっていったのですが、ウッドの流れから「しなり」「食い付き」「ホールド感」というのは重要視されていましたので、柔らかさが出るボックス形状が主流だったのです。
ラウンド形状は、フレームの剛性を硬くでき、空気抵抗を抑えることができたので、パワーを生かしながら、スピンを増やせたので、エッグボールという新しい弾道が生まれ、アウトしそうな軌道から急激に落下しベースラインギリギリで着弾し、大きく跳ね上がりました。
このエッグボールを操ってクレーコートで暴れていたのがスペインのR・ナダル選手です。 ボックス形状とラウンド形状を比較するのにわかりやすいので、スクール消しゴムとスーパーボールを用意してみてください。 親指と人差し指で挟んで力を入れると、消しゴムはグニャッと変形しやすく、スーパーボールは変形しづらいと思います。
ラケットのしなりはカーボンの編み方で硬くも柔らかくもできますが、ラケットのフェース面が内側に引っ張られる変形は素材ではなく、形状で起こります。
ボックス形状は内側に少し小さくなるような変形が起き、ホールド感、手のひら感が起こります。 ラウンド形状はほとんど変形しませんので、パワーロスなく弾き出します。
どちらが良いのではなく、好みの打球感になります。
ボールを乗せて少し運ぶようにコントロールする方はボックスフレーム向きで、ヘッドスピードを上げてスピンで攻めていく方はラウンド向きです。
「ウエイト、バランス、スイングウエイトって何?」 ラケットのウエイトはわかるけど、バランス、スイングウエイトは何?と言う方は結構いらっしゃいます。
ウエイトは単純に全体の重量です。
バランスは、重心の位置のことで、釣り合うところから、グリップエンドまでの距離を測ります。
320mmをイーブンバランスと言って、数字が大きくなるとヘッドが重たいので、トップヘビー、数字が小さいとヘッドが軽いのでトップライトと言います。
ハカリを二つ用意し、ひとつはラケットのトップ部分を乗せ、もう一つのハカリにグリップエンドを乗せるとそれぞれにウエイトが表示されるのですが、トップヘビーのラケットはヘッドを乗せたハカリの数字が大きくなり、トップライトはグリップエンドを乗せたハカリの数字が大きくなります。
当然、二つのハカリの合計はラケットのウエイトと同じになります。
要するにバランスはラケットのどの部分が重たくなっているかです。
スイングウエイトは、動いている状態の動的ウエイトのことです。
もし、ラケットの真ん中辺りを握って振る競技ならスイングウエイトを測る必要はありません。ウエイトとバランスだけで十分です。
ラケットの一番端のグリップを握って動かすと、慣性モーメントが働きますので、スイングウエイトを測ることでプレー時の状態に近い感覚のウエイトがわかってきます。
ウエイトとバランスが同じラケットでも、スイングウエイトが違うことがあります。
ウエイトが300gでバランスが320mmのラケットが2本あります。
わかりやすくするために大袈裟に表現します。
①ラケットトップ部が125gでグリップ部が125gでバランスポイントが320mmのラケット
と、
②バランスポイント320mm付近に250gの重さが集中しているラケット があると仮定します。 ウエイト、バランスはまったく同じですが、スイングウエイトは、①の方が重たくなります。
ラケット内部の素材の密度や、樹脂の量の偏りは外見からはわからないのです。
スイングウエイトが大きい方が威力も大きくなりますが、操作性能は悪くなります。
同じスイングスピードで振ることができるならば、スイングウエイトが大きい方がパワーが上がりますが、もし、スイングスウエイトが小さいことで、スイングスピードが速くなる場合は逆転することもあります。
「ボールの威力=ウエイト×スイングスピード2乗」
ですので、ウエイトよりもスイングスピードの方が2乗で比例するので、ウエイトを軽くしてスイングを速くするのも簡単に威力を上げる方法です。
下記のように、ウインザー店頭ではスイングウエイトを計測する機械がございます。 「パワー=ウエイト×移動距離」の公式がありますので、軽いものより重たいものの方が威力が出るのです。
ラケットA:320g、バランス310mm、スイングウエイト285
ラケットB:280g、バランス330mm、スイングウエイト285 ラケットAとラケットBはスイングウエイトが285と同じですが、同じスイングスピードで振った場合ラケットAの方が威力が大きくなります。
ただしラケットBは40g軽いので、疲労が出る後半にスイングスピードが落ちにくいメリットがあります。
店頭でスイングウエイトを計測する最大のメリットは、同じラケットを2本そろえるときに、振った感覚が近いものを正確に選べることです。 同時に2本購入しなくても、1本目のウエイト、バランス、スイングウエイトがわかっていれば、2本目を購入するときに近いものを選んだり、1本目よりも軽いもの、重いものなど注文をつけることができるのです。
参考になったでしょうか、今回は以上です。